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2024年10月の読書メーターまとめ

heaven of 19
読んだ本
32
読んだページ
8676ページ
感想・レビュー
16
ナイス
150ナイス

2024年10月に読んだ本
32

2024年10月のお気に入り登録
2

  • 名無し
  • kthyk

2024年10月のお気に入られ登録
3

  • 名無し
  • 石油監査人
  • kthyk

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

heaven of 19
結局この社会のなかにいるサイコパスとどう共生するかが問われる。「サイコパスの哲学へ」というタイトルでゲンロンカフェで千葉雅也さんと小泉義之さんと東浩紀さんが対談したことがあった。実際にサイコパスという性質を持つ他者と付き合うこと(その倫理観を変えることは難しい)が求められる場合もあるだろう。サイコパスは脳科学的に一般人と異なるので彼ら/彼女らに搾取されないように気をつけつつ自分がそうではないか?と思う人はなぜ自分はそうなのか?という問いを植え付け行動のレベルだけでも変えるようにしていくことが大切なのだろう
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
16

heaven of 19
『勉強の哲学』を再読。阿部幸大さんの『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』のなかで欲望年表の作成について触れられていたので、自分もその年表を作ろうかと思い再読。「勉強とは自己破壊である」というテーゼがやはり重要であり、勉強とくに「深い勉強」が誰にとっても勧められるものではないことは著者の考えとして重要なことのように思われた。でも何のために「勉強」するのか。このことが大事。阿部さんの本では「勉強」ではなく「研究」の方法論が解かれている。何のために?と問うことも脱根拠化として大事なのかなと思った
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heaven of 19
二度目の読みでは『ザ・サークル』に対する言及があるのが興味深かった。フィクションに言及することで、実際に論の説得力を増す仕方は自分も影響を受けるかもしれない。『ザ・サークル』は映画で見たのだがエマ・ワトソンが良い演技をしているように思った。実際にその映画のなかで描かれるような情報系のプラットフォーム企業が人々の可視性や透明性を大幅に上げることを良しとされる価値観のなかで仕事をし、そのなかでエマが演じるメイが段々その世界に染まっていくのは見ていて不安も感じた。その世界はやはり皮肉としてディストピアなのだろう
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heaven of 19
フェミニズムに対する説明として分かりやすい。現実に自分も「女性の身体」に対する尊重は意識していたのだけど、それについてはシス/トランスの関係で複雑なところもあり、自分自身も規範的な男性像に同一化できなくなりつつあるなかでの配慮だったのだと思う。「おかしい」ことは「おかしい」と思って言って良いというのは大切なこと。生物学的な性別(セックス)、社会的な性別(ジェンダー)、その人の性的な欲望のあり方(セクシュアリティ)を日本語の世界のなかでそれぞれ区別してどのようなものか腑に落ちさせるのは難しいことかもしれない
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heaven of 19
標題の姿勢は、この世界で強かに生存していくには必要だと確かに思う。「いい人」は既存の価値観を時としてそのまま内面化している人という意味で安冨歩の『ハラスメントは連鎖する』を想起するとインターフェイスのレベルでは外的世界に適応していてもインターフェイスと魂の接続が切れているケースがありこれが例えば親がスマホをいじって子どもとのコミュニケーションを取らないなどのネグレクトがある家庭を生じさせる(そしてその家庭からまた「いい人」は再生産される)。標題の姿勢はラディカルではあるがその姿勢こそが革新者を生むのだろう
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heaven of 19
監視スタディーズというものがあり、それについて知りたい人はこの本は読みやすいと思う。ジグムント・バウマンとデビッド・ライアンが対話している。実際に現代的な、それこそインターネットについても言及しながら、監視というものがどのような仕方で遍在化しているかということが読みやすい形で言語化されている。
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heaven of 19
解説に本書は学術的な論文で引用するものではないが、と書かれている。あくまでもマルチチュードの入門書であることを理解した方が良さそう。マルチチュードとは「多数的なもの」であり、それは言語活動と労働に関わっている。例えばTwitterではハッシュタグムーブメントがあったがそのように分人を起点として構成される社会的な連帯について考えたりするうえでも本書の内容は役に立つだろう。また、シモンドンの議論にも言及があるので、シモンドンとヴィルノの繋がりについて知りたい場合、日本語でアクセスできる貴重な書ということになる
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heaven of 19
現代メディア哲学と銘をうっているが、出てくるのは大体ベンヤミンの話。アウラが失われたこの世界のなかでどういう仕方でまた魔術的なものが残存していたり、という落合陽一的な問題関心とも繋がるところがある話があった。最後には今日のメディア技術にも言及がある。「もうひとつの現実」について考えるための理論的土台というところ。
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heaven of 19
『VR原論』は30年ほど前に書かれた本なので今からすると歴史的な価値しか持たない資料かもだが今回の版が出る際に新しいあとがきと対談が収録されていて今日のVRにも(これは系譜的にはAIとは異なるものらしい)射程が及んでいて読みたい方はぜひ読むと勉強になる。確か『ヴィクトリア朝時代のインターネット』の訳もされた方が著者。廣瀬通孝さんという東大のこの分野では有名な教授も対談には参加されている。またVRがもたらすコミュニケーションへの変化についてこの高齢社会のなかで身体の力の減衰を補うものがあると対談で話があった
