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2023年9月の読書メーターまとめ

きーこ
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感想・レビュー
20
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248ナイス

2023年9月に読んだ本
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2023年9月のお気に入り登録
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2023年9月のお気に入られ登録
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2023年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

きーこ
ネタバレ曰く付きの本『夜果つるところ』。その関係者へのインタビューの機会を得た梢はクルーズ船に乗り込む。二週間の内に誰から、どんな話を聞くことができるのか。「呪い」はこの旅に及ぶのか。/思った以上におどろおどろしい展開にはならず、むしろ取り巻いていた禍々しさやグロテスクさを、紐解き解釈することで剥ぎ取って、結果さらさらとした何かに均されていった。各々が見る現実も虚構も、各々が再構築し個別上映したもの。恩田さんが書く、どこへ行き着くか分からない会話や聞き取りの形式は、結果どこにも行き着かなくても癖になる読書感覚。
が「ナイス!」と言っています。

2023年9月の感想・レビュー一覧
20

きーこ
ネタバレ曰く付きの本『夜果つるところ』。その関係者へのインタビューの機会を得た梢はクルーズ船に乗り込む。二週間の内に誰から、どんな話を聞くことができるのか。「呪い」はこの旅に及ぶのか。/思った以上におどろおどろしい展開にはならず、むしろ取り巻いていた禍々しさやグロテスクさを、紐解き解釈することで剥ぎ取って、結果さらさらとした何かに均されていった。各々が見る現実も虚構も、各々が再構築し個別上映したもの。恩田さんが書く、どこへ行き着くか分からない会話や聞き取りの形式は、結果どこにも行き着かなくても癖になる読書感覚。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレそうだった。これ、「花とゆめ」だった(再び)。最近こんなにまっすぐにやさしくて甘いものを読んでいなかったから、惜しみなくきゅんをちりばめてくれるの、不意打ちを食らうしこそばゆいし、潤う。そうですかそうですか。ハデス様そこ自覚しちゃいましたか。やきもちやいちゃいますか(によによ)。産助師見習いのエピソードでコレットが両親を、母を、思い出しているのが、切なくもあたたかい。寂しさを受けとめてくれる場所を見つけられているならいいな。助手二人の成長、ガイコツたちの番外編、コレットの周りは静けさに沈むことはない。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレ気まぐれバカンスに出かけた天界の薬師であるアポロンに代わり、出張薬師として派遣されるコレット。色々大変だけど、ハデス様との距離が縮まってよきよきだ~。ニンフの柊ちゃんかわいいし。それにしても神様わらわら。口より手が先に出るこの感じ、さすがっすヘラ様。絶好調。「加護」って、ただの名目じゃなくて(失礼)ちゃんと効力あるんだね。最強の防御壁。ワーカホリックばかりだけど、不意打ちでトキメキまぶされて、そうだったこれ「花とゆめ」ってなる。カロンが冥府の舟渡しになったきっかけ、容赦なくてえぐいけど、好きな話だなぁ。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレ黄昏と総裁のファーストコンタクト。底を見せない、でも分かりやすい「悪」オーラびんびんに出してて、さてここからどうなるか。子煩悩に転じるか?(ないか)今回ちょいちょい挟まれたダミアンエピソードのこまっしゃくれ感もかわいかったから、平和な世になってほしいと願ってしまうけど。それにしてもグリーン先生の器の大きさ(むしろザル)が反って怪しい。そして来ました、豪華客船。間違いないカードがすべて揃ったようなシチュエーション。関係ないけど、ハンドラーの「こんにちはあるいはこんばんは」好き。洒落たかっこよさで台詞味ある。
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きーこ
ネタバレ既刊読み終えてしもた…。代表合宿に呼ばれなかった戸川、どれほどトレーニングしてももうシュートはできないと思い知る高橋、またしても振り上げた拳の報いをとうとう受ける野宮。頁のこちら側には、まだ十分に余地があるように見える(見せてもらってる)けど、現状を自分のフィルター抜きに見るのは難しい。多く、少なく、見積もる。自分が傷つかないために。"失望"は何よりも致命傷になるから。それでもまた"期待"する。"期待"は無責任。自分を傷つける。でも、自分を前へ引っ張っていくものでもあるから。次はどう動く?「ここからだ」
