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2024年10月の読書メーターまとめ

マウンテンゴリラ
読んだ本
7
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感想・レビュー
7
ナイス
31ナイス

2024年10月に読んだ本
7

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

マウンテンゴリラ
遠い昔の学生時代から、受験科目としても選択せず、体系的な世界史を真剣に学んた記憶のない私にとっては、大変面白く、解りやすく、ためになるものであった。大学生になり、受験勉強から解放された頃から、読書を通して世界史に興味を持ち、面白さを感じることも多くなったが、断片的、局所的、専門的な物が多く、このようにすっきりと理解でき、かつ偏りの無い客観的な歴史書と呼べるものに出会えたことに、新鮮さを感じた。特に、日本が否応なしに世界と対峙しなければならなくなった近代以降の西欧、西アジア(主にオスマン・トルコ)、→(2)
マウンテンゴリラ
2024/10/18 22:44

(2)旧ロシアと言った世界強国の地政学的関係が日本を含む東アジアの歴史にどのような影響をあたえたのかを、グローバルな視点によって,逆に鮮明に理解することが出来た。年齢にこだわらず、知ったかぶりをやめて、謙虚にこのような基本書に接することで、また新たな、読書の楽しみが得られたように感じた。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
7

マウンテンゴリラ
歴史的な政権与党の凋落に終わった選挙のあとに読み終えただけに、様々な感慨を覚えた。本書は5年以上も前に書かれたもので、勿論今回の選挙結果に直接関係するものではない。しかし、裏金問題や統一協会との癒着問題が発覚する以前の論考であるだけに、より冷静に、より本質的に今回の結果を暗示したものと捉えることも出来た。個人的に言うと、ごく狭い知見の範囲ではあるが、最も信頼できる著述家、政治学者の一人である著者の著作のなかでも、最も感銘を受けた。保守とリベラルというテーマで様々な論考を発表されてきた著者であるが、→(2)
マウンテンゴリラ
2024/11/03 13:15

(3)それでは、選挙結果が万能ではないとすれば、保守(死者の権利を含めた民主主義)の精神は何に反映されるのかといえば、それこそが憲法である。そういう意味では、改憲派の一部が主張するような、現行憲法が占領国であるアメリカによる押し付け憲法であり国民の伝統が反映されていない、という意見にも一理あるように思える(私は必ずしもそうであるとは思わないが)。そうであれば、それを死者を含めた国民の総意にかなったものに改編する、ということも立憲主義の精神には含まれていることになる。ただし、その条件としては、→(4)

マウンテンゴリラ
2024/11/03 13:46

(4)理性を過信した合理主義的、設計主義的な大変革,急変革ではなく、過去を敬い、人間の可謬性に根差した漸進的なものにならざるを得ず、ましてやアメリカの世界戦略に同調するための、伝統的国民の意思を無視した改憲案が保守の精神と相反することは明らかである。これらは、著者の思想的師でもあり私自身も敬愛する故·西部邁氏によって唱えられていたものでもあると思うが、今回の著者の論考によって、政治的な保守、リベラル、そして立憲主義の思想的背景と、それらを踏まえた政治実践上のバランスの取り方がより明確に示されたと感じた。

が「ナイス!」と言っています。
マウンテンゴリラ
ノモンハン事件については、満州事変以来の十五年戦争の渦中に起こった重大事件として、語られてきた。しかし、それを時代の負の遺産として、分析し学ぼうとする姿勢が、勿論私もその一員である戦後の日本人にどれ程受け継がれてきたであろう。その学びを通じた反省と言うものを、死者が担うことは出来ない。であれば、このような良書を通して、我々が学び反省して行くしかないのではないだろうか。残念ながら故人となられた著者の作品に惹かれるのは、単に歴史を興味本意の物語りとしてではなく、同国人の負の遺産として受け止め、→(2)
マウンテンゴリラ
2024/11/03 10:40

(4)過去の日本人の失敗をあげつらうことではなく、現在を生きる我々の在り方を見つめ直すことだったのではないだろうか。かつての熱狂は、情報源の少ない時代に、それを一手に握っていたとも言える新聞に代表されるマスコミに誘導されたもので、質量ともに情報に恵まれた現在ではあり得ないと言えるだろうか。情報の質量とは無関係に、一度インパクトの強い情報や思想にとりつかれると、他を省みなくなる。それは現在でも変わっていないのではないか。むしろ情報の多様性に振り回され、自分の頭で判断する能力が劣化してはいないか。→(5)

