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2024年12月の読書メーターまとめ

pirokichi
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2024年12月に読んだ本
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2024年12月のお気に入り登録
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2024年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

pirokichi
ネタバレ精神科医で少年院の法務技官でもあった著者は、非行少年たちに共通する「認知の歪み」に着目し、学校での早期発見と新たな視点をもった学校教育の重要性を説く。昨今の闇バイト強盗などの報道を見るにつけ、若者の短絡的すぎる行動が不可解でならなかったのだが、本書を読み腑に落ちた。小説だが『宙わたる教室』の岳人のディスレクシアも、小学校で発見し適切な対応がなされていたら、あんなに苦しみ不良の仲間になったりしなかったのではないか。「子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついていない」が印象に残った。
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2024年12月の感想・レビュー一覧
30

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ネタバレノンフィクションコラム20篇。結婚を目前にした息子をひき逃げで亡くした成毛さん、希望退職の対象になった津村さん、研究者をあきらめ民間企業に勤めたものの仕事に全く適応できない江藤さん、父親が自殺した佐藤さんなど、著者が直接会い、話を聞いた人たちの苦難や、それでも何かを心の杖として生きていく姿が、心を寄せながらも淡々と、綴られている。「パチンコ」にハマった妻があちこちから借金しまくっている青山さんはどうなったかなあ。見通しがたたず心配。重松清の解説もいい。
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ネタバレうまく生きられない四人がメンバーの「生きづらさを克服しようの会」=「生きづら会」。会に参加し、テーマに沿って心の内を語ることで、元気に前向きになっていく話かと思っていたら、そんなに単純ではなかった。なるほど、だからこのタイトルだったのか。
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ネタバレ御書印集めで訪れた「パン屋の本屋」さんで、おいしそうな表紙のパンに誘われ、記念にと購入。書店のブックカバーもパンのイラスト。本書は津村記久子、穂村弘、獅子文六、群ようこ、林望、澁澤龍彦、吉村隆明など40人のパンにまつわるエッセイ集。江國香織「フレンチトースト」のみ既読だったが、父の言う「特別だぞ」が、何度読んでも好き。「私たちは稚くて、めぐみかたも、めぐまれかたも知らなかった。わきまえておくことばも、身ぶりも知らなかった」…戦後中学時代の友人との記憶を綴った、開高健「パンに涙の塩味」が最も印象に残った。
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2020年1月から22年3月まで、関西出身のノンフィクションライターの著者が「観光的でない東京」を歩いた記録。「玉の井の残照を求めて 東向島」「都市の周辺を流離う 吉原」「朝鮮学校とともに生きる 江東区枝川」「芝浦屠場と東海道最初の宿場町を歩く 品川」等全14篇。1篇は短いけれどかなり濃厚な味わい。私は上京して30年以上経つが、知らないことばかり。電車やバスでぼんやり町を通過しているけれど、それぞれの歴史があるんだなあ。まずは本書を手に、『濹東綺譚』(永井荷風)に登場した「玉の井」を歩いてみようかな。
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ネタバレ新たにウズラさんとの出会いあり、さとこや司の母親が登場したり…今作も面白かった。「ずっと子どものために働いてきて、そのうち親の介護が始まるじゃない?一生働きづめなんて私の一生って何?と思っちゃって。けれども今は70過ぎても働こうって風潮でしょ。リタイア後も皆さんボランティアしたりして立派だけど、人生にこうして過ごす時期があってもいいじゃないね」(by ウズラさん)。ほんとほんと。 現発行は本5巻まで。次巻は1年後くらいかしら…。来春、NHKでドラマ化されるみたい。来年の楽しみが一つ増えたなあ。
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ネタバレさとこが唐さんのすすめで温泉地に移住を考えたり、やめたり。逆にひきこもりの八つ頭さんが出会ったばかりのりくさんと二人で移住することになったり。唐さんと青葉さんが鈴さんの部屋を訪問したり…。さとこは司と、あるいは唐さんと、どうにかなるのかなあ。「お二人ともお仕事で目を使いなさるでしょう?目玉を食べて。薬膳では同じ部位を食べると体に良いって聞くわよ」(鈴さん→唐さん、青葉さん)。そういえばうちの父母もよく目玉を食べてたなあと、懐かしかった。
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ネタバレひとり出かけた司を追って山に行ったり、弓ちゃんのためにレンタルルームを再開したり、司の過去や鈴さんとの出会いを知ったり…。職場の唐社長、巴沢さん、マシコくん、取引先の青葉さんとの関係もいい感じで、元気を、自分を取り戻しつつある、さとこ。鈴さんが司に出会った時にかけた言葉→「自然の甘味は気持ちをほぐしてくれるの。柿って体が冷えるじゃない?だからこうして日に干したのを食べるといいんですって。あなたもしばらくここでお日様に干されたら、あんばい良くなるんじゃないかしら」、がいい。「あんばい」大切だなあ。
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ネタバレ社員4人の温泉旅行あり、副業でのレンタルルーム開始などによる団地住人との新たな出会いあり。さとこの新しい生活はまずまず順調??…。「うまくいかないときってさ。ネガティブなことばが口から出るじゃない?そういうの口癖になるとやっかいだよ。(略)だからネガティブなことばの後にこう付け足すの。『なーんて嘘だけど』とかさ。そう思っていなくてもとりあえず呟くと、気持ちも『ああ嘘か』ってなる」(さとこ→弓ちゃん)。 黒豆のチリコンカン、おいしそう。
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ネタバレ主人公は38歳独身の麦巻さとこ。難病で体調不良のうえ、会社でもストレスを抱えたため小さなデザイン事務所に転職し、週4日のパートで生計をたてている。マンションを買う夢をあきらめ引越しした団地で、大家の鈴さん、鈴さんと同居の家事手伝い・司に出会い、薬膳に目覚め…。「これまでの自分と比べるからしんどくなるのよ。(中略)果報は寝て待てって言うじゃない。運がめぐってきたときのために少しでも元気になっておきなさいよ」。少し変わっているけど温かい人たちに、おいしいお料理。読めば元気になれそう。好みかも~。わくわく。
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ネタバレ2011年から約2年間の、某月某日の日記風エッセイ。ガードル、インフルエンザ、母親のいない母の日、ディナーショー等著者40代半ばにしての初めての体験がたくさん綴られている。若い編集者の「初」に立ち合い「もっとこの娘を感動させたい」とオッサン的気分になりながら、果たして「知る」ことは幸せなのかと自問自答するのは著者らしい。そういえば先日私に初めての〇〇があったはずなのだが、悲しいことに何だったか全く思い出せない。これからの「初」は記録しておこうかな。著者と同年代で共感する部分が多くさらさら読めて面白かった。
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ネタバレ著者は認知症の父親を介護しながら、認知症とは何かを考える。父親との会話をメモし哲学書を読み漁り「父はニンチでなくニーチェかもしれない」と思ったりする。著者はノンフィクション作家なので、会話をメモすることで聞き取り等に集中するからか、介護が少し楽になったらしい。哲学書の引用が数多なされているが、どんだけ読んだんだって驚く。とにかく著者と父親との会話が、漫才みたいでめっちゃ面白い。お父さん、ほんと哲学者みたいなんだよなあ。ってことは、認知症の我が母も哲学者?それにしても奥様が放つパンチある言葉には爆笑したわ。
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ネタバレ78歳の作者が描く高齢者のリアル。ニュース等で見て気になっていたのだが、『老いを…』(酒井順子)をきっかけにやっと手に取った。まずカバー画の「手の甲」に引き付けられた。我が手を横に置いてみる。カバー画の手よりは若いが、若い時よりは確実に老いている。私もここまで生きてきたんだなあ。頭の中で我が母の手を隣に置いてみる。身体も頭も小さいのに手は大きい。カバー画の手より節太で皺が深い。すごいなあ。本書は団地住まい高齢者の5つの物語。認知症、孤独死…「生きてるって(略)いろいろあったはずなんだよね」。読後感はいい。