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレ試合を終えて次を見据える白鳥。ドリームスに入部し力をつける高橋。オオルリ杯で優勝を目指すタイガース。安易な需要に応えず自分のど真ん中を進むと決めた夏美。そして、空白にはまり込んだままの野宮。"悔しくないって/さびしいな"―その寂しさは、吹き上げた風に開いた穴が上げた悲鳴じゃないのか。ついた火を同じかそれ以上の火力を保って掲げた目標に辿りつくのは難しく、進路変更もありだと思う。でもこの不完全燃焼な虚無を、燃やし尽くしてほしいと読者のエゴとして思ってしまう。そして、ヤマ。切り離さないでくれてよかった。今を。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレコレットが薬師でハデス様が冥府の王。どちらも命をあずかるのでのほほんとばかりもしていられないけど、でも端々に挟まれるコボケなやりとりとかトキメキとか描かれるやさしさに、読みながら自分がゆるんでいくのがよく分かる。抉られない作品からこそ得られる栄養。ハリーとコレットのやりとりかわいいし、兄弟弟子とのエピソードもっと読みたいし、ギリシャ神話モチーフだけど神様たちわりとほのぼの平和だし。死ぬことや死後のことより、生きていくことの方が怖いことなんてたくさんあるけど、「有限をめいっぱい生きて」いけたら。
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きーこ
ネタバレ一冊まるっとスコーピオン白鳥復帰戦。プロレス人生の回想を交えつつ、"今"に強烈なスポットライトがあたる。ヒーローになれない人間がほとんどの中、正義の味方を求めない人々の圧倒的ヒーローであること。勝っても負けてもかっこいい、を体現する存在。「脚がダメなら手で…/手がダメなら歯で/残ったもので闘うまで」そうしてすべてをかなぐり捨てて闘う姿は、人を理屈ではなく揺さぶる。高橋が血を巡らせ体温を上げ動き出す"その日"となる。かつての"その日"の先へと進む。あるいは会場にいた多くの人にとっても。さて、野宮はどうか。
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きーこ
なぜ文学を学ぶのか。文学部にいながら、その意味を理解していなかった。そのことに対する一つの「地図」を差し出されたかのようだ。どこか浮世離れしたものだと捉えていた。でも、これほど根を張るものがあるだろうか。歴史に、社会に、人に。私にとってこの地図は指針となる。それほど心強く、確かなもの。この先何度でも読み返すだろう、とりわけ最終章とあとがきを。著者は紛れもない「学問の子」であり、自分はその入り口にも立っていなかったことを思い知る。そして奮い立つ。まだここから、と。自分の位置を知り、踏み出す一歩を探るため。
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きーこ
ネタバレ感じている天井を打破せんとキャンプに参加する戸川。個の力を伸ばすと勢い込んで空回り。いつまでも個人競技であるかのようで、なぜバスケにこだわり続けるのだろう。陸上を再開しないのだろうか。互いにやりづらそうな様子を見ているとついそう思うけど、そっか、虎さんとヤマに結びついているからなのかな。だから、変えるのはフィールドではなく自分、という覚悟を決めたのか。野宮とは違うアプローチでチームを率いて動かす戸川を見るの楽しみだな。次巻はオオルリ杯。それにしても野宮ー!そういうところがヒーローと言うには人間くさいよ-!
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きーこ
ネタバレいよいよトライアウト当日。気合いが空回ったスタートだったけれど、野宮の熱、意欲の迸りから目が離せない。5人でゲームを作るPGになる、その指針がどこまで通用したのだろう。小中学生時のエピソードも挟まれ、野宮は井上先生とたくさん話をしたんだな、と先日のコートサイドトークを思い出す。バスケが再び視界に入り、リハビリの先を見据えることができるようになった高橋。煙たがられがちな「目標」は、自分を奮い立たせひた走るには、強い光で未来に待つものになるのだろう。"絶望とは何だ/(…)これは違う/これは幸せって言うんだ"
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きーこ
ネタバレトライアウトに向けて準備を重ねる野宮と車椅子バスケを目の当たりにした高橋。まるで一つの区切りのように二人の学年は卒業式を迎え、春、ものごとは動き続ける。年に一度の検査を受ける戸川。追いつかれることがないように、まだまだ走り続けられるように、現実は容赦ないからこそ祈るしかない。タイガースもアドバイザーを迎えて地盤が固まっていきそうだし、安積もその道を模索している。頁のこちら側でドキドキする。バスケが支え繋げて、命を吹き返させ躍動させる、そのすべてに。"口を閉じて腕を動かせ!!(…)できるようになる瞬間まで"
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレひと夏のこととは思えないほど雄大な、あまりにも雄大な物語。どう捉えたら、どう受け取ったら、いいのだろう。マンガという表現に落とし込まれているけれど、これは大きな、それでいてとても微細な世界の語りに思える。その中にただのちっぽけな人間の自分が、それこそ海に放り出され上も下も水平どこまでも広がる空間に無防備に浮かんでいるかのよう。水の中、浮遊感と圧迫感と絡めとられている感覚。神話、逸話、海が繋げる宇宙、生き物たちの察知。見えて感じて把握している世界の限界に生まれる圧倒的奥行きに、頁を閉じても揺蕩ったまま。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレ扉絵の野宮、身体も気持ちも重力おかまいなしなその一枚の絵に心躍る。プロ試験のための打ち込み方、「何か」を見つけてアクセル踏み込んだこの感じ、たまらない。どんなPGになるのか見てみたいよ。がんばれ野宮。一方リハビリを地道に続けられるようになった高橋。白鳥の出現にまた生まれた化学反応。他者がいることで比べて沈んで、他者がいることで前へと進む。どうしたって独りで行き着ける場所は遠くない。そして高橋の視界がようやく車椅子バスケを捉えた。始める展開になるのだろうけど、そのとき、君はどんな選手になるのだろうね。
