ネタバレ亡き父の故郷に東京から移住した作家の太郎。地元の消防団にも入り、田舎の風習や近所付き合いに馴染み始めた頃、放火？殺人？不可解な事件が起こり始める。二転三転する内容、怪しい宗教との絡み、なかなか真相が掴めない読者を惹き付ける作品だった。

ネタバレ病気で娘を亡くした喪失感を埋められず妻と心が離れ離婚した譲の前に、突如現れた少女は・・・。ファンタジー色強めの物語の中に、心に響くメッセージが込められている作品だった。読了後、温かい気持ちになれる。

ネタバレ松木と樹の関係性・友情がとても良かった。障害を持っていたり、素直になれなかったり・・・、いろいろなタイプの人がいるが、相手を気遣う思い遣る心の大切さを実感させれた。心地よい文章で寺地作品の良さが表われていた作品だった。

ネタバレ劣悪な家庭環境で育った天使と、苦労し不動産業で財産を築いてきた老人光子が、ホテルの清掃員とホテルのお客として出会う。光子は人生の最後に、お金の増やし方を極貧の天使に伝授するが・・・。何とも不思議な話だったが、不動産業の世界が少し覗けて興味が持てた。

ネタバレ既読の知念作品の中で、最も読み応えがあった。未だ収束出来ないコロナに立ち向かう医療従事者とその家族からの立場で描かれた内容。ウィルスの恐ろしさ、精神まで蝕む現場の過酷さ、悲惨さが伝わり、胸に刺さった。日々、私達の健康を守ってくださっている方々に心から感謝したい。

ネタバレ真琴と野崎の結婚式に駆け付けた琴子が、真琴にけがを負わせてしまう。2人が住む街で次々と事件を起こす不思議な見えない怪物とは。負傷した真琴の代わりに琴子が動き出すが・・・。表題以外の作品も、ヒヤリとさせられ楽しめた。

ネタバレ家族の話が詰まった5作の短編集。幼い子供がいる家庭の、母親目線、父親目線でそれぞれの悩みや想いが綴られている。他人だった人達が家族となるのだから、分かり合えないところもある。共感でき、心にスッと入ってくる作品で読み易かった。

ネタバレ走ることへの熱い想いを物語にしたスポーツ小説だった。陸上の強豪校に所属する兄弟。兄が足の故障で競技生活から離れ、偏食の弟の食生活改善も兼ねて料理に目覚める。美味しそうな料理描写がたまらない。兄弟、友人、互いにわかり合って支え合っていく関係性も良かった。続けて箱根編も読みたい。

ネタバレ群馬・栃木の県境にある渡良瀬川沿いで起きた若い女性の殺人事件。未解決の10年前の2件、そして今回の2件。3人の容疑者が浮上するが・・・。現職刑事、元刑事、被害者遺族、新聞記者、それぞれの立場から物語は進行。執念、怒り、事件関係者の複雑な心境が痛い程伝わり、犯人を追い詰めるまでゾクゾク感が止まらなかった。楽しみにしていた作品、じっくりと読めて充実した時間だった。こういう作品にまた出会いたい。

ネタバレ北海道が舞台。東京から転校してきた美令、誰もが振り返るような超美人だが、何故か海に拘る。クラスに取り巻きを持ち頂点にいる更紗、海を恐れている。クラスで孤立し孤高の人気取りでいる和奈、美令に憧れを抱くようになる。修学旅行がきっかけで急接近したが、秘密めいた言動で、なかなか踏み込めない距離感が続く。彼女たちの過去・現在が見えてきた後半、一気に面白くなる作品。不安定な年頃の心の揺れが丁寧に描かれていた。

ネタバレ初読みの作家さん。子育て中のママ世代、その子供世代がそれぞれ青春を取り戻す、謳歌すべく奮闘する内容をコミカル・シリアスに描いた作品。国籍や性別に関わる繊細な内容にも踏み込んでいて、考えさせられる内容でもあった。

ネタバレ5話の連作短編集。フリーライターの和花は、先輩の代わりに裁判を傍聴し記事を書くことに。その裁判にいた不知火判事が、予想もしない展開を引き起こし、事件の真相が見えてくることになるが・・・。毎度、事件が覆される裁判内容が面白く、和花と不知火判事のコンビでシリーズ化してほしいと思った。

ネタバレ亡き父の故郷に東京から移住した作家の太郎。地元の消防団にも入り、田舎の風習や近所付き合いに馴染み始めた頃、放火？殺人？不可解な事件が起こり始める。二転三転する内容、怪しい宗教との絡み、なかなか真相が掴めない読者を惹き付ける作品だった。

ネタバレ作者が大阪のラジオ番組のパーソナリティーを約2年した時の内容をまとめた作品。小説についてだけではなく、母校の話、居住地淡路島の魅力、ブックフェアで訪れた国々の話など、とても面白く読んだ。作品だけではなく、湊さん自身の経歴・人柄も魅力たっぷりに感じた。淡路牛とうにの組み合わせは最高！この本で紹介されている未読の作品は、読んでみたくなった。

ネタバレシリーズ第2弾。宮城のイチゴ農家が、品種改良し期待の新作として売り出そうとする直前、大手商社から商標権侵害の訴状が・・・。特許権と商標権の違いを知った。この難局をどう乗り切るのかと思ったが、まさかのやり方で勝ち取る、面白い展開だった。前作より良かった。

ネタバレ夫を過労死で亡くした瞳は、地元の同窓会で再会した高校の同級生健児と再婚した。亡き夫の母親と仲良く連絡をとりあう現在の夫。元義母との関係性、亡き夫の愛人の出現・・・瞳の複雑な心境を中心に物語は進む。タイトルの意味が最後に明かされ、より面白さが増した作品だった。

ネタバレ赤字続きの地方市民病院が舞台。病院長を始め次々と医師が辞める事態に・・・。そして一人残った若手医師が病院の立て直しに奮闘する物語。フィクションとあるが、モデルとなった病院があるようだ。高齢化社会、コロナ禍、様々な社会情勢の中で、病院経営の難しさと、医療従事者の過酷さが存分に伝わってくる内容で、とても読み応えがあった。