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2025年11月の読書メーターまとめ

みも
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5
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2077ページ
感想・レビュー
5
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704ナイス
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2025年11月に読んだ本
5

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

みも
文庫で高々250頁ではあるが、お得意の奇天烈を封印した極めて真摯な筆致に思いがけず深い充足感を得た。内容的には「ラゴスの旅」というタイトルが適切かと思えるが、そこはウィットに富んだ著者であるから「旅のラゴス」をタイトルとしたのには揺るぎない意図があったのだろうな。人生=旅…ポピュラーに表現される月並みな訓示だが、正に本著は生涯にわたる旅に模した人生。著者らしいSF要素をちらほらと散りばめながら、環境に適応しつつも目的意識を失わず、時流に流される事無く地に足を着けて旅を続けるラゴス。人生の核心をそこに見る。
が「ナイス!」と言っています。

2025年11月にナイスが最も多かったつぶやき

みも

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が「ナイス!」と言っています。

2025年11月の感想・レビュー一覧
5

みも
文庫で高々250頁ではあるが、お得意の奇天烈を封印した極めて真摯な筆致に思いがけず深い充足感を得た。内容的には「ラゴスの旅」というタイトルが適切かと思えるが、そこはウィットに富んだ著者であるから「旅のラゴス」をタイトルとしたのには揺るぎない意図があったのだろうな。人生=旅…ポピュラーに表現される月並みな訓示だが、正に本著は生涯にわたる旅に模した人生。著者らしいSF要素をちらほらと散りばめながら、環境に適応しつつも目的意識を失わず、時流に流される事無く地に足を着けて旅を続けるラゴス。人生の核心をそこに見る。
が「ナイス!」と言っています。
みも
どう言えばいいのだろう…不可思議な感情がもやもやと靄のように立ち昇る。感動作でもなく、凡庸とも異なる。かと言って愚作とも言えず。やや嫌悪感に近いだろうか。今だ解明しきれない脳の驚異、我が子を信じ抜く偉大なる母性、異分子への差別や恐れ、アイデンティティ消失の不安や疎外感、無垢な精神から顕在化する本能的暴力性。様々な要素があるが、おそらく僕の嫌悪感の素因は主人公の偏執狂的行動。文章的には粘着性や諄さを感じるが、脳死状態から蘇生する過程に関するリアリティの構築には、そこまでの言葉の積み上げが必要だったのだろう。
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みも
生きる意味を問いかけ静かな余情が心に染みわたる。端正な筆致で綴る時代もの秀作4篇【ゆすらうめ】42頁…(妙な桜だ…)で書き出す花の風情。後の「むこうだんばら亭」に繋がる孝助の痛切なる思いが、山桜桃梅に寄せて語られる。【白い月】40頁…追い詰められても離れ難き男と女…それは縁というより宿業なのかもしれない。【花の顔(かんばせ)】38頁…かんばせという読み方を初めて知った。時代背景や作品情緒によく似合う。【椿山】122頁…下級武士の家に生まれた才知ある少年の成長譚。絶対的身分の壁に阻まれ毒された魂の自己浄化。
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みも
ネタバレコミカルタッチだから誰も死なないだろうと高を括っていた僕の安直な憶測をものの見事に裏切り、コウさんが無残にもやくざの餌食になり第2部は悲惨な結末を迎える。それ故、第3部は黒幕銀行への復讐の巻でありコウさんの弔い合戦。とは言え軽妙なタッチは継続。仮釈放となった雅人や5年前に別れた幸緒、更にはかつて裏切った光井とも共闘態勢を敷き、仇の銀行とやくざに対し5億円もの偽札を使った壮大な罠を仕掛ける。予想通りハラハラさせながらもラストは痛快。どんでん返しも用意され、エピローグはなかなか粋です。製紙工程がとにかく精妙。
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みも
軽妙でコミカル且つスリリング。こういう作品は多少の疑問には目をつぶり、展開の妙技を楽しむのか賢明な読み方。この筆致なら誰も死なないだろうと安心して読める気楽さが良い。偽札造りに絡んでやくざとの駆け引きが繰り広げられる。主人公の若者の一人称で語られるが、若者らしい怖いもの知らず感が痛快で、厚い友情を盛り込むあたりは青春小説の趣もある。その主人公を喰ってしまうほどのキャラが、偽札造りに執着する老獪な男。彼が披瀝する終盤の印刷技術の蘊蓄や製紙工程に関する記述はかなり専門的で、僕はやや斜め読み気味だが…さて下巻へ
コリディ
2025/11/09 09:24

