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カオスの紡ぐ夢の中で (〈数理を愉しむ〉シリーズ) (ハヤカワ文庫 NF 364 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

感想・レビュー
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sotapop
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今のAI研究の状況と重ねると面白い
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ゆめみし
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圧巻であった。氏の慧眼かくあらんや。巧妙な筆致により紡がれた氏の考えの一端はその誕生から数十年経った今もなお色褪せることなく(いや、そもそも色が染まってすらいないのかもしれない)、端然として紙上に座している。本書はエッセイと2つのSF、後書き擬きいくつかからなる。離散的な短篇全てが見事に一冊に収まっているから不思議だ。個々の文章の評は巻末の円城塔氏の解説に譲るとする(偉そうに)。時をおいてまた読み直したいと思う。今の私にはまだこの本を読むことはできなかった、この本に読まれてしまっていたため。
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Mark.jr
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前半の科学エッセイも一本筋通ってて良いのですが、小説作品の「進物史観」が凄かった...。
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Koji
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筆者の教え子である円城塔曰く、筆者は天才である。人の話を聞かない。なのに結論は分かっている。学生の頃こういう天才、いたなあ。ただ頭がいい分、市井の人に理解できるよう説明するのは苦手なようで、本書でも物語や仮想対話形式などを試みている。だが本書では、部分と全体の矛盾を孕んだ相補関係を還元主義で捉えようという夢(思考)から抜け出せずにいるように見える。部分の和が全体なのではなく、部分が全体であり全体が部分なのだ。マクロな側からコントロールしようという考え方では辿り着けない生命の神秘。自然は深く、謎は尽きない。
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shuzok
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まず進物史観で描かれている複製する物語の話に,現代のLLMに代表される学習する機械がちらつき,その先見性に驚嘆する。複雑系科学が記述しようとする多対多の相互作用が生む複雑な振る舞いとその科学的方法論自体の面白さ・普遍性を訴える筆致は非常に示唆的。円城塔の小説は確かにこの思想のもとにあることがすぐわかった。難解で挫折していたが,今なら読めるかもしれない...
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桔梗屋
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「めっさ敷居の高い一流店で密かに提供している賄いのごった煮」みたいな印象。「複雑系」という、イメージ先行で「コレジャナイ」感が横溢した扱われ方に苛々を隠さず、ガチで「複雑系ってのはなあ!」と凄んでいるエッセイにまず「あ、はい…」と萎縮したところから…ええと。あとは小説なん…? いや確かにお得感はあるんだけど、振れ幅が激しすぎてなかなかついていけてない…AIが真似っこ絵描きと化している惨状を四半世紀前に予告するような『小説 進物史観』は、「物語」を生命のように進化させるAIが、意図せずして文明を滅ぼす。
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あ
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科学とは、世界の見方をつくる文化活動の一つである。物語とは、人類が生んだ複雑系研究の最高手法である。あまりに奇妙だ。著者である金子氏は、円城塔のいうように「天才に属する」のだろう。
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ひめの
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ごく微細な初期状態の違いで大きな変化を生んでしまうカオス。難しい問題である一方、雲も生成や、細胞等生命活動、進化など様々なところに関わり重要問題である。そんなカオスを研究する金子邦彦さんの書いたカオスエッセイ、小説集。内容もカオス(混沌)としているが、『科学で大事なのは「ものの見方」「考え方」「論理」なのだ』、『科学というのは世界の見方をつくるひとつの文化活動・・・』など金言も散乱している。様々なアプローチがあり、やはりいい線行っているのは「物語」な気がするが約20年前の本であり、最近の動向が気になる。
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gaku
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進物史観が30年前に書かれたものとは信じがたい。AIや機械学習が浸透したいま、ある意味馴染み深いテーマとして読めた気がする。「円城塔」の名前が出てきたときは興奮した。でも個人的にはカオス出門の方がSF短編として好きかもしれない。 エッセイやインタビュー部分も含めて、科学啓蒙書とはかくあるべきと思い知らされた。
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おーすが
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前半は随筆、後半は『カオス出門』と『小説 進物史観』という二つの小説になっている。理解したとはとても言えないけど、複雑系と呼ばれる物理学の分野が世界や、生命にどのような影響を与えているかということがうっすら感じられ、その見えない手を想像する楽しさだけは味わえたように思う。円城塔のルーツを(物理的に)みれた。巻末のリアル円城塔の解説によって本を閉じることで、現実にゲーデル病にかかったような浮遊感が味わえる。凄い。
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あおでん@やさどく管理人
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「複雑系」について研究している作者が、エッセイや小説という形で、その研究について説明を試みた本。「複雑系」を説明する例として「物語」が登場するので、一度でも物語を書いたことがある人はぜひ読んでほしい。設定を決めると、物語の方が勝手に動いて新たな展開が生まれていく感覚。そして、少しでも設定が違っていたり、物語を書く自分が少しでも違う行動をとっていたら、物語は全く違った展開になっていたのでは…と感じたことはないだろうか。その感覚こそが、「複雑系」の理解に近づく第一歩なのだろうと思った。
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とびを
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この人の違う本を読んでみよ
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H.Yamaguchi
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未熟な細胞は、それぞれが分泌するシグナルの相互作用により様々な形質を持つ細胞へと分化してゆく。この手の研究は分子生物学や発生生物学の十八番である。また複雑系では、微小な変化の総和により次の状態が決まる系を取り扱う。著者のような方が生物学へ作用してくるのも無理からぬものと納得できる。
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ShiradoMasafumi
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ネタバレ円城塔さんの小説のあとがきか解説で知ったと記憶している。エッセイも読みやすく「小説 進物史観」にいたっては正直に言えば円城さんの小説よりも読みやすく、ひさしぶりに全編を飛ばさずに読めた小説になりました。知っている方の中では筒井康隆さんの読み味に似ていると感じました。記述の持つ不安定性については、まだふわっとしているので『複雑系のカオス的シナリオ』も読んでみたい。
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bittersweet
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☆☆★★★
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gu
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1998年出版の本に「円城塔」という文字列が存在していた事実を知らずにいた不明を恥じる。初版本を見てみたい。「色々なプロセスを切り出して、その干渉の織り成す世界を構成してみるというものである(中略)このようなモデル化は一種、物語作りと似ている。現実世界のある側面を切り出し、そこからある特殊な人工世界を構成し、その進展を追っていくことで、かえって現実を照射しようというものだからだ」科学エッセイというジャンルだけれども物語の読み書きに興味のある人は読んだ方がいいかも。
