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2024年1月の読書メーターまとめ

夢追人009
読んだ本
102
読んだページ
4543ページ
感想・レビュー
102
ナイス
37313ナイス

2024年1月に読んだ本
102

2024年1月のお気に入り登録
8

  • くろき
  • Kahori
  • ぺこウィン
  • Kimiko_Dover
  • はるかわのとら
  • ヨタロー
  • ha
  • log3

2024年1月のお気に入られ登録
8

  • Kahori
  • ぺこウィン
  • Kimiko_Dover
  • 優香
  • ヨタロー
  • ha
  • 燃え尽きタコ
  • log3

2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

夢追人009
明治中期の北海道の山中で一人で野生動物を狩る猟をして暮らす孤高の男・熊爪が人生で初めての試練に遭遇した。圧倒的に手強い熊・穴持たず(冬眠していない熊)との壮絶な戦い。傷つきながらも全く怯むことなく強大な宿敵との勝負に人生のすべてを賭けて一心不乱にのめり込んでいく熊爪の気魄に心を鷲掴みにされました。人と熊との一騎打ちの場面には時間を忘れて没入し凄まじい迫力の描写には深く感動しましたね。彼は生涯を賭けた一世一代の大仕事を終えた後にとうとう予期せぬ最期を迎えた時にも何の悔いもなく心から大満足だったと思いますね。
夢追人009
2024/01/31 12:46

そして彼の相棒の忠実な名もなき犬は素晴らしい生き物で最後の最後まで主人に寄り添って仕えた姿に不覚にも涙がこぼれましたね。直木賞受賞がうなずける私にとっては素晴らしい一冊でした。#NetGalleyJP

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2024年1月にナイスが最も多かったつぶやき

夢追人009

読み友のみなさん12月も沢山のナイスをくださってありがとうございました。今年2024年は何としても誤字を減らそうと思います。もっと慎重に注意深く冷静に頑張りますよ!そして長い本も読んで行こうと思いますので、どうぞ本年もよろしくお願いしますね!2023年12月の読書メーター 読んだ本の数:102冊 読んだページ数:1770ページ ナイス数:42045ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2023/12

かすみん
2024/01/01 14:59

明けましておめでとうございます(∩´∀`)∩今年もよろしくお願いします🎍

夢追人009
2024/01/01 15:29

かすみんさん、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いしますね~!

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2024年1月の感想・レビュー一覧
102

夢追人009
田山録弥(花袋)さんの1編目。本能は人間の如何ともすべからざるものである。人は本能の衝動に逢へば、必ずずる/\と引摺られて行つて了ふ。本能と戰ふは痛快な事業ではあるが、しかも愚かなる行爲たるを免れない。本能に同化した處に平和があり、樂天生活がある。本能に反抗した處に、皮肉があり、悲壯がある。結論としては、本能に逆らうのではなく自然体で自分に向き合って素直に流れのままに進むのが良いのでしょうね。先人の言葉は偉大ですね。何事も己の選んだ道だと割り切って悔いを残す事なく次に過ちを繰り返さないのが良いでしょうね。
本能
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夢追人009
永井荷風さんの1編目。割合に短い作品で短時間で読めましたよ。67歳になる臼木(うすのき)老人が老妻を病気で亡くし葬式の手伝いに来てくれた娘の常子と妻の従妹の産婆のお近婆さんと一緒に過ごす最後の夜の話で、これでこの二人とも永遠のお別れで明日からは自分は一人で生きていく、祖父も祖母を亡くしてからすぐにあの世へ旅立った遠い記憶がよみがえり自分もそのようになるのかもしれないなと考えたりもしている。未完の物語で、本作の発表が昭和25年(1950年)で、逆算すると老人の生年は明治16年(1883年)で長い人生ですね。
老人
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夢追人009
西村京太郎さんの第16作。本書はメグレ、クイーン、ポワロ、明智の名探偵が活躍するパロディーミステリー3部作の2作目で、今回はメグレ夫人を加えて日本に観光旅行に訪れた一行の観光船に、あの怪盗ルパンと怪人二十面相のコンビが乗り込んで推理の勝負で挑戦状を突きつけるという大胆不敵なストーリーなのですね。名探偵が四人もいると多すぎて平等に目立たせるのも大変に気の遣う厄介な事だと思いますが、著者はクイーンとポワロを名探偵らしい自己主張の強いタイプに描き、メグレと明智を一歩引かせ大人のタイプに上手に描き分けていますね。
夢追人009
2024/01/31 20:44

本書では密室殺人の謎解きに加えて4人の名探偵と吉牟田刑事が現実の密室に閉じ込められてガスにより殺される一歩手前まで行く究極のサスペンスも味わえて単なるパロディーを超えた面白い作品に仕上がっていて大満足でしたよ。昔からの名探偵を愛するファンにはぜひ読んで欲しい一冊ですね。また本書の各章のタイトルは、名探偵たちの活躍する名作の題名がもじられていて大いに楽しめますよ。最後に私が好きな西村さんのおふざけの場面を記します。「ルパンは本当にいるのですか?」「ルパンが存在しなければ、メグレもエラリーも存在しないのだよ」

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
西村京太郎さんの第15作。本書は北海道のアイヌ民族である祖母の血を受け継ぐ若き民俗学者・若杉徹を主人公とする二部作の一作目です。彼はアイヌ民族が北から南下して沖縄に渡ったという新説を信じています。尚、本書が書かれた昭和47年にはまだ沖縄はアメリカの治政下にある外国でした。若杉は勤め先の大学の実力者・大河内から与論島にいる愛娘・亜矢子を連れ戻してくれと頼まれ娘に渡す百万円の現金を託されて島へ渡るが砂浜で誰かに殴り倒され現金と愛用する腕時計を奪われる。一方その頃、東京では大河内が何者かに殺されていたのだった。
夢追人009
2024/01/31 19:53

若杉は東京から捜査でやってきた田島刑事と組んで事件の謎に挑むのだが、彼の腕時計が大河内の死体の側でハイビスカスの花と一緒に見つかったという不可能事の謎解きにも頭脳を働かせる。本書の犯人については亜矢子を含むヒッピーのような怪し気な若者たちのグループがいて大体の見当は付くのですが、殺人の動機と時刻表ではなく大胆なアリバイトリックにドラマチックな要素があって興味深いのですね。殺人者は勿論悪人に間違いはないのですが、この犯人には同情を禁じ得ないような痛ましい事情があり有名な史実と共に万人の胸を打つ事でしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
西村京太郎さんの第14作。本書は魅力的な女性と彼女の夫と旧友の男性2人の三角関係を巡る意外な結末の真相を刑事が執念の捜査で追うメロドラマのような心理ミステリーの力作ですね。第四章まではヒロイン麻里子の残した手記の形で話が進行します。彼女は三年前に新進画家の田島と結婚したが最近、夫が浮気したのに気づいて夫婦仲が崩壊し、昔の旧友の井関に心を魅かれ結婚に踏み切る決意を固める。だが三人で会って話し合う場で何と麻里子と田島が毒殺されてしまうのだ。矢部刑事は当初、夫の田島の犯行と見るが、次第に疑惑を抱いて再調査する。
夢追人009
2024/01/31 16:16

矢部は一度結論の出た事件を覆す意見を出したが、慎重な上司の同意を得られず単独の自腹で休暇を取って執念の捜査にくらいついていくのだった。本書は物語の流れからして真相の予測は容易いですが、入り組んだ人間心理の綾が細密に描かれて文学的な意味と興味に引きずられて最後まで読まされますね。本書は人間心理を深く掘り下げた実験的な作品として小粒ながらも面白い良作だと思いましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
西村京太郎さんの第13作。都会のマンションを舞台にした連続殺人事件を描いた作品で悪徳不動産業者が登場し、住宅問題を絡めて2か所で起きる殺人事件を追うそれぞれの警察署の刑事たち。西村さんの作品に出てくる刑事や素人の人々は誰もが正義感に満ち溢れ誠実で事件に真摯に取り組む真面目な人物ばかりで心を魅かれますね。本作では二つの現場を繋ぐ殺人の動機に苦慮して中々真相を絞らせません。そして人間の醜悪な物欲の動機とは別種の痛ましい動機が浮上してきて心をかき乱されましたね。本書は地味ながら心の通った秀作で記憶に残りますね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
吉村達也さんの第10作。本作は単発もので原題は「三十三人目の探偵」。角川文庫の書き下ろし第1作で、発売と同時進行で合計12回のTVドラマ「ハイスクール大脱走」が放映されたそうです。金持ちの子女を集めた全寮制私立高校ベルエア学園に転校してきた生徒達が次々に死んでいくという不気味な学園サスペンス・ミステリーですね。謎の人物サンタクロースは雰囲気を盛り上げていますし犯人の正体を示す数字11文字の暗号は舞台である高校生に相応しい謎解きになっていますよ。大人ではなく少女が主役な点に昔の青春ドラマを思い出しましたね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
吉村達也さんの第9作。精神分析医・氷室想介シリーズの第2作で改題前の題名は「スターダスト殺人物語」ですね。前作では出てくる3組の男女のロマンス性に寄り添ったロマンチックな題名ですが、今回は軽井沢のR邸という場所をクローズアップして神秘性を強調していまして、どちらを選ぶかは人によって好みが分かれるでしょうね。R邸の部屋と東京の一室で婚約者同士の男女が同時刻に全裸首つり死体で殺されるという飛びっ切りの不可能犯罪が本書の最大のトリックですね。これは着想はいい物の実現は無理な気がしますし略図があればとも思います。
夢追人009
2024/01/31 14:55

でも吉村さんは稀代のトリックメーカーで複雑且つ奇抜な方法を考えた努力は大いに讃えられて良いだろうと思いますね。まあフーダニットの出来としては普通ですが全体的には楽しめた一冊でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
水墨画の世界を通して前に進み成長するナイーブな青年・青山霜介の人生の物語。本書を読んで一度も挫折する事なく失敗もせずに順風満帆な成功だけの人生を送る事が出来たらそれはそれで素晴らしいだろうけれど、苦い失敗を経験して苦労を重ねて貴重な何かを掴んで行くことは非常に有意義だなと思いましたね。周囲から期待される場でしくじって大恥をかいても深くは傷つかずに立ち直れる事も強い性格で特技だと思いましたね。精神の修練の小説で彼はもう大丈夫だし進路は必然でしょうけれど惜しい気もまだしますので再び三度戻ってきて欲しいですね。
夢追人009
2024/01/31 14:13

問題は著者次第でもう書き尽くして十分に満足されているのか、まだ書き残したことがあるのか二つに一つだと思いますが、青山くんが気を変えて水墨画の世界に帰ってきてくれることを期待して待ちたいですね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
明治中期の北海道の山中で一人で野生動物を狩る猟をして暮らす孤高の男・熊爪が人生で初めての試練に遭遇した。圧倒的に手強い熊・穴持たず(冬眠していない熊)との壮絶な戦い。傷つきながらも全く怯むことなく強大な宿敵との勝負に人生のすべてを賭けて一心不乱にのめり込んでいく熊爪の気魄に心を鷲掴みにされました。人と熊との一騎打ちの場面には時間を忘れて没入し凄まじい迫力の描写には深く感動しましたね。彼は生涯を賭けた一世一代の大仕事を終えた後にとうとう予期せぬ最期を迎えた時にも何の悔いもなく心から大満足だったと思いますね。
夢追人009
2024/01/31 12:46

そして彼の相棒の忠実な名もなき犬は素晴らしい生き物で最後の最後まで主人に寄り添って仕えた姿に不覚にも涙がこぼれましたね。直木賞受賞がうなずける私にとっては素晴らしい一冊でした。#NetGalleyJP

