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2024年10月の読書メーターまとめ

なさぎ
読んだ本
9
読んだページ
1805ページ
感想・レビュー
9
ナイス
32ナイス

2024年10月に読んだ本
9

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

なさぎ
めっちゃ良かった。どれくらいかって、『虐殺器官』と並べて置いておきたいくらいには。やはり、初期作というものは意欲に溢れていて、作者の作家性が爆発している(もっとも、『三体』本編が次に控えている事を考えると、本作の「爆発」は水素爆弾に至る前の原子爆弾の様な、ある意味で「予兆」だったのかもしれない)。——本書を読んで、自分の中での劉慈欣のポジションが更に一段階上がってしまった。そろそろ与えるポジションが無くなってしまう。未読の方、劉慈欣を読むのだ。今すぐに。
なさぎ
2024/10/28 21:29

〈黄色の森の中で、道が二手に分かれていた。 残念なことに、二つの道を同時に歩むことはできない。 だから、人があまり通っていないほうを選んだが、そのおかげで人生はまったく違うものになってしまった。〉 (407-408)

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
9

なさぎ
良い本。悩んでいるときとか、折に触れて読み返したい。——昔の自分なら「何言ってんだか」と一笑に付したかもしれないけれど、今だからこそ、腹落ちする言葉もとても多い。本にはそれぞれ「読むべきタイミング」というものがあって、客観的に「良い本」というよりも、その"タイミング"があった本が、自分にとって個人的に〈良い本〉になる。
なさぎ
これ(本書原作)があれ(ジブリ映画)になるのか、という率直な驚き。こんなコテコテな少女漫画だったとは。——しかし、最後まで読み切ると味わいが変わってくる。さすがに名作というか、原作としてとても良い。とはいえ映画は、現代の雰囲気に合わせた上で主題を中心に物語を再構成しており、総じて良い映像化だったと言えるだろう。
なさぎ
当たり! 雰囲気がすごく良い。2003年の作品なんだけど、令和的な優しさを感じる、というか。あとがき読む限り、作者的には正視できない黒歴史なのかもしれないけれど、私は全然良いというか、やはりこう、描き慣れてない頃というのが一番その本人の味が純粋に出ている。という気がしている。商業作家以前の作者の趣味的な本で、2巻の出版は10年以上経ってからみたい。そっちも読んでみたい。
なさぎ
ご飯の絵がとても美味しそう。全体的にほわほわしているのに、どこか気を抜けない感じ。何となく、村上春樹の『街とその不確かな壁』を思い出した。——良くも悪くも、印象に残らない。最近読書の調子が良くて、結構カロリーの大きなものも読めるようになってきているのだけれど、もう少し前の、胃腸の弱ったタイミングの方が良かったかもなとは思った。
なさぎ
ロシア漫画。雰囲気が良い。『戦争は女の顔をしていない』を読んだときにも思ったけれど、彼の国には彼の国特有の空気感がある。もっとも「彼の国」をどこまで広げて考えるかで、この現代で戦争一つ起きるくらいの大論争な訳だが。——寒さは人を億劫にする。でも、億劫さとは悪いことばかりじゃない。何かを考えるにはうってつけだし、そこでしか生まれないアイデアもある。人間はどこまでも有限で、だからときとして、諦観が最も美しい場合もあるのだ。
なさぎ
not for me。 何より、全体320ページのうち78ページ(約1/4)が原作小説の引用というのは、コミカライズの敗北だと思う。原作を読んだ方が絶対に良い。ガッカリだ。 構造主義全盛における教養主義道徳の古典的名作を、あろうことか「表層だけの模倣」として焼き直してしまった。対照的に、原作小説の「内容(テクスト)」にとらわれず「文脈(コンテクスト)」を映し取った、宮崎駿の映画版がより際立つ。どちらが「天動説」でどちらが「地動説」か、考えるまでもない。
が「ナイス!」と言っています。
なさぎ
めっちゃ良かった。どれくらいかって、『虐殺器官』と並べて置いておきたいくらいには。やはり、初期作というものは意欲に溢れていて、作者の作家性が爆発している(もっとも、『三体』本編が次に控えている事を考えると、本作の「爆発」は水素爆弾に至る前の原子爆弾の様な、ある意味で「予兆」だったのかもしれない)。——本書を読んで、自分の中での劉慈欣のポジションが更に一段階上がってしまった。そろそろ与えるポジションが無くなってしまう。未読の方、劉慈欣を読むのだ。今すぐに。
なさぎ
2024/10/28 21:29

〈黄色の森の中で、道が二手に分かれていた。 残念なことに、二つの道を同時に歩むことはできない。 だから、人があまり通っていないほうを選んだが、そのおかげで人生はまったく違うものになってしまった。〉 (407-408)

が「ナイス!」と言っています。
なさぎ
テレビでこの本が紹介されていて、その絵が衝撃的で思わず読もうと思った。 戦争のときの話。不気味とか怖いとか、そんな感じの絵柄と文章ではあるけれど、なんか不思議とあったかさというか、優しく包み込んでくれている様な雰囲気がある。——宇野亜喜良のこの絵の雰囲気、全然違うのだけれど自分は咄嗟に諫山創先生の絵を思い出した。系譜的な繋がりがあるのかないのか、そんなことは分からないけれど、底の深いところに通っているメッセージみたいなものは、存外近いのかもしれない、などとも思う。
なさぎ
平成日本版『ライ麦畑でつかまえて』、みたいな。大人も子供も男も女も父も母も姉も、みーんな嘘っぱちだ。うそっぱちの願望と、嘘っぱちの理想。自分が何を望んでいるかも分からないから、訳も分からず猛進し、だから絶対に幸せになれない。そこでこの世の無情に目が止まり、自分が何かを「気付いた」気になったのだとしたら、それはもっと危ない。いつだって、自分が正しいと思っている瞬間が一番危険なのだ。そもそもみーんな嘘っぱちなのも、誰もが自分のことを「正しい」と思っているからに他ならない……のだ。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/03/29(2796日経過)
記録初日
2011/01/12(5064日経過)
読んだ本
1299冊(1日平均0.26冊)
読んだページ
391445ページ(1日平均77ページ)
感想・レビュー
781件(投稿率60.1%)
本棚
14棚
年齢
28歳
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

「全ての可能な文字列。全ての本はその中に含まれている。」(円城塔『Self-Reference ENGINE』)

SF・古典・漫画を中心に、雑食で色々読んでいます。
最近は学術書っぽい本とかもソコソコに。

感想と、コメントで印象的なフレーズを記す事にしています。
特に良いと思った本は本棚の一押しにリストしています。


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好きな作家 : 伊藤計劃/円城塔/恩田陸/海堂尊/小松左京/時雨沢恵一/テッド・チャン

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