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ネタバレ和菓子のアンソロジーを読んだので、次は「お茶」かなと久しぶりに本書を手にとった。途中やたら映像が浮かぶので不思議だったのだが以前TVで映画も見たんだった。「いったい本物の自由とはなんだろう?そもそも私たちは何と戦っているのだろう?学校もお茶も、目指しているのは人の成長だ。けれど、一つ、大きくちがう。それは学校はいつも「他人」と比べ、お茶は「きのうまでの自分」と比べることだった」。読み返してやっぱりとてもいい。何度も読み返したい。時間のない時は目次を読むだけでもいいかも。「長い目で、今を生きろ」。長い目で。
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ネタバレ五人の作家による「菓子」をテーマにした時代小説短編集。『大鶉』(西條奈加)以外は初読の作家作品で、その出会いがうれしく、アンソロジーの喜びを実感した。主人公たちはそれぞれ悩みや困難を抱えているが、だからこそ菓子の仄甘さとやさしい香りが引き立ち、物語全体をあたたかく包んでいる。どれもよかったが特に『お供えもの』(嶋津輝)が好き。菓子屋の長男・善吉が跡取りになれないことを知り家を出、ひょんなことから瀬戸物屋の店番をすることになり…。善吉のその後の物語があったら読みたい。他作品のシリーズも面白そう。
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ネタバレ精神科医で少年院の法務技官でもあった著者は、非行少年たちに共通する「認知の歪み」に着目し、学校での早期発見と新たな視点をもった学校教育の重要性を説く。昨今の闇バイト強盗などの報道を見るにつけ、若者の短絡的すぎる行動が不可解でならなかったのだが、本書を読み腑に落ちた。小説だが『宙わたる教室』の岳人のディスレクシアも、小学校で発見し適切な対応がなされていたら、あんなに苦しみ不良の仲間になったりしなかったのではないか。「子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついていない」が印象に残った。
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ネタバレ猫ぎらいのぼくと猫好きな妻。結婚祝いに先輩詩人から仔猫をもらい…。若く貧乏な新婚夫婦と生き別れ死に別れとなった猫たちとの思い出を、ユーモアあふれる文章で綴った物語エッセイ。「ねこだけは飼ってなければ何もわかっていないに同じなのだ。(略)それほどねこという動物は現在的な、あまりに現在的な動物なのだから」。私は長田氏は優しく厳しい人だと思っていたが、本書を読み「チャーミング」が加わった。猫といえば、猫ぎらいだった母が認知症になり、かわいいと言って近所の猫を膝にのせて撫でているのを見た時には驚いた。猫、すごい。
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Xで本書が絶版になると知り早速購入。内田氏と一人娘るんさんとの往復書簡。内田氏の青春時代や離婚後の父子家庭の生活が垣間見え、内田氏が父親なんて羨ましいなあと思っていたのだが、大変なこともあっての今に至るだなあとごく当たり前のことを思った。また我が父との思い出もよみがえり、内田氏とは全く違うタイプの父だが改めて感謝した。しかし子がいないためかこの年になっても「子」という立場でしか考えられない私。何だかなあと自分に突っ込んだ。「行蔵は我に存す 毀誉は人の主張 我に与らず 我に関せず」(勝海舟)は覚えておこう。
レモングラス
2024/12/14 10:37

いつ読んでもpirokichiさんのレビューはいいですねー。素敵だなあって惚れ惚れ。独特の世界観があって。読みたい本を沢山紹介してくださって。なかなか追いつきませんが、少しずつでも読んでいきたいです。それにしても、いい本の絶版、多いですよね。

pirokichi
2024/12/14 22:26

レモングラスさま、うれしいメッセージをありがとうございます。離職したため時間ができ本を読む時間が増えました。読めば読むほど読みたい本が増えます。いい本の絶版はさみしいです。

