月後半に小さな不運や業務の心懸かりがあってちょっと滅入る時期でした。ラスト1ヶ月、元気に過ごしたいものです。2023年11月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:3216ページ ナイス数:922ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/667029/summary/monthly/2023/11
・白い歓喜天:以前の単行本での書下ろしらしい。司馬氏に離婚歴があることが後年わかってから解釈が変わってきたらしい。ただし結婚相手はこの作品中のようなホステス系の人ではなく、当時の職業女性としてかなり上位の大学医局の薬剤師だったとのこと。 ・法駕籠のご寮人さん:幕末の大阪で、大店の女主人の話相手となった幕臣と新選組。松じじいの人を見る目がないのが良い。
大阪が舞台の作品が時代物も(当時の)現代物も生き生きとして楽しい。あと、真面目系クズというか、底は腐っているが善人として生きていけるタイプの書き方がうまいと思った(和州長者、大阪醜女伝)。
前半、カルト系宗教から牧師などの尽力で抜け出した話を目にすると、「煮込まれてるのは変わらず、他の鍋に入っただけじゃないの」と思ってしまうが、そういう立場の人でないと手を差し伸べるのも難しいのだろう。自分も大学同級生に幸福の科学の信者?がいたが、書籍を渡されそうになった時点で拒否して近づかないようにしたものなぁ。 後半にはいわゆる伝統宗教での話もある。現在の世界情勢を見るに、伝統があるからといって是とされるものでもないよなぁ。とつくづく思う。
・饅頭伝来記:奈良饅頭の創始者がモデルらしい。南北朝も絡んでいる。お饅頭はあまり好きではないけどここではおいしそう。甘味がない時代こういう味が出てきたら嬉しいだろうなぁ。 ・花妖譚:未生という雑誌(生け花の流派の月刊誌らしい)に連載。シュールなサフランと、山伏モデルの睡蓮が好き。 ・丼池界隈/大阪商人:戦後復興の混乱期の生地商人のガメツクも頑張っている姿。楽しい。この2作が一番好きかも。意外感もあるし。
・兜率天の巡礼:設定は結構めちゃくちゃだけど、幻想の中の景教信者の模様が美しい。現実世界での動きは松本清張作品ぽい。 ・ペルシャの幻術師:モンゴル幻想もの。有名作品らしい。嫌われ側だけど惚れてほしくて無理には迫らない少年王の大鷹汗かわいいと思う。
基本的には『ガープの世界』の掃除婦のように、「次がどうなるか」知りたくて読んでます。
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