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もこあ
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ネタバレなんの前知識もなく読んだ。物理の考え方と日常の接点が面白くて、数学苦手の私にどこまで理解できてるのか?って問題もあるのに、時々こういう本が読みたくなる。ゆらぎとダイナミクスという言葉と、創発という言葉に触発された!それに途中から気づかないうちに小説の世界に入っていって、いれこのような感覚が、最後の最後までやってくるのが、作者の遊び心が全開してて面白かったー!科学や芸術や文学や哲学みんな近い。
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ぶんもう
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エッセイ、小説、インタビューの3つの形式・ものの見方に複雑系やカオスのアイデアが通低する。だが、そのアイデアを切り出そうとすると途端に複雑系とは似て非なる別のものになってしまうのではないか。今日、書籍化やアニメ化が進行する「なろう小説」に「進物史観」がオーバーラップする。インターネットサイト「小説家になろう」では「異世界転生」の形質を持つ作品が適者として増殖しているが、画面の向こうに作者としてASSがいてもおかしくない。再販にあたって円城塔の解説が加えられたが、本書はゲーデル病にでも罹患してしまったのか?
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roughfractus02
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読後「ものごと」なる語が浮かぶ。と同時に「もの」と「こと」が互いに繋がり生成する動きをイメージし始めている。複雑系は「もの」の見方だという著者の言葉が「こと」になると、物語のメタフィクション過程と生命進化をアナロジーで繋ぐ本書の狭間に仄めく複雑な世界からパターンが生まれ、ルールとなって、しばし準安定した「のようなもの」の世界を体験する。だが、いくつかの文学に関する固有名群が、ある傾向をもつパターンを作るかに思えてくると、物語の中に、そんな準安定した世界を破る「円城塔」なる名が現れる。この名は今も生成中だ。
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pn675
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ネタバレ円城塔の指導教官でもあった複雑系科学者によるエッセイ+SF小説集。やはり「小説 進物史観」が出色の出来で傑作。書名だけは知っていたが先送りにしなければ良かったと後悔している。高校のうちに読みたかった。「数理を愉しむシリーズ」はまめに読んでいたのに…。所々で出てきた小林恭二の作品が気になった。
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猫丸
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再読。だいたい内容は消化済みだった。今から振り返れば90年代の読書界を回顧する、という読み方もできる。著者が組み込んだ作品名のことごとくが懐かしい響きをもって蘇る。小林恭二、イタロ・カルヴィーノ、スーザン・ソンタグ、カート・ヴォネガット、筒井康隆、清水義範…。いや、懐かしいと言っては失礼ですね。とにかく世紀末日本でこれらの著者はスタアであったのです。学芸のポップ化、文学から、あるいは文学への越境。沈滞を感じることなく知は軽やかに。フジテレビも元気だった時代。いや、昔語りを始めたら人間終わりですな。
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なめろう
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よい
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_
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とても良い本。忘れていた感覚を思い出させてくれる。とくに「小説 進物史観」はひとつのスペキュレイティブ・フィクションとして傑作だと思う。
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山本
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20年近く前に書かれたとは思えない内容。
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藤堂千景
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円城塔氏のペンネームがこの本に由来すると知り興味を持ったので購入。学術的な知識がない自分でも楽しく読むことができた。エッセイや「進物史観」も面白かったが、個人的には「カオス出門」が1番のお気に入り。雲が規則的に並ぶ空を、自分の見る不規則でまばらな空から想像してみるのが楽しかったりする。
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築地本願寺
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文学の技法の年代記とカオス理論を両方一挙に理解できた気になった。傑作
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Pezo
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古びない科学エッセイ。複雑系の話は新書を1冊読んだきりなので見通しが効かないんだけども、カオスからのルールづくりの話はとても面白く読んだ。「科学は文化であり、個別の事実ではなく新たな視座の獲得のためにある」という冒頭の内容にはっとさせられもした。 円城塔との関連で言うと、文体からして少し金子さんの影響が出ているように思う。特に小説以外の文章を書くとき。(「つなが理科」とか)「進物史観」は円城塔が書いてもおかしくなさそうな小説。
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おすぷれみす
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エッセイが良かったです。 さらさら読めました。 小説の方は筒井康隆さんとかが書きそうな内容。 研究者っぽい所が所々見え隠れしてて興味深かったです。
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Miyako Hongo
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98年に出た本の再販。複雑系とかフラクタルとか流行ったなあと懐かしく思い出した。□関連本を何冊か読まないと理解できないから再読枠に入れとく。データがその処理系にフィードバックして処理系を書き換えることを、物語と読者集団で示そうとする試みが面白い。物語は作家の自己表現ではあるけれど、読者の持つイメージはそれぞれ。それが作家にフィードバックされるとしたらかつての同人的なカオスから今の商業主義的なウケ狙いへの安定化に至るのでは、なんて思ってしまった。□ネットもビックデータも存在しなかった時代の本だけど新しい。
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The lost FRIGATE
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《★★★★☆》めちゃくちゃ面白かった。文章がかなり好き、そして小説進物史観が傑作過ぎてたまらん。
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nobu
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「小説 進物史観」を読みたくて。絶品。
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サイバーパンツ
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物語(生命体)が進化を重ね、人(環境)と相互に影響し合いながら、互いの枠を破り、無限の広がりを見せる小説『進物史観』によると、円城塔は物語生成プログラムという超SFな存在だそうです。そんな円城塔も今やSF界隈の人気者で、芥川賞まで取っちゃうってんだから、人類のぴよぴよ化もそう遠くないのかもしれません。ぴよぴよ。
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ほぼひつじ
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作家、円城塔さんの名前は『進物史観』作中の物語生成プログラムが由来していると聞き、読んでみた。かなり雰囲気が似ていて驚く、円城塔さんのルーツだと分かりました。エッセイは本質的だけど平易で軽く読めて、中編小説もあとがきも、ひねりが効いて面白いです。科学は文化活動で、科学と芸術は根が同じ。世界を偏見で見ることが、モデル化をすること。そんな著者の考え方に納得しながら、新しい世界の見方を知りました。複雑系の入門書ではなく、一人の研究者の頭の中を覗くような本です。手元に置き、また読みたい名著。おすすめです。(→)
ほぼひつじ

