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2024年10月の読書メーターまとめ

ニュートン
読んだ本
6
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1120ページ
感想・レビュー
6
ナイス
19ナイス

2024年10月に読んだ本
6

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ニュートン
ネタバレ火星から来た「人間そっくり」なのか、自分を火星人だと思っているただの気狂いなのかを論証することはできないという思考実験のような作品。 トポロジーなどやや読みきれない側面はあったが、会話劇の巧みさで、狂気と正気(そんなものあるのか?)の間を往復する感覚が面白い。 論証不可能な問に対して沈黙するという終わり方は印象的。 「公理」自体に疑いの目を向ければ、その先にあるのは狂気なのかもしれない。 なんとなく手塚治虫や星新一っぽさに近いものを感じる。 独特のやわらかい雰囲気の中に、鋭い一説や理論が感じられてよい。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
6

ニュートン
『未必のマクベス』を読んでいる途中で度々引用される本作が気になり読了。「スコットランドの王になる」という予言をうけたマクベスが、王やかつての戦友を手にかけてしまうという悲劇。社会学で言うところの自己成就的予言がテーマになっているのかな。この物語を運命と感じるか、予言の自己成就と感じるか、私は後者だった。正直新鮮さはあまり感じはしなかったが、シンプルかつ、展開の為なら無駄を省くという構成であるが故に(個人的にはかなり好み)、人々の印象に残る作品となったのではないかと感じた。
が「ナイス!」と言っています。
ニュートン
ネタバレ火星から来た「人間そっくり」なのか、自分を火星人だと思っているただの気狂いなのかを論証することはできないという思考実験のような作品。 トポロジーなどやや読みきれない側面はあったが、会話劇の巧みさで、狂気と正気(そんなものあるのか?)の間を往復する感覚が面白い。 論証不可能な問に対して沈黙するという終わり方は印象的。 「公理」自体に疑いの目を向ければ、その先にあるのは狂気なのかもしれない。 なんとなく手塚治虫や星新一っぽさに近いものを感じる。 独特のやわらかい雰囲気の中に、鋭い一説や理論が感じられてよい。
が「ナイス!」と言っています。
ニュートン
『過ぎ去ればこの悲しみも喜びもすべては冬の光、冬蜂』人々が経験してやがて忘れていく「光」をあつめたような歌集だった。過去を思い出した際に感じるぼんやりとした輝きのようなものが蘇る。この歌集が詠んでいる余情は「エモさ」だけではない。ひとつひとつの短歌の背後に、長い時間や経験(カロリー)の蓄積を感じる。
が「ナイス!」と言っています。
ニュートン
現代に至る口語短歌の切り開いた穂村弘の第一歌集。私は90年代や、穂村弘のような口語短歌が登場する以前の短歌界の空気感を知らないが、現代に読んでも印象的な歌は存在する。 有名な歌以外では、ロマンチックなワードが用いられていることが意外だった。 ある意味で、口語短歌を作る上での基準のようなものを生み出した歌集なのではないかと思う。
が「ナイス!」と言っています。
ニュートン
登録し忘れ。『永井祐の近い実感、郡司和斗の『遠い感』、瀬口真司は詠嘆しない。』(2024/10)で高良氏が現代の短歌を「ぽぽぽ」派と「平らなる心」派に分けていたが、佐クマサトシは永井祐に似た、後者に属する歌人だと思う。 わかるもの/わからないものを淡々と見つめ、わからないものは解らないという。時には立ち止まることもする。そうした詠嘆のリアリズムがあり、個人的にはとても好みの歌集。
ニュートン
学生運動の時代のような「大文字の社会」がなくなり、不幸の原因は本人の責任となった社会。それに対してサブカルチャーは逃げ道を用意し、宗教は悪いのは自分ではなく世界であると見せかけの社会の承認を与える。宮台は、相対化した時代に「輝かしい生」を求めるとこじらせるから、「まったり」生きていこうねと説く。 非常にわかりやすい図式である。 結論はともかく、昨今の陰謀論ブームや、かつてのネトウヨ的なものに熱中する人々には、宗教によるアイデンティティーの承認といった図式が当てはまるように思う。
ニュートン
2024/10/03 02:42

あえて本書の意見に則るなら、90年代には社会現象として「終わりなき日常」に対する大きなイベントがあったと言えるが、それ以降では社会現象とまで言わしめる出来事はなかったように感じる。「まったり生きる」、等身大の自分を求める人や、「輝かしい生」を求める人は、今では簡単にインターネットで自らに近しいロールモデルを知ることができる。本書で問題とされた承認の不在は、インターネットの登場によって解決され、細分化が進んだように感じる。

ニュートン
2024/10/03 02:48

「輝かしさへと疎外されない」がゆえに「輝かしさからも疎外されない」生き方は、みせかけの「輝かしさに内包する」装置の登場によって90年代よりも膾炙しているのではないか。 しかし、人間の「特別になりたい」という欲求は根源的なものであるのか、どのような経緯でこれほど多くの人が抱く感覚であるのか疑問に感じた。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/06/06(2365日経過)
記録初日
2018/05/10(2392日経過)
読んだ本
140冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
37372ページ(1日平均15ページ)
感想・レビュー
96件(投稿率68.6%)
本棚
10棚
性別
年齢
23歳
自己紹介

”両側から燃え尽きるロウソクでありたい”
ローザ・ルクセンブルク

大学4年生
経済学科 所属
短歌会 所属
第一種狩猟免許 所持

参加コミュニティ1

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