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2024年7月の読書メーターまとめ

Shinya Fukuda
読んだ本
8
読んだページ
2870ページ
感想・レビュー
8
ナイス
39ナイス

2024年7月に読んだ本
8

2024年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Shinya Fukuda
深い森に抱かれたサナトリウム。そこで快復の見込みのない婚約者と死に向き合う日々。しかし研ぎ澄まされた心は通じ合っている。この状態を幸福と認識している二人は矢張り常人ではないなと思った。何故なら私であればあたふたして悲しみ落ち込むだけだからだ。自然描写も素晴らしい。創作の過程を描くという形式だが、「本によって本を書く」というらしい。この後に書かれた「大和路・信濃路」でもこの形式は採用されている。当時は新しい形式だったらしい。
が「ナイス!」と言っています。

2024年7月の感想・レビュー一覧
8

Shinya Fukuda
全部で八作品が収録されている。時代は戦中から終戦直後まで。汽車の中は終戦直後のモノが不足していた時代に満員列車に乗って買出しに行く話。燕京大学部隊、小銃、星は戦中の軍隊内部のこと。微笑、アメリカン・スクール、馬、鬼は終戦直後の話。解説の江藤淳はシンボリズムという言葉で解説している。小銃な星に於いてはわかりやすい。微笑や馬になると少しわかりにくい。もう一つがアメリカ。燕京大学部隊、星では二世の軍人が出てくる。アメリカン・スクールはこの中ではどこにも分類できないと思った。保坂和志は文の組成に注目している。
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Shinya Fukuda
漱石の三四郎、芥川龍之介の舞踏会、志賀直哉の網走までは読んだことがあったが鉄道との関連を指摘されてみるとなるほどそうだったのかと思う。横光利一の旅愁は文学史ではお馴染みだが読んだことはなかった。図書館以外では読めないだろう。永井荷風の断腸亭日乗では戦争で家を焼かれ谷崎潤一郎に世話になる話が出てきて興味深い。上林暁という人は知らなかった。元気そうな奥さんなのに精神病で亡くなられたそうだ。その時の看病の様子が小説になっているとのこと。私小説作家だった。藤沢周平の有名観光地を巡るだけが旅行じゃないも良くわかる。
Shinya Fukuda
父母と姉弟の話。みんな良い人なのだがうまくいっていない。母は継母で兄弟とは血が繋がっていないのも一つの原因か。弟は人が良過ぎて不良グループに入ってしまう。気の毒な気がする。イジメだが昔からあったのだ。気が多くて色んなものに手を出すがどれもモノにならない。勉強もできない。しかし意地っ張りである。そんな弟を姉は優しく見守ると云うのではなく同じように意地を張る。継母がリューマチで手足の自由が効かないため姉が家事を担う。気の毒な気がする。最後は弟が死んでいく場面。家族は一つになれたようだ。冒頭の文章が秀逸。
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Shinya Fukuda
孔子を聖人として描くことは易しいと言われる。その手の本がこれまでどれだけ書かれてきたことか。しかしこれは少し違う。孔子の人間的な面にも言及している。この本によって初めて知ることになったのが陽虎だ。邪悪な人間として描かれている。上の方では孔子が陽虎に意地悪をされて叫ぶ場面が出てくる。若い頃の話とはいえ聖人孔子にもこんなことがあったのだ。孔子といえば論語、論語といえば「仁」だ。しかし、この「仁」、陽虎からの「パクリ」だと作者は言う。しかしその「パクリ」が孔子の真骨頂。それを進化させ完成させた。矢張り聖人だ。
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Shinya Fukuda
高校生の時読んだが今新訳で読み返してみて改めて名作だと思った。16歳の恋する少年の心理がとても良く描けている。主人公が40歳になって当時を振り返る時、「ああ、時間を無駄に潰さなかったら、どれほどすごいことができただろう!」は私自身の叫びのようだ。ジナイーダが兎に角魅力的だ。概して男は少し年上の女性に憧れるもので美人であれば尚更、その上聡明ときているのでこれ以上はない。フランス語版では最後に冒頭の三人で感想を語り合う場面が用意されたらしい。個人的にはお婆さんの死より座りが良いと思う。是非読んでみたい。
Shinya Fukuda
深い森に抱かれたサナトリウム。そこで快復の見込みのない婚約者と死に向き合う日々。しかし研ぎ澄まされた心は通じ合っている。この状態を幸福と認識している二人は矢張り常人ではないなと思った。何故なら私であればあたふたして悲しみ落ち込むだけだからだ。自然描写も素晴らしい。創作の過程を描くという形式だが、「本によって本を書く」というらしい。この後に書かれた「大和路・信濃路」でもこの形式は採用されている。当時は新しい形式だったらしい。
が「ナイス!」と言っています。
Shinya Fukuda
初期の作品を纏めたものらしい。私小説的なもの、そうでないもの、童話のようなもの。戯曲のようなもの色々ある。私小説的なものでは父との不仲、母が早逝した為祖母に育てられ溺愛されたことで性格が曲がってしまったこと、多くの兄弟や親戚に囲まれていること等が共通している。印象に残ったのは剃刀、最終場面では意外な結末が待ち受けている。最後に背負い投げを喰らわすような小説はよくないと芥川龍之介に言ったらしいがこれは正にそれ。少し意外。范の犯罪もそんな感じがする。正義派と出来事は一対のよう。清兵衛と瓢箪は感心するしかない。
が「ナイス!」と言っています。
Shinya Fukuda
とても読み難かったが読了した。セテムブリーニとナフタの論争は特に難解で殆ど理解不能だった。西欧的価値観を尊重する人文主義者セテムブリーニに対し、ニヒリストでテロリストのナフタが挑発し嘲笑する図式と見た。七章になって展開が出てくる。ペーペルコルンという存在感のある人物。彼は自殺する。心霊現象で従兄弟で死亡したヨーアヒムが呼び出される。サナトリウム内での掴み合いの喧嘩、セテムブリーニとナフタの決闘とその後のナフタの自殺。最終場面ではハンス・カストルプは戦争で泥濘に足を取られながら戦友を踏み越えて戦っている。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/01/01(2056日経過)
記録初日
2018/12/31(2057日経過)
読んだ本
466冊(1日平均0.23冊)
読んだページ
147056ページ(1日平均71ページ)
感想・レビュー
450件(投稿率96.6%)
本棚
0棚
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