マウンテンゴリラ
2024/11/03 10:49

(5)ということを考えさせられた。そのためにはやはり物事を正しく知ることが始まりと言えるだろう。勿論、本書の記述が事実としても見解としても、完全に正しいとは断定できないが、少なくとも探求心をもって、真実を求めようとする姿勢とそれを噛み砕く姿勢は、教えられた気がした。

が「ナイス!」と言っています。
マウンテンゴリラ
以前、公益資本主義というタイトルの本を読んだ記憶がある(内容はほぼ忘れてしまった)が、現在のような、強欲資本主義や格差資本主義と呼ばれるようなものが限界を示しつつあるように思われるなか、それに代わる、人間や自然に優しい本来の資本主義と言う意味で、共感が持て、日本人にも馴染み易いものとして共通点を感じた。一方で、本書の監修者でもある斎藤幸平氏等が唱える脱成長コミュニズムの考え方にも大いに魅力を感じている。両者の大きな違いは、資本主義と言うものの捉え方にあり、脱成長コミュニズムの方では、資本主義を→(2)
マウンテンゴリラ
2024/10/23 19:27

(2)社会·経済における確固たるシステムと見なし、本書の倫理資本主義では、それを確たるシステムとしてではなく、人間の多様で自然な営みから生まれた形態のひとつであるとする。その捉え方の違いから、資本主義自体を廃止するか、発展的に継続するかという大きな違いが生じるが、冒頭にあげたような現状の資本主義に限界を認め、根本的な持続性を主眼においた人間のあり方、環境との関係を重視する方向への転換を求めると言う点において、共に魅力的な社会思想であると思う。現時点で、二者択一的にどちらかに偏るのではなく、→(3)

マウンテンゴリラ
2024/10/23 19:35

(3)両者の主張、今後の展開に注目して行きたい。しかし残念なことに、現在行われている選挙戦の中でも、このような大きな視点、長い視点で国の方向性をどうするかと言う議論がなかなか立ち上がってこない。そう言う意味においても、本書でも提案されている子供への選挙権の拡張には、大きな可能性があると感じた。

マウンテンゴリラ
少し話は逸れるが、先日、個人的にお気に入りのジャーナリストである青木理氏の失言にある意味でショックを受けた。その発端となった問いは、なぜ日本では、何があっても選挙で自民党が勝ち続けるのか、というものであったと思うが、それと同様に、大阪在住の私は、何故大阪では、維新の会が常に選挙で勝ち続けるのか、という疑問を抱いている。そんな私にとって、ある時ふと書店で目にした本書には、当然の如く引き寄せられるものがあった。著者は経済学者であり、政策論や感情論ではなく、客観的にデータを元に維新の政策による経済効果→(2)
マウンテンゴリラ
2024/10/19 10:20

(5)可能性が感じられることである。そうであれば、事は維新の問題のみでは無く、かつて、人情の街として知られた大阪が、自己利益のみを求める冷徹な都市住民の街と化してしまったとも,言えるのでは無いだろうか。そのような都市住民化のみが、維新の人気を支えているとは思わないが、その一端はあるように感じる。また、これは完全な私見であるが、大阪には元来、メディアへの露出度が、政治家の人気を左右する風潮があるようにも感じられる。昔からタレント出身の国会議員や自治体首長が多く、維新の会の初代大阪府知事である橋下氏を→(6)

マウンテンゴリラ
2024/10/19 10:34

(6)はじめ、松井氏、吉村氏等も、メディアへの露出度は高く、案外単純にその辺りが人気の最たる要因かもしれず、政権側も大いに意識し、利用しているのでは、とも感じられる。もちろん、経済学者である著者から、また、政策の分析という客観性を旨とする本書からそのような見解が出るはずも無いが。とにかく、政治を劇場化せず、政策を冷静に見つめ、将来の社会に及ぼす政治の影響力の大きさを真剣に捉える必要を、自分への戒めとしても、強く再認識させられた。

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マウンテンゴリラ
遠い昔の学生時代から、受験科目としても選択せず、体系的な世界史を真剣に学んた記憶のない私にとっては、大変面白く、解りやすく、ためになるものであった。大学生になり、受験勉強から解放された頃から、読書を通して世界史に興味を持ち、面白さを感じることも多くなったが、断片的、局所的、専門的な物が多く、このようにすっきりと理解でき、かつ偏りの無い客観的な歴史書と呼べるものに出会えたことに、新鮮さを感じた。特に、日本が否応なしに世界と対峙しなければならなくなった近代以降の西欧、西アジア(主にオスマン・トルコ)、→(2)
マウンテンゴリラ
2024/10/18 22:44

