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2025年1月の読書メーターまとめ

バルジ
読んだ本
15
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感想・レビュー
13
ナイス
64ナイス

2025年1月に読んだ本
15

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

バルジ
良書。日本では未だに忌避される「失敗」をテーマに成長型マインドセットがいかに個人を変え社会を変革するかを説く一冊。医療業界と航空業界の対照的な「失敗」の文化は極めて興味深い。失敗を認めす、延々と同じ失敗を繰り返す医療業界、失敗を認め、業界全体でその「失敗」を共有し活かす航空業界はあまりにも対照的であるが、その要因は前者が「専門性」に逃げ医者を「神」と見做すような風通しの悪い文化であることを指摘する。これでは誰も失敗を指摘できず失敗を失敗と見做さないことで「失敗」しない有害な文化が育まれる。何と身近であろう
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
13

バルジ
「中国を見破る」視座として①歴史の書き換え②民族弾圧③対外拡張の3つを上げ、順番に論ずる。個人的には各章に随所に現れる個人的経験談が面白い。文革終了直後での教育者達の姿は興味深い。満洲国や汪兆銘政権下で働いていた人々が平然と「共産党のウソ」を語っていたという。著者が日本人となったのもそうした経緯が多分にあったというのは初めて知るものである。「中央ユーラシア」から見た中国への微妙な眼差しもまた新鮮。
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バルジ
本書は主に人事担当者や経営層をターゲットとするが、評者のような末端の現場社員でも学びの多い一冊。社会人が「学ばない」姿は正に当事者であり周囲を見渡しても納得しかないが、これは個人の有り様というより「仕組み化」された「学ばない」人々の量産という深刻な姿が本書では明らかになる。こうした「学び」の習慣を持たない人々に対しての徒な「リスキリング」は効果がないと著者は断ずる。表層的な「リスキリング」ではなく、当事者がいかにして学ぶかの仕組み作りこそが肝要という。社会関係資本を活かした「学び」の共同体作りは惹かれる。
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バルジ
再読。ヨコの連関を重視するグローバル・ヒストリーの成果として最も手軽かつわかりやすいイギリス帝国史概説と改めて認識。先に「ヨコ」と記載したがイギリス本国(シティの意向)が植民地側に押し付けられるタテの流れもしっかりと記載しているので一方的な従属史観、反欧米史観に当て嵌まらない豊饒さを持つ。インドを中心とした自由貿易体制の恩恵は近代日本にも多くの果実を齎したが、まるで「自由で開かれたインド太平洋」の先駆けの感すらある。アジア内貿易で外貨を稼ぐ「貿易国家」日本は既に明治から始まっている。
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バルジ
あまりにも身に覚えがある事例ばかりで時々苦笑しながら読み終える。本書は主に管理職を対象としているが、ヒラの社員でも後輩を抱えている者であれば読んで損はないだろう。数々の「やる気」を削ぐ事例は自分自身が受けたこともあり、かつ自然と自身が行っているかもしれないと冷や汗をかくが、メンバーとして何ができるかを考えられる良書でもある。後輩に対して自身が普段どう接しているか、思い起こしながら読むとより「自分ごと」として理解できるであろう。ちなみに評者はネガティブ発言や後輩の話を聞くときの姿勢など反省点が盛り沢山である
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バルジ
「世界システム論」を主唱したウォーラーステインの人物と「世界システム論」の解説を中心とした便利な一冊。個人的にはその壮大なスケールに魅了されるも、どうも腹落ちしないというのが率直なところ。本書にはインド史から見た世界システム論の問題点を論ずる章があり、中核ー周辺で後者が前者に従属するという理論そのものへの疑義を呈する。この「従属」されたとされる側の主体性の問題は看過し得ない。確かにカリブ海やアメリカではそうした図式が当て嵌まろうとも普遍的原則であるかは一概に言えないであろう。但し理論の魅力は変わらない」
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バルジ
良書。日本では未だに忌避される「失敗」をテーマに成長型マインドセットがいかに個人を変え社会を変革するかを説く一冊。医療業界と航空業界の対照的な「失敗」の文化は極めて興味深い。失敗を認めす、延々と同じ失敗を繰り返す医療業界、失敗を認め、業界全体でその「失敗」を共有し活かす航空業界はあまりにも対照的であるが、その要因は前者が「専門性」に逃げ医者を「神」と見做すような風通しの悪い文化であることを指摘する。これでは誰も失敗を指摘できず失敗を失敗と見做さないことで「失敗」しない有害な文化が育まれる。何と身近であろう
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バルジ
