明けましておめでとうございます。12月は長い間横目で見ていたマーガレット・アトウッド『またの名をグレイス』が読み応えがありました。『パナマ文書』は資本主義とはこういう仕組みで富の偏在が起きているのだと分かりました。今年もよろしくお願いします。2024年12月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2407ページ ナイス数:1225ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/815148/summary/monthly/2024/12
ポロンさん、明けましておめでとうございます😊ポロンさんは大阪府在住なんですね。私は大阪と京都の間に住んでいます。近場なので「関西」に反応して頂いたって分かりました。今年もよろしくお願いします😁
兄貴がいるやつがうらやましいと思う小六の少年が兄貴のいる同級生のユウキとナオフミの3人がユウキの家で人生ゲームをしていた時兄貴の友達らしい男が人生はおよそ厳しいものであり、とことん孤独になる事があるからその時は俺の所へ来いという。人生ゲームの盤上に勝手に油性ペンで丸を3つつけて行く。その後の彼らの人生や如何に!て話。薄暗いけどエンタメの綿矢りさ。薄暗い上に自己に向かって行く金原ひとみかなと同期の芥川賞作家は何時までも比べられるんだろうな。
その平城天皇の子孫に在原業平がいると。平安時代は女流文学の1つのピーク。中宮定子組の清少納言と中宮彰子組の紫式部。定子道長の兄の子だが兄が早世したため権力が転がり込んだという人物。「光る君へ」でご存知の事と思う。紫式部日記は道長の要請で書いたものだと。だから道長寄り。2人の有名作者に続くのは受領の娘たち。金はあるが位はB級。藤原道綱母「蜻蛉日記」、和泉式部「和泉式部日記」、菅原孝標女「更級日記」。読んだ事は無いが日本史か古文で習った。藤原道綱母は夫が他の女に会いに自分の家の前を通り過ぎたのに気分を害して→
郊外の寺に息子を連れて籠もる。道綱17歳が美人で賢い母の使いっ走りをさせられる様が面白い。和泉式部は和歌でも有名だが恋多き女としても有名。平安時代の性規範は緩かったと。姦通罪ができたのは明治になってからではないか。菅原孝標女は30過ぎても結婚しないという現代に通づる娘。オタク気質であったと。いずれの女人も興味深い。作者はこの調子で上村松園や九条武子までたどり着く。九条武子は上村松園に絵を習った。仏教系女子教育機関京都女子大の前身を作った。美人だと。やたらに美人が出てくる本でした。
「13人きょうだい」では13人のうち8番目か9番目かの(多すぎて分からない)男を父に持つ少女と末っ子でただ1人結婚せずに祖母と住む叔父との交流の話。昔の人は沢山産んだけど病気や戦争で沢山子供を亡くして居る。その中で13人全員を育て上げた祖母はそれが自慢。(私)は末っ子をサー叔父さんと呼んで懐く。2人は秘密の約束をする、、、。この物語の元ネタは誰か。意外な人物だった。
珠子は祖父を気にいった。ご近所でもゴダケンとして知られた人物の様だ。珠子を中学校のいじめから救ったり地上げの為に家に来るヤクザっぽい輩とやりあったり、この爺さんやるではないか、痛快、痛快てなもんである。「時をかける少女」「七瀬ふたたび」の作者である事を思い出した。「文学部唯野教授」だったかの本も読んだ記憶があるなと思い出した。文豪なのか。ちょっと違う気がするが。
ポロンさん、こんばんは。私も釧路を書く桜木紫乃が一番彼女の文学らしいと思います。美輪明宏の事を書く桜木さんは遠慮がちでイマイチだと思ってその後読んで無かったのですがこれは良かったです。お薦めです👍
作者は過去と未来を分けるのは「熱」しか無い。(クラウジウスのエントロピー、エントロピーは一方的に増大する)。他の方程式は過去へも未来へも行ける。作者の理論では時間も量子化される。「マクロなサイズでは「時間」は存在する。量子力学のサイズでは出来事の順番により結果が違う。これを量子の非可逆性と言う。熱的にして量子的な時間こそがこの現実の宇宙-根元的な意味では時間変数が存在しない宇宙-で私達が「時間」と呼ぶものなのだ」と言う。分かりやすく言うとたまたま私達の宇宙は熱的にエントロピー増大の法則が当てはまる宇宙→
すなわち時間が過去から未来へと流れる宇宙であり、その法則が成り立たない宇宙は他に沢山あり得ると言う事だ。エントロピーの増大の法則(熱力学第二法則)とは熱が熱い方から冷たい方へと一方的に流れる事、秩序から無秩序へと一方的に流れその反対は無い事。後半では人間の意識としての「時間」についても述べる。この様に言われると改めて「時間」とは不思議なものだと認識する。超ひも理論では多次元世界が定義され、見えない次元は非常に小さく畳み込まれている。これが他の宇宙であっても不思議ではない、てな話だったと記憶する。
論を展開する(白石ユカリ、34歳、主婦)が特に印象に残った。この人は「嘘つきたまご」でも書いている。誰だったか向田邦子のファンには男性も多い、それは中年期や老年期に向かう男達の「すべってころんだ」姿を沢山(多分愛情を込めて)書いているからだと。私は関川夏央の向田邦子熱によってファンになったがこの本の作者達の様に短編の一作一作について長い感想が書けてしまうほど向田邦子はいろんな仕掛けをしている。活動期間が短かったので著作が少なく素人でもじっくり取り込めると言う事もあるだろう。向田邦子は永遠に不滅、かも。