(2)旧ロシアと言った世界強国の地政学的関係が日本を含む東アジアの歴史にどのような影響をあたえたのかを、グローバルな視点によって,逆に鮮明に理解することが出来た。年齢にこだわらず、知ったかぶりをやめて、謙虚にこのような基本書に接することで、また新たな、読書の楽しみが得られたように感じた。

が「ナイス!」と言っています。
マウンテンゴリラ
学生時代から、世界史に関しては不勉強であった私にとっては、大変興味深い内容であった。また、その私がいうのもおこがましいが、同時に、このようなアジア全域の歴史に関して、日本人全般が不案内であるように見えるのは、何故かと言うことも考えさせられた。国民全般を対象とする歴史教育がなされ始めたのが、近代化以降として、アジアの中で他に先駆けて西洋近代化を成し遂げた日本が、危機意識を伴う焦りから、近視眼的に世界史的興味も西洋中心に流れたのは、ある意味やむを得なかったかもしれない。また、昭和の15年戦争へと→(2)
マウンテンゴリラ
2024/10/18 21:53

(3)現在に至り、経済力が低下する中で、必然的に中国に国交におけるプライオリティまでも奪われ続ける遠因となったのでは無いか。ことは、そのような国のプライドといったことに留まらず、世界一の少子高齢化を迎え、外国からの就業者に力を借りなければ、経済自体が成り立たなくなろうとする時代に、身近なアジアの国々から、選ばれる国になっているだろうか。少なくとも、アジアからの就業者に対して、日本人と同等の人権を認め、あるていどの文化や歴史を知ることは、国益にとっても今後ますます重要性を増してくるだろう。→(4)

マウンテンゴリラ
2024/10/18 22:04

(4)そう言う意味においても、この様な歴史書は意義深いものであると感じた。また、そのようなある種打算的な意味のみならず、遠い時代のシルクロードから中国、朝鮮半島を通じての、日本文化、宗教の源流や共通点を感じられる点でも、大いに知る価値のある歴史であり、それを通して、そこに住む人々にリスペクトを感じるきっかけにもなるだろう。

が「ナイス!」と言っています。
マウンテンゴリラ
先日、本書を読んでいる最中に、著者のある発言が物議を醸したというニュースを読んで驚いた。その内容というのは、ある動画サイトで、なぜ日本人は自民党に投票し続けるのか、という問いに対する答えとして、「劣等民族だから」という発言があったとのことであった。ある意味で、さすがにそれは問題視されても仕方がないとも思われるが、ある意味で著者らしいとも言え、メディアの雰囲気に乗せられて、思わず口を滑らせたのだろうと感じた。私自身は、本意が日本人の政治的無関心さ、危機意識の低さを指のであれば賛同ぜざるを得ない。→(2)
マウンテンゴリラ
2024/10/17 23:14

(2)そして何よりも、今回の発言が、今後の著者の言論活動に、深刻な影響を及ぼさないことを願うばかりである。さて、少し前置きが長くなってしまったが、本書の感想としては、政治、芸能、文学、外国人をめぐる人権問題、歴史認識、そして著者の専門でもあるジャーナリズム等々、日本が抱えるあらゆる問題に、鋭く、かつ深く切り込んだ良書であると感じた。普段TVでのコメント等で投げかけられる問題提起を、それぞれの専門家の知見を借りて、さらに掘り下げる対談形式となっており、日本の闇の深さをさらに深刻に感じさせられた。→(3)

マウンテンゴリラ
2024/10/17 23:23

(3)日本の国力の低下が、いまだに経済問題に帰せられることにこそ、危機感の欠如という深刻さがあるということを改めて思い知らされた。と同時に、同様の違和感を感じておられる方には、是非一読をお勧めしたい一冊である。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/09/30(5171日経過)
記録初日
2010/08/09(5223日経過)
読んだ本
1226冊(1日平均0.23冊)
読んだページ
359650ページ(1日平均68ページ)
感想・レビュー
1179件(投稿率96.2%)
本棚
43棚
性別
職業
技術系
現住所
大阪府
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