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2024年3月の読書メーターまとめ

式
読んだ本
21
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感想・レビュー
4
ナイス
45ナイス

2024年3月に読んだ本
21

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

式
◯傑作。奇抜な文章に面食らうが、SF設定の必然性が薄い前作に比べて、見事にSF的世界観が物語の主題と統一的に構築され、著者が得た思想や文明論が吸収消化されて文章へ溶け込んでいる。要するに綿密な設定が物語全体に躍如としている。だが、やはり前作同様に、特有の饒舌な説明が最後の決断に限って足りない。個人的には前作との繋がりをもう少し知りたい。◯最近感じるのは、中村光夫による私小説批判、つまり日本文学における作者と私との距離の欠如、社会性と虚構性の喪失は、とりわけ日本のSF小説で昇華されているのではないだろうか。
式
2024/04/05 17:19

◯佐々木敦によるインタビュー:「共同体を立ち上げる前に、まず人間を把握するのが先」/理屈が先にあり、それを魅力的に見せる緩衝材としてキャラクターは存在/その先の言葉を探して見つからなかった、ある種の敗北宣言/切実なロジックを、その切実さを残したままキャラクターに喋らせると切実なエモーションとなる/意識的な一人称―「物語というものは、誰かに寄生することでしか存在しない」

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
4

式
◯傑作。奇抜な文章に面食らうが、SF設定の必然性が薄い前作に比べて、見事にSF的世界観が物語の主題と統一的に構築され、著者が得た思想や文明論が吸収消化されて文章へ溶け込んでいる。要するに綿密な設定が物語全体に躍如としている。だが、やはり前作同様に、特有の饒舌な説明が最後の決断に限って足りない。個人的には前作との繋がりをもう少し知りたい。◯最近感じるのは、中村光夫による私小説批判、つまり日本文学における作者と私との距離の欠如、社会性と虚構性の喪失は、とりわけ日本のSF小説で昇華されているのではないだろうか。
式
2024/04/05 17:19

◯佐々木敦によるインタビュー:「共同体を立ち上げる前に、まず人間を把握するのが先」/理屈が先にあり、それを魅力的に見せる緩衝材としてキャラクターは存在/その先の言葉を探して見つからなかった、ある種の敗北宣言/切実なロジックを、その切実さを残したままキャラクターに喋らせると切実なエモーションとなる/意識的な一人称―「物語というものは、誰かに寄生することでしか存在しない」

が「ナイス!」と言っています。
式
◯最後の展開とエピローグは面白かったが、それまでの8割は基本退屈。エピローグに至る決意や過程の部分を膨らませた方がいい/また、細部まで凝ったSF的世界観は必要か?って思う。終始、饒舌に説明される小道具と会話の主題や物語との必然的な繋がりが希薄で、ただの装飾的な舞台装置でしかない。小道具や設定が全て現実世界と同じでも成立してしまう小説/言語学、文学、映画、文明論が語られるが、噛み砕かれた思想ではなく羅列的で宙に浮いちゃってる /アメリカ人設定なのに明らかに日本人的な心理を敢えて(無理に)描写してるのも謎。
式
2024/03/25 12:03

◯虐殺の文法=食料不足に対する適応、意味など一部に過ぎない。

が「ナイス!」と言っています。
式
◯大量に作品遍歴を羅列して思い出話をされても、知るかって感じ。全体的に自分のこれからの映画鑑賞に役立つものはほとんど無い。ドゥルーズ批判は、何でこの人に触れないの!って指摘ばかりでかなり幼稚。もちろん内容もちゃんと批判しているが◯『殺し屋ネルソン』/ドン・シーゲルの叙情を欠いた即物性―突発的なあっけなさ、惹き付けられているのに拒否される感覚、活きた被写体を撮っている緊張感の不意の炸裂◯説話論的持続/主題論的統一=繰り返し用いられるショットや小道具◯『大砂塵』/物語を辿ることと、画面を見ることは全く別の作業
式
2024/03/19 03:24

◯ショットが撮れる監督=それしかないという決定的な構図を撮れる◯映画崩壊前夜◯グリフィスがショットを発展/映画における水/ドリー効果=観客が一度見たショットを反復することで展開を想像させる◯ショットの連鎖で重要な監督はリュミエール→グリフィス→フォードの流れであって、エイゼンシュテインのモンタージュ理論ではない◯映画批評において、あらゆることを意味しながら特定の意味の無い用語、理論的価値(検証可能性)の無い曖昧な用語は多い:いわゆる「180度の規則」は小津が破ったが、そもそもハリウッドでの規則ではなかった

が「ナイス!」と言っています。
式
◯著者はニューアカの時期にポスト構造主義を取り入れた文芸批評や映画評論で注目された人。1997~2001年の東大総長。◯韜晦的な文章で有名だが、本書の式辞は明快かつ簡潔。複数の式辞を載せるので当然だが、同じ話題が多い。
式
2024/03/15 16:51

◯凡庸化されたヘーゲル的近代主義の蔓延(終焉という妄執)→無葛藤性/その言説に政治性を与えているもの=装われた悲観主義・コンプレックス、気軽に肯定する自由◯真の職業選択の自由=迂回を許容、ノイズの豊かさへの投資◯今と異なる明治の留学=国家意識・投資→留学生は古語◯本当に自分一人で考えたことなどたかが知れている/異質な他人と共に考えることが重要

式
2024/03/15 16:52

◯黒澤より成瀬巳喜男、小津安二郎、溝口健二の方が世界的評価が高い/日本の自国映画シェアは高い/小津の不自然さ―四方の壁を作り、別角度のアクションつなぎを行う:タオルを取るシーン、ローアングルから観客だけに見せる手法→丹念に一ショットずつ繋げていく不気味さ

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/01/01(1945日経過)
記録初日
2019/01/01(1945日経過)
読んだ本
622冊(1日平均0.32冊)
読んだページ
171977ページ(1日平均88ページ)
感想・レビュー
367件(投稿率59.0%)
本棚
6棚
性別
年齢
25歳
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