「ワぁ、ゴッホになるッ！」妻チヤの視点から見た版画家・棟方志功の生涯を書いた原田マハさんのアート小説。棟方志功のことは名前を聞いたことがある、という程度だったので作品を検索しながら読んだ。棟方志功とチヤの絆がとても素敵。派手な展開はないけれど、棟方志功の創作への情熱を感じられる、熱い小説だった。

下町人情ってこんな感じなのかな。73歳になる国政と源次郎の幼なじみコンビのお話。元銀行員で生真面目な国政と、つまみ簪職人で自由奔放な源次郎が互いに遠慮のない軽快な言葉の応酬をしながら、時に人を懲らしめたり、時に若いカップルの間を取り持ったりのドタバタ劇を繰り広げる。国政さん、言わなくても分かるだろ系の昔気質の人って感じで、そりゃそのままだと奥さんに出ていかれるわ〜とウンウン頷いてしまった。でも奔放な源次郎さんを羨ましく思う気持ちはすごく分かる。明るくてちょっと泣けて、三浦しをんさんらしい楽しい本。

「ワぁ、ゴッホになるッ！」妻チヤの視点から見た版画家・棟方志功の生涯を書いた原田マハさんのアート小説。棟方志功のことは名前を聞いたことがある、という程度だったので作品を検索しながら読んだ。棟方志功とチヤの絆がとても素敵。派手な展開はないけれど、棟方志功の創作への情熱を感じられる、熱い小説だった。

物理的に本に埋もれて死んでしまった本好きな主人公が、異世界転生する話。タイトルは知っていても内容はまったく知らなかったので、まさか紙を作る所から始めるなんて…と初っ端からハードモードな境遇に驚いた。虚弱体質のせいで思うように行動できない主人公マインが執念で本を手に入れようと奮闘する流れは面白かった。全体的にテンポも良いし、読みやすくてするする読める。さすが人気作。ただ、前世が大人だった割にはマインちゃんは直情的というか、幼い言動が多いような気がする。転生先の身体に引っ張られてるのかな？

続きが気になり一気読み。主人公がヤベー奴すぎて読めば読むほど嫌悪感が湧く！笑。グロ耐性ないときついかも。嫌いじゃないけど人に積極的にオススメはしづらい本。

ミステリ小説入門にピッタリの本。かわいいイラストが沢山で読みやすいうえに、読者への挑戦も。巻末にはオススメ推理小説の紹介まであって、ミステリ小説の面白さがぎゅっと詰まってる。面白かった。

母の手記と娘の回想が交互に書かれ、読んでいくごとに母娘のそれぞれの認識の違いが浮き彫りになっていきモヤモヤゾワゾワ…という湊かなえさんといえば（と言うほど沢山読んでる訳じゃないけど）な展開。母親に依存し、何もかもを自分の母親を基準に考えてしまう母と、そんな母の愛情を得ようともがく一人娘。あとがきにある様に、二人ともまさに信用できない語り手だった。面白かった。

コロナ禍ってこんな感じだったな〜と思いなから読んだ。自粛中のリモート会議にリモート飲み会、不安に駆られる妊婦さん。何故か潰れないマダムショップにSNSでのバズや炎上。表題と同じタイトルの短編が集録されている、という訳ではなく、自分のために頑張って自分の道を拓いていこう！って前向きな気持を表題にしたっぽい。帯とかにあるように、すごい元気を貰えるか？って言ったら、そこまでは…って感じだけど、これはこれで楽しめた。『パティオ8』が好き。新潮社の特設サイトもかわいいし柚木さんの対談とか載ってて好き。

最終巻。読み終わったぞ！という満足感よりは、読み終わった…！という達成感の方が強い。設定や世界観がかなり作り込まれている作品なのは分かるのだけれど、私の頭がそれをすべて理解できなかった。普通の子？設定の灯子ちゃん目線で語られていくのが（うろ覚えだけど）FF12っぽいなと思ったりもした。狩り犬はかわいい。

三つ巴どころじゃない展開に頭が混乱中。みんな何がしたいのか良く分からないままどんどん話が進んでいくから、読むのがちょっとつらかった。私がしっかり読み込んでないからか？と思ったけど解説の方も『十分に把握できていない』みたいなこと書いてあったから、ちょっと安心。狩り犬たちはかわいい。

こんな分厚い新書初めて見た！なんと600ページもある！前作では語られなかった、論文テーマであるサバクトビバッタの繁殖行動について、テーマ選定のきっかけからフィールドワークの内容まで、盛りだくさんでお送りされてる。そして相変わらず面白い。ティジャニがまるまる一つの章を使って語られてて笑ってしまった。表紙にも登場してるし笑。レックという繁殖システムは初めて知った。