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とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起

感想・レビュー
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真琴
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初めて伊藤さんの作品を読んだと思います。言葉の力が凄まじく、活字がワッと飛び込んできて押しつぶされそうな勢い。多分、この本を書かれた時の伊藤さんと同年代だろうと思います。自分の辿ってきた道、これから辿るだろう道を所々重ね合わせながら読みました。石牟礼さんとの話が印象的でした。「声をお借りしました」と言う表現、素敵ですね。★★★★☆
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しお
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勧められて読んだが、最初は面白いけど読みにくく感じ、なかなか進まなかった。しかし両親の病状の悪化、夫とのいざこざ、娘たちの世話が語り手の上にどんどん積み重なっていくにつれて、どんどん面白くなっていった。苦しいことを書いているのに面白いだけではなく、癒しもあって、笑いつつ心にぐんと残った。私はまだ親の介護も夫とのいざこざも娘たちの世話も体験したことがないが、それらの事柄が自分が感じたことのように実感を持って迫ってきてこれからの人生に対するワクチンが打てた気がした。声を借りるという表現、カッコいい。
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勇魚
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ネタバレ★★★★★5年ぶりに再読。2007年刊行なのでこの当時はまだ比呂美さんには夫も両親も先代犬も父上の犬もいた。長い文章になってはいるのだがこれは詩もしくは歌なのでリズムがよくどこかで聞いたフレーズもバンバン出てきて(各章末に「○○から声をお借りしましたとの記述あり)黙読でも頭の中で音(声)が流れてトランス状態を味わえる。太平洋を西に東に行き来し子供をを抱いて慰め母を見舞い父には電話、夫婦にも色々ありましょう、とにかく大変、でもすごい。パピヨンを「雀犬」シェパードを「羊飼い犬」等独特の言い回しが味わい深い。
勇魚

これに出てくる、カリフォルニアの自宅で飼い始めた「小雀犬」が、最新エッセイで比呂美さんのいないカリフォルニアの自宅で(昼は娘夫婦のスペースで過ごし)夜は1匹で寝ているニコなんだと思うと、なかなかの年齢なので日本に連れてきたいと思うよね・・。オミクロン株でまた水際対策厳しくなったけど、早くニコが日本に来て比呂美さんと再会できますように(祈

12/15 09:53
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巻々
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ネタバレいつもお世話になっている比呂美さんの詩。私の人生の、魁の先輩だなと思って読んでいます。
巻々

ありがたやありがたや…と拝みつつ読む。

11/18 19:46
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かもめ
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グルメエッセイが面白く、著者の人となりを知りたく手にしたが・・・う~ん、これは何だろう。一見して念仏のお教本のような本書。苦しみ嘆きがぎっしり詰まっている。「若い時の苦労は買ってでも、云々」苦労した人は尊敬するが、本書は共感できず。辛かった頃の呟きか。長い人生において、そんな時もあるでしょう。
ミカママ

波乱万丈っぽい人生ですもんね。この方の育児エッセイは大好きでした。

06/03 09:16
かもめ

『良いおっぱい、悪いおっぱい』で有名になった人ですよね。楽しい時の話の方が、読んでいても気分良いですよね~。

06/03 09:59
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tacchiniyan
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家の中でこける・見当識・糖尿病・脳梗塞などの箇所は、母のことと重ねて読んでいる自分に気づく、凄く辛い読書だった。もっとも著者は「現実の生活をそのまま書いたら悲惨なだけですからね。この章はこのネタでいこうと決めると、それを向こう側に置き、いかに笑えるものであるかを考える、リズムと口調をつかむんです」(2007年9月3日付『岐阜新聞』〈創作の流儀〉より)と突き放している。古事記、梁塵秘抄、説教節、宮澤賢治、中原中也、太宰 治、ランボーなど古典文学からの引用も多い。
都わすれ

かわなみさん、昨年は素敵なコメントを頂き嬉しかったです。有難うございます。私も伊藤比呂美さんの「説教節」を読んでから伊藤さんが好きになりました。この「とげ抜き新巣鴨地蔵縁起」も読んでみたいです♪今年はかわなみさんのうえに多くの豊かな恵みと幸せがありますように、お祈りしています♡本年も宜しくお願い致します(^^)/

01/02 11:15
tacchiniyan

都わすれさん、私もコメントをたくさん頂けて、嬉しかったですよ? 伊藤比呂美さんの『説教節』? 私も読んでみたいのです! ところが…10年ほど前だったかなぁ。平凡社東洋文庫の『説教節』を買って読みかけです。まずは読了したいです。今年もよろしくお願いします?

