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2024年10月の読書メーターまとめ

ゲオルギオ・ハーン
読んだ本
10
読んだページ
3344ページ
感想・レビュー
10
ナイス
286ナイス

2024年10月に読んだ本
10

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ゲオルギオ・ハーン
世界恐慌の説明の時に必ず出てくるブロック経済。本書は第一次大戦後から世界恐慌までの経済的な流れと「ブロック経済」についても整理している。ブロック経済、と言ってもさまざまなものがある。というのはイギリス中心のブロックでも「スターリング・ブロック」と帝国特恵による「貿易ブロック」がある(構成国が異なるが混同されて説明されることがある)。通貨系では金ブロックもあるがこれは金本位制に固執したため不況対策にならず3年で解体されている。スターリング・ブロックが構成国の輸出を刺激し景気を支えたのとは対照的。
ゲオルギオ・ハーン
2024/10/10 19:26

他のブロックとも比較してみてみると、それぞれ性質の異なることが分かる。特に日独は自国中心の大きな経済圏を持っていないこと(特に日本は米の貿易に頼っている)、軍事的な面が強いことから英米と同じにしてしまうのは違和感がある。伊は金ブロックに入っていたが経済的な恩恵はなく、独との貿易が多くなっていった。また、本書は第一次大戦直後の各国の国際収支も分析している。米国は債権国であるが実は回収率は3割以下と悪く、英仏伊とベルギーが大半を払いつつ独から賠償金を9割回収し、しっかり戦費を回収したという。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
10

ゲオルギオ・ハーン
三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅の五大商社の展開している新事業やそれぞれの特徴を紹介した一冊。最終章の三菱商事の中西社長が話しているとおりこの5社を総合商社と一括りにするのは現実的ではなく、それぞれが独自路線で事業を展開している。さらには卸売という分類でさえない。5社がそれぞれ未来像を持っていて、それに対して自社はどういうポジションをとって事業を行うかと考えている。伊藤忠はファミペイ、丸紅はサーモンの養殖、三菱商事はエネルギー事業など同じ業種とは感じにくい。
ゲオルギオ・ハーン
2024/10/30 13:00

海外の人から「総合商社ってなに?」と質問されると社長クラスでも答えに窮するという。業種は何かと絞れないし、それぞれが唯一無二な存在のようだ。五大商社とそれ以外の商社や商事と称する企業の大きな違いはそこで既存も枠組みにハマらないビジネスモデルを築き上げていったことにあるのではないかと思いました。乱暴な例かもしれないが例えば工場の設備を用意したいという場合、普通はせいぜい工場内の設備を(取扱品目の中からできる範囲で)一通り揃えるまでだが五大商社は今までにないものまで生み出して設備してしまうというように思えた。

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ゲオルギオ・ハーン
ネタバレ寡黙で年齢の割に渋さを感じる元刑事ユーリの過去に迫る話。イマイチキャラが薄いなと思っていたら解雇されるという衝撃展開。なんだかいじけたようなことを口走るユーリだが、裏取引の内容的に「いや、ユーリ一人でこんな物資用意できないだろう、怪しい」と思っていたらやはり作戦だった。しかもターゲットはロシアン・マフィアの大物にしてユーリと自身を光と影に喩える底知れない男。彼との過去になにがあったのかと過去編に入ると、体験が重すぎる。よく自殺しなかったと全力で褒めたい。そんな過去とどんな決着をつけるか下巻が楽しみ。
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ゲオルギオ・ハーン
日本古代史の最新研究において基礎知識とされるところを整理し、解説した一冊。制度や経済については踏み込んだ話がなくて実態としてどこまで機能したかはあまり研究が進んでいないようだ。当時の東アジアの政治観については思ったより細かく解説されている。5世紀に宋(魏晋南北朝)に冊封関係だった日本(当時のヤマト王権の主要メンバーには宋から派遣された人々も多かった)が7世紀の時点で隋に対して対等な外交関係を意図した国書を送るまでに成長したのは興味深い。
ゲオルギオ・ハーン
2024/10/26 20:05

全体的に政治関係の研究は進んでいるイメージを持った。天皇に関しては女性天皇の歴史における活躍も研究が進んでいるのは興味深かった。国際政治における日本のポジションの変化も研究が進んでいるのはやはり研究の流行みたいなものがあるのだろうかと感じた。個人的には制度の実態や経済について知りたいのでここは専門書を読んで補強していきたいと思う。

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ゲオルギオ・ハーン
ホラー作品をヒットさせた10名の作家相手にインタビューした一冊。ホラー作品といってもいろいろな切り口があることを体現しており、インタビュー相手の作風はそれぞれ異なる。ちょうど東亰異聞を読み終えたところだったので小野不由美先生のインタビューが特に面白く感じた。ホラー作品にとても精通している方でスティーブン・キング、クーンツ、ソールを読み込んで自分流に落とし込んで作品づくりをしているというのはとてもカッコいい(そう言っているわけではないが、インタビュアーのうまさで創作哲学があることを引き出している)。
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ゲオルギオ・ハーン
世界恐慌の説明の時に必ず出てくるブロック経済。本書は第一次大戦後から世界恐慌までの経済的な流れと「ブロック経済」についても整理している。ブロック経済、と言ってもさまざまなものがある。というのはイギリス中心のブロックでも「スターリング・ブロック」と帝国特恵による「貿易ブロック」がある(構成国が異なるが混同されて説明されることがある)。通貨系では金ブロックもあるがこれは金本位制に固執したため不況対策にならず3年で解体されている。スターリング・ブロックが構成国の輸出を刺激し景気を支えたのとは対照的。
ゲオルギオ・ハーン
2024/10/10 19:26

