そして二匹を麻袋から出すと地面に下して「行け」と言った。男は微笑んで「これで争っても誰も得をしないばかりか逆に損をするってことがよくわかっただろう。お前たちも反省して仲直りしたようだから森に帰りな」と言った。ウサギとカメは人間の優しさに感謝して、それぞれのねぐらに帰って行き、それからは顔を合わせても決して争う事なくいつまでも仲良しのまま山で暮らしましたとさ。ウサギとカメの物語はあくまでも只のお話で、ウサギとカメは競争する必要なんてまったくないのです。著者の優しいストーリーテリングに泣きそうになりましたね。
読み友のみなさん、8月も沢山のナイスをくださって本当にありがとうございました。先月も気力・体力・集中力を欠いて過去最低の冊数でしたね。最近やっと涼しくなってきて体が楽になりつつありますし9月はがんばらねばと思いますので今月もよろしくお願いしますね!2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3379ページ ナイス数:25660ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2024/8
そして彼は警察に自首して犯行を自供し、公園のベンチで寝ている間に金はなくなったと供述する。35歳の彼は5年を刑務所でお勤めをして予定通り40歳で出所する。そして公証人の所に向かおうとして、はて偽名は何だっけなと完全に忘れてしまった事に気づいて気が狂いそうになる。懸命に思い出そうとするがどうしても叶わず街中を彷徨う内にセーヌ河岸に辿り着き何だっけと言いながら水中に全身が漬かる。そしてジュヴェルジェだったと思い出し懸命に叫んだが河岸には誰もおらず、やがてラヴノオは沈み元通り静かになる。何て哀れな末路でしょう!
階段を踏み外して意識不明となり一週間後に亡くなってしまう。新教祖を決める教団会議では多数決によって吉沢さんが選ばれた。私は結果に満足し喜んだが、その一月後に悪い噂を耳にする。吉沢教祖が自分に逆らう者を排除し追放して教団費で外車を買って女性信者達と関係を結んでいるというのだ。最初は信じなかった私だが吉沢教祖が自分を「法王」と呼ばせて独裁者のように振る舞い出したのを見ると豹変した彼に幻滅し脱退を決める。だが脱会費として百万円を要求され抗議すると信者達から監禁・暴行を加えられて仕方なく支払って教団を去ったのだ。
その後、吉沢教祖は教団名を「金光の会」と改称し財テクに走る異様な団体に変貌した。その数週間後に吉沢教祖は数々の悪行が露見して警察によって逮捕された。私はテレビのワイドショーに出演して彼が当初は謙虚で真面目な人柄だったのが教祖となった途端に権力を得た事で堕落して人間性まで豹変してしまったのですと証言した。スタジオの画面に映る犯罪者として刑事達に連行される彼の姿を見ながら私はかつては尊敬した彼が改心することを願った。うーん、この物語を反面教師にして自分自身が決してこういう風にはならないようにと戒めたいですね。
ジョンは宇宙人との交信には国連機関の承認が必要だったが慌てて無断で応答してしまい30分後に地球侵略するとあっさり言われる。そこで核戦争の危険を訴えて止めさせようとするが原子反応無力化ビームと次元ワープ爆弾があるから大丈夫だよと拒否される。テルポルル人を奴隷にすると言われて地球人をなめるなよと言い返すが環境破壊にさらされている星を守ってやるんだとの言葉にそれは一理あるなと頷く。尚も地球の降伏を迫る指揮官に対し高度な宇宙人がそうでない地球人を支配するなんて幼稚な精神の持ち主ではないかと反論すると言葉に詰まる。
すると別の声が「朕はンマー帝国の皇帝コレウマー三百二十五世だ」と名乗りジョンの主張を認めて地球人が協調して努力するなら艦隊を引き揚げようと述べて立ち去り声が消える。ジョンはこの交信記録は削除しようと独断で決める。一年後、ジョンは宇宙人とのコンタクトの事実は隠して皇帝陛下の述べた言葉を文章化して出版すると世界中で大ベストセラーとなった。深夜、私は空を見上げると星のあるはずのない位置で何かが一瞬だけ一際強く輝いたのを見て微笑みながら頷いたのだった。あまりにも平和的過ぎますが未来に希望を抱かせるラストでしたね。
