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2024年11月の読書メーターまとめ

skunk_c
読んだ本
6
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1812ページ
感想・レビュー
6
ナイス
478ナイス

2024年11月に読んだ本
6

2024年11月のお気に入り登録
1

  • Utsuro

2024年11月のお気に入られ登録
2

  • WATA
  • sekaisi

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

skunk_c
新しい訳出で、この四半世紀ぐらいに展開された論争を整理しながら、ナショナリズム、ネイション、そして著者が重視するエトノ=エスノについて説明する。訳者が解説に書いているように、概説書でありながらホブズボームなど多くの理論を紹介しながら批判しているので、かなり話が広がっている。ただし章立てが明確なので、そのテーマを意識しながら読むと見えてくるものはある。著者のエトノ重視の姿勢はここでも貫かれている。やはりナショナリズムはイデオロギーであり、人意の入り込む余地が多いため、著者の立場が極めて重要な意味を持つ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
6

skunk_c
独仏関係史を普仏戦争から書き起こすが、メインは第2次世界大戦後の、仏大統領と独首相の関係からみる政治的な動きで、お互いが多くの犠牲者を出し合った戦争の後でありながら、東西対立という条件の変化もあってか、連携を模索していく部分が特に興味深かった。当時の政治家や外交官の凄さを感じる(今の日本を見渡しても・・・)。その後もマクロンとメルケルまでそのリーダーの関係が述べられている他、青少年交流や文化・教育での連携にも触れられている。当然EUやNATOという枠組もあるが、フランスはドゴール以来の脱英米が強いようだ。
が「ナイス!」と言っています。
skunk_c
ちょうどゴルバチョフが出て東ヨーロッパからソ連が大きな変動期に入っている時期にタイムリーに出されたもの。上巻ではゴルビー中央政府の民族政策の拙さから始まり、中央アジアとザカフカスの複雑な民族・宗教構成とスターリン時代の強制移民、さらには各地の人口の増減などが絡み合って、まさにこの時期に民族的混乱と紛争が雨後の竹の子のように発生していたことを歯切れよく示している。特にザカフカスの3国とオセチア、ナゴルノ・カラバフ、アブハジアなどの複雑な絡み合いと相互関係が詳述されていてありがたい。移民政策の功罪も大きい。
が「ナイス!」と言っています。
skunk_c
下巻はいよいよ11月革命でボリシェビキが権力を握り、秘密条約を暴きはじめるところから。一方参戦を決めていたアメリカは英仏に気を遣うような外交をするが、ロシアが中欧帝国に屈するのではなく、革命が中欧に火の手をあげることを期待するような英仏の動きに同調する。レーニンのロシアは特にドイツに黙って屈服するのではなく、あくまでも戦争全部を終わらせるという建前的な動きを取っている。ここにウィルソンの14か条とレーニンの思惑が焦点を結ぶ。「民族自決」(といってもかなりヨーロッパ限定だが)は中欧帝国により打撃を与える。
skunk_c
2024/11/12 18:21

このようにして旧来の同盟型外交から新外交が誕生するというのが著者の見立て。興味深かったのがロイドジョージが労働党の会合で演説した内容。ぐっと左翼に寄り添っていき、ウィルソンの理想主義的な自由主義よりは現実的だが、ドイツで何か起こることを暗に期待するような内容。一方クレマンソーは全くそういう動きはとらない。このあたりからハイライトだった。ロシアの反ボリシェビキ内戦と干渉戦争にはほとんど触れておらず、ベルサイユ以降は著者は次作に回した(未訳)のでこれも何も書かれないが、この視点で描くベルサイユは読みたい。