他のブロックとも比較してみてみると、それぞれ性質の異なることが分かる。特に日独は自国中心の大きな経済圏を持っていないこと(特に日本は米の貿易に頼っている)、軍事的な面が強いことから英米と同じにしてしまうのは違和感がある。伊は金ブロックに入っていたが経済的な恩恵はなく、独との貿易が多くなっていった。また、本書は第一次大戦直後の各国の国際収支も分析している。米国は債権国であるが実は回収率は3割以下と悪く、英仏伊とベルギーが大半を払いつつ独から賠償金を9割回収し、しっかり戦費を回収したという。

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ゲオルギオ・ハーン
YouTubeで同じようなまとめや現場訪問動画が出るほど心霊スポットは人気がある。そんな心霊スポットが形成される構造を研究したのが本書。研究としているだけあって、ただ心霊スポットの噂の真偽を調べるだけで終わらず、どうしてそんな話になったのかまで考察している。事件や不気味なものがあるとなにかしら理由をつけたくなるという心理は昔からあり、現代でもそれはネット掲示板や口伝で拡散の増加につながっている。全国にあるホワイトハウス系やおむつ(女性の名前)塚は似たような場所に似たようなエピソードが形成される好例。
ゲオルギオ・ハーン
2024/10/07 06:49

平将門塚についても調べており、もともとの怪異譚は歌を詠んだら喜んだ程度のなんだかほのぼのとしたものでそれが歌を詠んだら妖力が宿り、五体を探し出したという話に発展して祟りのように変化していく。ただ、平将門は英雄として祀られている地域もあったり、祟りで不幸があったというのもこじつけな話もあったり、近くのビルでは塚にお尻を向けるわけにはいかないという抗議に対して「そんな都合よくレイアウトできるわけないだろ」と身も蓋もない断り文句で何事もなく仕事をしたなどネタ的にも面白い話が多い。

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ゲオルギオ・ハーン
ネタバレ夜は魑魅魍魎が跳梁跋扈する帝都・東亰を舞台にしたファンタジー・ミステリー。猟奇殺人事件の裏には家督争いがあり、夜を跋扈する者たちの仕業に見せかけたトリックもある。妖魔的な存在が出る割に話のスケールが小さいと思っていたら最後に世界観を揺るがすような大異変が起きる。同時期に書いていたゴーストハントと比べるともう少し年齢層を上としているような印象がある。ファンタジーらしく風景描写が巧緻であるため架空の明治末期が想像しやすかった。キャラクターがもう少し濃いと良かったかな。
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ゲオルギオ・ハーン
基礎になったドラヴィタ人の物語からヴェーダ、ヒンドゥー、仏教、ジャイナ神話と広い範囲をカバーした一冊。神話を経典として整備してきた国のため、話の内容や神々の詳細が書き込まれているので世界観が分かりやすい。ヴィシュヌが中心というか化身も含めて魅力的で躍動感があり、化身が同時代に2人いるというカオスな展開も含めて面白い。本書はクリシュナの物語に特に紙幅を割いている。ラーマヤーナやマハーバーラタは少ししか触れていないのが残念だが深掘りした本を読む準備は出来たので機会をみて挑戦したい。
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ゲオルギオ・ハーン
平安時代頃の絵からはじめて日本における漫画文化の歴史を追った一冊。表現技法に関する説明よりもストーリーや時代背景、戦後以降では具体的な作品名をどんどん出してストーリー概要も書いているので著者の漫画好きの度合いが分かる。個人的には技法についても調べて欲しかったが。面白い考察と思ったのは少女マンガが成功したことで恋愛という心理描写を主体にした手法が少年マンガでも採用され、「ラブコメ」ジャンルを形成したという指摘。青年誌にも注目しているのも良いが、著者の好みで作品紹介しているような気もする。
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ゲオルギオ・ハーン
裁判について前向きなことが書かれた新書を読むことが多かったので、泥くさい案件を数多くこなした弁護士視点での「裁判や日本の司法制度なんてろくなもんじゃない」というスタンスの本書は刺激的だった。裁判で解決できることは限られており、例えば名誉毀損に対してできることは謝罪広告(憲法上、思想の自由があるのであまり強く指示することはできない)や金(百万円以下がいいところ)でしかない。離婚もややこしくて受理が遅くなり、受理後の300日以内に新しい旦那さんとの間に出来た子どもが前の夫との子どもだとされてしまう。
ゲオルギオ・ハーン
2024/10/04 15:16

本書は21年前に出版された本書だが司法制度改革の提言は今読んでも実務的なものになっている。法廷という空間にこだわらずにオンライン裁判所を開いてほしい(令和10年を目標に段階的に整備予定)とか書類提出を電子化(条件付きだが行われている)、強制執行の強化(実現)などいま読むと改革に長い年月がかかったことを実感する。あとは著者の山口先生のぼやきがけっこういい味を出している。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/10/16(2236日経過)
記録初日
2018/07/10(2334日経過)
読んだ本
1221冊(1日平均0.52冊)
読んだページ
398540ページ(1日平均170ページ)
感想・レビュー
1221件(投稿率100.0%)
本棚
20棚
性別
血液型
B型
自己紹介

興味のあった本を読んでいく。ジャンルはいろいろ。社会科学、自然科学、小説、経営関連をベースにバランスよく読むように『読んでる本リスト』を編成しています。上記以外のジャンルでも面白そうだと思った本は読むようにしています。

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