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夢追人009
英国新鋭女流作家さんによる大人気のコージーミステリー、美人生態学者ネル・ワード・シリーズの第1弾。ヒロインのネル博士が仕事を依頼され出向いた田舎の屋敷で依頼人女性クロウズが死体で見つかる発端で物語が開幕します。独身刑事のジェイムズがネルを聴取して一目惚れするが立場上は容疑者で厳しく当たらねばならず、一方でネルは同僚のアダムとイイ感じで三人の恋の三角関係のロマンス興味も楽しめます。ミステリーは序盤はスローで苦戦しましたが後半はスリル満点のアクション展開となり頁を繰る手が止まらなくなり一気読みさせられました。
夢追人009
2024/01/31 12:12

魅力的なヒロインと流れるようなストーリーとコウモリ等の野生動物たちの知識を得られてサプライズ・ミステリーとしてもまずまずの高水準な出来栄えで500頁超えの長大な本でしたが気づけば面白く楽しく読み終えておりました。世界中で大人気のシリーズは生き物の名前をタイトルにして既に4作まで書かれていますので続巻の翻訳を一年後と言わずに早急にして頂いて読ませて欲しいと強く願いますね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
題名を見て横関大さんが遂に時代劇ジャンルに挑戦か!と思ったら全く違っていました。本書は織田信子・木下秀子・明智光葉・徳川康子といった有名な戦国武将の名前を持つ日本全国津々浦々の女刑事たちがスマホの普及する現代社会で活躍する痛快な異世界ファンタジー・ミステリーです。理由は書かれていませんが警察官の職業は女性のみが従事するパラレルワールドを舞台に男勝りの勇猛な女たちが殺人事件の捜査に挑みます。川原で千本ノックの特訓や銀座でホスト遊びと冗談も多々ありますが肝心のミステリーは一本筋が通った真面目な倒叙推理ですよ。
夢追人009
2024/01/31 11:35

新米刑事の徳川康子が次第に頭角を現し実力を発揮していく史実をなぞったような展開でストーリーは進んで行きます。真面目と冗談が絶妙なバランスで読み始めると癖になる愉快な物語は文句なし理屈抜きの面白さで心底から楽しめましたね。著者には徳川康子が天下取りを果たし全国統一を成し遂げるであろう続編を近々ぜひ書いて欲しいなと強く望みますね!#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
2023年度・角川春樹賞受賞作で65歳の新鋭作家さんによるフレッシュな異色の時代劇ミステリーです。奥州の地で「狼狩奉行」の任務を任された若い岩泉亮介が相棒の足軽・竜二と共に巨大な狼「黒絞り」と藩の不正問題に挑んで、非業の死を遂げた父の事件の真相にも迫っていく血沸き肉躍るサスペンスタッチの物語です。真面目一筋の正義感の持ち主・亮介・竜二の頼もしいタッグの二人と欲深く不正を為す悪い奴らとの対決の物語の面白さに加えて賢い狼・黒絞りの意外な人と獣の心の交流の物語にも強く心を奪われました。#NetGalleyJP
るい
2024/04/07 09:01

賢い狼・黒絞りの意外な人と獣の心の交流。良かったです。黒絞りが喉の骨を取ってくれた猟師を殺さなかったところとかいいですね。😌ご紹介ありがとうございました。😊

夢追人009
2024/04/07 09:16

るいさん、ありがとうございます。黒絞りの純粋に生きる孤高の姿がとても尊く思えますね。これからも注目したい作家さんですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
仁木悦子さんのジュニア向けミステリー短編集の全3巻の一冊目です。収録作は「穴」「悪漢追跡せよ」「銅の魚」「そのとき10時の鐘が鳴った」の全4編で、どれも普通の少年少女がわずかな違和感や手掛かりをもとに大人顔負けの名推理で殺人事件を解決に導く痛快な作品ばかりですよ。逆転のどんでん返しの面白さの「穴」、姉弟が悪漢に立ち向かう連係プレイの巧みさで「悪漢追跡せよ」、少年が田舎の美少女の為に奮闘して真犯人を突き止める「銅の魚」、女子生徒が真面目な同級生男子を助ける「そのとき10時の鐘が鳴った」と読み心地満点ですよ。
夢追人009
2024/01/30 22:17

日本のアガサ・クリスティーと呼ばれた著者の実力が実感できる子供から大人まで楽しめる作品集で非常に面白く読みました。同時刊行の残り2冊も早期に読みたいと思いますね。ジュニア向けと侮るなかれと実感させられた高レベルのシリーズをぜひミステリー好きのみなさんにお勧めしますね!#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんのラスト53編目。 戦死やあわれ 兵隊の死ぬるやあわれ とおい他国で ひょんと死ぬるや だまって だれもいないところで ひょんと死ぬるや ふるさとの風や こいびとの眼や ひょんと消ゆるや 国のため 大君のため 死んでしまうや その心や 苔いじらしや あわれや兵隊の死ぬるや こらえきれないさびしさや なかず 咆えず ひたすら 銃を持つ 白い箱にて 故国をながめる 音もなく なにもない 骨 帰っては きましたけれど 故国の人のよそよそしさや 自分の事務や 女のみだしなみが大切で 骨を愛する人もなし
るい
2024/01/30 14:11

凄いです!辛いです。

夢追人009
2024/01/30 14:37

るいさん、ありがとうございます。この詩は竹内さんの作品の中で最も優れた代表作ですね。さだまさしさんの鬼気迫る名曲「防人の詩」を思い出しましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の52編目。  よく生きてきたと思う よく生かしてくれたと思う ボクのような人間を よく生かしてくれたと思う きびしい世の中で あまえさしてくれない世の中で よわむしのボクが とにかく生きてきた とほうもなくさびしくなり とほうもなくかなしくなり 自分がいやになり なにかにあまえたい ボクという人間は 大きなケッカンをもっている かくすことのできない 人間としてのケッカン その大きな弱点をつかまえて ボクをいじめるな ボクだって その弱点は よく知ってるんだ とほうもなくおろかな行いをする
夢追人009
2024/01/30 13:09

とほうもなくハレンチなこともする このボクの神経が そんな風にするみんながみんなで めに見えない針で いじめ合っている 世の中だ おかしいことには それぞれ自分をえらいと思っている ボクが今まで会ったやつは ことごとく自分の中にアグラかいている そしておだやかな顔をして 人をいじめる これが人間だ でも ボクは人間がきらいにはなれない もっとみんな自分自身をいじめてはどうだ よくかんがえてみろ お前たちの生活 なんにも考えていないような生活だ もっと自分を考えるんだもっと弱点を知るんだ ボクはバケモノだと

夢追人009
2024/01/30 13:11

人が言う 人間としてなっていないと言う ひどいことを言いやがる でも 本当らしい どうしよう ひるねでもして タバコをすって たわいもなく 詩をかいていて アホじゃキチガイじゃと言われ 一向くにもせず 詩をかいていようか それでいいではないか 「でも ボクは人間がきらいにはなれない」という一節が特にいいですね。不完全な人間であっても否定はしない。逆に全編が自己嫌悪と自己否定に貫かれた文章ですが、でも確固としたものを持って24年という短いけど充実した人生を生きて完全に納得し満足にまっとうされたのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の51編目。一月―― 凍てた空気に灯がついた 電線が口笛を吹いて 紙くずが舞上った 木の葉が鳴った スチュウがノドを流れた 二月―― 丸い大きな灰色の屋根 真白い平な地面 つけっぱなしのラムプが 低うく地に落ちて 白が灰色に変った 三月―― 灰色はコバルトに変り 白は茶色に変った 手を開けたら 汗のにおいが少しした 四月―― ごらん おたまじゃくしを 白い雲を そして若い緑を 五月―― 太陽がクルッと転った アルコホルが蒸発して ひばりが落ちた 虫が少し蠢いてみて また地にもぐりこんで に
夢追人009
2024/01/30 12:46

やりとした 六月―― 少年が丘を登って 苺を見つけて それを口へ入れ なみだぐんだ 七月―― 海が白い歯を見せ 女が胸のふくらみを現す 入道雲が怒りを示せば 男はそっと手をさしのべる ボートがゆれた 八月―― ウエハースがべとついてクリームが溶けはじめた その香をしたった蟻が 畳の間におちこんで 蟻の世界に椿事が起り 蝉が松でジーッとないた 九月―― 石を投げれば ボアーンと響きそうな 円い月がだまって ひとりで 電信柱の変圧器に ひっかかっていた 十月―― ゲラゲラ笑っていた男が 白い歯を収め 笑いを止

夢追人009
2024/01/30 12:47

めて ひたいにシワをよせ 何事か想い始めた 炭だわらの陰でコオロギが鳴いた 十一月―― 空は高かった そして青かった しかし 俺はさみしかった 十二月―― ラムプがじーと鳴って 灯油の終りを告げた 凩(こがらし)が戸をならして 「来年」のしのびやかな 足音も聞えた 一年間に身近で起きた出来事を駆け足で振り返る著者流の歳時記で、少しセンチメンタルな風情がいい感じですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の50編目。詩を作り、人に示し、 笑って、自ら驕(たかぶ)る――ああ、此れ以外の何を己れは覚えたであろう?この世で、これまで……城 左門 できるだけ、知らない顔を試るのだけれど、気にしないわけにはゆかない。だんだん近づいてきた。あと一月、二十九日、二…… うーん、これは正直言いまして意味がさっぱりわかりません。城左門という方が推理小説家でもいらっしゃる城昌幸さんで詩人としてのペンネームである事はわかりましたが、後のことについては?です。何が近づいたのかもっと具体的に書いて欲しかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の49編目。人は、彼のことを神童とよんだ。小学校の先生のとけない算術の問題を、一年生の彼が即座にといてのけた。先生は自分が白痴になりたくなかったので、彼を神童と言うことにした。人は、彼を詩人とよんだ。彼は、行をかえて文章をかくのを好んだからであった。人は、彼の画を印象派だと言ってほめそやした。彼は、モデルなしで、それにデッサンの勉強をなんにもせずに、女の画をかいていたからであった。彼はある娘を愛した。その娘のためなら、自分はどうなってもいいと考えた。彼はよほどのひま人であったので、そんなこ
夢追人009
2024/01/30 12:12

いると、人から、ふぬけと言われると思って、古本屋をはじめた。古本屋は、実に閑な商売であった。その閑をつぶすためには、彼は、哲学の本をまいにち読んだ。哲学の方が、玉突きより面白いというだけの理由からであった。子供ができた。自分の子供は、自分である。自分は哲学を好む、しかるが故に、この子も哲学を好むとシロギスモスをたてた。しかし、子供は、玉突きを好んだ。彼は、一切無常のあきらめをもって、また、ひるねにいそしんだ。一切無常であるが故に、彼は死んだ。いろはにほへとちりぬるを。 事実と虚構と願望を織り交ぜた自叙伝。

夢追人009
2024/01/30 12:13

愚の旗は自分を卑下して付けられた題名だと思いますが、これを読むとここに書かれた事は実現しなかったことが沢山あるにせよ短い人生だったけれども自分自身の生き様には満足されていたように思えますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の48編目。なんのために ともかく 生きている ともかく どう生きるべきか それは どえらい問題だ それを一生考え 考えぬいてもはじまらん 考えれば 考えるほど理屈が多くなりこまる こまる前に 次のことばを知ると得だ 歓喜して生きよ ヴィヴェ・ジョアイユウ 理屈を言う前に ヴィヴェ・ジョアイユウ 信ずることは めでたい 真を知りたければ信ぜよ そこに真はいつでもある 弱い人よ ボクも人一倍弱い 信を忘れ そしてかなしくなる 信を忘れると 自分が空中にうき上がって きわめてかなしい 信じよう
夢追人009
2024/01/30 11:50

わけなしに信じよう わるいことをすると 自分が一番かなしくなる だから 誰でもいいことをしたがっている でも 弱いので ああ 弱いので ついつい わるいことをしてしまう すると たまらない まったくたまらない 自分がかわいそうになって えんえんと泣いてみるが それもうそのような気がして あゝ 神さん ひとを信じよう ひとを愛しよう そしていいことをうんとしよう 青空のように 五月のように みんなが みんなで 愉快に生きよう 最初の方は作者が酷く悩んでいますが、結びはとてもいい言葉で閉じられていますね。

