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2024年8月の読書メーターまとめ

APIRU
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2024年8月に読んだ本
11

2024年8月のお気に入られ登録
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  • youhey

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

APIRU
稀代の朴念仁にして本草学者・久瀬棠庵が、不可解な病状も長屋を騒がす怪事件も、「虫」の仕業と見立てて丸く収めてしまう。頓死、肥満、恋煩いに食中り。しかしそれぞれの事件の背後には、どこか『巷説百物語』にも通ずるような、人の浅ましい欲得と愛憎が逆巻いていたのです。派手な捕り物もなければ剣戟もないし、ましてや憑き物落としもなく、地味というなら激しく地味なのかもしれませんが、それでも面白く読ませるのは安定の京極クオリティと言えるでしょう。素ッ惚けているわけではないのだろうけれど、素ッ惚けたような長屋での応酬もツボ。
APIRU
2024/08/16 06:36

「久瀬棠庵」は、『前巷説百物語』にサブキャラとして登場していた人物。本書はその若い頃の棠庵を主人公に据えた一冊であり、いったい誰得なのかよく分からない物好きな趣向になっています。家から出ない、身体を使わない、座ったら動かない。他人の言葉を額面通りに受け取るし、忖度も融通もあったものではない。中々浮き世離れした御仁であり、現実にいたら関わり合いになりたくはないかもしれませんが、読んでいる分には面白いし、大家のうらなり息子や長屋連中とのやり取りは妙に笑いがこみ上げてきます。『巷説』とはまた違った雰囲気で新鮮。

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2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

APIRU

『了』。2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:16冊 読んだページ数:6089ページ ナイス数:124ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/621972/summary/monthly/2024/7

『了』。2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:16冊 読んだページ数:6089ページ ナイス数:124ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/621972/summary/monthly/2024/7
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2024年8月の感想・レビュー一覧
6

APIRU
大先生が旅立たれて来年で10年。お亡くなりになる直前直後、そして数年経った後のご様子を、ずっと連れ添った奥様が語られています。隣にいた人が突然いなくなることの喪失感は、文章として綴られている以上に大きいものであったようです。そんな大先生が遺された品物や言葉たち。それら一つひとつから、夫婦愛、家族愛、周囲やファンの人たちへの感謝に溢れたエピソードが窺えました。そして偉大な大先生と一緒に生きられた奥様の「あるがままに」という金科玉条。それはとても素敵なことであり、「無為自然」もいい言葉だなと思ったものでした。
APIRU
2024/08/24 12:50

大先生の弟子である荒俣宏先生と京極夏彦先生のことも、少しですが書かれています。別荘におけるハチ騒動のエピソードは、『ゲゲゲの娘日記』でも読んだことがありますが、翌日京極先生がお礼に来たという話がとても好きです。わざわざ礼を言うようなものだろうかとも思うのですが、そこでお礼に行くのが師弟の仁義というところでしょうか。むしろ京極夏彦ってバーベキュー行くんだ、って妙なところに感心したものでした。

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APIRU
もともとはコミカライズの『Y十M』が好きだったのですが、言うまでもなく原作も面白い。父や夫を殺された女性たちが柳生十兵衛の指南を受け、不俱戴天の怨敵・会津藩主加藤明成と、その取り巻き・七本槍に復讐を仕掛けてゆく。この巻では四人を討ち果たしており、読んでいるとコミカライズで印象が強かった場面が次々に思い起こされたものでした。愛と怒りと悲しみの復讐譚。奇想とエロスが相和した稀代の忍法帖です。そして、下巻では闘いの場を会津に移し、真の首魁も参戦してくるわけで、さらなる争忍の乱が予想され、読むのが実に楽しみです。
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APIRU
稀代の朴念仁にして本草学者・久瀬棠庵が、不可解な病状も長屋を騒がす怪事件も、「虫」の仕業と見立てて丸く収めてしまう。頓死、肥満、恋煩いに食中り。しかしそれぞれの事件の背後には、どこか『巷説百物語』にも通ずるような、人の浅ましい欲得と愛憎が逆巻いていたのです。派手な捕り物もなければ剣戟もないし、ましてや憑き物落としもなく、地味というなら激しく地味なのかもしれませんが、それでも面白く読ませるのは安定の京極クオリティと言えるでしょう。素ッ惚けているわけではないのだろうけれど、素ッ惚けたような長屋での応酬もツボ。
APIRU
2024/08/16 06:36

「久瀬棠庵」は、『前巷説百物語』にサブキャラとして登場していた人物。本書はその若い頃の棠庵を主人公に据えた一冊であり、いったい誰得なのかよく分からない物好きな趣向になっています。家から出ない、身体を使わない、座ったら動かない。他人の言葉を額面通りに受け取るし、忖度も融通もあったものではない。中々浮き世離れした御仁であり、現実にいたら関わり合いになりたくはないかもしれませんが、読んでいる分には面白いし、大家のうらなり息子や長屋連中とのやり取りは妙に笑いがこみ上げてきます。『巷説』とはまた違った雰囲気で新鮮。

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APIRU
架空無稽な夢、背徳不敬な夢、前世と現世の夢。いくつもの狂想的な夢が綾成す、『百鬼夜行』シリーズ三番手。何度も読んでいるのでいいだけ覚えている訳ですが、それでも最後の反魂術はやはり鳥肌ものです。蘇える死霊、その首を斬り続ける女、集団自殺、髑髏を巡る狂騒。まるで無関係だと思われるそれぞれの事件が、ストーリーが進んでいくに従ってひとつに収束していくそのさまは、『魍魎』や『絡新婦』に通底するカタルシス。さらにその果ては、およそ予想だにしない真相であり、凄いところに連れて行かれた感があります。これぞまさに京極小説。
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APIRU
ぞっとするほど美しい男。亡魂か幽霊か、はたまた狐狸妖怪か。歌舞伎舞台のための書下ろしという珍しい趣向ですが、内容は安定の京極クオリティであり、哀絶がひたすら胸に迫る一篇であったと思います。『了』に続き、「あの人」のご先祖様が今回もご活躍。そのご先祖が言葉で語る真実。言の葉によって立ち現れるは、予想だにしなかった真相。無愧者たちの旧悪には小胸が悪くなり、犠牲になった一族末裔の最期には哀号が去来したものでした。血と花と、射干玉の闇。ときに忌まわしく怖ろしく、あるいは美しく、赤と黒がどこまでも鮮烈な一篇でした。
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APIRU
催眠、マジック、オカルト。オカルトはともかく、催眠とマジックは別に不思議ではなかろうと思うのですが、まぁそんな珍妙なトピックに腐心する女子高生たちと、たまたま入部することになったラッキースケベな男子生徒による、愉快でちょいエロな日常譚です。もっとも「ふしぎ」と謳っていても、玄妙怪奇が跋扈しているわけでもなく、とにかく平和でとにかくユルい。やはりこの世に不思議なことなど何もないのです。各エピソードが短いので、テンポ良くサクッと読めるのもありがたい。そしてなかでも、風紀委員の人がなかなかいいキャラしています。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/10/25(3325日経過)
記録初日
2015/10/04(3346日経過)
読んだ本
2311冊(1日平均0.69冊)
読んだページ
785195ページ(1日平均234ページ)
感想・レビュー
1065件(投稿率46.1%)
本棚
4棚
性別
血液型
A型
職業
IT関係
現住所
神奈川県
自己紹介

好きな作家:京極夏彦先生
好きなバンド:DIR EN GREY

揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹


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