読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

Alm1111
読んだ本
9
読んだページ
2719ページ
感想・レビュー
9
ナイス
220ナイス

2024年10月に読んだ本
9

2024年10月のお気に入り登録
6

  • よぽ
  • ジョージ
  • kan
  • 風眠
  • まると
  • ルトピエ

2024年10月のお気に入られ登録
2

  • ジョージ
  • まると

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Alm1111
真っ赤に燃える雲を見た囚人が皆で日没の光景を見ようと声をかける。誰かがつぶやく「世界ってどうしてこう綺麗なんだろう」p127。この場面は特に印象に残った。渦中に自身を置きながら冷静な視点で人間観察を行い解放後に記した書。これ以下の地獄はないような世界でどういう人が生き残ったのか、希望を持つことが人間に与える力など精神科医から見る人間心理が興味深い。著者が生き残れたのは様々な偶然が重なったからでもある。学者や著名人も多く収容されたという。いったいどれほどの叡智が消されたのだろう。巻末の写真が生々しい。
Alm1111
2024/10/12 11:18

「また創造的な価値や体験的な価値を実現化する機会がほとんどないような生活ーーたとえば強制収容所におけるがごときーーでも意義を持っているのである。すなわちなお倫理的に高い行為の最後の可能性を許していたのである。それはつまり人間が全く外部から強制された存在のこの制限に対して、いかなる態度をとるかという点において現れてくるのである」

Alm1111
2024/10/12 11:19

でも翻訳はちょっと硬くて読みにくかったので新訳で読み直してみたい。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

Alm1111

あるきっかけで、この秋はホロコーストという重いテーマに挑戦中。その反動でめっちゃミステリーや児童文学が読みたい

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
9

Alm1111
第二次世界大戦下。ポーランド南部の村でユダヤ人の強制移送が始まる。ユダヤ人のハンナは村でただ一人の医者。彼女から親切にされたドイツ人将校が耳打ちする「今すぐ逃げて」。ハンナは着の身着のまま16歳のミンナと7歳のマルカを連れて国境を越えるが、途中のハンガリーの村で高熱に倒れたマルカをユダヤ人一家に預ける決断を迫られる。だが一家は保身のためマルカをゲットーへ放り込んだ。マルカと別れ苦悩するハンナ。母に反発する思春期のミンナ。状況を理解できないまま殺戮のゲットーに遺されたマルカ。三者三様の生きる闘いが描かれる。
Alm1111
2024/10/21 10:51

やむを得ない決断だったとはいえ、娘を他人の家に置いてきたことを悔やみ続けるハンナ。わずか7歳、見知らぬ地でただ一人何度も死線を生き延び、ゲットーでもドイツ兵から身を隠すすべを身につけるマルカ。もうマルカは冒頭の甘やかされた少女ではない。彼女にはもう母の記憶さえ薄れている。全てを警戒し本能の勘に頼り行動する。まるで野生動物のようだ。最後に母と再会する...ようだが、ハッピーエンドの感覚は薄い。マルカの心の傷は決して消えないだろう。この一家はもう元の家族の絆を取り戻せない気がする。

Alm1111
2024/10/21 10:58

ハンナは自分を親の反対を押し切って自分の生きたいように生きたことを後悔するが、結局ハンナや娘たちが助かったのは、ハンナが過去に救ってきた患者たちからの恩返しだ。ハンナの行動は間違っていなかったと思う。ボロボロになり、泣きながら我が身を責めるハンナの姿が辛い。ハンナの決断も遅くなかった。いつもの通りの穏やかな天気の平和な村で、誰が今日ドイツ軍による強制連行があると予想できただろう。正常性バイアス。今の時代にも決して鈍感であってはいけないのではと戦慄する。

が「ナイス!」と言っています。
Alm1111
足が不自由なため母親から虐待を受け続け、生まれて一度も部屋から出してもらえず、他者との接触や学ぶ機会も与えられないまま10歳になったエイダ。そんな彼女に自由を与えたのは戦争だった。戦時疎開を好機とみてエイダはついに母親の元を脱出する。完全に外界から隔離されていたエイダは何一つ世界を知らない。草を見るのも初めてだ。文字も読めず気持ちを表現する語彙も持たない。自分を受け入れようとする存在に対しても、感情をうまく表せずに肩をすくめる、わめくのみ…まるであのヘレンケラーのようだ。虐待の記憶がエイダを苦しめ続ける→
Alm1111
2024/10/17 12:51

一方のスーザンも、オックスフォードで数学を修めるエリートながら、愛する存在の喪失、社会不信から他者との関わりを避けてきた孤独な女性だ。傷だらけのスーザンと原始少女エイダ、そしてエイダの愛する幼い弟ジェイミー。放置された馬バター。片目がつぶれかけた子ネコ。国同士が傷つけ合う戦時下、そんな傷だらけの彼らが不器用に支え合い、救いを見いだす物語。