長年ロシアを取材している専門記者である著者の「思い」がひしひしと溢れ出る一冊。当然ウクライナへの侵略を主導したプーチンを厳しく批判するが、それらと同じ勢いで安倍首相の対露外交にも手厳しい。また本書は近年のロシアにおけるナショナリズムと歴史の利用にも紙幅を割く。まるで「神国日本」を思わせる狂信的とも言えるロシアの「使命」と国への「献身」を求める教育には愕然とせざるを得ない。ウクライナ侵略はひとえにプーチンの愚かな決断であるが、それを追従し支持する多くのロシア人がいることを忘れてはならない。
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バルジ
自ら造船を学ぶために船大工とまでなった「異能」の皇帝ピョートルの簡便な評伝。彼が行った施策とその後のロシアを規定した「近代」をコンパクトに纏める。岩倉使節団を思われる大使節団を率い国家の近代化に励むその姿は正に「開明」君主そのものだが、その開明政策を支えたのが農奴制と専制体制というのはいかにも皮肉。このロシアの「近代」の二面性はピョートル大帝以後のロシア史に通底する「古層」と言っても良いだろう。また開明政策を「体制化」せんとする中での模索は、開発独裁国家の政治体制維持政策にも似た趣きがある。
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バルジ
ロシア史を規定する権力関係や権力者の「時間」、またヨーロッパとの関係を歴史的な視座より「過去が貫く現在」としてのロシアを描き出す。ロシアの権力構造は日本人の想像する権力とは大いに異なる。まず「法治」からして法が権力を縛るのではなく、権力者が「法」を用いて統治するという統治者中心の概念であり、歴史的にもその統治を縛る発想は生まれにくい構造である。そうした権力者はやがて法とと共に横軸縦軸を駆使した人的ネットワークで自身を頂点とする権力構造を作り上げる。一見ミクロな各論考も実はマクロの視座で貫かれる良書である「
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バルジ
わかりやすいようでわかりにくい「世界システム論」を軸とした世界史の簡便な概説書。工業化された「中核」と原材料供給等で従属する「周辺」の二項対立の図式で世界史を描き出す「世界システム論」はやや粗っぽさが否めないまでも、歴史の大きな見取り図として面白い。工業化された「中核」であるがその過程は螺旋状に上昇し、下降する際も同じく螺旋状に下降していくというのは現在の米中覇権争いを見るに極めて示唆的。周辺から中核の地殻変動が起こっている今だからこそ「世界システム論」は今一度検討されるべきかもしれない。
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バルジ
戻ってくるトランプ「大統領」を前に、本書を思い出し再読。本書が白人ナショリストの間でよく読まれているというのも頷ける内容。アングロ・プロテスタント文化を軸とするアメリカのナショナルアイデンティティは、サブナショナルなアイデンティティによって揺るぎかつ、移民の「掛け持ち」によって更なる危機を招くという本書の指摘は明快。だが宗教と文化の二本柱でアメリカのナショナルアイデンティティを説くのは、少々無理があるように思える。やはりその「歴史」から来歴を再定義せざるを得ないのではないだろうか。
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バルジ
少々読みにくいが、世界史を巨視的な視座から捉えた良書。①フロンティア②マクロ・ミクロ寄生といった2つの視座を軸に世界史の展開を論ずる。面白いのは①の論考である。ターナーらによって唱えられた神話的な「フロンティア」論はその内実、社会的ヒエラルキーとアナーキーの混在したヨーロッパ的な「フロンティア」であった。アナーキーだからこそ「強制」や「階層」が重視された。この逆説は面白い。また最後に著者が述べる人類への明るめの期待は如何にもアメリカ人らしい。何やかんやで人類は危機を乗り越え新たな未来を築くのである。
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バルジ
良書。その長い歴史から中国の持っている内在的な「論理」を炙り出す。日本という従順ならざる夷狄の「おかげ」で近代国家へと歩みを進めた「中国」、元々は王朝の歴史でしかなかったこの領域に「中国」という概念を生み出したのは元はと言えば日本である。士と庶の二元構造は各王朝時代から今の共産党体制までを通底する。改革開放はこの中国史の論理を生かしたが故に成功したという著者の指摘は注目に値する。多くの発明がありながらも西洋とは違う発展をした中国、そもそも機械化の必要が無いヒト余りだったというのが何とも言いがたい。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/05/12(3205日経過)
記録初日
2016/05/12(3205日経過)
読んだ本
1144冊(1日平均0.36冊)
読んだページ
335796ページ(1日平均104ページ)
感想・レビュー
889件(投稿率77.7%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
自己紹介

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