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2025年2月の読書メーターまとめ

ABAKAHEMP
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2025年2月に読んだ本
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2025年2月のお気に入られ登録
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  • uyuni

2025年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ABAKAHEMP
ネタバレ殺人事件が起こっているのに、誰も警察に通報しない。確かに孤島だが、携帯は通じるし、嵐で足止めを食っているわけでもない。この中に犯人がいることがわかっている。だが、逃げようともしなければ、自分たちで立ち向かい捕まえようともしない。禁じられているのだ。この島にいる間は、決して殺人犯を見つけてはならない、と。ここが極めてバグってるのだが、殺人を黙認するだけでなく、犯人がきちんと証拠を残さず殺人を完了することを願ってもいる。死体の後始末にも手を貸すが、何かの拍子に犯人の正体が明らかになることを望まない。誰かの悲鳴
が「ナイス!」と言っています。

2025年2月の感想・レビュー一覧
10

ABAKAHEMP
日本の大学入試の国語で特徴的なのは、小説の登場人物の心情を問う問題がやたら多いこと。状況描写から心情を読み解くこの問題は、場の空気を読んで反応できる共感力を試してている。一見非論理的と思われがちな日本の感想文も、実はこの能力を育んでいる。我々は、読み手の期待する順番にすべての要素が並んでいると、論理的だと感じる。日本の感想文は、必ずしも結論が明確に示されるわけではないけれど、体験に基づく感情の推移や変化を重視する。これは、共感に基づく社会性や協調性を重んじる日本の文化を反映した、独自の論理と言えるだろう。
ABAKAHEMP
2025/02/28 22:56

もし人間が生まれながらに多元的思考が可能で、あらゆる論理の型を自在に操れるなら、特定の文化圏で特定の思考法が発展する必然性はないはず。むしろ、人類共通の普遍的な思考法が形成されていただろう。独自の思考法が生まれたということは、人間の認知能力には限界があり、すべての論理の型を同時に扱うことは難しいということを示唆している。特定の思考法に特化することで、その文化圏における効率的なコミュニケーションや問題解決が可能になったと考えられる。

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2025/02/28 22:59

さらに、多元的思考を重視しすぎると、それぞれの思考法の持つ深みや精緻さを失ってしまう危険性も考えられる。例えば、日本の場を読み共感を寄せ合う文化は、言葉で表現されない繊細なニュアンスを理解する能力を育んできた。しかし、多元的思考の名の下に、この暗黙知を軽視し、すべてを明文化しようとすれば、文化的な奥行きが失われてしまうかもしれない。それぞれの思考法の限界や弱点も認識しておく必要は確かにあるだろうが、特定の思考法に特化することの価値も認め合うことも重要なのではないか。

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下巻に入り一気に情勢は錯綜し複雑化する。かつての敵は友となり、かつての追っ手が助力の相手に切り替わる。両京を結ぶ運河での十五日は彼らの考え方を変え、人生の目的を悟らせる。道理は明々白々、頭ではわかっても感情がすぐに追いつくことはない。和解も妥協もできない路を行く者たちに身の栄達など眼中にない。「痛快に死ぬか、さもなくば、ぜんぶ終いにするかだ」本書を読みながらたびたび漢詩の魅力にページを繰る手を止めた。「進むに必ずしも媚びず 居るに利を求めず 芳るに人の為ならず」瓦松賦の一節もそうだが、つい声に出し朗唱して
ABAKAHEMP
2025/02/22 23:27

「人の心というものはまず定見があると、往々にしてそれに合う事実だけを信ずるものです。陛下の心にまず定見を植えつけ、重要なところをねじ曲げて伝えれば陛下が自然に残りの物語を組み立ててくれます。難しいことではありません」本書はこれでもかというくらい荒唐無稽な因果が満ちている。病仏敵という異名をもつ梁興甫の戦いの目的もそう。敬愛する鉄鉉の旧臣であるはずの男が、比類なき忠誠心に導かれて、鉄鉉の息子である呉定縁を殺そうと追い回す。

ABAKAHEMP
2025/02/22 23:28

あるいは朱瞻基は、自らを仇と思っている呉定縁や蘇荊渓に命を救われ、京城まで送ってもらっていたというのもそうだ。これなど例えて言えば『西遊記』で知られる三蔵法師が、苦楽を共にし、道中に散々命を救ってくれた孫悟空や猪八戒から、天竺に着いた途端に「お前は絶対に許さぬ仇だ」と罵倒されるようなもの。天の定めとはいえ、宿縁の因果とは恐ろしい。「まるで闇の中で不可視の巨手が数十年をかけてゆっくりと動き、次々に衝突が連鎖して今日の皮肉にして荒唐な場面を作りだしたようだ。まことに業には必ず因があり、必ず果をまねくものだ」