男は同意し軽トラでゴール地点までカメを乗せて運び先着する。男は籠で罠をこしらえてカメを籠の中に入れる。カメはウサギを騙す事に一瞬だけ罪悪感を抱き迷うが最後は自分の命を優先させる。やがてウサギがやって来ると男は約束を破りウサギとカメの両方を捕まえて「この世は弱肉強食なんだ」と厳しく言う。ウサギとカメは反省し泣きながら互いにごめんなさいと謝り合う。男は軽トラに麻袋に入れた二匹を乗せ暫く走り停車して車から出すと二匹に「来世で生まれ変わっても相手を陥れようとしないで仲良くすると約束するか」と聞いて二匹に誓わせる。
そして二匹を麻袋から出すと地面に下して「行け」と言った。男は微笑んで「これで争っても誰も得をしないばかりか逆に損をするってことがよくわかっただろう。お前たちも反省して仲直りしたようだから森に帰りな」と言った。ウサギとカメは人間の優しさに感謝して、それぞれのねぐらに帰って行き、それからは顔を合わせても決して争う事なくいつまでも仲良しのまま山で暮らしましたとさ。ウサギとカメの物語はあくまでも只のお話で、ウサギとカメは競争する必要なんてまったくないのです。著者の優しいストーリーテリングに泣きそうになりましたね。
そこでビルの屋上から飛び降りる事にして実行すると目撃者が悲鳴をあげるが俺は生きていて起き上がって逃げ出し次に車に飛び込むがそれでも死ねないので何度も車に突進する。映画スターで霊能力のある男が哀れだな。自分の死に気づかずに何度も車に飛び込むなんて自虐殺だなとつぶやく。四日後、映画スターの男は覚醒剤の常用がマスコミにバレたのを苦にし高層ビルから飛び降りる。高校生の男子がその現場を見て自虐殺じゃないかと呟く。四日後、男子高校生は皆に馬鹿にされる人生が嫌になり列車の踏切内に立ち轢き殺されるが死ねず再びトライする。
何よ、これ。保険のセールスレディが踏切内での人身事故を目撃してしまい、こんな死に方を選ぶなんてまるで自虐殺だよね。えっ、でも自虐殺って何よ?その四日後、私はもう生きていられないわ。だから貴男の目の前で…。こうしていつまでも死の連環が繰り返されていくネバーエンディングストーリーですね。中々に斬新な試みの悪夢のような実験的ストーリーでしたね。
一週間以内に首都を陥落させよ。もしできなければお前を銃殺刑に処すと強く脅して無理矢理従わせた。翌日の早朝にはヒマワリア共和国へのミサイルによる空爆が開始されテレビで国営放送を映して戦闘の模様を確認した。すると大統領補佐官のミハイルが国連が我が国に対し非難決議を採択したと報告してきたが、吾輩は強気の姿勢を崩さなかった。やがて首都攻撃に向けて順調に報告が進みアレンシア連合国の軍事介入もないと聞いて安堵した。セメルスキーは明日には首都に進攻すると報告し大統領はどういたしましょうと聞いたので銃殺刑にしろと命じた。
その夜、吾輩は気分よく愛人を抱いた。翌朝、ドーンという砲撃音で目覚めた。備え付けの電話で補佐官のミハイルに電話すると戦車部隊の攻撃で敵ではなく我が軍ですと言って笑った。見るとさっきまでベッドで寝ていた愛人の姿がない。やがてセメルスキーとミハイルがドカドカと上がってきて入室し吾輩に銃口を向けてお前を逮捕すると言った。私は密かにクーデターを計画しお前の暮らす宮殿へと軍を進めたのだ。お前が見たテレビの映像は映画だ。愛人は敵国のスパイで吾輩は処刑場で目隠しされ銃声が聞こえて地獄へ落ちた。まあ自業自得の運命ですね。
だが俺は人間とゾンビの両方を敵に回す事になってしまいゾンビの集団の中で彼らの振る舞いの真似をして何とか生き延びた。ゾンビになると食欲が失せて食べる必要がなくなり睡眠もしなくて済み常に起きている状態になるのだが俺は強烈な睡魔に襲われた。だがゾンビたちの中で寝ると直ちに人間だとバレて殺されてしまうので俺はマンションの一室に閉じこもって中から施錠する事を考えた。幸い適当なマンションを見つけて一九階の部屋に入り込んだ。やがて暫くするとドアをドンドン叩く音がする。ちなみにゾンビと化すと人間の言葉が話せなくなるのだ。
インターホンで外を覗くと女ゾンビがいた。続いてゾンビの集団がやってきて女が激しくドアを叩いたので中に入れてやり施錠した。俺達は互いの手に指で文字を書いて筆談して女もまた脳が人間のままな事を知った。彼女・弓子はPCを開いて人間である事をSNSで拡散し白い鉢巻きを頭に巻いて目印にする事を考えた。そして同じ境遇の仲間が大勢いる事が判って人類復興の道が開かれた。一年後ワクチンや治療薬が開発されてゾンビは駆逐され治療により俺と弓子は元通りの体に戻れて結婚し子供も出来た。人類は悪夢の時代を乗り越えたのだ。良かったね!
俺はビッグボスから新たな指令を命じられた。エリアのボスを殺して回る一匹狼の殺し屋が出没したと言うのだ。俺は部下たちに奴を始末しろと命じた。だが、やがて殆どの部下たちが奴に殺されましたと腹心の部下が報告して来た。俺は自分が出向いて奴を殺そうと腹心の部下と共にバーに行くと、店主は奴が姿を消したと言う。俺は奴は俺が始末したと偽情報をばらまき事実を知るバーの店主を殺した。俺の名声と権威は大きくなり、部下たちは俺に今こそビッグボスを倒しましょうと決断を迫った。俺はビッグボスを自らの本拠地に招いてパーティーを催した。
俺は他のエリアボスたちも呼んでクーデターを起こそうと企んだのだ。俺はビッグボスとグラスを重ね、部下たちへいよいよボスを襲う合図を出した。だが体を起こすと銃撃された筈のビッグボスは生きていて俺にピストルを向けていた。しかも見ると腹心の部下も俺のこめかみに銃口をあてていた。二人はグルで騙されていたと知る。殺し屋などおらず大勢の部下も殺されていなかったのだ。「ザコが!」と叫ぶと必死で命乞いする俺をビッグボスは無慈悲にピストルで撃ち殺した。結局、俺もザコだったのだ。一瞬の慢心と油断が命取りになる非情な世界ですね。
彼は妻に言い訳をしてそのイベントに参加することにした。開始時刻の正午に着くと大型トラック2台が先頭で渋滞の発生を仕掛けていた。それを見た彼は違うと違和感を覚え渋滞掲示板に中止を呼びかけたが、あっさり無視された。これは関係のない一般客に迷惑を強いていると確信した彼は直ちに警察に通報した。やがて警察のサイレンが鳴り響き2台のトラックは白バイに拘束されて渋滞は解消した。盛道はこれまでの時間の無駄を反省して今後は家族と一緒に過ごそうと考える。今回はいたって健全なオチでしたが、著者の生真面目な性格を実感しましたね。
昼休みにまた弁当を家に忘れてきてお金もないので校舎の屋上で空を見上げていると同級生の女子・綾瀬羽瑠香(あやせはるか)が声をかけてきてクリームパンをくれた。安喜斗が自転車で帰りを急いでいると綾瀬が大学生らしき男にからまれているのに出くわし止めなさいと注意すると胸ぐらを掴まれ頬を殴られるが捨て台詞を吐いて男は去って行く。安喜斗は家でゲームしなくちゃと言って急いで帰る。夜になると彼は母にコンビニに行ってくると言って自転車で出かける。彼が山間の平原に着いて深夜零時になると空から巨大な宇宙船が降りてきて彼を乗せる。
彼は月に一度だけ宇宙人の皇帝陛下と負ければ地球征服及び宇宙一の臭い星で幽閉されてしまう危機を阻止する為に地球代表として戦うのだ。いつもの通りにじゃんけん勝負でグーとチョキで2度引き分けた後で安喜斗がパーを出すと相手はグーを出し彼が勝利する。皇帝陛下は地球攻撃の1ヵ月延期と好きな願いを叶えてやると言い安喜斗はオンラインゲームのアイテムを望み叶えられる。安喜斗の通算12連勝である。どうせなら地球攻撃の中止を望めばいいのに言わない事に宇宙人は毎回不思議がる。知らない所で戦って地球を守る彼こそ真のヒーローですね。
すると俺の言い間違えに店内の客からクスクスと失笑が起きた。チリンチリンと再び電話が鳴りお婆さんが出た。聞いていると孫から会社の金を使い込んでしまったから500万円を振り込んで欲しいと話している。俺は「怪しいなオレオレ詐欺じゃないか」と思ってお婆さんと電話を代わり相手の男と話をしボロを出させて被害を防いでやる。すると店内の人達から一斉に拍手が湧き起こる。それを聞いた俺はすっかり強盗する気が失せて「もういいです。自首します」と申し出る。支店長は「あなたは良い人だ。警察には連絡しないから出て行きなさい」と言う。
店内の人達が口々に「強盗なんかやめて真面目に働いてね」と励ましてくれる言葉に甘えて俺は銀行から立ち去る事にする。本当は俺もこんな事をやりたくなかったんだ。これからは真面目に働こう。ついでに「このピストルはオモチャなんです」と言って謝ると途端に店内の空気が一変する。支店長と大勢の客が俺を捕まえに一斉に飛び掛かって来たので俺は「このまま捕まってたまるか」とオモチャのピストルの引き金を引くと銃口からプラスチック製の赤いチューリップの花が咲いた。銀行からの通報で駆け付けた警官に俺は逮捕された。ああ、人間って奴は。
それを見た皇子がお爺さんに「大納言よ」と呼びかけ背中に負ぶって運んでもらって無事に難を逃れました。お爺さんはそれから田舎に帰り翌年に冠をかぶって再び京都に来て祇園祭りを見物しました。お爺さんが美しい山車が通るのを道端で見ていますと側で山車が止まって一人の男がやって来て山車が通るのを許すと言って下さいと頼みました。するとお爺さんは偉そうに「ゆるすぞ」と言ってやりました。そして面白くなり山車に先回りして山車が止まる度に「ゆるす」と何度も言って喜びました。その内に立派な御所車が通りかかってピタリと止まりました。
中に乗っていたのはお爺さんが宮城で一年前に命を救った皇子でした。お爺さんはお城へと連れて行かれ大納言から皇子を救ったお礼にと金一封を頂きました。そして頭に被っている冠の仔細を聞かれてお城で拾いましたと答えると大納言のまねをして山車を止めた事で本来は重い罰に処する所だが今回だけは許すと言って冠を返させられる。お城からの帰りに山車と出会ったお爺さんは先程会った人から「この偽大納言め」と言って石を投げられてほうほうの体で逃げ帰って「やはり拾った冠じゃ役に立たないな」と寂しそうに言いました。束の間の権力でしたね。
老人の過去や、運転手たちのそれぞれの思いが複雑に絡み合って、とても考えさせられる作品でしたね。特に、新人の運転手が老人に厳しい言葉を言ってしまうシーンは、思わず心が痛みました。でも、ベテランの運転手の温かい対応には、ほっとした気持ちになりました。
ありがとうございます。老人が生前に素直な気持ちになって上手に人付き合いが出来て運転手たちと和解できればよかったのですが・・・また運転手たちも老人の心に歩み寄ってあげれば違っただろうとは思いますが、人生は難しいですね。
お爺さんは町の人々に千両で売ろうとしますが高すぎて誰も買ってはくれません。仕方ないので帰りに海に捨ててしまいますと数日後にタツノオトシゴに乗った美女が訪ねてきてお爺さんを竜宮城へと連れてきます。竜王と乙姫様に天の羽衣をくれてありがとうとお礼を言われお爺さんは竜宮の犬を土産にもらいます。この犬に五合丁度の小豆を食べさせると翌日には五合の黄金を出しますよ。但し五合よりも多く食べさせては駄目ですよと注意されます。老夫婦は言われた通りにすると黄金が出てきて金持ちになります。でも噂を聞いた隣の欲張り婆さんが来ます。
正直者の爺さんが黄金を生む犬の話をすると私にその犬を貸してくれと頼んで許可され持ち帰ります。その後全く犬を返さないので聞きに行くと、あの犬は黄金を出す所か大量の糞を出したので殴りつけて殺してしまったよと言います。お爺さんは犬の死骸を持って帰り奇麗に洗い浄めて土釜の先へ埋めてやると、すぐに榎が芽を出し正月の十七日にはその枝に大判小判の金貨がなりました。正月に飾る繭玉の由来はこれだと言います。貧乏なお爺さんとお婆さんが正直で優しい性格の故に苦労から救われて一転してお金持ちの幸せ者になるとても良いお話でしたね。
三年が過ぎた或る日、子良は鶴が舞い降りて来るのを鷲が襲い掛かって邪魔するのを見つけて鷲に石をぶつけて助けます。その夜、家に鶴が来て私は天からの使いですと名乗り昼間に助けてくれた礼を言って天に昇る方法を子良に教えてくれます。天から天人が水を汲む為の釣瓶が降りてきますのでそれに乗ればいいのですと。子良は喜んで夜の浜辺に降りて来た釣瓶に乗って上昇しますが途中で縄が切れて体が墜落し命を落とします。けれど子良の魂だけはふわりと浮いて天へと昇って行きました。悲しい結末ですが子良は母と再会して幸せに暮らす事でしょうね。
私も読みました!梅雨明けの穏やかな海で起きた出来事が、まさかこんな形で終わるとは驚きでしたね。穴熊刑事がホームレスのフリをして犯人を追い詰める展開、痛快でした。特に、最後の海鮮丼のシーンはユーモアがあって印象的でした。短編ながら、トリックも巧みで、あっという間に読めてしまう面白さがありました。
