一方で政府は家制度を再構築し、親や先祖への服従が教育現場などで説かれるようになった。ホワイトカラー労働者により形成される新中間層では夫婦間、家族間の愛情関係が尊重された。高度経済成長期では国家や天皇への献身や家の後継者になることは価値を失っていき、平穏に生きる男性像が台頭し、家事の機械化などにより家庭内での母親の影響力が増した。政治の場では新たな「家庭」像が経済成長を目指す政策と連動しながら形成されていく。
「家庭」が国家や保守陣営に取り込まれ、革新陣営が対抗する言葉を喪失していく中で、「家制度の復活」ないしカモフラージュ、資本主義社会の基盤であるといった批判をしていた。70年代には家庭内暴力などで家庭そのものを問題とする視点が台頭し、家庭が不健全な空間とみなされていた。その後現在に繋がるまで国家は家庭への介入を強くしていく。
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