夢追人009
2024/01/30 11:50

これは素直にいい詩だなあと思いますし、プロのどなたかがメロディーを付けて歌にしたものをぜひとも聴いてみたいと強く思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の47編目。空には 雲がなければならぬ 日本晴れとは 誰がつけた名かしらんが 日本一の大馬鹿者であろう 雲は 踊らねばならぬ 踊るとは 虹に鯨が くびをつることであろう 空には 雲がなければならぬ 雲は歌わねばならぬ 歌はきこえてはならぬ 雲は 雲は 自由であった 実にややこしい話ですが、著者には「雲」という全く同じ題名の詩が2つあったのですね。この詩には大馬鹿者・くびをつるという過激な表現が出てきますね。まあ最初はどうなることやらと心配しましたが、最後は穏やかに終わってホッとしましたね。
雲
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の46編目。腐り船 鼻もちならねえ、どぶ水なんだ。屍臭を放つ腐り船が半沈みなんだ。青みどろなんかが、からみついてるんだ。舷側にたった一つ、モオゼのピストルが置いてあるんだ。しかも、太陽はきらきらしているんだ。星夜 月はないけれど、星が一杯かがやいていた。気色のわるいほど、星には愛嬌があった。ぼくは、ワイシャツのはじをズボンからはだけさせて、寝静まった街を歩いていた。日記 ふしぎな日であった。池袋でも、新宿でも、高円寺でも、そして神田でも、友だちに会った。彼らは、みんなぼくにあいそよくしてい
夢追人009
2024/01/30 11:18

た。中野のコオヒイ店で、ぼくに会った時には、ぼくはまったくびっくりしてしまった。 フロイド 女のことばかり考えている日があった。机の上に、蛾がごまんと止まっている夢を見た日であった。その日の夕刻には、衛生器具店の陳列棚を眺めて暮らした。 オンナ そのころ、ぼくは、恋人の家によく泊ったものだ。となりの部屋で、恋人の兄貴と一緒に寝たものだ。すると、ある夜、恋人が手淫をはじめたらしい物音がしてきたんだ。あのときほど、やるせなく思ったことはなかった。 戦場  十畳の部屋は、戦場のように崩れていった。裸の書物や、机

夢追人009
2024/01/30 11:18

から落ちたインキ壺や、裏むきになった灰皿や、ゲートルと角力(すもう)を取っている屑フィルムや、フタのないヤカンが、その位置で根を張りだした。手のほどこしようは、もうとっくになくなった。どうにでもなりくされ。 まあ殴り書きみたいな文章で出鱈目なファンタジーで下品さや汚い表現がどんどん出てきて未整理で混沌とした掌編エッセイですね。でも全てを包み隠さずに本音で書かれていますので作者自身の人間性が感じられて良いと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の45編目。 1 生まれてきたから、死ぬまで生きてやるのだ。ただそれだけだ。2 日本語は正確に発音しよう。白ければシロイと。3 ペリオド、カンマ、クエッションマアク。でも、妥協はいやだ!4 小さい銅像がちょうちょうとあそんでいる。彼はこの漁業町の先覚者だった。5 四角形、六角形、そのていたらくをみよ。6 バクダンをもってあるいていた。生活を分数にしていた。7 恥をかいて、その上ぬりまでしたら、かがやき出した。8 私は、機関車の不器用な驀進ぶりが好きだ。9 もし、軍人がゴウマンでなかったら、
夢追人009
2024/01/30 11:02

ーゼントスタイルにしたとき、あわてた。23 ぼくは、自分とそっくりな奴にあったことがない。もしいたら、決闘をする。24 親馬鹿チャンリンは、助平な奴である。25ベートホベンがつんぼであったと言うことは、音痴がたくさんいることを意味するかしら。26ちか ごろぼくの涙腺は、カランのやぶけた水道みたいである。ニュース映画を見ても、だだもり。27  人生である。28 このおれの右手をジャックナイフでなぶりころしにしてやる。おれは、ひいひいとなきわめいて、ネハンに入る29 どこへ行ってもにんげんがいて、おれを嗤う。

夢追人009
2024/01/30 11:03

おれは、嗤われるのはいやだけども、にんげんをすきだ。30 人相学と映画学とは一脈相通じる。32 うーん、草稿は遠慮なしにえげつない事をバンバン書かれていますが、さすがに自分でもまずいなと思うネタは削られたのでしょうね。でも、こういう無茶苦茶の羅列も突き抜けた面白さがあって青春の爆発という感じでいいですね。※27の意味不明の記号は割愛しました。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の44編目。 生まれてきたから、死ぬまで生きてやるのだ。ただそれだけだ。*日本語は正確に発音しよう。白ければシロイと。*ピリオド、カンマ、クエッションマーク。でも、妥協はいやだ。*小さな銅像が、蝶々とあそんでいる。彼は、この漁業町の先覚者であった。*四角形、六角形。そのていたらくをみよ。*バクダンを持って歩いていた。生活を分数にしていた。*恥をかいて、その上塗りまでしたら、輝きだした。*おれは、機関車の不器用なバク進ぶりが好きだ。*もし、軍人がゴウマンでなかったら、自殺する。*目から鼻へ、
夢追人009
2024/01/30 10:43

が、男が言うと、フヌケダマにみえる。*注釈をしながら生きていたら、注釈すること自身が生活になった。小説家。*批評家に。批評するヒマがあるなら創作してくれ。*子供は、注釈なしで憎い者を憎み、したいことをする。だから、好きだ。*おれはずるい男なので、だれからもずるい男と言われぬよう極力気をくばった。*おれは、人間という宿命みたいなものをかついで鈍走する。すでに、スタアトはきられた。*どちらかが計算をはじめたら、恋愛はおしまいである。計算ぬきで人を愛することのできない奴は、生きる資格がない。*いみじくもこの世に

夢追人009
2024/01/30 10:43

生まれたれば、われいみじくも生きん。生あるかぎり、ひたぶるに鈍走せん。にぶはしりせん。この詩は一見ふざけているように思えますが、実は作者が大真面目に書いているのでしょうね。自己中心的で身勝手に思える部分もありますが、でも作者が強固な信念を込めて拵えた「鈍走」という独特な概念に大いに共感する部分もありますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の43編目。 ゴットン ゴットン 汽車が行く ケムリをはいて 汽車が行く アレアレアレアレ 脱線だ お人形さんの 首が飛び キューピイさんの 手が飛んだ 死傷者優に三十個 オモチャの国の 大椿事  うーん、これは童話ですが、汽車が脱線してから具合がおかしくなって笑おうに笑えませんね。「死傷者優に三十個」は人形ですから、それでいいのでしょうけれど、ちょっと意地悪なブラックユーモアですね。やはり当時の戦争の残酷さが詩に影響を与えているのでしょうね。おもちゃの国も平和であってねと祈りましょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の42編目。 丘のすそに池がある 丘の薄(すすき)は銀のヴェールである 丘の上につくりもののトオチカがある 照準の中へトオチカの銃眼をおさめておいて おれは一服やらかした 丘のうしろに雲がある 丘を兵隊が二人かけのぼって行った 丘も兵隊もシルエットである このタバコのもえつきるまで おれは薄の毛布にねむっていよう  不真面目な兵士である事を自ら告白する内容の詩ですが、もう疲れ果ててしまって細かい事に構っていられない疲労困憊の心境なのでしょうね。人間は24時間働けませんよ。よくわかりますね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの迫真的な詩の41編目。 ずぶぬれの機銃分隊であった ぼくの戦帽は小さすぎてすぐおちそうになった ぼくだけあごひもをしめておった きりりと勇ましいであろうと考えた いくつもいくつも膝まで水のある濠があった ぼくはそれが気に入って びちゃびちゃとびこんだ まわり路までしてとびこみにいった 泥水や雑草を手でかきむしった 内臓がとびちるほどの息づかいであった 白いりんどうの花が 狂気のようにゆれておった ぼくは草の上を氷河のように匍匐(ほふく)しておった 白いりんどうの花が 狂気のようにゆれておった
夢追人009
2024/01/29 13:18

白いりんどうの花に顔を押しつけて 息をひそめて ぼくは 切に望郷しておった  平時には人の心を和ませてくれる百合の花が狂気のように感じられるなんて何とも悲しく切ない事でしょうね。切に望郷しておった、は何もかも放り出して直ちに家に帰りたい、家族の待つ暖かい故郷に帰りたい!という切実な願望でしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の40編目。 アアちゃん 白い雪のふる 木の葉のちる 寒い風のふく アアちゃん ぼくは たたずみ うづくまり 寒い風のふく 湯気のちぎれとぶ アアちゃん ぼくは 地べたに 爪あとをつけ ケシの種子を ほりかえす アアちゃん うーん、これは作者が音楽を聴いた後で頭に浮んだイメージを物語の詩にしているのでしょうけれど、中々難しい内容ですね。 アアちゃんっていうのは感じからして幼い女の子なのでしょうか?外は寒いから家で遊んだ方が良いですが昔の子は元気一杯で外で遊びたがるのね。風邪を引かないでね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の39編目。 がらがら まぬけたいかづち がらがら トスカニニのゆくトスカニニのエロイカのゆく がらがら 花を見 蛇を見 むすめを見 見るものを見 がらがら 帽子を忘れ ステッキを忘れ ズボンを忘れ がらがら ひたぶるトスカニニのエロイカのゆく  クラシック詩ですが、これは意味がよくわかりませんが、何となくリズミカルで陽気な雰囲気が伝わってきますね。もうちょっと具体的に書いて説明して欲しいですが、ここに書かれている詩だけで判断しないと仕方ないですね。忘れ物ばかりしてしまう駄目な野郎ですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の38編目。 大名行列の えいほ えいほ 殿 凱風(がいふう)快晴 北斎(ほくさい)の赤富士にござりまする  クラシック詩の非常にユーモラスなイメージの一作ですね。えいほえいほの陽気な掛け合いに、もう手放しでプッと笑うっきゃないですね。まあよくはわかりませんが、そういうノリのリズム感なのでしょうね。これは、なーんも考えなくて良くて単純に愉快だなと笑っちまえば、それでよいのでしょう。硬軟取り混ぜていろんなスタイルで楽しませてくれる著者は誠に芸達者な方ですね。駕籠に乗るバカ殿様を連想しますね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の37編目。 若草山や そよ風の吹く 大和の野 かすみ かすみ そよ風の吹く おなごの髪や そよ風の吹く おなごの髪や 枯草のかかれるを 手をのばし とってやる おなごのスカアトや つぎあとのはげしさ おなごの目や 雲の映れる そよ風の映れる 二人は いつまで と その言葉や その言葉や そよ風の吹く 著者はクラシック音楽の楽曲からイメージされる詩を作られた作品のひとつで、とても器用な方で何でも来いの自由奔放な面白い発想の詩を書かれますね。おなごの髪や スカアトや。女子への憧れの詩
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の36編目。 Ishikoro no michi Ishikoro no michi Kaa tto higa sena wo yaku Aoba no Midori ga me ni itai Ishikoro no saka Ishikoro no saka  これは実験的な詩で、日本語をローマ字に置き換えた作品ですね。石ころの道 石ころの道 かーと陽が 背なを焼く 石ころの坂 石ころの坂 という事で普通に飽き足らず何にでも旺盛にどん欲にチャレンジしてみる著者の遊び心を讃えたいですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の35編目。 松の木山に銃声がいくつもとどろいた 山の上に赤い旗がうごかない雲を待っている 銃声が止むと ごとんごとんと六段返しみたいに的(まと)が回転する おれの弾(たま)は調子づいたとみえて うつたびに景気のいい旗が上った おれの眼玉は白雲ばかり見ていた 今で言うならばゲームセンターで遊んでいる感じの文章で絶頂期の気分のようですが、これは実際には遊びではなく生死に関わる真剣勝負の実戦なのですから浮かれてばかりいては後でどえらい目に遭うでしょうね。でも高揚感は避け難く出るものでしょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の34編目。 私のすきな三ツ星さん 私はいつも元気です いつでも私を見て下さい 私は諸君に見られても はずかしくない生活を 力一ぱいやりまする 私のすきなカシオペヤ 私は諸君が大すきだ いつでも三人きっちりと ならんですゝむ星さんよ 生きることはたのしいね ほんとに私は生きている  この詩を読むと著者はやる気満々で自信に満ち溢れ元気モリモリの良好な精神状態で人生に立ち向かっていそうで何も心配いらず万事が大丈夫な感じがしますね。こういう楽しい気持ちで人生を送れたら幸せな日々が続くでしょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の33編目。 うたうたいは うたうたえと きみ言えど 口おもく うたうたえず。うたうたいが うたうたわざれば 死つるよりほか すべなからんや。魚のごと あぼあぼと 生きるこそ 悲しけれ。 うーん、短い詩ですが、無駄な文章を省いて要点を的確に言い尽くされていますね。一時のスランプは誰にでもあるもので、インスピレーションが心と体から湧き出てくるまで待つことが必要で絶不調だからといって何も易々と死つる道を選ぶ事はありませんね。あぼあぼと生きる?自堕落に生きる意味でしょうか、でも休息も必要ですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の32編目。 蛍光を発して 夜の都の空をかける 風に指がちぎれ 鼻がとびさる 虹のように 蛍光が 夜の都の空に散る 風に首がもげ 脚がちぎれる 風にからだが溶けてしまう 蛾が一匹 死んでしまった この詩は中々に斬新で最後の一行まで一体何が起きたのだろう?と戸惑わせますね。蛍光と言えば蛍光ペンがお馴染みですが、著者が生きていらした昔はまだ発明されてなかったでしょうね。色彩が鮮やかに感じられる詩であるところもよいですね。死んでしまった蛾は可哀想ですが人間もやたらと我を通さずに妥協しましょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の31編目。 あの山を越えるとき おれたちは機関車のように 蒸気ばんでおった だまりこんで がつんがつんと あるいておった 急に風がきて 白い雪のかたまりを なげてよこした 水筒の水は 口の中をガラスのように刺した あの山を越えるとき おれたちは焼ける樟樹(くすのき)であった いま あの山は まっ黒で その上に ぎりぎりと オリオン星がかがやいている じっとこうして背嚢(はいのう)にもたれて 地べたの上でいきづいていたものだ またもや風がきて雨をおれたちの顔にかけていった 胸に迫る詩です。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の30編目。 白い小学校の運動場で おれたちはひるやすみした 枝のないポプラの列の影がながい ポプラの枝のきれたところに 肋木(ろくぼく)の奇妙なオブジェに 赤い帽子に黒い服の ガラスのような子供たちが 流れくずれて かちどきをあげて おれたちの眼をいたくさせる 日の丸が上っている 校舎からオルガンがシャボン玉みたいにはじけてくる おれのよごれた手は ヂストマみたいに 飯盒(はんごう)の底をはいまわり 飯粒をあさっている さあ この手でもって「ほまれ」をはさんで うまそうにけぶりでもはいて
夢追人009
2024/01/27 10:56