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ネタバレ高利貸しの妾である美しきお玉と東大生の岡田。飼い鳥である紅雀と渡り鳥の雁のように、住む世界が違うのだなと思った。不幸にも岡田が投げた石が当たり死んでしまった雁。その雁を喰らい血肉として、岡田は更に大空…広い世界に飛び立つのだろう。青魚の煮肴のために、二人は永遠に相見えなかったからこそ、玉にとって美しい思い出となったのかも。岡田の友人である「僕」の、35年後の回想と言う形で書かれている本書。「平べったい顔」のお玉はきっと年老いても美しいと思う。
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ネタバレ1936年(昭和11年)7月~1937年(昭和12年)1月まで報知新聞に連載された小説。お母さんを早くに亡くした10歳の悦ちゃんの父・碌さんが、悦ちゃんが大好きな鏡子さんと再婚するまでのすったもんだが描かれている。碌さんがほんと頼りなくて情けなくて、も~~と思いながらも、正直な悦ちゃんがかわいくて幸せになってほしくて引き込まれ、一気に読んだ。円タク、テク、笄町等々時代を感じさせる言葉もたのしかった。
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ネタバレ「老い本」がこんなにブームになっていたとは!本書は1957年の『楢山節考』(深沢七郎)から2024年の『61歳で大学教授やめて、…』(香山リカ)まで、「老い」をテーマにした小説・エッセイについて、著者独自の視点で分析している。定年から平均寿命までが、現代は昔に比べて随分長くなっていることに私自身気づいてなかったな。黒柳徹子さんがなぜ老い本を書かないのか…なるほど。曽野綾子さんと石原慎太郎さんの会話はほんとコントだわ。さすが酒井さん、とても面白かった。「老い本」「死に本」「老いスター」…ネーミングも上手い。
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ネタバレ30代?独身、ひとり暮らしの、るきさんとえっちゃん。るきさんは在宅で仕事をしていて、えっちゃんは会社勤め。えっちゃんは、るきさんの部屋をしょっちゅう訪れる。部屋でごろごろしたり、お出かけしたり。仲がいいけど、それぞれが気まま。いいなあ。『団地のふたり』(藤野千夜)のノエチとなっちゃんを思い出した。それにしても、るきさん、ほんとにナポリなのかなあ。カバー画は、お布団に入って本を読んでいるるきさん。涙と鼻水を拭いたティッシュが周りに!とっても幸せな姿かも。解説は氷室冴子さん。
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ネタバレ老若男女のさまざまな心身の微妙な変化を捉えた10の短篇。身につまされたりぞわっとしたりちょっと痛快だったり。表題作では、「四十がらみの、ショートカットに眼鏡をかけた、老けた子供みたいな、地味な女だった」大磯谷明子が実はちょっとおそろしい女なのだが、それよりも「老けた子供みたいな、地味な女だった」の部分が、まるで私自身のことを言われているようで、ギョッとしてしまった。最近特にかまわないので、いかんいかんきちんとしよう、と反省。10篇の中では、『あの娘の名前』と『顔』が好き。
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ネタバレ久しぶりの原田宗典作品。駅から徒歩で35分、家賃3万8千円のさくら荘に住む、おじさんではなくもうおじいさんの65歳・長坂誠が主人公。ひょんなことから隣室に住む、母親が行方不明になり、水道も止められ、お腹を空かせた幼い姉弟の面倒を見てしまい…。うれしい展開でちょっとおとぎ話っぽかったけど、だからこそよかった。元気が出る。涙がこぼれる。希望がある。YouTubeで「おきざりにした悲しみは」(吉田拓郎)や「スローバラード」(忌野清志郎)等を聴きながら読んだ。すべての子どもたちが希望をもって健やかに育ってほしい。
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ネタバレ加賀恭一郎シリーズ第4の事件。妹の死に、警察官である兄は証拠を隠蔽し自ら犯人を探し復讐しようする。練馬署の刑事・加賀恭一郎は、兄の隠蔽を暴き、復讐を阻止しようとする。容疑者は元恋人と元恋人を奪った親友。どちらが犯人なのか…。引き込まれ一気に読んだのだけど、何と犯人はほのめかされただけで明かされなかった。巻末に「推理の手引き」が袋とじになっており、やっと犯人がわかるぞと、慌てて鋏をとってきて袋とじを開け読んだのに、何とそこでも明かされず。究極の「犯人当て」小説らしいがもやもやした。わからない私が悪いのか。