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heaven of 19
会いたいと言ってくる人がいるので、そういう人はこの本を読んで欲しい(人となりを知って欲しい)という意味で書かれた本なので、ペルソナや脳の闇についての解説本ではなくいわゆるエッセイとして受け取る必要がある。実際にポスドクとして男性原理社会のなかで生きるよりは言語運用能力の高い(ここが重要だと言われている)タレントさんが出てるテレビのなかで生きる方が合ってると思って(一般向けに科学の内容をわかりやすく解説するのは悪いことではないという)その意味での転向を生きている人のようだ。暗黒はあまり知らなそうな人に見えた
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heaven of 19
結局この社会のなかにいるサイコパスとどう共生するかが問われる。「サイコパスの哲学へ」というタイトルでゲンロンカフェで千葉雅也さんと小泉義之さんと東浩紀さんが対談したことがあった。実際にサイコパスという性質を持つ他者と付き合うこと(その倫理観を変えることは難しい)が求められる場合もあるだろう。サイコパスは脳科学的に一般人と異なるので彼ら/彼女らに搾取されないように気をつけつつ自分がそうではないか?と思う人はなぜ自分はそうなのか?という問いを植え付け行動のレベルだけでも変えるようにしていくことが大切なのだろう
が「ナイス!」と言っています。
heaven of 19
アイデンティティについて書いてある。アイデンティティという話題において、ネットのコミュニケーション、いわゆるニューメディアと呼ばれているものも記述の対象となっている。「液状化するこの現実」のなかで、自分という存在の自己同一性というものがどこに存在しているのかということを問う思考自体に何らかの政治性が付随してしまうこともあるのかもしれないが、しかしアイデンティティについて考えるという思索そのものの誠実なあり方について想起させてくれるそうした本だった。
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heaven of 19
なぜ私は一続きの私であるのか、その問いにしたがって、書かれている。特に自分は「統合失調症における女性化」について書いてあるところがとても気になった。統合失調症になった人が自分が女性になるというそうした考えを持つことによって安定し、実際に彼が著者の言葉で言うところの「内在平面」のそれこそいわゆる裂け目としか言いようのないものに墜落してしまったことの埋め合わせをそのような仕方で行ったということ、そこに私は何らかの興味深さを感じ、その標題の論文のコピーを大学図書館で請求した。
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heaven of 19
SNSの哲学について解説してくれている良書。SNSでどのようにして私たちは他者と関わり、言葉を紡ぎ、現実を補完するだけでなく世界を広げていけるかという点についてとても頭に入ってきやすい言葉で述べている。SNSを私的領域に終わらせてしまうのではなく、そこを公的な「活動」ができる場とするために何が必要か、今はメタバースの時代かもしれないが、私たちはまだSNSと関わり続けている、だからSNSの哲学が必要なのである。承認、つぶやき、公/私など様々な視点から私たち自身のSNS活動を見直すきっかけを与えてくれている。
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heaven of 19
読んだ。この本を読んで自分にも悪意はないかと考えることがあったことを思い出した。ちなみにその問題意識は『ネットが社会を破壊する』という本を読んで生じた。善意は現実界(触知できない世界)から下降するようにしか移動しないが悪意は象徴界(言葉と論理の世界)から発生しそれは簡単に人の心を汚染する。むしろ象徴界に入らない方が良いのではないかとさえ思ったことはあったが自分はこうして言葉を使っているし象徴界的なものの洗礼は受けているのだろう。こうしたデスゲーム的なものは現実にはないと思うが主体の苦難は感じたことがあった
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heaven of 19
在野で研究することも現時点で視野に入れているので読んでみた。実際に在野の人たちがどういう苦労をされているかという点について本書から読み解くことができる。もちろん、そこには研究職に向けた就職活動(という多くの院生が今晒されている絶大なプレッシャー)からの解放という可能性もあるのである。しかし、多くの在野研究者は財政的基盤が安定しないなかで研究をしている。そうした在野研究者がどういう道で研究をしているかということは参考になった。いわゆる「在朝」の研究者にも読んで欲しい書である。研究のこれからは暗いのだろうか…
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heaven of 19
本書は知的緊張を保ちつつ表題の内容について高い解像度で議論をしており一度の通読でその詳細な内容を検討することは難しいが、自分が研究しているシモンドンという哲学者についても何度も言及されている。ユクはこれまでCahiers Simondon(ジャン=ユーグ・バルテレミーJean-Hugues Barthélémyが編集をしている)にも寄稿しているしシモンドン研究でも業績を残している人による書なのでその意味で面白い。ユクのシモンドンに対する思考はシモンドンに対する忠実さを保っている。その意味で本書も特筆すべき
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/04/10(5341日経過)
記録初日
2009/09/07(5556日経過)
読んだ本
2838冊(1日平均0.51冊)
読んだページ
809232ページ(1日平均145ページ)
感想・レビュー
218件(投稿率7.7%)
本棚
8棚
血液型
A型
外部サイト
URL/ブログ
https://note.com/neko2to1
自己紹介

読書の記録を再開します。好きな作家は、プルースト、カフカ、ジョイス、フォークナーです。特にプルーストの『失われた時を求めて』、またフォークナーの『響きと怒り』が好きです。ナボコフの『ナボコフの文学講義』が私は好きです。また日本では蓮實重彦が好きです。
現在、精神疾患を抱え、通院しています。その治療もあるので、活動はマイペースですが、Twitterの方も見ていただけたら嬉しいです。
また、現在、大学院研究生をしています(2024年10月現在)。

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