表現は柔らかくちょっとふざけたおじさんと話しているようなのだが、その実得体のしれない会話が続く謎の人物感がある。自由意志がないとするといろいろな恐怖が襲い掛かるよね。そういった怪物に養分を上げてはいけないよ。哲学ってのはさあ、直観ポンプ、アイデアをくみ上げることなんだよね。デカルトの我思うとかロールズの未知のベールとかってやつね。トロッコはどうかな。出てきてないので直観じゃないんだろう。それが多方面に影響与えまくる起点になればそれでよし。なかなかいい言論だ。
著者としては自由意志ってのはあるんだけど論じ方を間違えると霧散しちまうようなフラジャイルなもんなんで注意深く丁寧に扱わなきゃダメなんすよ。と言っていることにしよう。しらんけど。2章は言語学や論理実証主義の話もあるみたいなので返す前にまだ読むかもしれないけど、とりあえずここまで。
関連語彙:タイプ、トークン、統語論、意味論、語用論、意味の外在主義・内在主義、ラッセル的命題、意味の公共性、可能世界の集合としての命題、真理条件的内容、前提的内容、使用条件的内容、会話の含み、共有基盤の動かし方。
そういった量子の相補性について解釈問題があると本書には書かれているけど、局所実在性の否定に伴い解釈は不要となってので解釈問題など無くなった。これがコンセンサスなのか論争中なのかは定かでないけど、本書には解釈問題があると書いてあるから道半ばなのかも。筆者専門のチューリングの人工知能の話は分かりやすく、また、近年キャッチーだ。科学哲学もポパーまではいいがその後のクーンとかファイヤーアーベントは科学ではなく科学を成り立たせている社会の話なのでパス。科学者でも足の引っ張り合いはあるだろうし政治的抑圧もあるだろう。
さて、サルトルとカミュの論争は寡聞にしてしらんかった。アルジェリア独立闘争に主体的に参加する派のサルトルが慎重なカミュを批判していたらしい。アルジェリアの独立はなり、カミュは論争とは無関係に自動車事故で亡くなり、混乱したフラんす国内を立て直したのがド・ゴール。彼はその後、独立派からも反対派からも命を狙われた。暗殺者を国内で仕立てるどうにも防がれてしまう。それで国外から殺し屋を調達して暗殺しようとするが外国人なのでフランスの風習を知らず打ち損じるのがフレデリックフォーサイスのジャッカルの日。知らなかった。
9章はトポス。筆者はこの章が書きたかったのかもしれない。トポスと葉ある構造を持った圏のことで、論理の体系であるとのこと。一つ一つの命題を対象とし命題と命題の関係を射とする圏。トポスは排中律を課せばブール代数となるし、そうでなければハイティング代数となる。数学を進める論旨がまた数学の対象となるわけで、ここはエモポイントのはず。あんまりよくわからないのでそんなにエモくない。上巻の最初からハイティング代数とかって初見のものが出てきたけど直観主義論理ってハイティングってことなのね。
あともう一つグロダンディーク位相がでてくる。言葉が出てくるだけでなんかうれしい。 さてえ全体としてこの上下巻は数学部2,3年生まででしっかり履修した人がそのおさらいをしつつ圏論の言葉を学んで次に進むための本である思う。しっかり履修していない私には数式以外のところをつまみ読みして無理やりほくそ笑むという感じであった。
「誰がコンピュータを発明したか」アタナソフという人が電子計算機を着想し設計していたが稼働させることはできなかった。ENIACの版権を持つ一人モークリーは交流もありその設計を知っていたらしい。裁判所は独禁法違反であり結局国の所有権を認め二人から版権を奪った。斜め上からの判決で二人は上訴する気にならなかったとのこと。しかし、この著作者は信用できない不親切男。何を考えているかわからない。「誰が…」でもENIAC6のことは単にスイッチを設定した人扱いである。だったらもっと説明しろよ!
フロイトが切り開いた精神分析は完全否定している。深層心理は単なるこじつけだということ。まあ、カウンセリングには別の効果があるのだろうが。ユングは言及すらされていなかった気がする。ところで意思決定する前に行動を起こしている話は出てこなかったがそれは意識したものが記憶となり次の行動決定の際に参照されるというスキームに乗らないからなのかなあ。自由意志や責任の問題があるからなのかなあ?
「生涯一捕手」という言葉にに感銘を受けて、生涯一プログラマーだと思っている人。
同じ思いであるはずの柴田芳樹さんを心の師と仰ぐ。柴田さんは現役続行だけれど私は10年現場を離れたので腕は新人に毛が生えた程度。
ついに退職再雇用で読書も増やせるかなと思っていたが収入減で毎月赤字。不要不急の出費はできない状況に。
読むのに膨大な時間がかかる数学書をこつこつ読んでいこうと思う今日この頃。
生涯一プログラマーに関してはお客様がよいと言えば70まで継続したいと思っています。まあ、どこまでいけるかはわからない。
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関連語彙:タイプ、トークン、統語論、意味論、語用論、意味の外在主義・内在主義、ラッセル的命題、意味の公共性、可能世界の集合としての命題、真理条件的内容、前提的内容、使用条件的内容、会話の含み、共有基盤の動かし方。