娘のある行動で妻を失った幸人。そのことを娘には絶対に知られるわけにはいかない。ところが、「お前の娘がしたことを知っている。」と金を要求する電話がかかってきた。脅迫者から逃げるため、30年前に住んでいた新潟県羽田上村を訪れる。ここではかつて、幸人と姉、両親が深く関わる出来事があった。30年後の今、事件の真相が明らかになってゆく。小さな出来事なんだけど、あのときのあれが、このときこうしてなかったらがうまく繋がってて、おもしろかった。

思ってた内容と全然違った！交番勤務のイケメン警察官が幽霊退治する話かと思って期待して読んだのに！あらすじをさらっと見ただけの解釈は大変危険。実際は、窓際警察官の集まりである鳩裏交番の面々が日々の巡回連絡で世間話ばかりしてる話。ちょいちょいなにかのきっかけで、ある事件を解決したり、ホームレス連続殺人事件の解決したり。お色気女性副所長が出てきて興醒め。幽霊の話も1回だけだし。

ちょっと悲しい感じで、後の話で前話の登場人物がどうなったかがわかる系の連作短編集。まあまあだったかなかなぁ。

中年男性の全裸遺体が発見された。検死の結果、性的暴行を受けており、目には目をというメッセージが見つかった。この男性の身元が判明すると、彼の20代の息子がかつて性加害者だったことが判明。犯人は息子のかつての事件の関係者か？志波刑事との関わりで、鞍岡刑事の凝り固まった考え方がだんだんと変化していくのが良かった。警察小説で恋愛要素があるとイラッとするが、この話は警察小説とは違う気がするから許す。

娘のある行動で妻を失った幸人。そのことを娘には絶対に知られるわけにはいかない。ところが、「お前の娘がしたことを知っている。」と金を要求する電話がかかってきた。脅迫者から逃げるため、30年前に住んでいた新潟県羽田上村を訪れる。ここではかつて、幸人と姉、両親が深く関わる出来事があった。30年後の今、事件の真相が明らかになってゆく。小さな出来事なんだけど、あのときのあれが、このときこうしてなかったらがうまく繋がってて、おもしろかった。

マカン・マラン最終巻。『さくらんぼティラミスのエール』『幻惑のキャロットケーキ』『追憶のたまごスープ』『旅立ちのガレット・デ・ロワ』最後までいいお話でした。

心の闇を抱えた人たちを癒す夜食カフェ、マカン・マランのお話。『妬みの苺シロップ』『藪入りのシュンサイ冷や麦』『風と火のスープカレー』『クリスマスのタルト・タタン』どの登場人物も、陰の気満々で膨れ上がってにっちもさっちも行かないときにマカン・マランにたどり着く。そして、癒され夢から覚めたかのように前向きになる。常に救いがあって心がじんわりするお話。

教会で女性2人の惨殺死体が発見される。1人は両手首が切り取られていた。2人の共通点は犯罪被害者家族の集いに参加していたこと。警視庁捜一の大河内が捜査に乗り出す。警察の汚職的な話が出てきたり(ややこしくてよくわからん)、心理学者がどんどんプロファイリングしたり、プロのスナイパーが仕事したり、てんこ盛り。面白かったけど、長かったなぁ。

警察署に現れた血まみれの青年。何らかの重大事件に関係しているのか？刑事の美波は、記憶喪失となった青年の捜査を担当する。一方、推理作家の月島は、宿泊するペンションで起きる殺人事件を解決する謎解きイベントに参加する。ところが、閉ざされたペンション内で実際の殺人が起こってしまう。関係なさそうな話が同時進行し、やがて解決へと向かう。最後の最後にそういうことか！ってなったのは、なかなかよかった。

高校生の海は、転校先で忍と出会う。はじめはなんの意識もしていなかったふたりが、海が忍を励まそうとしたキスをきっかけに、惹かれ合っていく。悲しい数々の過去を背負いながら明るく振る舞う海、普通や常識にがんじがらめになる忍。もどかしいふたりの話…というとBLっぽいけど、ちょっと違う。美澄さんはやっぱり、女性の繊細な気持ちとか男女の複雑さの方が良い気がするなぁ。

21年前の一家殺傷・放火事件の加害者が次々と殺さた。犯人は主犯だった荒だと目されるが、それを覆すことが起きてしまう。しかも予想外の人が死んてしまうし…！あ〜、おもしろかった。タイトルの『虚貌』に納得。

運送会社の一家を殺傷・放火した、荒、時山、坂井田、当時未成年だった湯本。21年後、主犯で無期懲役の刑期を終え荒が出所すると、時山・坂井田が何者かに殺害された。癌に侵され余命幾ばくもない刑事の滝中は、最期の事件として捜査に乗り出す。スピード感がある話で、続きが気になる〜。