やっと涼しくなりましたね。林真理子『ルンルンを買っておうちに帰ろう』はいろんな意味で衝撃的でした。林真理子ムリ!『超ひも理論をパパにならってみた』結構面白く『大栗先生の超弦理論入門』を買っちゃいました。バルザック『ランジェ公爵夫人』バルザック上手い。2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:3321ページ ナイス数:1789ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/815148/summary/monthly/2024/9
今月もよろしくお願いします。写真は小豆島の寒霞渓のてっぺんから見た瀬戸内海。島が多いです。天智天皇はここを通って白村江の戦いに行き、額田王は天皇に代わって歌を読んだのでした。「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかないぬ今は漕ぎいでな」だったと思います。
威張るだけでは無く近所でも威張り散らすジジイなぞ昨今は見かけない。近所の人と気さくに喋る小学生も今どきあまり見ない。親や教師が知らない人と喋ってはならないと教え込んでいるからだ。昭和の小学生はもっとのびのびしてたなと思うのは自分がオヤジを超えてジジイの領域に入って昔は良かったと言ってるのかも知れない。群ようこもそんな感じで書いている様に思われる。
メルトダウンした。吉田所長がイソコン(非常時復水器)により1号機は冷却されていると思い込んでいた事が直接の原因だが中央制御室の現場は事故直後にイソコンをOFFしておりその事が免震棟の吉田所長に伝わって居なかった。さらに1号機の圧力容器の水が燃料棒がむき出しになる迄1時間と言う報告も淡々となされた為吉田所長は覚えていないと言う。所長は当時6000人居たF1の人達の避難が最優先で本店とのTV会議にも集中していた。全ての責任は吉田所長にあるが指示は本店が出すと言う指揮命令系統がこの様な過酷事故では無理筋→
だろう。こう言う場合は現場に任せるべきだと言う一般論だ。その命綱のイソコンが1968年の稼働以来一度も動かしていなくてイソコンが働いた時どういう事が起きるか現場の人は誰一人知らなかったと言う点をNHKは問題視する。米国での聞き取りで米国では5年に1度動作確認すると言う事実を掴む。もの凄い轟音がするそうだ。東電はこの轟音が周辺住民に不安を与えるのではと言う理由で保安院に実際の確認はしないとし保安院も認めている。原発安全神話のなせる技だ。結果としてこれが命取りになる。10年間の知見が生かされる事を期待する。
男女差別に遭いながら粘り強く自らの道を切り開いて来た7人の女性を取り上げている。特に戦前生まれの人は家制度の元で母親の苦労を見、母親も娘に自分の様な従属的立場ではなく自立した人間になって欲しいと応援された人が多い。1985年に施行された「男女雇用機会均等法」の推進をしたのも労働者婦人局長である赤松良子の活躍のおかげだと知った。この法律により女性の雇用機会は増えたがキャリアパスは男性優位と言う状況は未だに続いている。企業においても女性役員の割合は低くさらに多くは社外取締役と言う状況である。→
女性のキャリアパスをちゃんと設計して来なかったつけが今になって出ている。嬉しい事に技術者として入社してくる女子が増えて何故か美人が多い。若い美人が同僚と言う竜宮城の様な状況になって来てオヤジとしては大変嬉しい。彼女らの中から将来の役員が出てくるのは自然な事だ。自民党だけが夫婦別姓に反対している。時代錯誤な政党は生き残れない。
その後最悪時は1日に50本も打っていた。段々と効かなくなるので。津島家の番頭中畑と東京で国会議員をしている兄の支持者の北が作者と共に江古田の武蔵野病院に入院させる。初代は画学生と不倫をしたと言う事で離縁されその後青島で30代で亡くなる。可愛そうな事だ。薬が抜けて退院した後戦争も激しくなり甲府に疎開する。甲府で嫁取りの話があり石原美知子と見合結婚する。津島佑子の母。その前に文藝春秋の編集者をしていた石井桃子と作者宅で偶然会い、太宰は憧れている様だったと言う。「私だったら太宰を死なせはしなかった」→
と言う石井桃子の言葉は作者も書いているが私は石井桃子の『幻の朱い実』で読んだ。桃子さんは太宰と同時代の人だったんだと不思議な感じがした。山崎富栄との関係は富栄が積極的だった様だ。作者は富栄が太宰を宿屋の一室に閉じ込めていたと書いている。心中の時にも太宰の首には絞められた後があり富栄の無理心中だったと匂わせる。当時の雰囲気はそうだったのだろう。真相は藪の中だ。本書には太宰に関する場所が多く書いてある。文学碑も含めて。太宰ファンの聖地巡りには良い本かも知れない。