これが1990年代に出版されたと言われても、まだ読んで新鮮さを感じました。解説でも書かれたように、どれほど怠けていたのか。最先端との距離感も少し感じれました。

03/20 22:35
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neugierde
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もうちょと専門的なカオスの話も読んでみたいと思った。
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キツネ
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科学は文化というのが面白かった。期待してなかったSFも意外と面白かった
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空虚
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物語は何かという問いに答えるためには、言語とは何か?について考えねばならず、言語とは何かについて考えるには、知能とは何か?について考えねばならならない(おそらく)。でも心配はない。小説『進物史観』はひとつの思考実験であり、とりあえず未来の小説世界では人間に知性などない、という結論が出ている。だから、知能や言語についてあくせく考えを巡らせる必要は無く「物語は何か」、という問いから始めればよい、純粋に。(つづく)
空虚

(承前)進化した物語を記述する作中プログラム「円城塔」(つまり円城塔)が生み出す、ある種致命的な自己言及の物語は、言語とは何か?言語を理解しているとはどういう状態を指すのか?デタラメに並べられた文字列が傑作だったとして、それを記述したプログラムは知能と考えてよいか?などの円城塔的主題(けだし)が透けて見える。(つづく)

08/26 22:05
空虚

(承前)思考実験とはいえ、純粋に物語のことだけを考えるなんて、やはりできっこない。そういう意味で小説『進物史観』は、円城塔的作品を予め準備している。「円城塔」によって提起される円城塔的主題、を生きる円城塔。目が回る。

08/26 22:07
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郷音
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科学とは、複雑系とは、カオスとは。何がしたくて何ができないのか。
0255文字
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