すごく面白かった。ミニマリストという時事ネタを扱いながらも、まったく無理をしていない。40ページまでだけでも内情や心理が踏み込んで描かれており、驚きの連続だった。例えば、物を持たないためにカーシェアを使っている、だけでなく、その車が不人気な土地のコインパーキングにあり、さらに出し入れがしにくいレーンに停まっている、という情報まで付け加えている。精悍な文章に、こういった細かな気づきが散りばめられているのもあって、ストレスフリーというのも変だが誠実な作家だと思った。別の作品も気になる。

1時間で50ページという絶望的なペースでも読み終えた。面白かった。冗長さを感じつつも退屈に感じなかった。思いのほか話に動きがある。小児性愛に対する嫌悪なんて全く気にすることなく、のびのびと書いているなぁともはや潔い。この手の語り口調は当然気に障るが、書きたいことに対して思いのほかストレートに書いているのが印象的だった。ハンバートが「誤解のないように」と繰り返しながら心情を綴っているのが良かったのかもしれない。読み応えがあった。

自分の作業効率に疑問を持ったので読んだ。ワーキングメモリーが低いと言われたのを思い出し、この辺に何かあるのだろうと踏んだ。「大人の発達障害」という言葉が流行ってずいぶん経つが、出回っている書籍は子どもの発達障害がほとんどで、他は病状や周りの対応指南についてが多いようだ。なのでそもそも選択肢が少なくはあったが段取りという切り口が合致していた。一番の収穫は時間の感覚について。今どの段階にいるのかを意識する、認識するということ。点と点を繋ぐ、あまり考えたことなかった。献立を決める、家事をポイント式にする、メモ。

面白かった。何人かのタイムスケジュールが載っていて、それぞれ家事についてのコメントがあり、p140に独身女性の「思いがけずおいしい食事を作れたときがせつない」とあったのが印象的だった。玄関ドアのマグネットで傘や箒を収納するのも参考にしたい。p170戦中・戦後に家事を学ぶことのできなかった主婦たちがメディアや雑誌を教科書としていたというのも興味深く、母屋から団地という生活や家事の変化が書かれていたのが良かった。ライフハックだけではなく、簡単に触れているだけとはいえ勉強になった。