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きーこ
ネタバレ「ファントム」の理由があっさりと明かされる。そっかこの人はただののらくら講師じゃないのか。予科生の夏休み、帰省。ご近所に愛されさらさに和む。さらさの歌舞伎とのご縁と別離も、暁也が抱え持つ罪悪感も、彼らのこれからの道を照らす灯りの一部となればいい。すべて芸に燃やし尽くせばいい。今の貴女には、最後の愛の言葉がすべてだよさらさ。/このシリーズで初めて手に取った漫画家さん。話の展開の軽やかさと描かれるとても美しい線に惚れ惚れしてしまう。くるくる変わる女の子たちの表情が眼福。笑顔も凜とした顔も涙こぼす横顔も。
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きーこ
ネタバレ何度目かの再読。何度読んでもじわじわくる。旨味が消えない。なんでこんなに好きなのか。にやけ顔とセットだから電車では読めない。鉄面皮チャレンジしたいならともかく。今回読んで初めておいも三兄弟のさつまいものなれの果てに気づいた。何してんだよ林くん。あと、怖いものには気づかなくてよかったですねと書いてあるんだからわざわざページ戻ってじっくり探しちゃいけなかった。気づきたくなかった。友人に薦められたこの一冊がきっかけで、次の日には和山やまさんの既刊揃えてたのもいい思い出。のんびりあれこれ発売待ちます。はあ好き。
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きーこ
ネタバレ野宮ってその辺に存在してそうな骨格だよな、と見るたび思う。あと、先生の描く坊主に過剰反応するのはもう致し方ない。"バスケはやっぱたまんねえ――"は井上先生の心の咆哮に思えて胸が熱くなる。/高橋も野宮もタイガースも、肚に力入れてまたここから動き出す。リハビリ、本気の挑戦、敗北からの再起。底までいったら、後は浮かび上がるだけ。それしかない。きつくても、何度でも。「飛べない世界」に生き「歩けない世界」があるように、それぞれが何か限られた心身で生きている。何を持つか。それをどう使い、どこを目指すか。己の掌を見る。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレタイガース第三章の幕開け。選手権大会一回戦からドリームスとあたることに。練習と試合、どちらも手に汗握る。熱気に思わず息を詰める。野宮の外側からの視点は貴重で誰もが持てるものではないと思うから、それが活かせればいいのに。相変わらず導火線短すぎて、とりあえずで拳振り上げんなってはたきたくなるけど、やっと見つけた場所をあっさり失う様に一緒に立ち竦む心地。けして大それた一歩を踏み出そうとしたわけじゃない。昨日の続きの今日から続く明日へ、すべてが地続きの人生に気づいて、意識した先から崩れた足元。ここからどう足掻く。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
ネタバレ紅華歌劇団音楽学校、創立100年目の予科生の夏に始まる。すでにできあがった日常と関係性の中、ふいにカメラが回り始める感覚が面白い(安道先生はなぜファントムなのか)。トップを目指すさらさの前に立ちはだかるもの。同じ「伝統を受け継ぐ」でも、憑依させていくことと個性を出すこと、その違いがどう描かれるかも楽しみだ。国広先生の回想が胸を打つ。有事の際には腹も膨れぬと切り捨てられる文化芸術だけれど、それまでに受け取ったものが光となり命を繋ぎ、またそれに触れたい切望が活力になり生きることができると知っている人の目だ。
が「ナイス!」と言っています。
きーこ
怖がらせるでも驚かせるでもない、ただ誰かへの思いに溢れたユウレイたちが登場する四つのおはなし。幽霊が出るということは、亡くなった存在があるということ。「いた」誰かが「いない」ということ。そしてその存在が思いを残して留まっているということ。それはやるせなく、寂しいこと。でも、ここに描かれる幽霊は、そのひやりとした悲しさを相手を気にかける気持ちでやわらかくくるんで、過去に引き戻すのではなく、「今」にいて、先を一緒に見てくれている。表紙の明るい黄色に口角が上がる。題字のフォントも挿絵も好きで、装丁も素敵な一冊。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/11/20(5703日経過)
記録初日
2008/11/11(5712日経過)
読んだ本
3854冊(1日平均0.67冊)
読んだページ
732733ページ(1日平均128ページ)
感想・レビュー
1924件(投稿率49.9%)
本棚
3棚
血液型
O型
職業
専門職
自己紹介

本が好きです。本のある空間が好きです。好きが高じての図書館勤めも10年経ちました。

好きなものも読みたい本も途切れません。
日々、積読本山脈で遭難していて時間の有限性に途方に暮れてます(つまりは欲ばりなんです)。

ご縁あってのぞいたコメントや感想をたよりに少しずつ「お気に入り」を増やしています。
よろしくお願いします。

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