やろうか 雲で星がみえなくなった まっくらになった みんなだまっていて タバコの火だけが呼吸している まだまだ兵営はとおくにある 村をこえて 橋をこえて 線路をよこぎって ひるま女学生が自転車にのっていた畑もよこぎって ずんずんあるかねばならぬ 汗がさめてきた うごきたくない 星もない道ばたで おれは発熱しながら 昆虫のように脱皮してゆくようだ 戦時中の兵隊の気怠げな気持ちが心に浮んで来るような文章ですね。炎天下で辛くても甘えは許されないであろう過酷な日々が想像されて、文章を読むだけで息苦しくなりますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の29編目。序論 G線の下で アリアをうたっていた てるてる坊主が 雨にぬれていた 本論 交通が便利になって 文化はランジュクした 戦争に勝って リキュウルをのんだ はだかおどりの女のパンツは 日章旗であった タケヒサ・ユメジが みみかくしの詩をかいた 人は死ぬことを考えて 女とあそんだ 女とあそんで 昇天した震災が起って いく人もやけ死んだ やけ死ななかったものは たち上った たち上った たち上った ボクらのニッポンは 強い国であった 結論 ダダがうなっていたけれども プロがうなっていた
夢追人009
2024/01/27 10:29

けれども エロがきしんでいたけれども グロがきしんでいたけれども 芸術はタイハイしていたけれども ぼくらはタイハイしていたけれども ぼくらは たち上った たち上った 題名から堅苦しい話かなと思っていたら著者には珍しい、おふざけの出鱈目な酔っ払いの戯れ言みたいな調子ッ外れの詩でしたね。まあたまにはこういう砕けたものもいいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の28編目。ふわふわ雲が飛んでいる それは春の真綿雲 むくむく雲が湧いて来た それは夏の入道雲 さっさと雲が掃いたよう それは秋空 よい天気 どんより灰色 いやな雲 それは雪雲 冬の空 まあるい空のカンヴァスに いろんな雲を描き分ける お天道(テント)さんはえらい方  これは言葉の裏を読む必要の全くない素直な詩ですね。こういう殺伐としていない呑気な詩がなによりもいいなと思えますね。心晴れやかに山の上で寝転がって雲をボーッと眺めるのもいいですね。心の命の洗濯ですね。青空が一番。春よ早く来い!
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の27編目。あなたは かえってきた あなたは 白くしずかな箱にいる白くしずかな きよらかな ひたぶる ひたぶる ちみどろ ひたぶる あなたは たたかった だ 日は黒ずみ くずれた みな きけ みな みよ このとき あなたは ちった 明るく あかくかがやき ちった ちって きえた 白くしずかに きよらかに あなたは かえってきた くにが くにが 手を合す ぼくも ぼくも 手を合す おろがみまする おろがみまする はらからよ はらからよ よくぞ  白木の箱に納められた遺骨の悲しいご帰還ですね。
るい
2024/01/27 09:58

この詩を読んで初めて竹内さんをWikipediaで調べてしまいました。ご自分も若くして亡くなられたのですね。😢

夢追人009
2024/01/27 10:33

るいさん、ありがとうございます。著者にとって詩作と戦争に捧げた青春の日々だったのですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の26編目。十月の兵営に 桜が咲いた ちっぽけな樹に ちっぽけな花だ しかも 五つか六つだ さむそうにしながら 咲いているのだ ばか桜だ おれは はらがたった 題名からは全く想像もつかない日頃の欲求不満を吐き出すみたいな心境の詩ですね。草花に何の罪もないのですから、そんなに責めないでやってね。イライラせずに心を平静に落ち着けてできるだけ穏やかに過ごして欲しいですが、過酷で厳しい戦場でそれを望むのは非常に困難で酷な話でしょうね。桜は散っても新しい花が咲きますが、人は散ればそれきりですからね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の25編目。 十月一日、すきとおった空に、ぼくは、高々と、日の丸をかかげます。 ぼくの日の丸は日にかがやいて、ぱたぱた鳴りましょう。 十月一日、ぼくは○○聯隊に入営します。 ぼくの日の丸は、たぶんいくさ場に立つでしょう。 ぼくの日の丸は、どんな風にも雨にもまけませぬ。 ちぎれてとびちるまで、ぱたぱた鳴りましょう。ぼくは、今までみなさんにいろいろめいわくをおかけしました。みなさんは、ぼくに対して、じつに親切でした。 ただ、ありがたく思っています。ありがとうございました。死ぬるまで、ひたぶる、
夢追人009
2024/01/27 08:29

たたかって、きます。 昔は日本も戦争をしていて、こういう言葉を若者たちは普通に発していたのですね。軟弱になった現代人には困難な覚悟だと思いますが、真意はどうであれ著者は逃げられないのだと覚悟して開き直って突き進んだのかも知れませんね。もう二度と戦争を繰り返してはならないと痛切に感じますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の24編目。 銭湯へゆく 麦畑をとおる オムレツ形の月 大きな暈(かさ)をきて ひとりぼっち 熟れた麦 強くにおう かのおなごのにおい チイチイと胸に鳴く かのおなごは いってしまった あきらめてくれと いってしまった 麦の穂を噛み噛み チイチイと胸に鳴く これも失恋の詩ですね。鳴くと書いた部分の気持ちは実際には泣くが正解でしょうね。そう正直に書くとあまりにも悲しく惨め過ぎるから鳴くに置き変えたのでしょう。鳥が鳴くように、ああ可哀想に運も縁もなかったのですね。「麦畑」は明るい歌ですけどね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の23編目。 南から帰った兵隊が おれたちの班に入ってきた マラリヤがなおるまでいるのだそうな 大切にもってきたのであろう 小さい木綿袋に 見たこともない色んな木の種子 おれたちは暖炉に集って その種子を手にして説明をまった これがマンゴウの種子 樟(くすのき)のような大木に まっ赤な大きな実がなるという これがドリアンの種子 ああこのうまさといったら 気も狂わんばかりだ 手をふるわし 身もだえさえして 語る南の国の果実 おれたち初年兵は この石ころみたいな種子をにぎって消えかかった暖炉の
夢追人009
2024/01/27 07:50

そばで 吹雪をきいている  娯楽や楽しみの無い環境下で瑞々しくて美味なフルーツの味わいは兵隊さんにとっては一生の記憶に残る大切な思い出だったのでしょうね。この方が戦争が終わって日本で平和にフルーツを食べて感無量になったといったささやかなドラマがあったならいいなと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の22編目。 カアテンのかかったガラス戸の外で 郊外電車のスパァクが お月さんのウィンクみたいだ 大きなどんぶりを抱くようにして ぼくは食事をする 麦御飯の湯気に素直な咳を鳴らし どぶどぶと豚汁をすする いつくしみ深い沢庵の色よ おごそかに歯の間に鳴りひびく おや 外は雨になったようですね もう つゆの季節なんですか  豪華に贅沢な食事ではないけれど粗食でも素直にありがたく美味しく頂く喜びが伝わってきますね。馴染みの大衆食堂「めし屋」で食べる味は格別でしょう。呑気で平和な夜のひと時ですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の21編目。 月が変圧器にひっかかっているし 風は止んだし いやにあつくるしい夜だ 人通りもとだえて 犬の遠吠えだけが聞こえる いやにおもくるしい夜だ エーテルは一時蒸発を止め 詩人は居眠りをするような いやにものうい夜だ 障子から蛾の死がいが落ちた ああ、こうして詩人の詩を一度に集中して読むとスタイルが見えて来ますね。気ままで自由なリズムが心地よく感じられます。私にとってはとてもフィーリングが合う方だなと思いましたね。こうして真冬の厳しい寒さの中で読むと、あつくるしさが恋しくなりますね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の20編目。 東京はタイクツな町だ 男も女も 笑わずに とがった神経で 高いカカトで 自分の目的の外は何も考えず 歩いて行く 東京は冷い町だ レンガもアスファルトも 笑わずに 四角い顔で 冷い表情で ほこりまみれで よこたわっている東京では 漫画やオペラが 要るはずだと うなずける 全てが真実であるとは思いませんが、当たっている所も多いでしょうね。実際に住んで暮らしている方は怒られるかも知れませんね。さだまさしさんの「距離」の様に都会が人を変えるのでなく人が街を良い風に変えて欲しいですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の19編目。 さいげんなく ざんござんごと 雨がふる まっくらな空から ざんござんごと おしよせて くる ぼくは 傘もないし お金もない 雨にまけまいとして がちんがちんと あるいた お金をつかうことは にぎやかだからすきだ ものをたべることは にぎやかだからすきだ ぼくは にぎやかなことがすきだ さいげんなく ざんござんごと 雨がふる ぼくは 傘もないし お金もない きものはぬれて さぶいけれど 誰もかまってくれない ぼくは一人で がちんがちんとあるいた あるいた 心の奥に届きましたね。
夢追人009
2024/01/26 09:11

