不慮の事故で15歳の息子を失った母いづみ。あまりに突然奪われた幸せな日々を受け入れられず、次第に心を壊していく。という第一部から15年が経ち、全く違う人物たちが物語の中心になっていく第二部。クセのある刑事三ツ矢が追う殺人事件の被疑者と、15年前の事故が徐々にリンクして行く過程にグングン引き込まれる。ラストで明らかになる「理由」は、母親には知らせずにいてあげて欲しいと切に思った。

現役セクシー女優の著者のデビュー作。彼女はその世界で頂点を極めただけでなく、地上波のバラエティなどでも百戦錬磨の芸人相手に対応力の高さを見せ、のみならず文筆までもなかなかのクオリティとは、表現者としてのポテンシャルの高い人なんだな〜と。。　小説も既に4作目が刊行されエッセイの連載も持っているのに、本業の方も未だ現役というのがとても素敵だな。

戦国ものの小説の中で、この人が脚光を浴びたものがあっただろうか？と、記憶を辿っても思いつかないほど、どちらかというと地味な武将［京極高次］。更に浅井姉妹の中でも江や茶々と比べると地味目な、高次の正室お初。この夫婦がとんでもなく魅力的に描かれることで、石工職人の専門的な話になりがちな部分に柔らかさと正当性をもたらしている。後半の合戦のシーンは是非スクリーンで観て観たいものだ。

歴史小説は数多く読んで来たが、まさか石工集団の穴太衆にスポットを当てた作品がかも直木賞を取るとは思わなかった。が、読んでみて納得の内容。とにかくどの章を読んでもしっかりとドラマティックになっているし、登場人物が生き生きとしていて、大河ドラマを観ているような気分になった。後半へ続く。

不慮の事故で15歳の息子を失った母いづみ。あまりに突然奪われた幸せな日々を受け入れられず、次第に心を壊していく。という第一部から15年が経ち、全く違う人物たちが物語の中心になっていく第二部。クセのある刑事三ツ矢が追う殺人事件の被疑者と、15年前の事故が徐々にリンクして行く過程にグングン引き込まれる。ラストで明らかになる「理由」は、母親には知らせずにいてあげて欲しいと切に思った。

今月から太田記念美術館で始まる「広重ブルー」に行きたくて、予習のつもりで読んだのだが、自分の知っている歌川広重のイメージがガラッと変わるような、人間味溢れる人物像で引き込まれるように一気読み。同時代の北斎や国芳らと比較されがちだが、彼らのような破天荒さや奇抜な作画は無いものの、風景画というジャンルを確立しその第一人者となった経緯は、自分のオリジナリティを模索し悩む現代のアーティストにも共感されるだろうな。妻や弟子、版元や同業の絵師らとの丁々発止も小気味よく、NHKのドラマ版も観たかった…