01/02 11:37
6件のコメントを全て見る
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Cainjey G
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現代の長歌である。
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petit
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エッセイ、長編詩。両親の老い、夫との確執、子どもの躓き。普通なら、人様に隠しておきたいような事柄を赤裸々に綴った1冊。詩人って、こんなに身を削って作品を作らなければならないんだろうかと、痛々しく感じながら読んだ。中絶を屁とも思わないと言い切るあたり、私とは決定的に価値観がちがう。でも、この人の生き方は嫌いじゃない。
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mogihideyuki
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信仰(ものすごく広義の)を持たないということは、死ぬことや、生まれることを、見ないようにすることなのだろうと思った。それは、本当は、とても辛いことだ。そして、実は、この国には、信仰を持たない人はあまりいない。そのことに少しだけ安心する。
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勇魚
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★★★★☆比呂美さんの長編詩。各章タイトルも「渡海して、桃を投げつけつつよもつひら坂を越える事」など、語りである。最初から最後まで、いっかんして語りである。内容は何冊かのエッセイで知っていた箇所もあるが、とにかくこの本は長編詩、読んでいて酩酊感を味わった。「とげ抜き」「みがわり」がキーワード。わたしもいつか巣鴨に参ったあかつきには、夫と子供、親のほかに犬のぶんも、鳥のぶんも、お線香を買ってその息災を祈ろう。謡曲「鵜飼」の言葉「げに往来の利益こそ、他を助くべき力なれ」もキーワード。セコイアの巨木の話もあり。
勇魚

