小学生だった頃のある日、学校で指定図書の販売があった。
必読図書さえろくに読んでいなかったが、母にお願いをして、本の注文をした。
届いた本は、何日もかけて寝る前に読んだ。
読み終わった時の達成感はなんとも言えない感覚だった。
本のタイトルは、十五少年漂流記。
あれから、約20年。
あの時の少年は、まだ見ぬなにかを求めて、むさぼるように本を読んでいた。
直木賞作品から、芥川龍之介、夏目漱石、シェイクスピアまで、必要だと思われる作品は、できる限り手にとって読んだ。
お兄さんから、おじさんへと呼ばれかたが変わってきた。今年で、31歳になる。
青年は、自分のことを文学と呼ぶことにした。
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