コロナ禍を舞台にした短編集。どこか犯罪、事件というものの影が共通してある。ホラーっぽいものからファンタジーなど多彩な短編集で、面白く読めた。暗い話でもそんなに重苦しくならない印象を受けた。

謎解きロジックで読ませる短編集。短いなかでも多重解決があったり、謎解きが詰め込まれている。かなりそこに特化している印象を受けた。

まれにミノタウロスみたいな怪物が突然出現するようになった世界。眉原市の議場にも突然出現し、その後に射殺されるが、一匹は着ぐるみを着せられた議員だった。特殊設定の謎を解く話がメインで、謎を解くというよりは実験してわかったことを教えてもらうような感じだった。その実験過程みたいなところが読んでて面白かった。議員を殺した犯人がわかるところは本格ミステリーの謎解きのようだが、この状況では犯人の正体などあまり興味がわかなかった。

過去の歴史を調べ、インフレを解説している。政府は債務を減らすことができるインフレの誘惑に負けるため、中央銀行の独立が必要だという。

読者の質問に答える人生相談の本。残念ながら執筆途中で亡くなられてしまった。作者が経済について「リスクをとらない人がリスクをとる人に利益を払う」と説明したのは、以前他のところで読んだが、脳裏に焼きつく言葉だった。

どこを修飾しているのかわかりずらい言葉、並列に並べられた言葉の区切りのわかりにくさ、言葉のすれ違いを生み出すあいまいさを書く。たくさんの問題が出題されるので、問題集みたいな感じで密度が濃かった。

コロナ禍を舞台にした短編集。どこか犯罪、事件というものの影が共通してある。ホラーっぽいものからファンタジーなど多彩な短編集で、面白く読めた。暗い話でもそんなに重苦しくならない印象を受けた。