Alm1111
2024/10/17 12:53

表紙買いしてしまった。タイトルずるい。そしてまるで宮崎駿作品みたいなエイダの絵がずるい(笑)思わず手に取ってしまった。続編も読んでみたい。

が「ナイス!」と言っています。
Alm1111
ネタバレ母を亡くし新しく家族を迎えたデイヴィッド少年の葛藤が、物語の世界に取り込まれて行く。『君たちはどう生きるか』を観た人ならこの本にいくつもの共通点に気がつくだろう。戦争、継母、生まれてくる異母兄弟、枯れ庭、図書館、消えた叔父、鳥、ねじくれ男、死んだはずの母の声…。本作は映画の原作とも言えるが、重量感や描写のエグさは本の方が容赦ない。多くの死や別れ、タブーが包み隠さず少年に向けられる。これは少年が大人になるための旅なのだ。現世に戻って落着かと思ったらデイヴィッドのその後まで言及。最後数頁に落涙。
が「ナイス!」と言っています。
Alm1111
昔から家にある絵本で筋も良く知っていたはずだが、久々に読み直して「あれ、こんな話だったっけ」と記憶修正。思いのほかふぇるじなんどは非能動的で、花の匂いをひたすら嗅ぎ続けるだけという、非暴力不服従の姿勢を取る。この本が出版されたのが第二次世界大戦の前哨戦ともいえるスペイン内戦最中というのが重い。(フェルディナンドではなくふぇるじなんど、という表記が古めかしくて好き)
が「ナイス!」と言っています。
Alm1111
ハード系の本を読み続けたのでこの本で一休み。ほっと一息するのにこれ以上の本はない。東京新聞に毎週金曜に連載されている喫茶店漫画だが、常連客とバイトのよっちゃん、ヨレヨレマスターのジワジワくるゆる〜いやりとりがたまらない。1話が1ページで完結するのでサッと手に取れるのも良い、と思ってたらページを捲る手が止まらずあっという間に読み終わってしまった。ナポリタン食べたい!!
が「ナイス!」と言っています。
Alm1111
真っ赤に燃える雲を見た囚人が皆で日没の光景を見ようと声をかける。誰かがつぶやく「世界ってどうしてこう綺麗なんだろう」p127。この場面は特に印象に残った。渦中に自身を置きながら冷静な視点で人間観察を行い解放後に記した書。これ以下の地獄はないような世界でどういう人が生き残ったのか、希望を持つことが人間に与える力など精神科医から見る人間心理が興味深い。著者が生き残れたのは様々な偶然が重なったからでもある。学者や著名人も多く収容されたという。いったいどれほどの叡智が消されたのだろう。巻末の写真が生々しい。
Alm1111
2024/10/12 11:18

「また創造的な価値や体験的な価値を実現化する機会がほとんどないような生活ーーたとえば強制収容所におけるがごときーーでも意義を持っているのである。すなわちなお倫理的に高い行為の最後の可能性を許していたのである。それはつまり人間が全く外部から強制された存在のこの制限に対して、いかなる態度をとるかという点において現れてくるのである」

Alm1111
2024/10/12 11:19

でも翻訳はちょっと硬くて読みにくかったので新訳で読み直してみたい。

が「ナイス!」と言っています。
Alm1111
ネタバレ<再読>バーニー少年だけに感じ取れる不思議な現象や近づく足音。しかし本当に魔力を持っていたのはーー。再読ながら新鮮に楽しめた。だが肝心の魔力とはなんなのか再読してもよくわからなかった。コール少年の「死」(しかも本当は死んでいないし)やバーニーへの固執が台詞の説明だけで片付けられて、あとはアットホームに和気あいあいに幕引き。煙に巻かれたような終わり方だった。一連のホラーはコールおじさんの人違いだったのねで一件落着ってこと?前回は読後感良しと評価していたが、今回はどうもモヤモヤ感が残った。なんでだろう
が「ナイス!」と言っています。
Alm1111
駄目な部下のせい、ヒムラーのせい、環境のせい等々、美しくまとめた強制収容所所長ヘスの自己弁護が長々と。一言で言えばこの本は「俺は真面目で職務に忠実なだけの常識人なのに、みんなのせいでこうなったんだ」という弁解書である。自己陶酔な文章も気持ち悪い。ヘスは留置所で意気揚々と書いたらしい。注釈や序文などのツッコミ無しで読むと彼の口八丁にまんまとたぶらかされるかも。戦時中の狂気は「普通」の人をここまで殺人マシンに変えてしまうのだ。しかも本人いわく始終自分は常識的・理性的だったそうで。映画『関心領域』を観なければ。
Alm1111
2024/10/08 23:10

だからこの本は怖い。とても恐ろしくて危険な記録だ。編者のツッコミなしで読めば「あれ?ヘスってまともな人?」と引っ張られそうなくらい危険だ。生き物や家族を愛する真面目で凡庸な人間に宿った悪魔性。当時の思想に無批判に陶酔した一庶民ヘス。彼が特異な異常者でないからこそ戦慄する。時代と状況が揃えばどこにでもヘスは出現するだろう。そこが恐ろしい。

が「ナイス!」と言っています。
Alm1111
作者名を見なかったらとても女性が書いたとは思えないような骨太の戦記物。追う者追われる者、友情、裏切り、敗走につぐ敗走、そしてどんどん登場人物が死んでいく。重い。ローマン四部作の最終巻だし、もう少し明るいまとめ方で終わるかと期待していたが、そこはサトクリフ容赦なかった。ローマが去って屍累々。その通り歴史上ローマは撤退するわけだものね。あのイルカの指輪は今回大きな役割を果たさないが、少なくともアレクシオス(物語では彼は未婚)の代までは長らえブリテンのローマ時代を見届けた形ではある。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/03/07(2818日経過)
記録初日
2017/01/26(2858日経過)
読んだ本
594冊(1日平均0.21冊)
読んだページ
172306ページ(1日平均60ページ)
感想・レビュー
315件(投稿率53.0%)
本棚
1棚
自己紹介

児童文学、ミステリー、歴史小説などを中心にいろいろ手を出し、財布より本を忘れる方が大慌てする活字中毒者。一時期書き込みをサボっていたのを2023年に復活。
皆さんの読書感想がとても参考になってます。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう