ネタバレ文庫の新刊　湊さんは16作目　登山に挑む女性を描いた連作小説　8編あるが主人公が複数話に登場してたり　登場人物が他の話と繋がってたりで　山女日記というサイトでは　様々な登山に関する情報が提供されてて　女性登山者には重宝されているようだ　百貨店に勤めててアウトドア商品売り場に配属されてから　登山に興味を抱いた俄作りの山ガールが山に登る　夫に何もできないと言われた腹いせに山に登る　離婚を切り出された姉が妹を連れて山に登る　そして次の機会には娘まで加えて山に登った　みんな人生に向き合い新たな一歩を踏み出すために

ネタバレ文庫の新刊　山本甲士さんは15作目で　シリーズ4作目　季節ごとの連作短編が4編　原屋敷さん宅で飼われている筈のマジックが　いつもフラフラと街中へ繰り出して　新たな飼い主に拾われてしばしの間飼われる　黒柴だが洋犬の血も交じってて　赤い首輪には名前らしきものが書かれているのだろうが掠れていて読めない　だからクロだったりカンベエだったり呼ばれてて　この犬は次々と飼い主に幸せをもたらす　仕事に恵まれない男女がこの犬を散歩に連れ出すことで　人との出会いがあり　その出会いを通じて新たな職を得る　そんな話に心温まる

ネタバレ単行本の古本　たぶん40年以上ぶりの再読　834ページ2段組みは半端ない手応え　ある日突然に独立宣言をした東北の寒村・吉里吉里村　たまたま十和田３号に乗り合わせた三文小説家の古橋健二　50歳にとってはまさに青天の霹靂となる　彼は吉里吉里国最初の国賓となり　移民第一号に　なぜか胴体をつなぎ合わせた犬を殺したことで　国立病院霊安室の雑役夫となり　吉里吉里国五大文学賞の受賞内定者となり　二代目大統領となる　彼の身体は無くなり　ヌードダンサーベルゴの身体に脳が移植され　そう　これがたった2日間の出来事だったんだ

ネタバレ文庫の古本　シリーズ38作目　八代目頭取と裏同心の二役を演じる幹次郎　多忙な中で吉原の大改革を進めることに　手始めに切見世の溝さらいと排水の改良を　いかにも幹次郎らしい取り組みで　とはいえ会所には金がない　でもそこは幹次郎が松平定信から貰い受けた資金で何とかなったわ　一年間の修業を生かすためにも　京と江戸との交流の場を設けたいと　家族や番方らには一切内緒で　五十間道に面した外茶屋・あみがさ屋の土地を取得したわ　これには根郷もさぞや驚いたことだろう　染五郎棟梁の普請により新しい見番が建てられることになったわ

ネタバレ電子書籍　シリーズ5作目を再読　恵平は警察学校で卒業教習を受講中　にも拘わらず古巣の東京駅界隈が気になって仕方ない　ホームレスが行方不明になる事件が続発　神隠しに遭ったって　いや　何とゴミ集積プールで遺体が発見された　手足を縛られゴミ収集車で運ばれたらしい　知り合いの徳兵衛さんが攫われた　棲家の乱れようからメリーさんが気付いた　恵平は外出許可をもらって捜査に従事する　もちろん学校には内緒だが　見事に集積プール内で間一髪のことろで救出　恵平らの連係プレイに天晴　ウラ交番で恵平の祖父に会えた　卒業おめでとう

ネタバレ電子書籍　浅倉さんは2作目　不動産会社の営業部長・山縣泰介　突然殺人事件で世間から追われる羽目に陥った　やってもいないＳＮＳで犯行を自慢してる　これは間違いなく泰介のアカウントだという　たちまち顔や住所、勤め先までもが晒されて　誤解ならすぐに解けるだろう　だが会社に戻っても誰も擁護してくれる者はない　さらに自宅の倉庫からも死体が　ひたすら逃亡することに　警察も総力を挙げて泰介の行方を追ってる　泰介が娘のネット悪用に過剰反応したことから　また娘が父への思いやりのためにＳＮＳを立ち上げたことが仇になったわ

ネタバレ文庫の新刊　畠山さんはおけらシリーズばかり読んでて23作目　新シリーズは2作目　万松も所帯を持って落ち着いてきた　お満に弟子入りを志願してきた幸一郎　身元を探れば医者の息子で父を毛嫌いしているよう　黙って見過ごせないのが彼らの信条　お節介で見事息子の誤解を解いて見せたわ　お糸は息子の雷蔵が4歳なのに言葉が遅いって悩んでる　雷蔵が辰巳屋の保太郎の誘拐現場に遭遇して　唯一の証人が喋れない　でも彼には絵の才能があって真相がわかったわ　いや伊勢同心は万松の言いなりや　実母が月1回堂々と息子に会えるって良かったわ

ネタバレ文庫の古本　シリーズ37作目　京での1年の修業を終え吉原へと帰って来た幹次郎と麻　幹次郎には八代目の頭取就任という重い務めが待っていた　幹次郎は衰退した吉原の再生を誓う　幹次郎は八代目四郎兵衛と裏同心の神守幹次郎を兼ねることに　ただでさえ忙しいのにちょっと無理してないか早々に老舗大籬の豊遊楼を乗っ取った三島屋が怪しい動きを　どうやら裏で海賊稼業をしているようで　女幻術使いに惑わされながらも　松平定信へも話を付け　きっちり片を付けてくれたわ　それにしても村崎同心はあかんやろ　えっ　定信が解任ってどうなるの

ネタバレ文庫の新刊　山本巧次さんは19作目　シリーズ11作目　宇田川よりマンションの建設現場から人骨が掘り出されたとの報　その骨には刀傷がありどうやら優佳が往き来してる時代のものだって　江戸時代ではまだ発見されていない殺人事件を　おゆう親分が追うことになるなんて　伝三郎から紙問屋の若旦那が旗本の奥方と不義密通をしてる　その紙問屋が扱ってる紙で偽の藩札が作られてるって　これらがうまい具合に結びついて　ちょっと出来すぎの感も否めないが　えっ　江戸時代にプロジェクションマッピングを持ち込むか　宇田川は太っ腹やなあ

ネタバレ電子書籍　青木さんは17作目　このシリーズは12作目　いよいよ沙名子が太陽と結婚で　最初からの愛読者には感慨無量やわ　当然沙名子は仕事を続ける　一人息子の太陽が森若姓に　でも婿養子じゃないって　当たり前のように何事も夫のにしてきた世代には　やや衝撃的なことやけど　引っ越し・入籍・結婚式って　着々と沙名子のタスクリスクどおりに進んでいく　自分の領域に他人が入ってくることを嫌う沙名子だが　好きな太陽が侵食してくるのは　止む無しとしているようで　結婚に両家の両親は熱く感動してるが　沙名子の弟はサッパリしてるな

ネタバレ文庫の古本　あさのさんは16作目　作者さんの故郷美作市が舞台　林野高校の3年生　今まで野球に青春を賭けていた渓也と実紀　夏の大会が終わり野球部を引退し　いよいよ受験モードに突入したものの　将来の不安は隠せない　同級生で実紀の再従兄弟の栄美は　湯郷の温泉旅館の娘で　渓也と実紀はちょくちょく風呂や夕食をいただいたりしてて　渓也が街で迷ってた美人の里香を　栄美の旅館に案内することに　彼女が兄の元カノだったなんて　兄は故郷に帰るに際し彼女と別れており　今更だったようだが気になるわ　あっ　栄美は渓也が好きなんやね

ネタバレ文庫の古本　篠田さんは4作目　日本画家の河野珠枝は27歳で凄惨な死を遂げているが　彼女が描いた朱鷺飛来図に魅せられたイラストレーターの谷口葉子と　バイオレンス作家の美鈴慶一郎　美鈴の小説に葉子が珠枝の絵をモチーフにしたイラストを描くことから　二人は知り合ったのだが　やがて朱鷺飛来図の秘密を探るため　二人は珠枝の足跡をたどることに　朱鷺といえば佐渡だがそこには何もなく　当時は結構広範囲に朱鷺がいたわけで　向かった奥多摩で真相にぶち当たる　というかそこからはホラーの世界で　巨鳥が襲ってくるなんて相当に怖いわ

