瀬戸内の島に育った高校生の暁海と、京都から転校してきた櫂。どちらも問題ある親に振り回され、あきらめの中で生きている2人は惹かれ合い、付き合い出す。高校生の恋愛話か〜と思いながら読んでたけど、閉鎖的な島での女性の価値観や、大金を手にした人の変化など、目まぐるしく進む物語に一気読み。この話は、北原先生の存在なくしては成り立たないのではと思ってしまった。

【明治33年、東北山間集落の鉱山病院に赴任した衛藤。ここでは数ヵ月前に川で双頭の犬と猫足の猿、人間のバラバラ死体が流れてくる事件が起きていた。貧困と医療の限界に悩みながら、助けられない命と向き合う衛藤。この村で起きた事件に真摯に向き合い、真実を見つけ出す。】設定は面白かったけど、うーん、なんか物足りなかったなぁ。

【中学1年の海斗、太市、未夢は、オンラインゲーム仲間。ある日3人は、廃園になった遊園地〈ハピネスランド〉で撮影されたと思われるある動画を見てしまい、その動画が一体何なのかを突き止めるため、ハピネスランドに侵入することに。】すごく色々無理やりな感じがしたけど、深く追求しないタチなので、面白く読めた。

秋田医科大学博士課程1年の南雲瞬平が所属する法医学教室では、県内の異常死体の法医解剖すべて担う。高齢夫婦の無理心中や単なる中毒死と思われる事件の真実を司法解剖によって明らかにしていく。この著者の前作も面白かったので、またこういう話が読めてよかった。

『汝、星のごとく』の続編。【「春に翔ぶ」北原先生の過去。「星を編む」その後の2人の編集者の奮闘。「波を渡る」暁海と北原先生のその後。】櫂の「約束なんかしたら、荷物になるやろ」ってセリフに泣けた。

瀬戸内の島に育った高校生の暁海と、京都から転校してきた櫂。どちらも問題ある親に振り回され、あきらめの中で生きている2人は惹かれ合い、付き合い出す。高校生の恋愛話か〜と思いながら読んでたけど、閉鎖的な島での女性の価値観や、大金を手にした人の変化など、目まぐるしく進む物語に一気読み。この話は、北原先生の存在なくしては成り立たないのではと思ってしまった。

ベストセラー作家の天羽カイン。本を出せば映像化作品になり、本屋大賞も受賞。それなのに、なぜか直木賞が獲れない。候補に挙がるが、毎回だめ。なにがなんでも直木賞が獲りたい作家と女性編集者が、全身全霊を込めて作品を作り上げていく話。直木賞選考の裏話的な話が続くのかなぁと思ったけど、こういう結末ね！読んでいくうちに、天羽カインの直木賞欲しくてたまらない気持ちが乗り移ってたから余計に、ぎゃ〜！それは最悪だよ！って思わず声に出してしまった。

青森県のP集落に伝わる奇妙な因習についての連作短編集。人間の気持ち悪さに非現実的な気持ち悪さも加わって、何とも言えない読後感だった。まあまあかな。

潔い文章でさらっと読めた。

【婚約者をバス事故で亡くした依里。しかも、婚約者は既婚女性と宿泊帰りだった。生きる気力もなく眠れなくなった依里は、デパートの寝具店で寝具を一式購入。その流れで、その店舗で働くことに。寝具店には様々な悩みを持った客がやってくる。】依里の悲しみは伝わってくるが、あまりにも婚約者一筋、この人が全てという感じが強くて、ちょっとそこは馴染めなかった。依里の本編は無しで、寝具店に来る人たちの連作短編集でも面白いような気がする。とにかく、ムートンシーツが欲しくなった。

月に10万円で借りられる「レンタル番犬サービス」短編集。高齢のひとり暮らしや女性ばかりのシェアハウスなど、さまざまな事情を抱えた人々に優しく、頼もしく寄り添う番犬たちの話。心にじんわりくる内容でたまにはこういう本も良い。

身近な犯罪の短編集。イヤミスっぽい話もあったけど、全体的に特に大きなヤマ場もなく、さらっと読める話だった。