強烈だった。書店員の選ぶ本はやっぱり凄いなあと今さらながら感心してしまう。図書館で待ちに待ってようやく読了。遠距離恋愛で徐々にすれ違う男女の心の機微が生々しく書かれていて、自分の記憶のどこか深くを長い棒でこんこん小突かれるような鈍い痛み、そういったものが何度も襲ってくる。恋愛モノに感動することなんてまずないのになんたる不覚。納得の本屋大賞でした。

真珠湾攻撃の直前にハワイで見つかった男女の惨殺死体。捜査の最中に突如戦争が始まり、時代の激流に飲み込まれるマグレディ。彼のたどる数奇な運命と未解決のまま埋もれていく怪事件。国も時代も跨いだスケールの大きさに唸らされる。読むのにめちゃくちゃ時間かかったけどおもしろかった！

人命を優先するために銃殺された夫への無念を晴らすために動物園を訴えたローランドゴリラのローズ。ゴリラに人権はあるのか？はたしてゴリラは人間なのか？生い立ちパートと裁判パートの雰囲気が違っていて別作品を読んでいるような感じがした。言葉を覚えたゴリラを最初はちやほやもて囃して、さらにそんなゴリラを増やそうとするとそれを脅威と感じて邪魔する人類の愚かさが生々しい。

強烈だった。書店員の選ぶ本はやっぱり凄いなあと今さらながら感心してしまう。図書館で待ちに待ってようやく読了。遠距離恋愛で徐々にすれ違う男女の心の機微が生々しく書かれていて、自分の記憶のどこか深くを長い棒でこんこん小突かれるような鈍い痛み、そういったものが何度も襲ってくる。恋愛モノに感動することなんてまずないのになんたる不覚。納得の本屋大賞でした。

9年間の出征を経て帰国した金田一耕助。戦地で亡くなった友人の遺言を元に瀬戸内海にある獄門島へと渡る。本家、分家、網元。愛憎入り混じる島のきな臭い空気感がたまらない。横溝正史ってこんなにも面白いのか！とちょっとした衝撃。シリーズとしては本陣殺人事件に次ぐ二作目になるらしい。もっといろいろ読んでみよう。

とても淡白な文章。こねくりまわしたような表現がないおかげか読みやすかった。都内各所で発生する連続強盗事件と東北の山奥で起きる連続殺人事件。二つの事件を交互に追っていくのだが警察のお粗末すぎる捜査に失笑。昭和の刑事ドラマみたいでちょっと古いかな、と思っていたら1977年の作品でした。ど昭和。作中で「そして誰もいなくなった」の犯人についておもいっきりネタバレしてるのはどうなんだろか。

今回は裁判員裁判に絞った裁判傍聴記。タイトルにあるように検察側よりは弁護士側に寄せた作りになっている。傍聴しているとどうしても検察寄りに気持ちがいくので、弁護士側に立って傍聴するトロさんの感情が新鮮に思えた。以前から無罪判決を一度は目撃してみたいと何度も言っているトロさん。今回初めて無罪判決を傍聴できたそうで実に羨ましい。ソマリア海賊を裁く裁判は混沌としすぎてて凄かった。想像の及ばない異文化を前にして裁判員は大変だったろう。