棒高跳びにこれっぽっちも関心がなく、この本を後回しにしていた「自分を責めてあげたい」というのが読後の弁。天気が素晴らしいのに、家での読書を優先してしまうほど没頭できる作品でした。熱い!
どう生きるべきなのか?親として勧めたい道筋は確かにありましたが、この作品に触れ、はたと立ち止まりました。やはり、何が正しいのかなんてわからない。けれど、もし進む道に迷ったら子どもの心からの幸せを判断基準にすれば、とんでもない間違えにはならないのではないかと感じるようになりました。大切なのは頭ごなしに決めつけないことであり、価値観を押し付けないことですね。そのためにも、子どもの声にきちんと話に耳を傾けることが何より大切なのだと得心しました。
エモい場面が多かったわ~。小学生ライフを邁進する子どもたちの元気さや、脆さまでもが迫真だと感じました。脇役陣もイイ。ここぞっていうシーンで重要な役割を果たす南部せんべいは、いろんな食べ方が描かれていて、楽しげで、おいしそうです。これを読んで、名場面を肌で感じて、南部せんべいが欲しくならない人なんて、いる?
正直、序盤はあくびが出そうな話もありました。けれど、子どもたちのぶつかり合いや結束にだんだん夢中になっていきましたよ。全16章ですが、私のベストスリーはコレ。ダントツ1位『12章 見えない気持ち』、2位『15章 ルイの気持ち』、僅差で3位『13章 スカイの気持ち』。ぜひ自分自身の推しの章、探してみて!
「私はこれを個性とは言わないでほしい」という吐露など、車いすユーザーの心情にはハッとさせられる瞬間が幾度もありました。覇気のなかった少年が決然となっていく流れや、強気に見えた少女の思わぬふるまいなど、見どころたっぷり。童顔の子やムードメーカーの子、自信ゼロの子などの脇役陣も活き活きしていましたよ。あらゆる層に自信を持って推せる傑作です。
SNSとの向き合い方や、自分の心の守り方など、子どもたちにぜひ参考にして欲しいと感じるエピソードが目白押しでした。大げさなどではなく、人生の指針になるような言葉もチラホラ。学校の授業にはない人生の話。ぜひ耳を傾けて。
スケールの大きい少女が躊躇なく突き進む物語。成瀬ってば第一声から度肝を抜くんですもん。とくにスーパー編や大使編。ある種の名言に「はえええ?」ってさせられて一気にのめり込みましたよ。そして発表編は、好きなものに一生懸命な小学生の姿に心を洗われました。例のマンションは名前が出るたびに吹いた!
ロボットでも、見た目とキャラ設定を子供っぽくしたほうがクレームに繋がりにくいという話も興味深かったですね。完璧であるより弱さがあるほうが好かれるという視点が新鮮でした。作中で特にドキリとしたのはこんな言葉。「暴力は、誰にとっての暴力かによって、いくらでも正義におきかえられる」
『時計坂の家』に魅せられて児童書ワールドに!
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スケールの大きい少女が躊躇なく突き進む物語。成瀬ってば第一声から度肝を抜くんですもん。とくにスーパー編や大使編。ある種の名言に「はえええ?」ってさせられて一気にのめり込みましたよ。そして発表編は、好きなものに一生懸命な小学生の姿に心を洗われました。例のマンションは名前が出るたびに吹いた!