長男が後書きで3度の結婚で4人の子供を得るがその間恋人が何人いたか勘定出来ない恋多き人生であったが4人の子供をほぼシングルマザー状態で育てあげた事に感謝すると書いている。作者が「ホーム」だったと。下世話で女も男もすぐやってしまう、ヤク中、アル中だらけという骨格と変なユーモアが混在して独特の味を出している作品が多い。自由なのだ。訳者岸本佐知子が好きそうな物語でもある。訳者名利に尽きる所だろう。作者の母親の言葉「誰が聖人君子なんかと結婚して面白いと思う?」が本作品集を代表する、とワタクシは思う。
作者は波乱万丈の人生を送りながら常に文学が好きだった。少女の頃から小説が好き。「ルーブルで迷う」ではパリに滞在して「失われた時を求めて」の聖地巡りをしている。やはりあの退屈で(自分の学生時代の感想)途中下車した小説は読む人が読めば面白いのかと思った。再読してパリで聖地巡りをしてみたいものだ(笑)
村上春樹の文章になっている所が面白い。「妹」って誰の妹かと言う事はそのうち分かって来るのだが彼女の目的がどこにあるのか後半分かって驚く。そこに至るまでの筋書きは作者が嫌うのが分かるくらいあちこちに飛ぶ。とは言えついつい引き込まれて行くフィリップ・マーロウの世界だった。
のあり様の様だ。鷹野と田岡のコンビ。彼らの出自と訓練方法には独特なものがある。そしてアヤコと言う峰不二子の様な分かりやすくて分かりにくい女。リーヨンソンと言うシンガポール籍の男が主たる登場人物。スリルとサスペンスがお好きな向きにはどうぞ😁
大分県の耶馬渓、小豆島の寒霞渓。最近寒霞渓を見た。何故こんな地形が出来たのかと思わせる鋭い切れ込み。小豆島は1400万年前の火山活動で出来て硬い岩と柔らかい岩が組み合わされて柔らかい部分が侵食された結果寒霞渓が出来たと。もの凄く一般的な説明だった。実は良く分からないらしい。カルスト台地として有名な山口県秋吉台と北九州の平尾台は何億年か前のサンゴの堆積が押し上げられて陸になった後雨に侵食された跡だがピナクルの形が違う。前者が尖っていて後者は丸いのだが後者はシアノバクテリアの影響だと。→
大変興味深いのが福井県三方五湖の水月湖の湖底から73mもの堆積層が採掘された事。1年ごとに縞になっており平均して1年が0.7mm。つまり7万年分の地層が1年ごとに観測出来ると言う画期的なもの。鹿児島の姶良火山の堆積物は20cmも有り諸説あった噴火時期が3万年前と分かったと言う。ちょうど日本に人類が渡って来た頃。いきなり酷い目にあったのか。その後に続く寒冷期をどうやって生き延びたのか、と思ってしまう。今もある意味酷い事が起きているが自然が暴れると人間は手も足も出ないのは一緒なんだと思った。
ガラスの文鎮というニックネームですが文房具フェチな所があってそういう意味の文鎮です。文鎮と呼んでください。嫌いな作家は百田尚樹なのでそのレビューだけはナイスをパスします。悪しからずご了承ください。
(好きな作家、敬称略、順不同)
岸本佐知子、絲山秋子、津村記久子、宮本輝、平安寿子、奥田英朗、原田マハ、山田宗樹、山田太一、椎名誠、群ようこ、宮部みゆき、篠田節子、角田光代、白石一文、小川洋子、橋本治、真保裕一、姫野カオルコ、向田邦子、本多孝好、笹本稜平、幸田文、高野悦子、高野文子、高村薫、森絵都、湊かなえ、貫井徳郎、宮脇俊三、関川夏央、佐藤多佳子、ドウス昌代、真山仁、楡周平、池澤夏樹、村上春樹、恩田陸、東野圭吾、永島慎二、庄司薫、佐々木譲、柴田翔、寺田寅彦、中山七里、川上弘美、江國香織、西加奈子、桜木紫乃、竹内薫、瀬尾まいこ、川上未映子、安部公房、北杜夫、遠藤周作、開高健、塩野七生、多和田葉子、朝永振一郎、、稲垣みえ子、太宰治、楊逸、川端康成、夏目漱石、堤未果、斎藤美奈子、矢作俊作、大江健三郎、伊藤比呂美、佐野洋子、小山田浩子、町田康、小池真理子、橋本治、瀬戸内寂聴、ジョングリシャム、パトリシアコーンウエル、フィリパピアス、マイケルクライトン、ロビンクック、トムクランシー、エミリーブロンテ、イアンマキューアン、リチャードファインマン、フィリップマーロウ、アンソニー・ドーア、ベルンハルト・シュリンク、フランスワーズ・サガン、ジェフリー・ディーヴァー、リサ・ランドール、ケイト・モートン、ヴァージニア・ウルフ、ギュスターヴ・フローベル、エミール・ゾラ、ユン・チュアン、ル・クレジオ、パウロ・コエーリョ、トーマス・マン、ガルシア・マルケス、エリザベス・ストラウト、劉慈欣、サイモン・シン、スタンダール、マリオ・ガルパス=リョサ
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
村上春樹の文章になっている所が面白い。「妹」って誰の妹かと言う事はそのうち分かって来るのだが彼女の目的がどこにあるのか後半分かって驚く。そこに至るまでの筋書きは作者が嫌うのが分かるくらいあちこちに飛ぶ。とは言えついつい引き込まれて行くフィリップ・マーロウの世界だった。