個人的には、「偶然性」と「幸福」、そこに絡む「宗教」と「尊厳」は、憲法13条解釈の伏線を提供しているように感じられてならない。なお、佐藤優の解説は読まなくてもいいっしょ(読んでない)。
これに抵抗した女性たちを大量に虐殺したのが「魔女狩り」である。以上を踏まえれば、たとえば2024年の今日においてもなお、なぜ女性に中絶権を認める必要があるかがよくわかる。それは、資本主義を背景とする女性の非人格化・人格否定としての身体化・パーツ化、柳沢伯夫元厚労大臣が言う「女は子供を産む機械」を否定するために必須だからである。早く人工子宮技術が発明・実用化されればよいと思う。
他方で、特に第二部は、日本史は明治維新前後から始まり現代までやった後に今度は西洋史は古代ギリシアからで、ぶつ切り感が否めなかった。もちろん、「リベラル・デモクラシー」を主軸に据えるがゆえにこのような選択になるのはわからないではないが、それにしても。全体的にも犬塚、河野、森川の統合がうまく行っていない(さながらプラウトゥス『捕虜』の逆!)印象。それぞれが単著の教科書を書けば良いのではないか。特に犬塚元先生のは読んでみたい(もちろん河野有理は近代日本政治思想、森川輝一は西洋政治思想(特にアレント)と、
それぞれの得意分野での筆は一流なので、やはりコラボレーションがうまく行ってなかったのが残念。/33頁の「公職選挙法178条6項」は「公職選挙法178条6号」の誤り、116頁の「桂太郎」と「西園寺公望」はお互い逆だろう。
近代の、土地持ち長男以外の誰でもが労働賃金のみで自由に結婚できるようになった核家族モデル下で、女性は出産育児家事を担い、男性は外に働きに出るモデルが生まれ、資本制(会社)はこの状況を前提に最大の利潤が生まれるよう、最初は未婚女性を、次には既婚女性のうち重労働たる出産育児が終わった者を、外国人移民労働者を受け入れない代わりの労働力としてパートタイムジョブに使い始める。このような家父長制と資本制の結託は、時代時代に応じて変わるし、性別以外の要素が絡む場合も多々ある。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
個人的には、「偶然性」と「幸福」、そこに絡む「宗教」と「尊厳」は、憲法13条解釈の伏線を提供しているように感じられてならない。なお、佐藤優の解説は読まなくてもいいっしょ(読んでない)。