ネタバレ文庫の古本　本作からタイトルが吉原裏同心に統一され36作目　文字も大きくなったわ　仮頭取に就任した三浦屋らは奮闘するものの　乗っ取り屋たちの暴挙は止まらない　京へは桑平や左吉が凶事を知らせている　確かに京は出立しているものの　肝心の人物は影を潜めてて　三浦屋が御側御用取次の朝比奈に呼ばれて山口巴屋に　その道中に襲われるも何者かが危難を救った　次に朝比奈と紗世らが芳野楼に呼び寄せられ　朝比奈が女と阿片に溺れる中　何者かによって　たった数刻の出来事で吉原は救われた　えっ　幹次郎が祇園の旦那衆に選ばれるなんて

ネタバレ文庫の新刊　湊さんは17作目で　先日読み終えた前作の続編　様々な事情を抱えた女性が山に登っていく　亡き夫への後悔の念を抱きながら登る女性　夫が愛した写真に写ってて　自身の喫茶店の名前にもしていた思い出の山へ　その写真を撮ってくれたカメラマンをガイドにして　山荘で見た天の川は忘れられないね　かつての親友同士が交わす往復書簡　30年前に気まずい関係になったまま　お互いが連絡を取れずにいたのだが　自宅から近い山にそれぞれが登りながら　その間の生い立ちを綴りつけてて　そこから見える人生の歩みは尊いものだな

ネタバレ電子書籍　４年半ぶりに再読　シリーズ1作目　柴山祐希は冴えない高１男子　友達がいないしシスコンで　学校のそばにある廃ビルにいる謎の女子高生マツリカに　出会ったことが彼の生活を一変させたわ　彼女はどうやら5階から学校を監視してるようで　えっ　学校には行ってないの　彼女から柴犬と呼ばれて命令を受けることが何故か嬉しくて　これは絶対服従やん　神秘的でツンデレの彼女に　妄想を膨らませて心酔していく　祐希の様子がおかしくって　それにしても彼女の推理力は素晴らしい　わずかな証拠で祐希の秘密を暴いたのは凄いわ

ネタバレ祝登録3000冊　文庫の古本　第３シリーズ４作目で通算35作目　半籬芳野楼の遣り手紗世が辞職した　紗世は妾長屋と呼ばれる長屋の家主だというが　遣り手だけで買えるような代物ではない　他の店の遣り手らも相次いで姿を消して不穏な動きが　京では１か月にも及ぶ祇園会が始まった　またもや旦那衆の一人が殺されたが　下手人である不善院七十七坊をあっさり斬り捨て　幹次郎は祇園を守り切った　吉原では四郎兵衛が何者かに攫われて　ああ　予期せぬまさかの事態が起こる　何事かを感じ取った幹次郎は麻を京に残し江戸へと旅立った

ネタバレ電子書籍　シリーズ６作目　過去や未来に行くことができるという　神保町にある喫茶店フニクニフニクラ　死んでしまった誰かに会いたいとか　自分の将来がどうなってるか確かめたいとか　でも複雑なルールがあり　中でもこの喫茶店に来たことのある人にしか会えないとか　席を立つことができないって　この縛りによって殆どの人は諦めてしまう筈だが　その関門を通り抜けて　時田数の淹れたコーヒーによって時間旅行をする人たち　今回は裏技は使わずだわ　その数の将来にも少し触れられてて　どうやら彼氏のゴリ押しに寄り切られた様子だね

ネタバレ文庫の古本　天祢さんは３作目　東北の高宝町役場に就職した東京育ちの新藤結子　税務関係を希望していたのに　配属された先は広報課　いきなり広報紙「こうほう日和」を担当することに　上司の伊達からは広報紙を変えますって　各課からのお知らせのほか　毎月一つのテーマを掘り下げた特集を載せるって　これの取材が大変で　記事を書いても添削される　残業も続いてるし　町長の鬼庭もしゃしゃり出てきて　でも町民からの反響もあって　だんだん楽しく思えてきたのに廃刊って何　でも結子の作戦が功を奏し　何とか来年も続きそうで良かったわ

ネタバレ文庫の古本　名取さんは5作目　少し前に震災のあった観門市が舞台　屋根に風見鶏のある洋館とくれば　神戸がモデルだと分るわ　そのベリー邸がシェアハウスとして賃貸されてて　しかもクリスマスまでの期間限定で住居費タダという好待遇　もっとも弓月に選ばれた4人だけが住めたのだが　その4人の生い立ちが各章で紹介されてる　就職活動に苦戦してる晴生　作り話が好きで料理下手の暢子　通販好きで3人の子持ちの麻矢　そして訳あり運転手の有　彼らがなぜシェアハウスに住めたのかが終章で明らかにされてるけど　いやよく4人を見つけ出したわ

ネタバレ文庫の古本　第３シリーズの３作目で通算34作目　京も吉原も乗っ取り騒動の決着がつかない　幹次郎は旦那衆殺害の張本人と思われる　禁裏の刺客・不善院を斬ったにもかかわらず　またもや刺客に狙われてる　入江同心の誘いで殺された猪俣屋の地所にある　函谷鉾の蔵に潜入したが　そこが禁制のツガルを吸わせる亜芙蓉窟になってるなんて　どうやら禁裏と薩摩藩が仕組んでいるようで　吉原では澄乃と身代わりの左吉が組んで　吉原を乗っ取ろうとしてる一味の正体に少しづつ近づいてて　幹次郎がいない吉原で　女裏同心の澄乃がしっかり勤めているわ

ネタバレ電子書籍　シリーズ４作目　銀座に古くからある文具店四宝堂を舞台に連作短編が５編　店主の宝田硯を訪ねて様々な人々が訪れる　古くからのお客様は　前の店主の硯の祖父・硯水とも顔馴染みで　文具を求めて店に来たのに　皆が皆　しばしの間回想に耽っちゃってる　奉書紙のほゝづゑの店主の親娘の話には心打たれたわ　大学時代に看板娘の月子と出会い　映画デートを重ねた店主の良夫　月子の見合い話の時に背中を押してくれたのが硯水で　そして結婚後に良子が生まれるも月子は早逝　月子に似た良子の見合い話で　硯がキッパリと決断したね

ネタバレ電子書籍　仙川さんは5作目　処方箋のないクリニックの続編　倫太郎が弟である理事長の意向を無視して診察し続けている総合内科　余りにも優秀な医者であったのに経歴が生かされていない　病気の悩みを持った患者が最後の頼みとして　敷地の外れにある建屋を訪ねてくる　倫太郎らの恰好には度肝を抜かされるが　彼らは真摯に患者に向き合い　時には信じられないくらいの軽いフットワークで　これでもかというぐらいの丁寧なフォローをしてくれて　このホスピタリティには毎回頭が下がるわ　倫太郎の経歴やハーフパンツを履く理由が知れてよかったわ

ネタバレ文庫の新刊　湊さんは16作目　登山に挑む女性を描いた連作小説　8編あるが主人公が複数話に登場してたり　登場人物が他の話と繋がってたりで　山女日記というサイトでは　様々な登山に関する情報が提供されてて　女性登山者には重宝されているようだ　百貨店に勤めててアウトドア商品売り場に配属されてから　登山に興味を抱いた俄作りの山ガールが山に登る　夫に何もできないと言われた腹いせに山に登る　離婚を切り出された姉が妹を連れて山に登る　そして次の機会には娘まで加えて山に登った　みんな人生に向き合い新たな一歩を踏み出すために

ネタバレ文庫の蔵書　第３シリーズ２作目で通算33作目　幹次郎と麻の京での居場所が決まった　幹次郎は京での人脈を広げてる　　祇園旦那衆らの寄合で旦那衆の２人が殺された事件の真相を探るように依頼を受けた　２年続けて祭礼の吉符入りの前夜に事件は起きており　今年も旦那衆の誰かが狙われるに違いないと　一方吉原では老舗の俵屋が会所の届け出なしに廃業　事情を探る四郎兵衛だが　関係者が相次いで殺され途方に暮れる　どうやら山師・荒海屋が企んでいるようで　それにしても澄乃が頑張ってる　玉藻夫婦に娘・薫子が誕生し四郎兵衛は爺様に　　

ネタバレ文庫の新刊　垣谷さんは18作目　夫婦ともに定年退職を迎えて1年　3人の娘も一人立ちして一安心の霧島郁子　突然夫の幹夫が山陰の栗里市に戻りたいと言い出して　正直言って今の仕事に嫌気をさしてのことだったけど　まあ田舎暮らしも良いかと移住を決めた　市議の市川ミサオに出会ってから　郁子の人生は大きく動き出す　男尊女卑の議会を何とかしたいと　彼女の後継として市議を薦められて立候補　二度目の選挙で見事当選　女性議員を増やしたいとクオーター制導入をと　とうとう市長にまでなっちゃった　みごとに実現しちゃうのは凄いわ