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友人が「読みたいと思って買ったら、すでに持っていたからあげる」という経緯で読み始めた。川上弘美さん、はじめまして。小さな町を舞台にした不思議なショートショート。ほのぼのしているようで、残酷で、不条理で、プークスクス笑えて、愛らしい変な話。最初は何じゃそれと首をかしげた影じじい・八郎番も、だんだんと近所に居そうな気がしてくる。こういう変なことこそが、世界の本質なのかもしれない。良い散歩をしたあとの気分。

このあたりの人たち (文春文庫か 21-9)川上弘美

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あらすじ・内容

ナイス ★7

コメント(0)2025/03/10

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経営が下手すぎて勉強を始めた。まずは京セラ創業者・稲盛和夫さん、人呼んで「経営の神様」から学ぶことに。自分もワーカホリック気味だが、稲盛パイセンは桁違い。そこは令和なので勘弁してほしい。でも、経営哲学は刺さった。「考え方」が何より大事で、人として正しい考えは事業の成長に直結するのだと。印象的だったのは、第二次世界大戦で傷つけた隣国に対して、日本は謝り続けなければならない、という言葉。それこそが「正しさ」なのだと。こういう視点を持つ経営者がいるのだなあ、としみじみ思った。

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幼稚園時代の記憶を掘り起こして描かれた私小説。語り手のもりなつきくんは、大人びた感性と子どもらしい繊細さのバランスが愛しいやらハラハラするやら。彼の観察やエピソードは、子どもの心の複雑さを丁寧にすくい上げています。本当に子どもが書いたようなリアリティがあり、幼い日のむき出しの感情を思い出させてくれます。読後、やっぱり子どもは小さな大人だから、敬意を持って接するのがよかろうと改めて感じました。

私以外みんな不潔 (幻冬舎文庫)能町みね子

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あらすじ・内容

ナイス

コメント(0)2024/12/31

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猫が星になった。心のもっていき場を探してこの本にたどりついた。作者の優しさが伝わってきて温かくなる感覚。引用されていた映画『ラビットホール』の一節。子どもを早くに失った経験のある祖母の言葉「悲しみは消えない。でも変わっていく。押しつぶされそうだったのが這い出せるようになり、ポケットの中の小石みたいに変わる」この言葉と本の中の様々な体験談が重なり、喪失を抱えながらも生きていく人の力強さと優しさを思った。自分の悲しみだけに注目していたことに気づいて、少しその外側から自分と周りを見回せる様になった気がする。

喪失学「ロス後」をどう生きるか? (光文社新書)坂口幸弘

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あらすじ・内容

ナイス ★14

コメント(0)2024/12/08

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図書館くらいの蔵書がある著名人たちの本棚を鑑賞するための写真集のような本。インテリアおしゃれさんの本棚じゃなくて本気（マジ）のほうの本棚なので迫りくるものがある。名久井直子さんは憧れのデザイナーさんだけどマジの本棚の人だったのでますます憧れた。

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「喫茶ランドリー」を営む田中元子さんの本。あの場所の写真を初めてネットで見かけたとき大きな洗濯機が並ぶ空間に、子どもからおじいちゃんまでそれぞれ好きな時間を過ごしている風景にいいなあとため息がもれました。そして本屋でこの本を見つけたとき、あの喫茶店のオーナーってどんな人なんだろう？と手が伸びました。読んでみるとそこには田中さんの熱い想いがぎっしりと詰まっていました。「１階を楽しくして街を元気にしたい」「誰もがくつろげる空間を作りたい！」という思いで作られた喫茶ランドリーの工夫の数々。店舗に行ってみたい。

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ネタバレ装丁に一目惚れ。銀色の背景に本の形の建物。窓からコックさんの姿。どんなお話なんだろうとワクワクして手に取りました。内容は本好きのためのおとぎ話みたい。夜にしか開かれない私営図書館。そこには亡くなった作家さんの蔵書があつめられている。スタッフは本好きであり、少し人生に傷ついてきた人たち。本に出てくるお料理を通して、心が通い合っていく。作者さんの理想の場所がお話になったのではないかなあ。原田ひ香さん、いつか本当にそんな場所を作ってくれたらいいなあ。