「雨」と言えば、三善英史さんと森高千里さんの名曲、「傘がない」は井上陽水さんの名曲が思い出されますが、この詩も「ざんござんご」「がちんがちん」と独特な表現により主人公の内面が透けて見えるようで、とても良い味が出ていて大好きになりましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の18編目。 午前三時の時計をきいた。午前四時の時計をきいた。まっくらな天井へ向けた二つの眼をしばしばさせていた。やがて、東があかるんできた。シイツが白々しくなってきた。にこりともせず、ふとんを出た。タバコに火をつけて、机に向かった。手紙を書いてみたかった。出す相手もなかった。でも書いた。それは、裏切った恋人へであった。出さないのにきまっているのに、ながながと書いた。書きあげれば、破いて棄てるのだけれど、息はずませて書きつづけた。一昔前の四畳半フォークの世界で切なさが心に沁みて良いですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の17編目。 修利修利 摩訶修利 修修利 娑婆訶 己のうたいし ことのはのかずかずは 乾酪(チイズ)のごと 麦酒(ビイル)のごと 光うしないて よどみはてしは わがこころのさまも かくありなんとの 証しなるべし うたうまじ かたるまじ ただ黙々として 星など読まん 風などきかん 口業のあさましきをおもいて われ 黙して 身をきり 臓をさいなまん ただ苦業こそよけれ ただに涅槃(ねはん)をおもい 顔色を和らげ 善きことせん 無声もて 善きことせん 難解な詩ですね。詩人の覚悟なのでしょうか。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の16編目。 ぼくが 帰るとまもなく まだ八月に入ったばかりなのに 海はその表情を変えはじめた 白い歯をむき出して 大波小波を ぼくにぶっつける ぼくは 帰るとすぐに 誰もなぐさめてくれないので 海になぐさめてもらいにやってきた 海はじつにやさしくぼくを抱いてくれた 海へは毎日来ようと思った 秋は 海へまっ先にやってくる もう秋風なのだ 乾いた砂をふきあげる風だ ぼくは眼をほそめて海を見ておった 表情を変えた海をばうらめしがっておった  日本ではいつまでも季節は留まってはくれないのですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の15編目。 夜の大海原に 星もなく さぶい風が波とたたかい 吹雪だ 灯もない 吹雪だ あれくるう 北海 あれる ただ一つの生き物 ウキをたよりに 生きのび生きのびる人間 助かるすべも絶えた それでも 雪をかみ 風をきき 生きていた 生きていた やがて つかれはてて 死んだ 「やがて」の前には空白がありますが、ああ何て辛い結末なのでしょうね。もし映画だったなら近くを通りかかる船やヘリコプターが舞い降りて奇跡的に救助されるのですが現実にはそうもいかないのでしょうか。あまりにも悲し過ぎますね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ネタバレ竹内浩三さんの詩の14編目です。 満州というと やっぱし遠いところ 乾いた砂が たいらかに どこまでもつづいていて 壁の家があったりする そのどこかの町の白い病院に 熱で干いた唇が 草のように 音もなく 山田のことばで いきをしていたのか ゆでたまごのように あつくなった眼と 天井の ちょうど中ごろに 活動写真のフィルムのように 山田の景色がながれていたのか あゝその眼に 黒いカーテンが下り その唇に うごかない花びらが まいおちたのか 楽譜のまいおちる けはいにもにて 白い雲が 秋の空に音もなく とけて
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の13編目。 しかられて 外へは出たが 我家から 夕餉の烟と 灯火(ともしび)の 黄色い光に 混ぜられた たのしい飯(めし)の音がする 強情はってわるかった おなかがすいた 風も吹く 三日月さんも 出て来たよ あやまりに 行くのも はずかしい さらさら木の葉の 音がした 素直で率直な詩ですね。私もこんな風に謙虚な気持ちで意地を張らずにシンプルに生きられたなら、さぞやとても幸せだろうなと思いましたね。みなさんこれからでも遅くはないので、気持ちを楽にして人生を楽しんで生きようではありませんか。
るい
2024/01/25 20:38

叱られて 叱られて あのこは 町までおつかいに ♪この子は 坊やをねんねしな ♪ ⬅思い出しました。奉公に出た子の哀しい歌らしいですが。私は孫を寝かしつける時によく歌いました。❤

夢追人009
2024/01/25 20:44

るいさん、この詩は童謡とは別物ですが、童心に帰って素直な心で生きましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの12編目。 赤い赤い四角い形が 障子に落ちている 青い青い丸い葉が 赤い空気に酔っている ひらひらとコーモリが 躍る 人は 静かに戸を閉めて 電気をつけて 汁をすする 赤い明るい西の空も 灰色にむしばまれる そしてくろくなって やがてだいやもんどに灯がつく そして人は日記などつけて 灯を消し 一日が終わったと考えて 神に感謝して 祈る これは非常にシンプルだけどとても良い詩ですね。時代が過ぎて私達の生活にはどんどん便利な機器が発明されたけれど、夕焼けに代表される根っ子の部分は不変なのですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの11編目。 この空気 この音 オレは日本に帰ってきた 帰ってきた オレの日本に帰ってきた でも オレには日本が見えない 空気がサクレツしていた 軍靴がテントウしていた その時 オレの目の前で大地がわれた まっ黒なオレの眼漿がんしょうが空間に とびちった オレは光素(エーテル)を失って テントウした 日本よ オレの国よ オレにはお前がみえない 一体オレは本当に日本に帰ってきているのか なんにもみえない オレの日本はなくなった オレの日本がみえない  人も心も全てが時代によって変化し好転するさ。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の10編目。 金がきたら ゲタを買おう そう人のゲタばかり かりてはいられまい 金がきたら 花ビンを買おう 部屋のソウジもして 気持よくしよう 金がきたら ヤカンを買おう いくらお茶があっても 水茶はこまる 金がきたら パスを買おう すこし高いが 買わぬわけにもいくまい 金がきたら レコード入れを買おう いつ踏んで わってしまうかわらかない 金がきたら 金がきたら ボクは借金をはらわねばならない すると 又 なにもかもなくなる そしたら又借金をしよう そして 本や 映画や うどんや スシや
夢追人009
2024/01/25 19:23

バットに使おう 金は天下のまわりもんじゃ 本がふえたから もう一つ本箱を買おうか 昔は誰もが何でもかんでも楽に手に入る時代ではなかったのですね。ここに書かれた事柄は今では簡単に叶う事ばかりで、少しも贅沢な事ではないけれど、こういう時代もあったのだと考えれば人生の過ごし方が、あなたにとっていい方向に変わるかもしれませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の9編目。味のある文章。映画について むつかしいもの。この上もなくむつかしいもの。映画。こんなにむつかしいとは知らなんだ。知らなんだ。 金について あればあるほどいい。又、なければそれでもいい。 女について 女のために死ぬ人もいる。そして、僕などその人によくやったと言いたいらしい。 酒について 四次元の空間を創造することができるのみもの。 戦争について 僕だって、戦争へ行けば忠義をつくすだろう。僕の心臓は強くないし、神経も細い方だから。 生活について 正直のところ、こいつが今一ばんこわい。
夢追人009
2024/01/25 19:05

でも、正体を見れば、それほどでもないような気もするが。 星について ピカピカしてれや、それでいいのだから。うらやましい。著者は気取りもなく万事に正直で人からどう思われるかなどと全く気にせずに心の赴くままに書いておられるる姿勢が伝わって来て、まさに真実の人生の飾らない素のままの正直さ率直さが心地よく気持ちよいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の8編目。蛾が 静かに障子の桟(さん)からおちたよ 死んだんだね なにもしなかったぼくは こうして なにもせずに 死んでゆくよ ひとりで 生殖もしなかったの 寒くってね なんにもしたくなかったの 死んでゆくよ ひとりで なんにもしなかったから ひとは すぐぼくのことを 忘れてしまうだろう いいの ぼくは 死んでゆくよ ひとりで こごえた蛾みたいに これはダメです!この寒い季節には危険な運命を連想させるあまりにも暗すぎる絶望的な詩ですね。もっと気持ちを強く持って人生に立ち向かわなくっちゃね!
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の7編目。かの女を 人は あきらめろと云うが おんなを 人は かの女だけでないと云うが おれには 遠くの田螺たにしの鳴声まで かの女の歌声にきこえ 遠くの汽車の汽笛まで かの女の溜息にきこえる それでも かの女を 人は あきらめろと云う この詩は美女にフラれた失恋男が嘆き節の繰り言を延々とつぶやいている軟弱なフォークソングの世界ですね。こういう男らしくない性格が著者らしいのでしょうね。人間は激情に駆られると情痴殺人になりかねませんので、私は強すぎずに情けない位で丁度いいだろうと思いますね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の6編目。こん畜生!おれは みぶるいした おれは菊一文字の短刀を買って ふたたび その女のところへきた さァ 死ね さァ 死ね お前のような不実な奴を生かしておくことは おれの神経がゆるさん 女は逃げようとした まて死ねなけゃ おれが殺して――ひとの真実をうらぎるやつは それよりも おれに大恥をかかしたやつは ココ殺してやる きった ついた血が吹いた こん畜生! おれは ふたたび みぶるいした  これは穏やかな性格の著者には珍しい激しくエキサイトした悪態を吐く感情表現が恐ろしい詩でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の5編目。街はいくさがたりであふれ どこへいっても征くはなし 勝ったはなし 三ヶ月もたてばぼくも征くのだけれど だけど こうしてぼんやりしている ぼくがいくさに征ったなら 一体ぼくはなにするだろう てがらたてるかな だれもかれもおとこならみんな征く ぼくも征くのだけれど 征くのだけれど なんにもできず 蝶をとったり 子供とあそんだり うっかりしていて戦死するかしら そんなまぬけなぼくなので どうか人なみにいくさができますよう 成田山に願かけた。戦争で出兵する若者としては誠に頼りない男の詩。
夢追人009
2024/01/25 10:32

でも血も涙もない無機質な殺人マシンのような人よりも恐れを抱き心の通う例え軟弱でも人間らしくていいんじゃないんでしょうかね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
花好きな薄田泣菫さんの12編目。この頃咲く花に石竹(せきちく)があります。照り続きで、どんなに乾いた磧(かはら)にも、山道にも、平気で咲いてゐるのはこの花です。茎が折れると、折れたままにその次の節からまた姿勢を持ちなほして、伸びてゆくのはこの花です。細くて、きやしやで、日盛りのあるかないかの風にも、しなしなと揺れるほどの草ですが、針金のやうな強い神経をもつてゐて、多くの草花がへとへとに萎(しな)びかかつてゐる灼熱(しやくねつ)の真つ昼間を、瞬きもせず澄みきつた眼を開いて、太陽を見つめてゐるのはこの花です。
夢追人009
2024/01/22 19:31