ありがとうございます。この作品はきっと江戸川乱歩さんの名作「D坂の殺人事件」にヒントを得て書かれているのでしょうね。この穴熊さんは警視庁で伝説の捜査一課長と呼ばれる程の立派な人物だったのにどうしてホームレスに身を落としたのかは本人が事情を全く語ってくれないので永遠の謎ですね。まあ今はこういうある意味で自由気ままな生き方に喜びを見出されているのでしょうね。
二人は別々の鼻の穴の中ではぐれないようにここにいるよと肉を叩いて合図をします。でも何度もしつこく叩いている内に祖父さんは次第にこそばゆくなって大きなくしゃみをしてハックショーンとやった拍子に二人は鼻から体外に吹き飛ばされて、やっと二人ともに日本に帰りついたのでした。最後はめでたしめでたしの面白い日本昔ばなしでしたね。
愉快な歌で爺さんを油断させると家の中に入って袋の中の稲妻を解き放ち爺さんを縄で縛り上げて降参させます。魔法使いは遠くの国へと追いやられ、大女は自分の国へ子供たちはめいめいの親のところへと帰りました。今回はちょっとしたどんでん返しの仕組まれた愉快な冒険のお話でしたね。
だがフリーターで職を転々としていて収入が少なくて満たされず諦めていた。そんな未季子が乗る自転車が麗香の運転する外車に突っ込んで傷つけてしまう。麗香は逆上して未季子の画像をスマホで撮り健康食品の契約者10人を10日で見つけてきたら修理代はいらないけど駄目だったら貴女の画像をネットに晒すわよと言って脅す。麗香は怒りが収まらず帰って事件と共に未季子の画像をビューネットにUPしてしまう。だが記事を読んだ人達は麗香の態度を酷いと強く非難してフォロワーが激減したので記事を削除する。すると未季子のカレシが電話してくる。
麗香の非道な行為を訴えて裁判にかけると言うのだ。麗香はまずいと思い裁判にしない条件として相手が出した未季子への要求を取り下げる事に同意する。電話の向こうで未季子とカレシはうまくいったなと喜ぶ。麗香はビューネットのアカウントを完全に削除して仮想現実の世界に別れを告げ、その半年後に素敵な男性と巡り合い、現実の人々に祝福されながら幸福な結婚式を挙げたのだった。まあ最後はうまく出来すぎですが虚飾のネット社会を捨てて現実社会の喜びを求めていく姿勢は賞賛すべきだと思いますし、今回も誠に理想的なハッピーエンドでしたね。
こうして木精の頭は虹猫の知恵のお陰で薔薇色の短靴を作る事が出来ました。それからというもの、やぶ薔薇は赤色の花を咲かせるようになったということです。虹猫さん恐るべし頭の良さでもって上手に世渡りする処世術が誠にうらやましいですね。
よーし、これから獣医師を目指して頑張ろう!と彼は人生に目的意識を持って新たな道へと踏み出して行くのだった。最初はあまりのだらしなさに情けなくなり呆れる話でしたが徐々にマジメモードに入って行き最後は救いのあるハッピーエンドでしたね。
椰子蟹はアルコール漬けにされて壜に入れられ、ある学校の標本室に今も残っております。勝手な人間のせいで故郷から異国に連れて来られた椰子蟹は誠に可哀想な一生でしたね。
ああ、著者は憐みの思いを文章にはせずに淡々と無慈悲に物語を閉じていますね。本作は超自然的な怪談ではありませんが著者の作風は何とはなしに日本人の感性に訴えかけるものがあると思いますね。
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男は同意し軽トラでゴール地点までカメを乗せて運び先着する。男は籠で罠をこしらえてカメを籠の中に入れる。カメはウサギを騙す事に一瞬だけ罪悪感を抱き迷うが最後は自分の命を優先させる。やがてウサギがやって来ると男は約束を破りウサギとカメの両方を捕まえて「この世は弱肉強食なんだ」と厳しく言う。ウサギとカメは反省し泣きながら互いにごめんなさいと謝り合う。男は軽トラに麻袋に入れた二匹を乗せ暫く走り停車して車から出すと二匹に「来世で生まれ変わっても相手を陥れようとしないで仲良くすると約束するか」と聞いて二匹に誓わせる。