イイっすよねー、初期の真保さん。しっかり取材・勉強した感がありありとした本が多く、他にもいろいろ読んでみて、感想アップして下さい。

みも
2025/11/09 16:21

コリディさん、コメントありがとうございます。真保さんは、やはり初期のほうが良いのでしょうかね。著者の作品はそれほど読んでいないので、いろいろ読んでみたいと思います。ご教示ありがとうございます。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/02/15(3586日経過)
記録初日
1973/08/01(19124日経過)
読んだ本
1028冊(1日平均0.05冊)
読んだページ
356974ページ(1日平均18ページ)
感想・レビュー
855件(投稿率83.2%)
本棚
4棚
性別
年齢
61歳
現住所
兵庫県
自己紹介

いつも、niceやコメントをくださり、ありがとうございます。
皆様のレビューから、いろいろと勉強させて頂いております。

2024年10月…石川県から神戸市に越しました。
やっと落ち着いてきたので、プロフィール更新します。
なかなか読書時間は作れずにいるのですが…
今後ともよろしくお願いいたします。
 
心酔する作家は三島由紀夫、安部公房、南木佳士、髙村薫、篠田節子。

現在、熱烈応援している作家さんが、鈴木るりかさん。

【人生に多大なる影響を及ぼした5冊】
●シートン動物記『オオカミ王ロボ』
●高野悦子『二十歳の原点』
●三島由紀夫『金閣寺』
●安部公房『砂の女』
●アンドレ・ジッド『狭き門』

【手元に置いて何度でも読みたいお気に入り】
●髙村 薫『照柿』『マークスの山』
●天童荒太『永遠の仔』『家族狩り』
●横山秀夫『クライマーズ・ハイ』『64』
●南木佳士『阿弥陀堂だより』『医学生』
●高野和明『ジェノサイド』『13階段』
●桜木紫乃『起終点駅』『ホテルローヤル』
●鈴木るりか『さよなら田中さん』『太陽はひとりぼっち』
●貫井徳郎『灰色の虹』『殺人症候群』
●篠田節子『インドクリスタル』『弥勒』『冬の光』
●森沢明夫『おいしくて泣くとき』『キッチン風見鶏』
●皆川博子『死の泉』
●乙川優三郎『生きる』

【サクサク読める系】
●井上夢人(岡嶋二人)

【熱烈応援中】
●鈴木るりか


 若かりし頃は気に入った少数の作家を精読してました。
 世界・日本を問わず、名作と評されているものは、ひと通り読んでみました。

 現在は、ジャンルにこだわらず濫読派です。想像力が乏しいため歴史物とSFは苦手です。
 流行や話題性は全く気にしません。評論、ビジネス本、ハウツー本、雑誌、漫画の類は読みません。小説限定の読者です。
読メ登録前に読んだ作品は、感想を入れておりませんが、感動したものもたくさんあります。

 感想は極力ネタバレにならないように努めています。その為、具体性を欠いた抽象的な文章になりがちです。購買意欲を掻き立てる讃辞は専門の解説者にお任せして、個人的に感じた良し悪しを率直に書こうと思っていますので、時には辛辣な意見も述べますが、著者への敬意は忘れないよう心掛けています。

 ナイスへのお礼コメントはしておりません。悪しからずご了承下さい。
 心に響いたレビュー、コメント、つぶやき等には、できる限りコメントを入れたいと思っています。

 但し、政治的・思想的発言は控えています。よって、その話題での議論には参加いたしません。

 読メに求めるものは各人異なると思います。僕は、純粋に小説についての良し悪しを共感できればと考えております。作品についての批判は受容しますが、個人のレビューに関しての批判は好ましくないと考えています。

 機転も利かず、マンガもほとんど読まず、ユーモアに乏しく、そんなこんなで、あまり面白みは無い男ですが、よろしくお願いいたします。

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