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内藤陳風に言えば「とにかく、行け!買え!!読め!!!」本。華文冒険ミステリだとか、”深夜プラス1+隠し砦の三悪人+山田風太郎”など様々に形容されているが、それよりは真っ当な歴史小説を読めたという印象の方が強い。作者の方も実は、これだけ「晦渋な用語、辺鄙な地名、マイナーな典故が氾濫」する作品が日本人に受け入れられないと思っていた。しかし蓋を開けてみれば、年末の主要なランキング1位を総ナメに。訳者の貢献も大きい。”十五日”ならぬ “十五ヶ月”に及んでしまったと自嘲気味に振り返るほど、訳出は難渋を極めたと思う。
ABAKAHEMP
2025/02/17 10:20

いつも「これ以上面倒事には関わらぬ」と宣言しているのに、あれよあれよと騒動の渦の中心へ流される。于謙は小臣にも関わらず、デカい声で太子を罵り叱咤もする熱血な直言居士の人。仲間の中で一番自分は貢献できていないと悲観的だが、実は有能な能吏らしく文書の謎はすべて看破する。ただ一番推理のキレが凄まじいのが、蘇荊渓という名の女医だろう。刺繍の図柄から失踪の事件性の度合いを測るなんてのから、何気ない会話の端々から相手の心理の裏読みまでやってのける。毒薬を繊細に調合し、宿年の恨みを晴らす必殺仕掛人でもある。

ABAKAHEMP
2025/02/17 10:21

太子・朱瞻基は本書で一番評価が一変する人物。蟋蟀遊びにうつつを抜かす典型的な暗愚かと思いきや、決死行の途中から、先の帝から続く遷都の問題を真剣に捉え、いかに政をすべきかに頭を悩ませる聡明さも見せつける。都が北にある事で叶えられる辺境への備えと運河の活用も、国都が南に遷れば漕運は止まる。安寧や苦役は減り、経済的なメリットは大きいはずだが、国境だけでなく国の根本も危うくする。遷すべきか残すべきかの間で右往左往逡巡する様はハムレットだが、国を統べる者も避けて通れぬ仕事でもある。

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日本では休まないことが美徳とされるが、70%とか50%のパフォーマンスしか出せないのに出社してきちゃっている罪悪感をもっと抱いた方がいい。会社はたぶん100%のパフォーマンスを前提に契約してるはずだから。職場で同僚に声を掛け合う「お疲れさま」も、考えてみれば異常だろう。あたかもハードワークすることが前提となっているからだ。外国なら「調子はどう?」という挨拶も、日本だと先にお疲れさまと労われるのだから、何かズレている。“粉骨砕身して働くのが当然だ”と意識に染まった日本だが、意外にも昔のような「働きすぎ」には
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2025/02/13 19:05

なおかつ自律神経のトータルパワーのピークは、10代後半がピーク。あとは年を重ねるほどに目減りして、40歳で50%、60歳で25%と落ちてしまう。総量を増やすことを考えないと、疲れは常態化する一方だ。バランスの良い食事は休養学の基本だが、同時に「食べないこと」「食事の量を減らす」ことも重視している。腹八分を心がけ、むしゃくしゃするからスイーツなどやけ食いするなどもってのほか。甘いもの摂取することで、かえって興奮状態になり、自律神経のバランスも乱し、逆効果となるのだ。

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2025/02/13 19:08

電車で居眠りする横の人に寄りかかられた経験は誰でもあるだろう。不思議と大抵の人は、眠ったままでも姿勢を維持していて、倒れかかってくることなんてまずない。これは深い睡眠に入るまでにある程度時間がかかるためだが、もしレム睡眠に入っちゃったら、いっさいの体の力が抜けてしまって、全体重がこちらにかかってくる。ひょっとしたら、その場で転倒しちゃうかもしれない。でもたまーに、電池が抜けたようにストンと倒れこんでる人も見たことがあるような...。

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「ときとしてまっすぐな善は凶器になる」ダーウィンの呪いが生み出した優生思想。ダーウィンの正統なる後継者とも言うべき主要な進化学者の多くが、優生学者と同一だった。なぜ彼らは誤ったのか?ダーウィンの思想を曲解したから?そうとも言い切れない面が本書で指摘される。ダーウィンのオリジナルな思想は確かに優生学の出発点となった側面がある。もちろん彼は、人種の存在もその優劣も否定していた。しかしダーウィンは進化と人間社会を分けて考えなかったし、彼の自然選択説そのものが、人間の進化を念頭において打ち立てられたものだった。
ABAKAHEMP
2025/02/12 23:07

「左に傾きすぎた左翼は、極右とほとんど区別がつかなくなるように、何らかの価値観にあわせて個人を改善する遺伝的強化は、集団を改善する優生学に接近せざるを得ない」。人間の進化的改良という目的自体が不適切なのだ。優生学も、人間は進化の産物であるという科学的事実から導かれたこの目的のために、集団が達成すべき目標を「善・悪」や「良・不良」に据え、生物学的な「適・不適」で決定づけられた。

ABAKAHEMP
2025/02/12 23:08

「国民であれ民族であれ、進むべき集団の進化の方向を生物学的に決めれば、必然的に個体は生得的と見なされた性質で優劣が付き、何らかの尺度で序列化する。集団が目指す方向(善)とずれた生得的性質は差別され、不要とされ、有害とされ、学習による向上と修正の努力は否定される。これを生物学的な事実から『そうあるべきだ』と規範化する結果、存在と出生の否定が正当化される。人間が持つ性質の何が正常で、何が優れ、何が異常で何が劣るかは、価値観の問題でしかないにもかかわらず、である」

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経済雑誌の内幕レポートとしては面白いが、評伝ノンフィクションとしては物足りなさが残る。インタビュー中に何度も繰り返される、「児玉さん」との呼びかけ。穿った見方をすると本書は、服部が社内で陰口を叩かれ、トヨタ公式記録からも消されつつある自身の功績に、光を当てさせるために書かせた自伝本のようにも見えてくる。人物像へのアプローチは不完全で、中国での辛苦を極めた生活の実態はくわしいが、日本での私生活はベールに包まれたまま。相手が語りたいこと、気持ち良く喋ってくれることだけを聞きとって、穿れば血が流れ出すような箇所
ABAKAHEMP
2025/02/06 18:15

中国人は綺麗に死ぬよりも、惨めに生きたほうがマシと考える。日本人とは真逆。心の底では共産主義を嫌っていても、生き残るためにはどんな酷い帝王でも従う。這いつくばってでも生きようとするのが中国人だと語る服部。毛沢東が大号令をかけ始まった大躍進運動とその後の文化大革命を当事者として生きた日本人。人類史に残るほどの餓死者を出した狂気と茶番の時代を、「日本鬼子」と差別され続け、中国時代は思い出したくもないと唾棄するほど嫌い抜いているのに、自分が知らず知らず彼らのように行動してしまっていることに気づき愕然とする。

ABAKAHEMP
2025/02/06 18:16

「洗脳教育は、脳みそに中国共産党というシワを刻み込むようなものだった」と語るほど、自分の行動様式に染み付いてしまっていた。他と交わらず、自分のみを恃みとし、夜な夜な政府高官や幹部を接待するだけでなく、他メーカーとも平気で情報高官を交わした。陰口を叩かれる服部のやり口は、起死回生の秘策を成就する力ともなったが、習近平による汚職撲滅政策により、終の住処としようとした中国からも追い出される遠因ともなった。

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どれくらいアホかというと、自分の旦那や嫁さんの顔も覚えられず、他人の子供との区別もつかないのだとか。それでいて10羽くらいの群れで生活しているから、何羽か減っても気づかない。当然、数も数えられない。何千羽のヒナの中から我が子を見つけ出せるペンギンと比べても、月とスッポン。 「自分の家族の顔さえ覚えられへんくらいやから、当然、人間の顔も覚えません。毎日お世話しても、毎回『誰やコイツ?』みたいな表情をしています。ツンデレやなく、ツンツンです」
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2025/02/05 09:19

人間の寿命は大幅に伸びそうな気がするが。そうなると多少アホになるかもしれないな。ただこのアホというか、進化を順調に重ねていくのではなく、置いてけぼりであることのメリットについては深く考えさせられた。ダチョウの抗体が他のものとどう違うか。速くて安いだけではない。抗体を作り出す免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質のY字の形状に違いがある。進化した哺乳類は、Y字の先がある程度固定されていて、特定のウイルスには適しているが、それ以外や未知の異物には対応できない。

ABAKAHEMP
2025/02/05 09:22

対して、恐竜から鳥への進化のドロップアウト組であるダチョウのそれは、Y字の先端が長すぎるし、揺らぎがある。そのため、いろんなものに引っついて、ものすごい種類の抗体を大量に作り出すことができるのだ。設計通りに細かくピンポイントで狙い撃ちするのと、ファジーというか成り行きで遊びを残しておくという生存戦略の違い。戦略でもないか。スボラにしてたら、身についたというべきか。

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「小説とはこういうものだ。読み終わって、そんな気がする」と評したのは養老孟司だった。「子供がつづるような単純な文章が、きわめて切り詰められた客観的な表現を生む。それが、語られる内容の重さを、読み手に逆に強く意識させる」「面白い小説がないか。そういう質問を受けたら、私はこの三部作を推薦する。安易な読み物ではない。しかし、引きつけられる。人生とはまさにこうしたものではないか、と」。1992年に刊行された30年以上も前の本だが、いっこう古びることのない魅力が詰まっている。
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2025/02/03 23:01

クラウスの視点から振り返ると、これがまた切ない。父親が突然家を出て行き、逆上した母親がその父を撃ち殺す。跳弾がリュカに当たってしまい生き別れ、その後何十年と再会できずじまい。母親はその悔恨で精神を病み、傷つけたリュカを絶対視し、クラウスを陰に陽に傷つける。さらに父の不倫の原因を作った愛人の元で育てられ、そこで出会った娘と許されぬ恋心を募らせるが成就しない。一方では、リュカの行方を必死に探しながら、リュカといまの精神状態の母親を合わせてしまうと大変なことになると恐れてもいる。

ABAKAHEMP
2025/02/03 23:03

自殺したリュカの葬儀を終え、また四人が一緒になれる日も近いなと夢想するクラウスの最後の言葉、「列車。いい考えだな」も印象的だ。映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の最後に、ロバート・デ・ニーロ演じるヌードルスが浮かべる微笑みを想起させる。現世では決して叶わぬ、永遠に失われた関係性が、夢の中、あるいは来世で、そして創作においてなら実現できるのではないかという儚い思い。人生もまさにこんなものなのかもしれないが。

が「ナイス!」と言っています。
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ネタバレ殺人事件が起こっているのに、誰も警察に通報しない。確かに孤島だが、携帯は通じるし、嵐で足止めを食っているわけでもない。この中に犯人がいることがわかっている。だが、逃げようともしなければ、自分たちで立ち向かい捕まえようともしない。禁じられているのだ。この島にいる間は、決して殺人犯を見つけてはならない、と。ここが極めてバグってるのだが、殺人を黙認するだけでなく、犯人がきちんと証拠を残さず殺人を完了することを願ってもいる。死体の後始末にも手を貸すが、何かの拍子に犯人の正体が明らかになることを望まない。誰かの悲鳴
が「ナイス!」と言っています。
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「いつも先手は犯人が握り、(警察は)後手を引かされる宿命なのだ」事件が起きなければ動けないし、周到な準備の面でも遅れをとる。さらに十中八九ブラフだとわかっていても犯行予告には駆けつけねばならないし、どうせ爆発しないとわかっても三脚にくっついたスマホを前に、じっと爆発物処理班と一緒に待機し続けねばならない。人手はいくらあっても足りはしない。爆弾なんて一つ告知通りどこかの野原で爆発させれば十分で、あとは国会や東京タワー、銀座などで爆破予告を流してしまえば、警察は威信をかけて予告の場所へ大量の捜査員を送り込む。
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2025/02/01 22:16

柴咲は「人は真実性とは無関係に、差し出した犠牲によって物事の真偽を測る生き物」なのだと語り、犠牲を差し出さない言動ほど空虚なものはないと嘯く。そこで犯罪に対しては裁きによって、それに見合った量刑が下され罰せられるのであるから、先に罰を受け入れてしまえば復習しても許されるはずだと主張する。強行犯係の立花班長が、湯村に語りかける言葉が印象的だ。

ABAKAHEMP
2025/02/01 22:17

「良くも悪くも我々は、縁でつながった他人とともに生きていくしかないんです。愛情も憎しみも、嫌っていうほど絡まってくるんです。法律は、それを調停する知恵ですが、誰かを幸せにしたり不幸にするのはどこまでいっても人間なんです。犯罪と罰は、等価じゃない。それはまったく、等価じゃないんです」 前作も良かったが本作も期待に違わぬ出来だった。惜しむらくは、スズキタゴサクのお喋りが中断してしまうことくらい。それくらい彼の言葉は、造形も含め、読者を引きつけて離さない強烈さがある。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/11/13(5242日経過)
記録初日
2010/02/21(5507日経過)
読んだ本
840冊(1日平均0.15冊)
読んだページ
295733ページ(1日平均53ページ)
感想・レビュー
824件(投稿率98.1%)
本棚
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