が「ナイス!」と言っています。
skunk_c
新しい訳出で、この四半世紀ぐらいに展開された論争を整理しながら、ナショナリズム、ネイション、そして著者が重視するエトノ=エスノについて説明する。訳者が解説に書いているように、概説書でありながらホブズボームなど多くの理論を紹介しながら批判しているので、かなり話が広がっている。ただし章立てが明確なので、そのテーマを意識しながら読むと見えてくるものはある。著者のエトノ重視の姿勢はここでも貫かれている。やはりナショナリズムはイデオロギーであり、人意の入り込む余地が多いため、著者の立場が極めて重要な意味を持つ。
が「ナイス!」と言っています。
skunk_c
「はじめに」に「クルマで山道を走って峠を越える時、長いトンネルを抜ける時は『流域が変わったな』」とあり、まさに自分と同じ感覚と思った。よって非常に興味深く、一気読みした。地図にきちんと縮尺・メジャーが添えられているのも良い。愛知用水のようなメジャーなものだけでなく、四国の愛媛分水、香川用水など自分が知らなかったものもあった。特に愛媛分水は先日入り口までで時間切れ断念した別子銅山との関連も深そうなので、いずれじっくり訪ねてみたい。残念だったのはp.70あたりで河口湖が芦ノ湖に化けていること。惜しいなぁ。
が「ナイス!」と言っています。
skunk_c
1959年原著刊。第1次世界大戦中の各国の内政・外交の変化を史料を駆使して丹念に示している。特に興味深かったのが、イギリス・フランスの戦時体制が、ウィルソンの1917年冒頭の理想主義的な「勝利なき講和」から、ロシア3月革命とその後のソヴェトの動きによる「ストックホルム会議」の試み等の中で、結局政治的には左右分離しながらも戦争体制を維持していったプロセスだ。パスポートの発給拒否という英仏政府の対応が大きな鍵を握っていくが、その結果に対する当初の予測が様々であり、政治・外交過程として興味深かった。
曲月斎
2024/11/04 09:26

2冊組みの本ですかね。とりあえず、ポチリました。

skunk_c
2024/11/04 10:02

今2に取りかかっています。古い本ですが良書と思います。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/01/01(3626日経過)
記録初日
2015/01/01(3626日経過)
読んだ本
1388冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
378666ページ(1日平均104ページ)
感想・レビュー
1388件(投稿率100.0%)
本棚
25棚
性別
年齢
66歳
職業
教員
現住所
神奈川県
URL/ブログ
http://bluesknk.o.oo7.jp/
自己紹介

ブルースが大好きな高校教員。

仕事柄乱読の気あり。

2015年というきりのいい年なので、
試しにどのくらい本を読むものか、
記録してみようと思い立つ。

2015年は完読書163冊。ほぼ新書。
出先で読むので大きな本はなかなか進まない。
2016年は寝室に読みかけ本の収納棚を確保し、枕元に散らかるのを防止するつもりだけど、効果の方は全く未知数。
片付けが嫌いなもんで。

2016年は完読書137冊。仕事が劇的に増えたため読書時間が減少。
ロフトに読み終わり本収納棚をふたつ据えたけどすでにひとつ満杯。
もう2年は持つかなぁ。

2017年は完読書127冊。夜遊びの日に読めないので遊んでる証拠ですな。

2018年の完読書は129冊。かろうじて月10冊ペースを維持しています。

2019年の完読書は118冊。仕事は劇的に暇になったけど、その分車で旅行に出ることが多くなったため、かえって減少。でも比較的大物を何冊か読めました。

2020年も完読書は118冊。ただしWWⅡ関係の大物(500pクラス数巻)をいくつも読んだので、久々に日平均p数が100を超えました。

2021年は142冊。秋に家のリフォームで仮住まいしていたため、特に11月にペースが落ちてしまいました。

2022年は161冊。累計の1日あたりページ数が100を超えました。年末に書架を若干整理しましたが、まだあふれてます。

2023年は165冊。冊数・ページ数ともに新記録。12月の追い込みが効きました(笑)。

「お気に入り」と「いいね」について

「お気に入り」は感想を拝読して、書かれた方の見解がはっきりしており、それが自分にとって刺激的だったり響いた場合に付けさせていただいています。
自分と主義主張が異なる場合もあるのですが、「本」という媒体を通して、いろいろな方の考え方に触れることができるのは楽しいことです。
およそすべての事柄について考えが同じ人などあり得ないし、またすべての事柄について考えが正反対の人もあり得ないと思っております。
そして、自分の考え方と異なる考えの中に、自分にとっての新しい「気づき」がある場合が多いと思っております。

したがって、「いいね」も上のような基準でつけております。
自分と考えが異なっても、その本がどのような本かイメージできるような感想が好きです。
ひとりの読書家の感想を読んでいると、その人についての像が徐々に結ばれてきますが、その上で新しい感想を読むと、その本の内容が伝わってくるのです。

よろしくお願いします。

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