茎を折つても、水気ひとつ出るではなし、線香のやうに乾いた髄を通して、生命が呼吸してゐるのはこの花です。砂の夢。灼(や)けつく石の夢。そしてまたどんな貧しい土地にも、根をおろして伸びてゆく不思議な「生命」の石竹色の夢。石竹は中国原産種の花ですよ。石竹の花言葉は「あなたが嫌いです」「才能」「純愛」「いつも愛して」「才色兼備」等があるそうです。何となく我が儘な感じを受けますね。石竹色というのは薄紅のピンク色だそうですよ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫さんの11編目。前半で春が再び巡り来たことを喜ぶ気持ちを素直に表現されています。後半は中国の馬明生という男の話で仙術を学んで不老不死と鳥のように空を飛ぶ術を会得しようと安期生という師匠に弟子入りし長い修行の末に神丹の薬を作り上げる。彼はいよいよ薬を飲んで悲願を成し遂げようとした刹那、急に心変わりして半分を飲むと残りの半分は惜しげもなく捨ててしまい、体がせむしのように折れ曲がり、やがて小さな普通の仙人になってしまった。著者は心変わりの理由を季節が春だったからだと推測されています。でも少し残念ですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫さんの10編目。ストーリーを一部割愛します。昔鴻池家に名代の青磁の皿が一枚あって世間に唯一の宝物として土蔵にしまい込み主人が気が塞いだ時に眺めて心を癒していた。ある時、鴻池の主人が友人ニ三人と生玉へ花見に出かけて料理屋へと入った。亭主はご贔屓になっている鴻池の主人だというので料理や器に凝ったものを出したのだが、その器の中に青磁の器があって鴻池の主人は一目見てびっくりした。暫く見た後に店の主人を呼び、この皿を売ってはくれまいかと小判を三十枚並べた。亭主が承知すると、いきなり皿を床に叩きつけて割った。
夢追人009
2024/01/18 09:42

「あの皿は家の物とそっくり同じやった。同じ青磁の皿が世間に二つあるようでは鴻池家の顔に関わるよってな」鴻池の主人はそう言って眉毛一つ動かそうとしなかった。金持ちという奴は見栄っ張りでどうしようもないイヤな輩ですね。貧乏人の私から見ると本当に嫌になる最低の所業ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの詩の4編目。東京がむしょうに恋しい。カスバのペペル・モコみたいに、東京を望郷しておる。 あの街 あの道 あの角で おれや おまえや あいつらと あんなことして ああいうて あんな風して あんなこと あんなにあんなに くらしたに あの部屋 あの丘 あの雲を おれや おまえや あいつらと あんな絵をかき あんな詩を あんなに歌って あんなにも あんなにあんなに くらしたに あの駅 あのとき あの電車 おれや おまえや あいつらと あああ あんなにあの街を おれはこんなに こいしがる 赤いりんごを
夢追人009
2024/01/17 10:15

みていても 私は今まで知りませんでしたが「カスバのペペル・モコ」は1937年の外国の映画「望郷」の事で戦前の日本で大ヒットしたそうですね。「あんな」を多用した詩ですが、まあこの風情はとても良いですね。ああ、一瞬遠い昔のあの頃を思い出して泣きたくなるような心持になりますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫さんの9編目。題名は山雀と書いて「やまがら」と読みます。面白いオチはありませんが著者が知る2つの実話です。アメリカ帰りの老紳士が山で「ちいちい」と鳴く鳥の雛を見つけて山雀だと思い芸を仕込めると喜んで四羽を持ち帰って餌付けをしたのだが三羽が死に残りの一羽が大きくなるとホオジロだと知れて残念がった話。山崎老人という偏屈な老人は毎日野山へ出て鉄砲を持って兎や狐や鳥を撃っていましたが、山雀を取ろうとする若い男を見つけて「わしの山のものを取るのはならん」と鉄砲で追い払いました。老人は山雀を持ち帰って育てた。
夢追人009
2024/01/17 09:54

そして成長すると山へ帰してしまったので、ある人が「山雀は芸が仕込めるのに」と惜しがると「うるさい」と言ったきり、そっぽを向いたという話。まあ望む人は手に入れられず何の欲もない人が手に入れるという事でしょうか。これは深く考える必要もない話でしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫さんの8編目。著者は明治・大正・昭和を生きた方で68歳で亡くなられ岡山県のお生れですが私の住む奈良県の話を多く書かれていまして嬉しいですね。奈良女子高等師範の校長・野尻氏が夜に奈良公園を散歩して空を見上げると春日の杜に十五夜のお月様が浮んでいるのを見て歌を詠んだ。天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出(い)でし月かも だが、それは百人一首の名高い安倍仲麿の作だと気づいた。だが夜空を見ると美加さの山の上に月が出ていないので、「仲麿め、いい加減な事を言いやがって」と人に会う度に言いふらした。
夢追人009
2024/01/17 09:20

野尻氏に教える。それは月が年が寄ったので、月も年がよると変なことになるものなのだ。ちょうど人のように・・・。これを読んで「そうか成る程ね」と思いましたね。私は今まで盲信して全く疑わずにいましたが、そういう事もあるのだなと勉強になりましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの3編目。 はらをへらした人のむれに、ぼくは食堂横町へながされていった。給仕女の冷い眼に、なき顔になったのを、大きなどんぶりでもって人目からおおった。えたいのしれぬものを、五分とながしこんでいたら、ぼくの食事が終った。えらそうに、ビイルなどのんだ。ビイルがきものにこぼれて、「しもた」と思った。金風(あき)の夕焼のなかで、ぼくはほんのりと酩酊して行った。これは殊更に難しくはなくシンプルに読めばいいですね。「しもた」は「しまった」の意味で「金風」は秋の季語ですね。著者はシャイな性格なのでしょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
宮原晃一郎さんの2編目。大昔には世界は悪魔だけがいて怖ろしく長い尾を剣のように使って喧嘩や戦争を繰り返していました。神様は世界に草木や動物や人間を拵えようと考えていました。利口な一人の大悪魔がこのままでは戦争で我々は滅んでしまうのではと心配して仲間に呼びかけ会議を開いて演説しました。我々は争いを止めてやがて出来て来る人間の心の一部を堕落させる事にしようじゃないか。だが仲間達は信用せずにこいつを殺してしまえと言って追いかけました。大悪魔は逃げ出し大きな尾で地面を叩くと亀裂が出て割れ悪魔達が落ちて死にました。
夢追人009
2024/01/16 12:19

だが何度も繰り返すうちに大悪魔の尾がなくなってしまいました。けれど大部分の悪魔達がいなくなったので、生き残った者たちを説得する事が出来ました。今は人間たちの社会ですが悪魔が混じって人間を堕落させているのです。けれど賢い人には悪魔がどんなに上手く化けても今はなくなった悪魔の尾がちゃんと見えるのです。今もどこかに隠れている悪魔に決して心を堕落させられてはなりませんよと子供達に向けて強く訴えかける戒めの童話ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫さんの7編目。本編の読みは「がんぶつ」ですが元々の作品には「にせもの」と読みが付されていたそうです。村井吉兵衛が伊達家の入札で幾万円の骨董物を手に入れたという噂が出たので、ある男が本人に「幾ら何でも高過ぎるだろう」と言うと「いや、高価な物が蔵にあると他の物にも値が高く付く効果がある」と言ったそうだ。京都のさる知名の男が書斎を新築したが飾る物に困った挙句全て贋物を揃えて書斎の名を贋物堂と名付けたそうだ。京都の画家は贋物を拵えるのが巧い様に京都の女は贋物を産むのが上手で立派な腕前だ。毒舌の文章ですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫さんの6編目。人間性の不思議について二つの例を描いた掌編ですよ。大阪に住む釜師の老人に茶人の某が蘆屋釜を二つ注文し「値段を前のと同じにして欲しい」と頼むと、「前と同じ物をご注文されるのでしたら前より値段が高くなります」と答えたので理由を聞くと「私は同じものを作るのを好みませんから」と返事された。鉄道会社の社長が印度人の老人が木彫りの熊を彫っているのを見てホテルや公園の休憩所に飾ろうと考えて老人に話しかけると「一つ五弗しますだ」と言うので「三百なら幾らになる?」と聞くと「一つ七弗五十仙で」と答えた。
夢追人009
2024/01/16 11:17

「それはまたなぜだ」と聞くと「これ三百も作らんならんと思うと、思うだけでもいやになりますからの」と答えた。普通は大量生産だと値段は安くなるものですが、人がたった一人だと世の中には偏屈な人が時々いるので思うようにいかないものなのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
富永太郎さんの1編目。灯ともし頃に花の散った桜並木を歩いていると明るいカフェが見えて、奥の方に壁に寄り掛かるNが目に入った。中学の時同級で海軍兵学校に入っている内に肺炎か何かで死んだ男だ。向うでも気づいたのか二人は駆け寄って互いに抱きしめ合い額に接吻した。突然不快な感覚を覚えて手を放すと、Nの半面は、髪の毛から眼の下へかけて一面に褐色のどろどろした液体で被はれている。Nは平静な顔に、うれしさうなうす笑ひを浮べてやつぱり僕をみつめてゐる。しかし僕はもう一度彼を抱きしめる気になれずに、ぼんやりそこに立つたまま
夢追人009
2024/01/15 11:21

よごれた彼の顔を眺めていた。これは最初から題名がタネを割っていますが、不気味でいて何となく心魅かれる幻想的な掌編の物語ですね。まあやや悪趣味ですが耐えられる範囲内で私はこの世界観が嫌いではありませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの2編目。感傷的な詩。ふみきりのシグナルが一月の雨にぬれて ボクは上りの終列車を見て 柄もりの水が手につめたく かなしいような気になって なきたいような気になって わびしいような気になって それでも ためいきも なみだも出ず ちょうど 風船玉が かなしんだみたい 自分が世界で一番不実な男のような気がし 自分が世界で一番いくじなしのような気がし それに それがすこしもはずかしいと思えず とほうにくれて雨足を見たら いくぶんセンチメンタルになって 涙でもでるだろう そしたらすこしはたのしいだろうが
夢追人009
2024/01/15 10:54

そのなみだすら出ず こまりました こまりました まさに昔のフォークソングのようで、メロディーがつけられたらいい歌になりそうですね。まあ意気地なしの男の歌ですから、あまり流行りはしないでしょうけれど、今読むと新鮮な詩の世界で私は結構気に入りましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
竹内浩三さんの1編目。上衣のボタンもかけずに 厠(かわや)へつっ走って行った 厠のまん中に くさったリンゴみたいな電灯が一つ まっ黒な兵舎の中では 兵隊たちがあたまから毛布をかむって 夢もみずにねむっているのだ くらやみの中で まじめくさった目をみひらいている やつもいるのだ 東の方が白しらんできて 細い月がのぼっていた 風に夜どおしみがかれた星は だんだん小さくなって 光をうしなってゆく たちどまって空をあおいで 空からなにか来そうな気で まってたけれども なんにもくるはずもなかった 戦場での詩ですね。
夢追人009
2024/01/15 10:37

調べますと著者は三重県出身の詩人で、徴兵されて出兵し1945年にフィリピンで24歳の若さで戦死(厳密には生死不明)されたとの事ですね。兵士たちの戦地での遣り切れない虚しい思いが綴られた何とも言えない心に冷たい風が吹き抜けるような詩ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫さんの5編目。荷車曳きの爺さんが関西婦人某協会のご婦人と道端で言い合いしていました。爺さんの荷車が可哀想に黒猫の仔猫を轢いてしまったのです。ご婦人は謝りなさいと言いますが、ご婦人は黒猫の飼主ではなく、謝るのは仔猫に対してですと言うと、爺さんは「儂は人間だから猫なんかに謝れるかい。謝っても生き返る訳でなし」と言って立ち去りかけました。婦人は死骸をハンカチで包み側で見ていた子供達に「駄賃をあげるから猫の死骸を始末して頂戴」と頼むと、爺さんが「謝りますよ。私が始末しますよ」と言い金を婦人から奪いました。
黒猫
夢追人009
2024/01/15 10:18