しろみさん(注・東京弁)のシャーマンさが存分に発揮された1冊。詩歌が好きな人だったら絶対ハマる1冊だと思うなあ。

08/25 17:58
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かわけい
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「世の中は食うて糞して寝て起きてさてその後は死ぬるばかりよ」「食て寝て起きて、糞たれて、子は親になり子は親になり」一休さんの歌を思い出しながら読み終えた。久田恵のエッセイにあった「家族とは子育てと介護のための施設である」こんな言葉も頭の中でチラチラする。御釈迦さんは「生老病死」といったが「生苦老病死」というべきではなかったのか。人生を貸借対照表に書き出したら、幸せ度数はプラスか、マイナスとなるのか、それともキレイにプラマイ0ですべてはちゃらで終わるのだろうか。痴呆症は「死」を恐れないための機能なのだろうか
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エイコピクミン🌱過去レビューにナイス⭐︎ありがとうございます
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真っ赤な装丁に目を奪われ、お名前と作風だけは知っていた伊藤比呂美ワールドに手を出した。。これか!これが伊藤比呂美なのか。強烈パンチくらった。赤裸々というか、できれば人様には隠しておきたい本音の顔がこっちを向いてる。ギリギリギリと突き刺さる文章。繰り返しが重たい。うぐ!ってなる。。ああ〜あ、今は目を背けて暮らしていられるけど、10年もたてば自分も体験していくことだろうな。老いやら介護やら、愛する子供の躓き。
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どんぐり
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「母の苦、父の苦、寂寥、不安、もどかしさ。わが身に降りかかる苦。母の老い、父の老い、寂しい、寂しい老後」、伊藤比呂美が語る老父母の介護。ここには、老いた母、父がとても寂しくてそしてふしあわせだ、とそれを思い煩い苦悩する詩人がいる。老いに、老いる自分に、そして世間に向けて放たれた赤裸々な言葉。そして「おう、おう、おう、おう、おう。おう、おう、おう、おう、おう」と叫ぶ怒りの声。――寂しい老後であります。老後は寂しいものであります。
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あかいろ
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メモとして。/人はもっと一人一人で生きられればいいのに/母のこと、もっと距離を置いて見られればもっと楽なのに/人生のホラーな部分の切り取り/でもそのとおり、人生って地味なもの。目の前のことをやっつけてくしかない。その繰り返し。/苦しい局面でも冷静な視点。コミカルなくらい/でも背負わなくていいものまで色々背負いすぎ、期待に応えようとしすぎ/なんで私だけ?と思ってはしんどいね。みんなそれぞれしんどいもんね。/いろいろ迫ってくる感じ/寂しさについて、目をそらさず全力で対抗しようとするから辛いのかなあ
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くさてる
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再読。読みながら静かに泣いた。伊藤比呂美の文章は、自然で、生々しくて、こちらの胸をえぐるようで、でも、優しい。自然がそのままの姿であるだけなのに、受け手の人間の心に様々なものを残していくのに似ている。親が老い、パートナーも老い、子どもも歳をとり、自分も年齢を重ねていく。そんな時間の流れのなかで生きている女性としての「わたし」をここまで身近に感じて、泣いていると、比呂美さんが一緒に泣いてくれているような錯覚さえ感じるのだ。わたしもあなたも、生きている、ということは、歳をとることなのだ。
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よっふぃー(三連休が待ち遠しい)
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書く力に圧倒されます。装丁も内容にすごくあってる。しかしずっしりみっちりなので気合いを入れて読むべし。
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道草花
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すごいパワーで圧倒されます。きっと合ってるのでしょうが、上下の空きが極端に少なく文字びっしりの頁デザインが私には辛かった。
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いなだ豆乃助
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伊藤比呂美さんは、シャーマンだ。ことばが次々押し寄せてくる。それは次第に快感に転じていく。ことばの持つ力は素晴らしい。
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nbhd
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文字がバチバチしていて、とてもよい。中ごろ、わりと目が慣れてきた。生きるのは苦しい、苦しい人を見るのも苦しい。老人に、なんで生きているの、と問うているような、危なっかしい作品だ。
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はいじま(ナイスのお返ししません)
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私の今の関心は恋愛や友人関係の中の孤独にあるけれど、もう2,30年したら、(ないことだとは思うが)たとえ苦労してその問題を解決していたとしても、「病老死」というどうしようもなく個人的な体験が、結局人を再び個人に戻していくんだと気付かされてしまった。親や夫の老いに直面しても「病老死」は分かち合えない。私にはあなたの痛みはわからないし、痴呆が煩わしいし、死を悼む時間がない。日常に「病老死」が入ってきたら、綺麗で感動的な涙なんか流れないよ。でもあなたを愛した記憶はあるんだよな。心に波風なんて立たなければいいのに
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sumie
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すっごい、濃い。 言葉と気持ちが、いっぱい入っている本。 読み手は選ぶと思うけど、すばらしい本だ。
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YM
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以前は同じ作者の誕生と成長の本を読みました。今回は老いの本ですかね。どちらも読ませる言葉です。あの子がこうなったのかと思いながら読んでました。巣鴨に煙を行こうかな。
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qnnqnn
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いやぁ、しろみさん。さすが言葉を生業としてる。たくさんの人たちの「言葉」が出てくるけど、そんな言葉たちを使っても、しろみさんの言霊は、私に響きます。生活の中にある触れたくないいろんなこと。自分の回りで起きる全てのこと。そんなものは全部、ただの事象として、一直線上にあるみたいな、そんな目線で生きてることが、すごい人だなって思う。言葉の力、大事!
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ようこ
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おくればせながら。すごいですね。『読み解き般若心経」はとても読みやすいけどこっちはぎっしりつまっています。感動しました。
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shiki
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☆☆☆
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僕素朴
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おそろしい本だ。母であり妻であり娘であるという日常を詩人が語るとこうなるのか。生き辛いと悲鳴をあげる娘に昔の自分を重ね、いまの自分に当時の母親の心情を重ねる、命の数珠繋ぎ。私もやがて年老いた親を看る。その苦をどんなふうに受け入れるものか。ああ、ずっしりとした読み応えだった。「おといれ」ができなくなったら死だ、と語る詩人が本の中に出てきたけれど、伊藤さんは「言葉」との縁が切れたら事切れてしまうのではないかと思う。
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tomo*tin
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人はみな、心を開いたり閉ざしたりしながら育まれ、愛や苦悩や名称の無い説明不能な感情に振り回されながらも性を営み繁殖し、七転八倒しながらまた育み愛おしみ、病んでみたり闇を見たりしながら知らぬ間に老いてゆき、やはり最後は一つの例外もなく死に至る。たいしたことではない。それだけのことである。けれど簡単なことではない。その輪廻は途切れを知らぬからだ。娘であり母であり妻である伊藤さんの言葉は爆弾でもあり祈りでもあるのだと思う。言霊の威力を知る詩人の言葉は予想以上に物凄かった。
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