本屋大賞一位の作品。タイトル、装丁の印象から珍しい感じがしましたが、時代を反映したお話で納得。人々の思想や国際関係の根底にあるものは昔から変わらず、歴史は地続きであることを改めて感じました。作中、アメリカを評した言葉が印象的でした。『人種差別はひどいし、労働者は抑圧されている。それでいて選挙があるので自分たちは自由だと思い込んでいるから進展もない。ある意味で貴族制以上の欺瞞と搾取だ。』

久しぶりに、酒ではなく、恋に酔ってみたくなりました。こんなオッサンは、へもい　ではなく　キモイ　ですな。

コロナ渦も一種のクローズド・サークルだったのかも。そんな閉塞的な状況下でおこる事件。良いか悪いかで言えば，悪いのですが，本人たちに圧倒的な非があるかというと。。。最終的に疾走感を持って収斂し，作品が滅茶苦茶にならないのは流石の手腕です。

北関東の地方都市で起きた連続殺人事件。10年の時を経て再び。変わりゆく地方都市の風景。留まる者、流れ着く者、都会から来て戻る者。新米新聞記者の今日子とスナックママの明菜の姿に社会の明暗を感じます。現役刑事と元刑事。被害者家族の執念と諦念など対比が明確でありながらも、事件の真相や犯人の動機の不透明さが印象的でした。

表紙、懐かしいですね〜。こっくりさん、口裂け女、ノストラダムスの大予言。当時の小学生のオカルト三種の神器。どことなくオカルトはデジタルよりアナログが似合っています。まさにビデオテープの時代。さて、真梨氏の本質はイヤミスではなく、エログロナンセンスなのかも。だから本能的に惹きつけられるのかも。

科学技術・医療システムが進化しても、政治システムが進化しないから、国力は落ち、生活は苦しくなる一方。本作、決して荒唐無稽とは思いません。国民が希望を持てる政治システムのアップデートが必要。

廃寺のシーンは真骨頂です。キャラ設定も明確で、新シリーズ確定ですね。でも、機龍警察の新作希望！

許す　と　赦す　の違い。刑務官にも教誨師にもなれません。タイトルがひたすら重い。

テンポよく読了。巻末の謝辞にて本作の背景を知りました。戦闘機搭乗の経験がその後の氏の行動に影響したのかは解りませんが、本来経験できないことが、考え方に影響を与えることは想像できます。 「俺たちパイロットはみんな変わり者だ。同じ場所に長くいられない。おまえもパイロットになりたきゃ、俺たちのような変わり者になれ」 氏の作品において件の作品は未読なので読んでみますかね。

近作は、自身と同年代を描いた作品が増えてきた様に感じます。追いかけている作家さんなので、これからの変化が楽しみです。「そうですね。僕も今二十二歳だとしたら、大学院には進学しないと思います」この国の現実。

本屋大賞一位の作品。タイトル、装丁の印象から珍しい感じがしましたが、時代を反映したお話で納得。人々の思想や国際関係の根底にあるものは昔から変わらず、歴史は地続きであることを改めて感じました。作中、アメリカを評した言葉が印象的でした。『人種差別はひどいし、労働者は抑圧されている。それでいて選挙があるので自分たちは自由だと思い込んでいるから進展もない。ある意味で貴族制以上の欺瞞と搾取だ。』

アンリアルですが，近未来においてリアルになりそうなアンモラルなお話でした。シリーズ化になりそう？期待しています。