私は東京に近い地域の人間なので、上京した人の感じ方とは少し違うが、東京の学校に行った時に感じたカルチャーショックは少しは分かる。他の地域は利便性などが違うことに思い至らないというか。だが育った環境が自分の基準になるので、それぞれの価値観は違う。特に華子のような上流階級の人間ならば。同じ生活水準で育った人同士の方が結婚は上手くいくだろう。ステータスだけを求めるならば尚更。そこに愛も欲しいと思った華子が、己を見つけるための物語のように思えた。

私は東京に近い地域の人間なので、上京した人の感じ方とは少し違うが、東京の学校に行った時に感じたカルチャーショックは少しは分かる。他の地域は利便性などが違うことに思い至らないというか。だが育った環境が自分の基準になるので、それぞれの価値観は違う。特に華子のような上流階級の人間ならば。同じ生活水準で育った人同士の方が結婚は上手くいくだろう。ステータスだけを求めるならば尚更。そこに愛も欲しいと思った華子が、己を見つけるための物語のように思えた。

貧しさゆえ学校にも通えず親元を離れ働く子供は世界にはまだたくさんいる。その中でバングラデシュで家事使用人として働く幼い女の子に焦点をあてた本。主人の子供との格差、家庭内であるからこそ外には出にくい待遇や虐待。彼女たちが低年齢で働くことを防ぎ、自立した大人になるための支援や社会の意識を変えようとする取り組み。望みを聞くと多くの子が言うのは、家族と暮らしたいと学校に行きたいなのだ。それを当たり前にするために努力する人々がいる。

若草物語のオルコット・小公子のバーネット・赤毛のアンのモンゴメリ。女性の仕事が少ない時代に稼ぐために書き始めたが、始めは男性名で作品を発表したり、男性作家と待遇の差がある中どのように成功していったのか。少女に向けての物語には彼女たちの歴史や価値観や世相や当時の常識が織り込まれている。それをジェンダーという観点から分析した本。

「御船印でめぐる全国の魅力的な船旅」が参加会社と御船印の紹介なら、こちらは旅行プランがメイン。この本が出版された時点では125社まで番号があるが、運行終了して欠番になったものもある。これからも増え続けることを考えると全てを網羅する本は難しいのかもしれない。一応リストと地図が一覧になっている。船会社のインタビューなどもあるので持っておきたい本。最近は旅を決めると何か乗れる船はないかな、と探す楽しみが増えた。

女性の怪異は背が高い。怪談は子供から広がるもの。母親を見上げる子供の目線から生まれたものでは。から始まり、盛りだくさんな内容の10巻。高槻の母は確かに弱い人だが、全てをかけてきたものを奪われ続けた人でもある。ゴシップ記者飯沼が関わった少年の失踪事件はやりきれなさが強い。番外編が切ない。そして難波は今回もいいやつ。あと彼から見る深町は可愛い。