
「すみだ川」はカバーに「中学生長吉の、今は芸妓になった幼馴染お糸への恋心を、詩情豊かに描いた……」と紹介されていますので、同じ明治の十代の恋を描いた『野菊の墓』のような悲恋話かと思いきや、全く方向性の異なる物語でした。まずお糸ちゃんが強い。下町に生まれ育った彼女は、自分の運命を積極的に受け入れ歩いています。そして長吉の伯父にあたる俳諧師蘿月(らげつ)が、酸いも甘いも噛み分けた大人として、甥の思いを叶えてやろうと味方になってくれます。これで悲劇になるわけがない。人情豊かな明治の東京下町の物語です。
「読み終わった本」をご覧いただけばおわかりのように、決まったジャンルは特にありません。いろんな文庫本を、節操なく読んでいます。
4年前に還暦を迎え勤務先を定年になった後も、嘱託契約で勤務し続けていたのですが、2025年2月でその契約も完了・・・晴れて(?)自由の身になりました。今まで片道1時間強の通勤の行き帰りの電車内がもっぱら読書タイムだったのですが、これからどうしようかと思案中です。
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「すみだ川」はカバーに「中学生長吉の、今は芸妓になった幼馴染お糸への恋心を、詩情豊かに描いた……」と紹介されていますので、同じ明治の十代の恋を描いた『野菊の墓』のような悲恋話かと思いきや、全く方向性の異なる物語でした。まずお糸ちゃんが強い。下町に生まれ育った彼女は、自分の運命を積極的に受け入れ歩いています。そして長吉の伯父にあたる俳諧師蘿月(らげつ)が、酸いも甘いも噛み分けた大人として、甥の思いを叶えてやろうと味方になってくれます。これで悲劇になるわけがない。人情豊かな明治の東京下町の物語です。