爺さんは婦人が見えなくなるとハンカチの包を掘の水を目がけてぽいと投げおろしました。白い猫の包は蒼い掘割の水に浮きつ沈みつ、しばらく流れていました。何という無情な仕打ちでしょうね。猫が大好きな方には許せない話でしょうね。この爺さんに猫の祟りがあるといいと思いますが、残念ながらそういう風にはなりそうもないですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫さんの4編目。本作は笑いは殆どないですが普通の怪談噺ですよ。欧州大戦の時に英軍の溺死したキッチナア元帥がドイツの俘虜になっているという噂が頻りに流れた。同じく作家のオスカア・ワイルドが死んだ時も二三か月後にあっちこっちで見かけたという人があった。伊勢の寂照寺の坊さんの弟子・月窓の母親が芝居を見に行くと知り合いの大の芝居好きの女がいたので二人で役者の噂話をした。翌日になって月窓の母親が挨拶かたがたその女の家を訪ねると嫁さんが出てきて不思議そうな顔をした。「お母さんは亡くなられてもう三月になりますよ」
夢追人009
2024/01/15 09:38

「え、お亡くなりですって。でも私は昨夜芝居でお目にかかりましたが・・・」「まさか」と言って嫁さんは相手にしなかった。こちらを狂人扱いにしそうなので月窓の母親は黙って帰ったが途中足の裏は地に着かなかった。こういう事は世間ではよくありそうな話ですよね。また暫くして忘れた頃にこの方は芝居でもう一度ぐらいは友人と会えたかも知れませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
今野大力さんの詩の20編目。生と死の路は今自分の行手にあり 自分はこの全き方向のちがった路の 何れを歩んでいるかを知らない 歩む路は一すじ ただこの一すじが 生命の歓喜へ向っているか また永遠の死へ辿っているか 自分にも解き得ざる謎 謎の日は今、日毎ひごとつづきつつある だが博士は言った 「半年か一年か保証は出来ないがね」ここで自分の歩む路は死だと予断されているも一人の博士はただ眉をひそめて 「生死の問題よりも苦痛よりのがれる方法を」と自分の言葉を認めて麻薬で劇薬の注射を与えて去った 又も一人の医師は言う
夢追人009
2024/01/14 12:46

「もう手おくれだ どこもかしこも悪い ただ死は時日の問題だ」自分はすべての医師に絶望を語られ お前は死の路を歩むでいるのだと言われてその儘に 自分の生命力が博士達の想像と同一であるとは信じない 信じたくない。博士達にだって幾月幾日に断定出来ないからだだ ただ自分の生命は非常に死に近づいている、 死の手に引かれるか 又再び生の力に引上げられるか あぶなげなわが生命 はかなきわが生命 わが今歩める路は果して何れか 一九三五・五・七 これは自身の詩で約1月後に著者は亡くなられておりさぞやご無念でしたでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫さんの3編目。夕方ふと見ると、植込の湿つぼい木かげで、真赤なまんりやうの実が、かすかに揺れてゐる。寒い冬を越し、年を越しても、まだ落ちないでゐるのだ。小鳥の眼のやうな、つぶらな赤い実が揺れ、厚ぼつたい葉が揺れ、茎が揺れ、そしてまた私の心が微かに揺れてゐる……謙遜な小さきまんりやうの実よ。お前が夢にもこの夕ぐれ時の天鵞絨のやうに静かな、その手触りのつめたさをかき乱さうなどと、大それた望みをもつものでないことは判つてゐる。いや、お前の立つてゐるその木かげの湿つぽい空気を、自分のものにしようとも思ふもの
夢追人009
2024/01/14 12:23

でないことは、よく私が知つてゐる。お前はただ実の赤さをよろこび、実の重みを楽しんでゐるに過ぎない。お前は夕ぐれ時の木蔭に、小さな紅提灯をともして、一人でおもしろがつてゐる子供なのだ。持つて生れたいささかの生命をいたはり、その日その日を寂しく遊んで来たまんりやうよ。またしても風もないのに、お前の小さな紅提灯が揺れ、そしてまた私の心が揺れる。 万両の花は7~8月頃に咲き、 12月頃から冬にかけて 実が赤くなる。 万両のなかには 実が白い種類もある。 ・正月の縁起物に使われる。 心魅かれる素敵なエッセイですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫さんの2編目。この作品でのみ飲酒家と書いて「さけのみ」と読ませます。片山博士は禁酒論者で酒飲みの子に不良少年・白痴が生まれると言い酒がなければ此の世は天国だと言われたらしい。亡くなった上田博士は酒は体に悪いのは理解しつつも精神にはいいからとこよなく愛した。片山博士の息子の医学士の国幸氏は父と逆に酒を愛していたが最近ばったり止めたので友達が理由を聞くと「親父が禁酒論者なのに俺が飲んでいては世間体が悪いからね」と答えたという。酒飲みからも孝行者が生まれる世の中満更捨てたもんじゃない。好エッセイですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
薄田泣菫(すすきだ きゅうきん)さんの1編目。これは一応は怪談噺ですが、怖くはなく愉快でありながらも誠にお気の毒な話ですよ。法学士になったばかりのKという男が料理屋で女を前にして浴びる程に酒を飲んで店を出た。目の前に大きな男がいたので、退いた退いたと言ったが相手は、うんともすんとも言わず無言だったのでムッとしたKは腹を立てて相手に頭突きをくらわしたが、カンという音と共に倒れて死んでしまった。それも道理で彼の相手は電信柱だったのだ。青山墓地に葬られた彼は母親の夢枕に立ち、頭の向きが違うと毎晩のように訴えた。
夢追人009
2024/01/13 21:23

母親が墓を掘り返すと頭が南向きに葬られていたので、泣き泣き北向きに直して葬ってやると、それ以来また夢枕に立たなくなったそうだ。まるで落語のネタみたいな面白い話で、これは中々の掘り出し物だと思いましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小酒井不木さんの探偵小説の3編目。あまり有名ではありませんが、訊問の達人と呼ばれる大正時代の名探偵の警視庁警部・霧原庄三郎を主人公とする短編作品ですね。深夜に坂の上で「人殺し―」と叫ぶ女の声が聞こえて近所の人が駆けつけると二十歳ぐらいの女が呻いて倒れておりすぐに絶命する。傍らには短刀があり女は地面に「ツノダ」と書き残していた。同じ頃に「人殺し―」と叫ぶ男が近くの交番に逮捕され同居人の前科者の男・園田の存在が浮上する。本作は呪われの家と関東大震災が絡んだ人情噺の面白味が楽しめました。推理は希薄で低調でした。
夢追人009
2024/01/13 10:53

ダイイング・メッセージの謎は面白味がなく震災の影響で戸籍が消失した為の混乱に過ぎず、霧原警部はヤマ勘によって事件を解決したように思われ尊敬できませんでしたが、まあ時代を考えればこんなものでしょうかね。指紋に言及しながら血痕の血液型については何も書かれていませんし、あまり厳しく考えずに昔の時代の探偵小説の雰囲気を味わう読み方をするのが良いでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の119編目。貧しい親子連れの盲目の父親の弾くバイオリンに合わせて少年が歌って街を行く多くの人々からお金を恵んでもらっていました。やがて人も耐え今夜は引き上げようかと最後に一曲弾いて歌い終えると近くの煙草屋の美しい娘さんがお金をくれました。それから何度も娘さんはお金をくれる様になって少年はとても感謝しました。ある時、新聞社の人が来て二人に話しかけ翌日の新聞に好意的な記事が載りました。少年は喜びましたが、悲しい事にそれから娘さんは来てくれなくなりました。父親の死後、少年は工場で働きました。
街の幸福
夢追人009
2024/01/12 21:12

でも機械に触れた為に不具者となって小さな頃と同じ場所でバイオリンを弾く身となりました。煙草屋さんはまだありましたが、美しい娘さんは今どこに嫁いでいいお母さんになったのか、明るい灯りの下には美しい姿を見出す事はできなかったのでした。不運な人生の中での儚い幸福の時。彼にもどうか未来に真実の意味での幸福が訪れてくれますようにと願いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の118編目は超短いけれど愉快な話ですよ。からすねこという呼び名は最近はあまり耳にしませんが何のことはない黒猫の事ですよ。年取ったカラスねこが歩いていると銀色のペルシャねこが来て「お前は何者だ」と聞くと「私は越して来た者です」と答えたので「そうか、何かおいしい物があったら私の所へ持っておいで」と言いました。その時ブルドッグが来てカラスねこは怯えましたがペルシャねこが睨むと逃げて行きました。カラスねこが自分の手柄にしようとすると「あれはうちの犬で私を守ってくれているのです」とペルシャねこ。
夢追人009
2024/01/12 20:37

「意地悪をすると言いつけますよ」とおどすとカラスねこは、びっくりして逃げて行きました。まあお年寄りは大切にしなければいけませんが、若いからといってなめて偉そうにし過ぎるのも考え物ですので十分考えて良好にお付き合いしましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ジャン・ド・ブリュノフさんの青空文庫で読める唯一の絵本で大久保ゆうさんの翻訳作品の2編目ですよ。本作は「ババ―ルとサンタクロース」の別台で書籍化されていまして無料で青空文庫で読めるのは貴重ですね。ぞうのババ―ルが人間の世界にくるサンタクロースを、ぞうの国にも来て欲しいと手紙を出しますが返事が来ないので大都会に行って苦難の調査の末に森に出かけて、やっと巡り会いサンタのおじさんをぞうの国へ呼んで友情を深める波乱万丈の物語ですよ。まあ時季外れではありますが、とても素晴らしい内容の絵本ですのでぜひ読んで下さいね!
るい
2024/01/12 12:30

青空文庫の絵本、素晴らしい。美しさも平仮名文字も。感謝です。💕

夢追人009
2024/01/12 12:35

るいさん、こんにちは。この「ぞうのババ―ル」は人気シリーズのようで他の本も探して読みたくなりますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岩村透さんの怪談噺の3編目。著者が京都の某病院で手術をする事になり、大学病院の医科大生である弟から聞いた話で、病院の小使の人が来たばかりの冬の時季に体験した恐怖の物語。冬の深夜に外は木枯らしが吹き荒れる中で突然ベルの音が鳴り響いた。それは何と死体の安置された死体室からだと気付いてゾッとした。馬鹿馬鹿しいと思いながら恐々床に入ると暫くしてまた鳴り出すのである。最初は恐ろしかったが何度もある事なので、その内にすっかり慣れてしまったという。単純な話ですが自分一人きりの部屋で体験したらと考えると恐ろし過ぎますね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ジュール・クラルテさんの青空文庫で読める唯一の短編で森鴎外さん翻訳作品です。人間は時には猿の父母を銃で殺す酷い獣になる事がある。猿は自分が侮辱されると後まで覚えていて復讐する。艦長が船内で放し飼いにしていた猿ジヨッコオが金剛石を盗んで石炭の下に隠していた事がわかる。水兵達が簡易裁判の法廷を開き猿は銃殺刑に処される事になり猿は目隠しをされたが気配を察すると怯えて目隠しを引きちぎり必死で逃げ出し海に飛び込み暫く泳いで波と戦っていたが、とうとう沈んで見えなくなった。そして船内から笑い声が絶えた。ああ可哀想にね!
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
サキさんの青空文庫で読める唯一の短編ですよ。最終行のオチが強烈な印象を残すブラック・ユーモアの好編です。ある冬の寒い晩、森の中でグラドウイツとズネームという犬猿の仲の互いに憎み合う二人の男が対峙した。すると物凄い強風が吹いてきて大木が倒れて二人の男を下敷きにしてしまった。二人は日頃の怨みを相手にぶつけて憎まれ口を交わしていたが時間が経つ内に段々と相手のダメージがわかってきて優しい気持ちが沸きあがり遂に仲直りし和解する。二人は自分の部下達が助けに来るのを待っていると遂に足音がした。「誰だい?」笑い声「狼!」
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ジェーン・テイラーさんの青空文庫で読める唯一の詩で新美南吉さんの翻訳作品ですよ。ちらちら光れ小い星、あなたは何だろ小い星。金剛石だおほ空の、遠くて高いおほ空の。真赤に燃えた陽が落ちて 光がみんな失なくなると あなたは小さく光り出す、そしてちらちら夜明けまで。暗い闇ゆく旅びとは あなたの光に礼をいふ。もしもあなたが光らねば、道に迷つて困るもの。あなたは暗いお空から カアテンの隙のぞいてる。 そしてよつぴて眠らない、明日の朝が来るまでは、あなたの光はちらちらと 夜の旅びと照すけど あなたは何だろ、わからない。
夢追人009
2024/01/10 08:44

ちらちら光れよ小い星。まあ小さい星が正しく少し読み難いですが、でも南吉さんらしさが感じられる優しい良い詩ですね。まあ今は街灯がありますけど昔はなかったでしょうから旅人にはとてもありがたかったのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ランドルフ・コールデコットさんの青空文庫で読める唯一の絵本です。まあストーリーは単純でハートのクインが一日かけて作ったお菓子のタルトを、こっそりハートのジャックが盗みまして野良猫が疑われますがハートのキングがタルトをご所望して探しますとハートのジャックの仕業だとバレてしまいます。ジャックは「タルトをお返しします。もう二度といたしません」と謝罪して、めでたしめでたしです。16頁のカラー漫画絵本で文字は少しで美しい絵が素晴らしいですね、途中でキャンディーズの名曲「ハートのエースが出てこない」を思い出しました。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ありがとうございます!もうこのシリーズに夢中で引き込まれていますよ!私は映画の世界に疎いですので中々原作の魅力をさらに発展させる事は難しいので申し訳ないですがとことんアホ・オンリーで考えた続きをお読みくださいね。実を言うと僕にはここまでみなさんに話していなかった暗い過去があるのだ。数年前に偽名の砂山遼でプロゴルファーをしており一時はブレイクし大活躍したが深刻なスランプに陥って真剣に苦悩しドツボに嵌った。そして有名番組に出演を依頼されて快諾した。チャンチャラチャカ~笑点だ!僕は座布団十枚を獲得して引退した。
Vakira
2024/01/08 12:40

009さん お読み頂きありがとうございます。m(_ _)m プロゴルファー遼ね。

夢追人009
2024/01/09 10:49

Vakiraさん、ありがとうございます。あまり書き過ぎてネタ切れ寸前になりましたが一応、昇天と笑点をかけているのですよ!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ありがとうございます!成る程の回想記のオチでしたね。中々に難しくて繊細なストーリーをぶち壊してばかりで申し訳ありませんが、まるっきり異質な続きを考えましたのでお読みくださいね。それから僕は洋画だけではなく日本映画にも興味が沸いてある女優さんに心を魅かれた。あの有名な大蛸しのぶさんである。優美さんと二人きりになると例の行為を何度も続けていたが、突然に彼女は僕に言ったのだ。「発情するなら金をくれ!」優美は当時流行っていた人気ドラマに影響を受け子役女優に感化されて貧乏でなく裕福だったが金を要求し僕は払い続けた。
Vakira
2024/01/08 12:16

009さん お読み頂きありがとうございます。m(_ _)m 懐かしくもあり、恥ずかしくもあり、下ネタ妄想ショートショートにお付き合い頂きありがとうございます😊 発情するなら金をくれ〜 2024コメント大賞に1票。

夢追人009
2024/01/09 10:47

Vakiraさん、ありがとうございます。大蛸しのぶさんは明石家さんまさんの元奥さんですよ~!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ありがとうございます!今回は中々に大胆な作品でエロティックな世界ですね。まあイヤらしくないストーリーで却って清々しく読めますね。またアホな続きを考えましたのでお読みくださいね。別荘の部屋のドアを開けると双子の姉妹・彩美と優美が何と二人でナイフを構え合っていたのだ!やめろよ!と僕が叫ぶと二人が向き直り僕に向かってナイフで襲い掛かって来た!ギャー!目が覚め、昨日TVで見たウルトラQ「悪魔ッ子」の影響だと思う。二人はウルトラ怪人ダダの着ぐるみで少女漫才師「ダダカラ」を結成しM-1に挑んだが呆気なく予選落ちした。
Vakira
2024/01/08 12:08

009さん お読み頂きありがとうございます。m(_ _)m もう!うれしすぎ〜 こんなところで 悪魔っ子に出会えるとは!肝、掴まれました。ダダカラ 実現して欲しい〜

夢追人009
2024/01/09 10:45

Vakiraさん、ありがとうございます。「成瀬は天下を取りにいく」の滋賀県の膳所(ぜぜ)出身の成瀬と島崎の漫才コンビ「ゼゼカラ」のパロディーで捻った「ダダカラ」なのですよ!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ありがとうございます!眠れる森の美女は、とってもメルヘンチックでいいですね!冬の季節だから人間も冬眠してたりしてね。そんなアホな~!段々とシャレが苦しくなって来ましたが今回もまたアホな続きを考えましたのでお読みくださいね。あやみが私の成功を祝って故郷の大阪の街へ食い倒れの食べまくりツアーに連れて行ってくれた。前半はタコ焼きとスイーツ店では蛇いちごしか出て来なかった。次は二人でしゃ「ぶらんカニえべす」さんは1月10日だよ!昨夜さドジャースの山本投手が、じゃインタヴュー、勝因は?って聞かれてる夢を見たんだよ!
Vakira
2024/01/08 12:02

009さん お読み頂きありがとうございます。m(_ _)m モンブラン?🦀?🦐ッス。

夢追人009
2024/01/09 10:41

Vakiraさん、ありがとうございます。モロッコのカサ「ブランカに蛭子」能収さんが旅をして来たらしいよ!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
このシリーズには幻想的な世界が広がっていて文章を読んでいるだけで映像が浮かんで来ますね!また、しょーもない続きを考えましたのでお読みくださいね。あやみ、おい大丈夫か?しっかりしろ!あやみは起き上がると徐に歌い出した。♪ブルーライトヨコハマ―、あなタコ二人幸せよー!バカ野郎、いしだあゆみさんの生霊がのりうつっちまったのかよ!じゃー次♪おてもやん、あんタコの頃嫁入りしたではないかいな~!♪いタコの伊太郎ちょっと見なれば~!♪タコ、甘えてばかりでごめんネ!違う、まこや!滅茶苦茶やな!最後は恐山のイタコになった。
Vakira
2024/01/05 22:51

009さん お読みいただきありがとうございます。m(_ _)m うひゃ~ 昭和歌謡〜

夢追人009
2024/01/09 10:52

Vakiraさん、ありがとうございます。このネタは最近の若い子には全く楽しめない化石ソングばかりですね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
いつも冴えていて本当に素晴らしいですねえ!常に令和の時代を先取りして最先端を歩んでいらっしゃいますねえ!私も発想の豊かさにあやかりたいと思いますが、アホな事しか思い浮かびませんね。続きをお読みくださいね。うーん、どうにかやっとこさ退院したけどまだ頭が痛いわ!ジガバチって「自我蜂」って書くのかしらね?よーし、気分転換にカラオケボックスにでも行っちゃうか~!一曲目「記憶の中でずっと二人は生きていける」君の声が今も胸に響くよ~!二曲目は「ハチのムサシは死んだのさ」歌が止まらない。あーあ病院に連れ戻されちゃった。
Vakira
2024/01/05 12:49

009さん 早速にお読みいただきありがとうございました。イケ~イケ~ハァッチ~ミツバチ ハッチ~ ってちゃうねん。My Little Loverにセルスターズやん セルスターズ!よくご存じで~♪ うわ! Hello,Againがヘビロテじゃ~

夢追人009
2024/01/05 13:02

Vakiraさん、ありがとうございます。この娘さんは今でも病室で悩んでいますよ。私の先祖は蜂須賀正勝だったかしら、待てよ岡ハチ郎さん奥目のハッちゃんだったかなあ。それともハチゅう類かなあ?

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ありがとうございます!深くて観念的な世界観に圧倒されましたよ。ちなみに私の蟲のお奨めは、つのだじろう著のマンガ「亡霊教室」の「虫」で虫を虐めた少年が青虫の祟りで昼飯が青虫弁当になる話です。続きのような駄洒落ストーリーをお読みくださいね。裸虫っていう漫才コンビがいて先輩に「もう虫(もう中学生)」がいるらしいよ。梅雨の時季に雨中でボコボコに殴られてリンチゆう訳だよ、私の過去は悲惨だったのだ。あやみも苦労人で前職は市ーバースのガイドだったがアル中でウイスキーのシーバースリーガルをらっぱ飲みして首になったんだよ。
夢追人009
2024/01/05 13:17

Vakiraさん、ありがとうございます。 https://bookmeter.com/books/4867207 ←ですね。まあ完全に、♪きさまと俺とは同期の桜~!でしょうね。また古い歌や漫画を思い出したらどんどん書きますので今後ともよろしくお願いしますね~!

Vakira
2024/01/05 22:53

009さん お教えいただきありがとうございます。亡霊教室だったんですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ありがとうございます!今回はほぼノンフィクションのエピソードと言う事で真実らしい青春のきらめきが随所に感じられノスタルジーも呼び覚まされて良かったです。今回は真面目な話なのでボケるのが相当に難しくて悩みましたが、何とかまた続きを考えましたのでお読みくださいね。でもね、実はたった一回だけ出られなかった事があるんだよ。それがね直前で入院しちゃったんだ。その時は思わず叫んじゃったよ。アカン虫垂炎になっちまった!彼女に職業を選んだ理由を聞いたら昔は非行少女だったから反省して次は飛行少女を目指したのって言ってたよ!
夢追人009
2024/01/05 10:53

Vakiraさん、ありがとうございますね。アカン虫垂炎(あ「かんちゅうすいえい」ん)にも気付いてね!昨夜もう一本「盗躰師」シリーズにも書いていますので読んでくださいね!

Vakira
2024/01/05 12:59

あら~ すいません。アカン虫垂炎には気付かんかったッス。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
今野大力さんの19編目。色彩なければ 我ら生はあらざらむ 春宵の薄暮 わが双眼の全き視神経は麻痺して 宇宙は皆灰一色となり 感ずべき何ものもなし 心ただ焦燥して 形なく踊れども みたすべき何ものもなし ああ春宵の薄暮 奪われし色彩のかえらじ 燃ゆるなき 古城址の焔と消えんのみ まあとにかく著者の書く詩はダイナミック且つドラマティックで独特な世界観に心を魅かれますね。著者の才能は、もっと長生きされていれば昭和の時代にフォークソングや歌謡曲の作詞の分野で花開いて大活躍されていたのではないかなとも思えますよね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
芥川賞受賞作「影裏」から6年をかけて完成させられたという全8編の連作短編小説集で東北に住む作家「木山」氏が帰郷と東京を行き来し現在と過去の回想を交えて現実と空想が混在する私小説風の物語です。まあ、とりとめのないストーリーですのでオチや結論にこだわらずに自由に断片的な著者の独特な文体を味わう読み方をする読み方がいいと思いますね。私が一つ心に残った記述は「真夏・真冬」とは言うけれど「真春・真秋」とは言わないという事実で、目から鱗の思いで、そう言えばそうだよなあと改めて気付きましたね。#NetGalleyJP
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
今村翔吾さんの戦国武将テーマの掌編小説集・東日本篇の総勢23人も面白く読めて歴史の勉強にもなりました。とにかくこの短い文章の中で起承転結をきっちりとまとめて何より理解し易く熱中させてぐいぐい読ませる手腕は素晴らしいの一語に尽きる稀な才能だと思いますね。本書を読んでいて戦国時代は信長・秀吉の西側が華やかな舞台で東側は何となく地味ながらも我慢と忍耐に徹して真面目に奮闘されていたのだなという印象を受けましたね。北条氏政のユーモラスな「汁かけ飯の戦い」徳川家康の「竹千代の値」が好きです。#NetGalleyJP
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/05/06(2253日経過)
記録初日
2018/01/20(2359日経過)
読んだ本
3020冊(1日平均1.28冊)
読んだページ
488781ページ(1日平均207ページ)
感想・レビュー
3020件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
性別
血液型
A型
現住所
奈良県

参加コミュニティ1

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