文鎮さん、恐ろしいことになりましたね、昨今は。。。教えて頂いたから良かったような、ものの。。いつ自分が巻き込まれるかもかも分からないので注意しないといけないですね😳
ワスレミズさん、おっしゃるとおりです。いつ自分が詐欺に巻き込まれるか分からないので気をつけないといけませんね。詐欺の手口は次々と生み出されるので情報のアップデートが必要です。でも詐欺って昔から有る伝統的な犯罪でもありますよね。手口が変わってきているだけで。
忘れた。本作では信吾は妻の美人の姉に憧れていた→姉の夫は美男→姉が死んだ→今の妻の保子はその妹で美人ではない→保子は姉の夫が好きで姉の死後義兄の家で義兄の世話をした→義兄は保子の気持ちを知りながら知らんふりをした→誰かの仲立ちで信吾と保子は結婚した。保子は信吾の1歳上である。ここまでややこしい設定をして信吾は未だに保子の姉を思い出すちょっと実の無い男として描かれる。しかし今になって分かるのはこれはあり得ると言う事。信吾と保子の子供は房子と修一。娘房子は保子より醜いと書く。修一は美男だから浮気をすると→
読める。昭和30年頃の小説だから許されたのだろうが今では物議を醸すだろう。この美醜の記述の中で菊子が際立って美しいと言う事になっている。斎藤美奈子のひそみに倣って『男女美醜小説』と言っても良い。ただ美しい菊子が幸せかというとそうでもない。修一は戦争帰りであり心の傷を負っている様だ。まだ戦争の匂いがしていた時代に新憲法で家長制度は無くなったが親子同居の世帯の物語だ。この頃から子供は結婚すると独立すると言う風潮が広がった。とつまらん事をつらつら書いたが、予想外に面白かったので筆が滑った訳です。
成る程、最近は女性の作家の方が「妊娠小説」を書いているのですね!斎藤美奈子さんの著書では男性が書く「妊娠小説」がユーモアを交えながらも厳しく批評されている気がしました。特に妊娠⇒出産の失敗あるいは中絶などで死を迎える女性などを男が悲劇として書くのはいい気になるなよなぁなんて、たしなめられていたように思います(随分前に読んだので少し思い込み入っているかも……)。妊娠小説という設定を女性の側から描くのはある意味当たり前のような気がしますが、そうなると斎藤美奈子さんが取り上げていくテーマとはズレてくるのかな?
確かに論文調を装ってますが男性作者に厳しいですね。「太陽の季節」は実は説教臭いとか。石原慎太郎の型破りのようで実は保守的な説教オヤジだと本質を見抜いてました。川端康成も粘着質なオヤジだと。後に男性誌を切り刻んだ本(名前忘れました)でも女性から見るとこう見えると言う視点です。男の私から見ると虚を突かれた様な気がします。だから斎藤美奈子は面白い、です。
ガラスの文鎮というニックネームですが文房具フェチな所があってそういう意味の文鎮です。文鎮と呼んでください。嫌いな作家は百田尚樹なのでそのレビューだけはナイスをパスします。悪しからずご了承ください。
(好きな作家、敬称略、順不同)
岸本佐知子、絲山秋子、津村記久子、宮本輝、平安寿子、奥田英朗、原田マハ、山田宗樹、山田太一、椎名誠、群ようこ、宮部みゆき、篠田節子、角田光代、白石一文、小川洋子、橋本治、真保裕一、姫野カオルコ、向田邦子、本多孝好、笹本稜平、幸田文、高野悦子、高野文子、高村薫、森絵都、湊かなえ、貫井徳郎、宮脇俊三、関川夏央、佐藤多佳子、ドウス昌代、真山仁、楡周平、池澤夏樹、村上春樹、恩田陸、東野圭吾、永島慎二、庄司薫、佐々木譲、柴田翔、寺田寅彦、中山七里、川上弘美、江國香織、西加奈子、桜木紫乃、竹内薫、瀬尾まいこ、川上未映子、安部公房、北杜夫、遠藤周作、開高健、塩野七生、多和田葉子、朝永振一郎、、稲垣みえ子、太宰治、楊逸、川端康成、夏目漱石、堤未果、斎藤美奈子、矢作俊作、大江健三郎、伊藤比呂美、佐野洋子、小山田浩子、町田康、小池真理子、橋本治、瀬戸内寂聴、ジョングリシャム、パトリシアコーンウエル、フィリパピアス、マイケルクライトン、ロビンクック、トムクランシー、エミリーブロンテ、イアンマキューアン、リチャードファインマン、フィリップマーロウ、アンソニー・ドーア、ベルンハルト・シュリンク、フランスワーズ・サガン、ジェフリー・ディーヴァー、リサ・ランドール、ケイト・モートン、ヴァージニア・ウルフ、ギュスターヴ・フローベル、エミール・ゾラ、ユン・チュアン、ル・クレジオ、パウロ・コエーリョ、トーマス・マン、ガルシア・マルケス、エリザベス・ストラウト、劉慈欣、サイモン・シン、スタンダール、マリオ・ガルパス=リョサ
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ポロンさん、こんばんは。私も釧路を書く桜木紫乃が一番彼女の文学らしいと思います。美輪明宏の事を書く桜木さんは遠慮がちでイマイチだと思ってその後読んで無かったのですがこれは良かったです。お薦めです👍
あ、美輪明宏も釧路出身でしたね確か。じゃ美輪明宏が好きでないと言い換えます。