今回は、凝ったトリックなどはなく、人と人の繋がりを濃く感じる話だった。完全無欠のような印象の湯川だったが、とても人間味を感じさせる内容。湯川にそんな過去があったとは。ラストはうるっときた。

鬼龍シリーズの3作目。少年課富野が主人公。クラブやバーの地下で大量殺人事件が発生。いつものごとく、鬼龍と孝景が登場。富野の印象が前回と違う気がする。一人称、ぼくだったっけ？

今回は、凝ったトリックなどはなく、人と人の繋がりを濃く感じる話だった。完全無欠のような印象の湯川だったが、とても人間味を感じさせる内容。湯川にそんな過去があったとは。ラストはうるっときた。

鬼龍シリーズの2作。1作目の『鬼龍』は、鬼龍光一が主人公だったが、今作は警視庁生安少年課の富野巡査部長が主人公。都内で発生する連続少女暴行殺人事件の捜査中に、鬼龍と出会う。新キャラ祓師安倍孝景も登場し、事件解決へ。サクサク読めて面白かった。

定食『なみきや』の娘・佐織が行方不明になった。3年後、独居老人宅から女性の遺体が発見される。捜査の結果、佐織であることが判明。大学の研究でたまたま『なみきや』がある街に来ていた湯川が事件真相に迫っていく。今回の事件も、誰かが誰かをかばい合う事件。湯川の根底には、常に『容疑者Ｘの献身』の苦い思い出があるみたい。安定の面白さ。

裕福な生活をしつつも、母親の顔色を伺いながら過ごす結珠。こだわりが強い母親と団地で暮らす果遠。小学2年で出会ったふたりの友情とも恋愛とも言えない関係。読む前はあんまり好きじゃない話かなと思ったけど、読み出すとページをめくる手が止まらなかった。タイトルもすごく良い。

夏休みに親戚の旅館に行くことになった小5の恭平。そこで、湯川と出会う。少年と湯川の交流がなかなか良かった。今回もサクサク読めた。

夫と4歳の娘と暮らす34歳の文美子。ある日、ママ友に誘われ、金持ちマダムが主催するお茶会に参加する。そこで出会った10歳下の劇団員と恋に落ちる。男性作家さんだから？文美子がそういうキャラだから？すごくサバサバした恋愛小説だった。文美子に感情移入するともやもやしてしまうので、第三者視点で読むのがよい。まあまあだった。

イヤミスあり、感動系ありの短編集。①チョウセンアサガオの咲く夏②泣き虫の鈴③サクラ・サクラ④お薬増やしておきますね⑤初孫⑥原稿取り⑦愛しのルナ⑧泣く猫⑨影にそう⑩黙れおそ松⑪ヒーロー

火葬場で働いていた著者による火葬現場のアレコレ話。火葬場の都市伝説を丁寧に解説し、現場でのトラブルを体験談を含めて書かれている。火葬場を忌み避け、隠すのではなく、オープンにしたいという著者の気持ちが伝わってきた。大変興味深い内容だった。

卵巣の病気になり、セックスを嫌悪するようになった薫。ある日、彼氏の郁也に呼び出されると郁也の隣に見知らぬ女性・ミナシロさんがいた。彼女は「子どももらってくれませんか?」と言う。子どもを持つ持たないと、産む産まないは別の話で、女性として生まれたからには、子どもを産むか産まないか問題がつきまとってわずらわしいと言うミナシロさんの意見、そうなんだよなだぁ！