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ネタバレ先に読んだ『十万年の西風』(伊与原新)に風船爆弾放球日の事故が描かれていて、次はコレだと積んでいた本書を手に取った。戦前戦中戦後の出来事や、日常を戦争に奪われ知らぬ間に秘密兵器を作らされていた少女たちの日々が、まるで叙事詩のように、感情を排した短文を連ねて綴られている。短文は一気に立ち上がるため胸にぐんと迫りくる。心底おそろしい。これからも繰り返されるだろう「春が来る。桜の花が咲いて散る」。これからを生きる少女たちの日々に、このようなおそろしいことが二度と起こらないよう、心から願う。読んでほしい一冊。
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ネタバレ五つの短篇。人やモノの見え方感じ方がふっと変わり、どの作品からも、がんばろうって、優しくあたたかな力をもらえた。最も好きだったのは、仄かな恋愛の要素もあった『玻璃を拾う』。野中のことを母親の目線で見てしまった。珪藻アートって素敵だなあ。表題作は、グェンさんがかっこいい。私の芯にも何か積もっているだろうか。『海へ還る日』は、クジラが考えごとしてるなんて!『アルノーと檸檬』は鳩が苦手な私も、アルノー19号に頬ずりしたくなるくらい可愛く思えた。『十万年の西風』は、十万年後かぁ。つくづくどの作品もよかった。
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ネタバレ数年積んであった本書。先に読んだ『洋子さんの本棚』(小川洋子、平松洋子)をきっかけにようやく手に取った。舞台はイギリスのイングランド東部。弟がはしかになり、隔離のため夏休みをおば夫婦のアパートで過ごすことになった少年・トムのひと夏の冒険譚。ファンタジー。もちろんトムとハティの交流もはらはらうっとりだけど、弟・ピーターがお兄ちゃんを慕う感じも好きだなあ。親に内緒の手紙のやり取りなんてかわいい。グェンおばさん、アランおじさん…トムのまわりの大人たちもいい。ラストのおばさんが語るトムの様子に、突然涙があふれた。
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ネタバレ小川洋子さん(1962年生)と平松洋子さん(1958年生)。同じ岡山県出身の、ふたりの洋子さんによる、本と人生に関する対話集。さすがお二人ともものを書く人だけあって、元々本の読みが深いのだけど、お互いが対話することによって更に深まっていく感じ。それを目の当たりにする読者の私はしあわせだわ~。「死なないと手渡してあげられないものがある。死ぬことで、遺された人たちは新たな地平に行くことができる。だとすれば、自分にも生きて死ぬ意味がある」。紹介されている本はどれも読みたい。巻末附録の「人生問答」もうれしい。
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ネタバレジョン・レノンの「イマジン」がオノ・ヨーコの『グレープフルーツ』からインスパイアされたものだと知らなかった。本書はその『グレープフルーツ』から選び直した言葉と、日本の代表的な写真家33人の写真とのコラボレーション。「想像しなさい。千の太陽がいっぺんに空にあるところを。一時間かがやかせなさい。それから少しずつ太陽たちを空へ溶けこませなさい。ツナ・サンドウィッチをひとつ作り食べなさい」「この本を燃やしなさい。読み終えたら」…自分にとってほんとうに「読み終えた」と言える日は来るのだろうか。
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会社を退職し専属俳人となった著者の「俳句的生活」。切る、生かす、捨てる、庵、習う、友、老いなど全12章で、俳句と生活や人生とのかかわりについて書かれている。第一章の「切る」は、宮本武蔵が柳生石舟斎に見せた芍薬の切り口の逸話から、俳句の「切れ」に及び、俳人・飯田龍太の「人生もまた同じようにみごとに切ることを望む」生き方で結ぶ。どの章も見事な起承転結で書かれ読みごたえがあった。本書初読は読メを始める前で、赤い傍線がたくさん引かれていた。再読の今回も大体同じところで感に入り、傍線でなく付箋がたくさんついた。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/04/21(3182日経過)
記録初日
2020/01/12(1821日経過)
読んだ本
1364冊(1日平均0.75冊)
読んだページ
344549ページ(1日平均189ページ)
感想・レビュー
1364件(投稿率100.0%)
本棚
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性別
現住所
東京都
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