現代を生きる吸血鬼一家の娘・弓子に起こる奇想天外な物語。 弓子とヨッちゃんの軽妙な会話も面白かったし、バス事故からの展開は驚くばかりだった。出てくる全てのキャラが立っていて魅力的。終盤のQとのやり取りはほろりとした。読み終えた瞬間に「続編が読みたい！」と思わずにいられなかった。清子様の占いは二度目もきっと当たるのだろう。

昭和初期から戦時中に女中奉公をしていたタキの回想録を軸に物語が進む。女中を雇えるほどの良家である平井家の人々は、鷹揚としていて浮世離れしているように見えるが、夫婦関係など多く語られない部分も気になった。大甥の健史が語り手となる最終章で、秘されていたことが明らかとなる。大人になった健史の律儀さに救われるような気持ちになった。心が満たされるとても良い小説だった。平井家の家の描写、昭和初期の暮らしぶりに惹かれたので、映画の方も見てみたい。

現代を生きる吸血鬼一家の娘・弓子に起こる奇想天外な物語。 弓子とヨッちゃんの軽妙な会話も面白かったし、バス事故からの展開は驚くばかりだった。出てくる全てのキャラが立っていて魅力的。終盤のQとのやり取りはほろりとした。読み終えた瞬間に「続編が読みたい！」と思わずにいられなかった。清子様の占いは二度目もきっと当たるのだろう。