読書メーター KADOKAWA Group

2023年11月の読書メーターまとめ

きーこ
読んだ本
7
読んだページ
1283ページ
感想・レビュー
7
ナイス
166ナイス

2023年11月に読んだ本
7

2023年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

きーこ
『鈍色幻視行』の核となっていた本。あれほどの曰くがあるにしてはあっさりした本にも思えた。語られる墜月荘の終焉に向かう日々は意味深でおどろおどろしく、けれど淡々とした語り口がそこにある情念の湿度を感じさせない。同時に、読みはじめると栞を挟むことが惜しくなるほどそわそわと先が気になる。静かに絡めとられる感覚。ともに経験していない過去を懐かしむように。これが『鈍色幻視行』の人々を惑わせたのだろうか。扉や奥付の仕掛けも『鈍色幻視行』の世界が現実に漏れ出しているような、境界線を揺らがせるものでにんまりしてしまう。
が「ナイス!」と言っています。

2023年11月にナイスが最も多かったつぶやき

きーこ

2023年10月の読書メーター 読んだ本の数:22冊 読んだページ数:3997ページ ナイス数:286ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/9074/summary/monthly/2023/10

が「ナイス!」と言っています。

2023年11月の感想・レビュー一覧
7

きーこ
ネタバレ小桃との再会。発表される春組トップの退団。トップとは、という命題にそれぞれが思いを馳せる。そして佳境に入る高木先生の授業。最終発表でもさらさは暴走するけれど、愛が見事「演者」の位置に呼び戻す。その助言をくれた母と愛の関係は完成された断絶ではなく、もっと複雑。愛の男性嫌悪の遠因は間違いなく母にあるけれど、それを恨みや憎しみや無関心で塗りつぶさない程度には母の存在に関心がある。あるいは持つようになったのかも。そうして実践を経て愛が選んだのは娘役。「美しき矢印たれ!」プロでトップの引き立て役のお言葉。シビれる。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
フジモトマサル作品は、《石庭》みたいだな、と思う。風光明媚で目が覚めるような分かりやすい絶景ではなく、頁を繰ればそこには盛らずに淡々とした景色がぽんと置かれている。その絵柄とユーモアに気持ちが均されていく。振り向けば細部までは覚えていなくて、また本を開いてその景色を眺める。それを繰り返す。不思議な中毒性。ぼんやりまったりなドリーの毎日も、何も起きていないわけじゃないのに、なんだかすべてが良い意味で「たいしたことではない」と明日へバトンを渡す。昨日の明日の今日を全部繋げて壮大な物語にする必要はないのだと。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
『鈍色幻視行』の核となっていた本。あれほどの曰くがあるにしてはあっさりした本にも思えた。語られる墜月荘の終焉に向かう日々は意味深でおどろおどろしく、けれど淡々とした語り口がそこにある情念の湿度を感じさせない。同時に、読みはじめると栞を挟むことが惜しくなるほどそわそわと先が気になる。静かに絡めとられる感覚。ともに経験していない過去を懐かしむように。これが『鈍色幻視行』の人々を惑わせたのだろうか。扉や奥付の仕掛けも『鈍色幻視行』の世界が現実に漏れ出しているような、境界線を揺らがせるものでにんまりしてしまう。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレ志織さんかっこいい--!!!またしても本編をよそに番外編にヒートアップしてしまうほど、志織さんが最高。不穏とか言ってごめんなさい。"推し"を陰ながら現実的に援助する、自我を出さない足ながおじさんだった。「何か」を見つけて、そのための自分の活かし方を知る人は最強だと思う。高木先生の課題発表。暴走しても、それは学ぶ上での一つのステップなのだと思わされたさらさ千秋ペア。そしてステージの使い方を意識しつつ「失って気づく」奈良千夏ペア。それぞれの色が出る中、演出が付いた途端、演技プランは難航。さてどうなるか楽しみ。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレ実技授業は『オルフェウスの窓』を課題に進んでいく。さらさの暴走にどんな檄が飛ぶのか。愛ちゃんはどんな男役演技を見せるのか。集団生活は読んでるだけでうへぇってなるけど、彼女たちの目指す先はより一層の団体行動で、一人ではけして作れないものを作るための素地がここで育まれていくのだなぁ、とプラスに作用している愛ちゃんを見守りながら思う。やり過ごすために消費するのではなく、時間が足りない!となった愛ちゃんの輝きよ。嬉しくなっちゃう。番外編は忍者財閥ことエレナ嬢。彼女の矜恃に、応援したくなるちょろい読者ここにあり。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレ本科生になった100期生。後輩ができ、実技授業が始まり、二年とはなんと短くめまぐるしいものか。男役も視野に入れる愛に動揺するさらさ。そして予科生のときには気にならなかったさらさのある種の幼さが、年上の後輩の出現で顕わになる。二年目も波瀾の予感。番外編はまさかのさらさの異母姉、志織のエピソード。初登場時は不穏さに慄いたけれど、癖はあるけど愛おしい存在で、とても好きな話だった。私の中で大先生はどうにも信用ならん存在なのだけど、福ちゃんが認めて志織さんが望んだ相手なら容赦ないだろうが性悪ではなさそうだ(酷い)。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレ"いつまで"という言葉に気持ちが波立つ。このエピソードにおいては、騒動に深く関わった妖"以津真天"のことでもあるけれど、終わりを見据えた時間を問いかけるようでもあり、その区切りをつけた時間からの新たな始まりに思いを馳せるようでもあり。妖の私怨(あるいは深い寂しさ)に巻き込まれ、五年後の江戸に飛ばされる若だんな。五年間の不在がいかに多くに影響を与えたかを目の当たりにして、なんとか自ら解決しようとする。人が抱えられるものには限界があるし、倒れるし寝込むし、そこは通常運転なのだけど、また少し頼もしくなったかな。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/11/20(5698日経過)
記録初日
2008/11/11(5707日経過)
読んだ本
3854冊(1日平均0.68冊)
読んだページ
732733ページ(1日平均128ページ)
感想・レビュー
1924件(投稿率49.9%)
本棚
3棚
血液型
O型
職業
専門職
自己紹介

本が好きです。本のある空間が好きです。好きが高じての図書館勤めも10年経ちました。

好きなものも読みたい本も途切れません。
日々、積読本山脈で遭難していて時間の有限性に途方に暮れてます(つまりは欲ばりなんです)。

ご縁あってのぞいたコメントや感想をたよりに少しずつ「お気に入り」を増やしています。
よろしくお願いします。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう