読書メーター KADOKAWA Group

八月の路上に捨てる

感想・レビュー
552

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
Hidetsugu Suto
新着
図書館で借りたウェブ文庫版で読みました.さまざまな形態の夫婦の生活の一部を切り取った短編3篇. 短い期間をミクロ視点で描いているのが生々しく感じる.感想は・・・難しい.リアリティがあるような無いような.それだけ「家族」は多様性があるものだと感じさせられる作品でした.
0255文字
ja^2
新着
これだけ離婚が当たり前の世の中になったのだから、それこそ胡散臭いキャッチコピーのように「サラダ感覚で気軽に」……というわけにはいかないのだろうか。いかないのだろうな。この作品を読むとそれが痛いほどわかる。▼もっとも06年の作品だというから、今なら少し違うのかもしれない。だが、基本はきっと変わらないと思う。▼それは結婚というものが、物語中で水城さんが言ったように、心のもっと先で繋がるものだからではないだろうか。▼「心のもっと先」とは一体なにか? 主人公は「命」だとおちょくったが、私には妙に腑に落ちた。
0255文字
wakaba
新着
本編(3つの短編)はいまいち良さが分からなかったけれど、後書きの解説の方が面白かったという私にとっては珍しい本。
0255文字
茶太郎
新着
人にドラマあり。なんでもない人たちのなんでもない日常を切り取っています。主人公が淡々と語る過去はよくある話かもしれませんが、リアルで苦しくなりました。
0255文字
先斗町たぬき
新着
ネタバレままならない人生の息苦しさが詰まっている話。「遊んでなんかいねえ。何もかも本気だった。」主人公の最後の独白に、そうだよな、と思った。
0255文字
Kohn
新着
芥川賞らしい、私的小説。 朧気な不安感が漂っている。
0255文字
通勤快読
新着
【八月の路上に捨てる】不安定な身分。好きだった人、好きな人との別れ。喪失感。孤独感。不安感。劣等感。たくさんのやるせなさを小石にぶつけることさえ認められないやるせなさ【貝からみる風景】何気ない日常のごく一部の切り取りから淳一の鮎子への大好きが伝わってくる。題名は「ふう太郎スナック」でどうだろうか?【安定期つれづれ】禁煙プログラム中に娘が妊娠で帰省。なんかぱっとしない日々。でも家族それぞれ自分なりに前に進んでいるからまあいっか。爽やかな哀愁?が良き
0255文字
西船橋キャンパス 文芸部
新着
o
0255文字
くろ
新着
ネタバレ短く簡潔な文章に心情を読み取るための情報が詰まってる。 感情が揺さぶられ、文章が好きという感覚を久しぶりに感じた。将来の不安、責任、疲労、衰え、誰もが社会で抱えうるものが、相手への思いやりを奪い、すれ違いを生み、一度狂った歯車は容易には戻せない。 外から見ると何でそんなことになるんだと滑稽に見えるが、内からの見え方は全く違う。「何もかも本気だったのだ」 離婚の経験はないが、誰にでも起こりうることだと感じた。 他二編も面白いが、表題作が傑出しているように思えた。
0255文字
こなつ
新着
4
0255文字
もふもふ
新着
ネタバレ二つの話。結婚を経て離婚の話と、これから結婚を考える幸せな話。 離婚を切り出す前の喧嘩、飼い犬に例えた話がリアルだった。かわいそうになって鎖に手をかけると噛みつく。愛情は炎も立たずに燃え尽き、一瞬で憎しみに変わる。 麩太郎もよかった。 ※読んだ本には、他の方のレビューにあるような3話目が入っていませんでした(『安定期つれづれ』)
0255文字
かしまだ やこう
新着
ネタバレ明日離婚する男の語り(を聞く離婚した女)の話。プラスちょろっと短編。読みやすくて面白かった。夢が叶わないこと、貧困であることが根本の原因だけど、男がこれをすると女は嫌がるっていう指南書を見てるようだった。自分も気をつけようと思った。たぶん作者も離婚を同じように経験して(だからハフジなんか気にするんだ。伊藤だし)、それを作品にぶつけたのだと思う。対して、後半は仕事がうまくいかなくても仲良しの夫婦のエピソードだったので驚いた。色んな家族の形があるね。
かしまだ やこう

『長崎』ってなに??

05/06 19:45
0255文字
Fumoh
新着
自販機の缶ジュースの補充をして回る主人公・敦と、男勝りな口調の水城さん。水城はバツイチで、敦も明日離婚することになっている。水城は今日が最後の仕事。各地をトラックで回っていく際に、離婚の話で盛り上がる。ときどき敦は水城のことを、ハッキリ女性として意識しているが、妻と比べるようなことはしていない。水城も水城で、別れた旦那のことや、男性全体のことを悪く言っているわけではないから、何となく敦のことを意識しているような感じ。その微妙な空気感の中で、敦の過去のことを中心にして物語は進んでいく。敦も妻の知恵子も、
Fumoh

夢を追いかけていく過程で付き合って結婚したが、それぞれ別の形で夢に破れてくすぶっている状態の中、お互いの存在が重荷になっていることに気づく。そりゃそうだろう、と思う。「夢」というのは、もう一人の女・男のようなものだと思う。「応援するよ」と言っても、相手が夢に向かっていっぱい頑張っている時に、同時に自分のことも同じくらい大切にしてくれるだろうか? もしそれが可能だとしたら、その人は一度「夢」に対して情熱を失ったのだ。愛を失ったが別れない夫婦のように、ライフワークとしてゆるゆるとやるなら分かる。しかし情熱が

04/13 20:28
Fumoh

あったら怖い、と思う。うまくいかない時に旦那や妻に当たるのは当たり前だ。なぜなら、旦那や妻を都合よく「自分サイド」と勘違いしているからだ。もうとっくの前に「夢」に心を取られているのだ。ズレた歯車を元に戻す努力をしようにも、お互い自分中心なのでどんどん合わなくなっていく。そんな中で、敦は水城に彼氏がいるという話を耳にして、衝撃を受ける。もう前を向いて歩いていく水城に対し、頭の整理が追いつかないままの敦は、知恵子の思い出ばかりが脳裏にちらつく。それを「遊んでいる」と言われ、ぼんやりと反感をもつが言い返せない。

04/13 20:34
0255文字
absinthe
新着
ただただ日常の一部を切り取ってコラージュしただけ、愚痴を読まされるような筆致だが。話はきちんと繋がってて。人間の描写も良かった。夢を追いながら日常には追われ、夢見ながら結婚して夢破れて離婚する。ただただ疲れ切って、色あせていく人生。捨てたものは結婚生活だけではなく、様々な夢の残骸。
0255文字
ゆ
新着
ネタバレ芥川賞受賞作。 言葉の使い方がすごく綺麗だった。よくある恋愛間でのすれ違いだけれど、男のやるせなさや彼女の心情などを丁寧に描いている。 結果的に、男が色んな意味で孤独になってしまうのがまたリアルでやるせなかった。
0255文字
うゑしま
新着
やっぱり芥川賞ってテイストが似てる気がする。そんなたくさんは読んだことないけど。 表題作もそうだけど、併載されてる「貝からみる風景」の方が、その「ぽいテイスト」が強い感じ。こっちの方が好きかな。
0255文字
大阪のきんちゃん2
新着
第135回芥川賞受賞作品を含む短編集。 自販機の補充をする仕事ってルートドライバーって言うの?ベンダー?必要な仕事だと思いますがしんどそう〜 そんな仕事の男女の会話、結婚・離婚・再婚を巡る悲喜こもごも、夢と現実、愛情の何たるかを突き詰めないとこうなります、みたいな・・・ もう一つのお話は前記受賞作と対比して読むとバランスが取れてる。 その時には分からないささやかな幸せ、市井の男女の日常の風景を活写した作品ということで。 次いきます。
0255文字
まねきねこ
新着
とてもおもしろい。硬くて尖がっていて難しい本かと思っていたら、正反対で柔らかくてもろくて優しい本だった。この作家の性質というか生き様みたいなものが込められているんだろうなと。怒りはあるが怒れない。矛先が見つからないのかそれとも別の優しさが欲しかったのか。やるせなさがその要因の可能性はある。車とエピソードが交互に入る展開はオーソドックスで効果的。安定を醸し出していた。この本の面白さの原因を掴みたいと思った。
0255文字
グランくん
新着
自動販売機の補充のアルバイトしている敦。相方の社員の水域さんは、この日でトラックを降り総務課へ廻る事になっている。敦は、明日九月一日に離婚届を出す事になっており、結婚生活の顛末を仕事中に水域さんに話す。 掛け違っていく男女の姿を描いた作品です。
0255文字
ヤギ
新着
共有できるものがあった二人が離れてしまうことになってしまった様がリアルでした。見えていなかったのか変化していったのか、途中修正することもできたであろう価値観。双方の譲れる譲れない部分を想像しながら読み終える。幸せに向かう先輩女性と未知な後輩男性の別れ方も味わい深かった。
0255文字
百年の積読
新着
ネタバレ最後の「何もかも本気だったのだ」に違和感。主人公が何かに本気で取り組んでるような描写ってあったっけ。どうも余計な一言に感じる。また、全体として古臭い小説だなと感じた。車の進行に合せて回想を差し込んでいくという手法が定型的で使い古されているし、水城さんの造形も、もう少し「この手のキャラ」から一歩前に出ないものか。主人公夫婦のあり方も、00年代なら共感を呼んだのかもしれないが、今こんなメンタリティで夫婦になっていく男女がいるだろうか(まあいるはいるだろうけど)。現代に強いて手に取る価値のある小説ではないかも。
0255文字
かなこ
新着
若い夫婦の離婚するまでの、ありきたりにある夫婦のすれ違い、ドロドロの喧嘩、乾いた気持ちなどの描写が、凄いと思いました。 読みやすくて、また読みたくなる一冊です。 本読むの苦手だったんですけど楽しいです。
0255文字
朔月
新着
芥川賞だと知らずに読んでみた。 苦手やなぁと思っていた芥川賞の受賞作だったけど、こちらはなんとなくすっと入り込めた。 伊藤さんの物語は、いつもどこかに寂しさと孤独が感じられる。そして、人間のままならなさと、優しさも。
0255文字
加瀬
新着
日常。心理描写の例えにしっくりきた。
0255文字
マリン君
新着
早大在学中のデビュー作から随分と大人の 小説を書くようになったものだと親になった気持ち。 感情の移ろいを抑えた描写で巧みに仕上げている。 いい作品であった。
0255文字
にゃん
新着
もしかしたら再読だったかな、既読感ありましたが、良かったです。離婚に至るまでの小さいことから大きなこと。共感したり、首を捻ったりしながら読み終えました。最後の休日に、2人の思い出の場所を巡りながら、あれこれ昔の話をしつつ、実はあの時はこう思っていたと本音を吐きあう場面なんか、まさに「路上に捨てる」感があってちょっと笑ってしまいました。同時収録の「貝からの風景」も短い散文みたいだけれどすごく良かったです。
0255文字
朗読者
新着
難解な作品の多い芥川賞ですが、こちらは読みやすかった。表題作では2t車で自販機のルート補充をする離婚間近の主人公とバツイチ女上司の離婚ネタの会話が面白いのに対して、妻との詰まらん拘りに執着してすれ違いまくりの会話には不快感が満載。それが離婚が決まると拘りから開放されて互いに別人のようになる。こういうブラックユーモアというか、拘りが人格を形成しているという視点は興味深かった。2つ目の万引きの話も拘りが満載でしたが、表題作のほうが面白かったかな。
毒兎真暗ミサ【副長】

朗読者さん、芥川賞集めてるんです✨不快感満載なんですね😳😅

05/19 16:35
朗読者

ミサさんも私と同じでしたか。本作は芥川賞の中では読みやすいです。私も大の苦手の芥川賞作品の中で、私にも読みやすかったのは、送り火、コンビニ人間、むらさきのスカートの女、推し燃ゆ、おらおらでひどりゆぐも、1分34秒、八月の路上に捨てるくらいです。

05/19 23:30
4件のコメントを全て見る
0255文字
大粒まろん
新着
10年くらい前にやってた、竹野内豊さんのrootsのCMを思い出した笑。男女がおそらく夕方頃喧嘩をしている。女性が「逆に、わかんない」と言って去っていく。男は一晩中無言で街を彷徨い考える、明け方にやっと「なんの逆なんだ」と、呟く。これを真面目と見るか鈍いと見るかで、男女の関係性は変わってくるよね。考えてる時間があるだけ気持ちはある。小説の最後の一文は切ない。思いがあっても伝わらないことはあるし、相手の行動を好意や善意と受け取れなくなると、関係はなかなかに拗れる。そんなお話笑。芥川賞の割には相当軽めな作品。
0255文字
もぐもぐ
新着
タイトルに惹かれて手に取ってみました。2006年の芥川賞受賞作。すれ違いが積って離婚に至る若い夫婦の姿が淡々と描かれる。夫の敦が不甲斐なすぎてなかなかにしんどい。夢をとっくに捨てた敦が真夏の路上に捨てたのは、妻との想い出か、職場の先輩への恋心か? もう一編は一転ちょっとほっこりする夫婦の日常の話でした。タイトル作よりこちらの方が好き。
ミカママ

角田光代さんの元ご主人なんですよね〜。

04/16 20:16
もぐもぐ

ミカママさん、そうなんですよね。読み終わってから著者ググってwikiで知りました。全く想像もしてなかったのでちょっとびっくり。

04/16 21:16
0255文字
ぽこ2
新着
う〜ん、あまりにも日常すぎて私には いまひとつ残らなかった。。
0255文字
押さない
新着
8/10 癖がなく強く技巧を凝らすことのない文章や真相を隠し興味で引っ張るようなことをしない効果が、かえって作者の実力をうまく反映している。
0255文字
ホップステップ放尿
新着
「八月の路上に捨てる」というタイトルからしてもう素敵。どことなく哀切で、郷愁を誘うような美しさがある。 現代に生きる男女の、愛とすれ違い。人と人とが共に生きていくことの困難とあたたかさを描く、切なくて、でもどこかやさしい物語でした。
0255文字
GAVI
新着
芥川賞にしては読みやすくて、楽しめた。人物描写がうまい。2作目の夫婦も素敵。
0255文字
らすた
新着
病院の図書室で目に留まりました。 同僚と仕事をしながら自分の離婚を振り返る主人公。不条理な心の動きが私の心もざらつかせます。こんな男が身近にいたらブチ切れそうですが、こういうのを味わえるのも小説の楽しみかもしれません。
0255文字
7
新着
再読。なぜかわからないけれど時折読み返したくなる。この本の纏う雰囲気が好きです。
0255文字
ゆい
新着
ひりひりする終わり際の男女。あるある。結婚してたらなお面倒だけど。思い当たってちりちりした。2つ目の話はほっこりして良かった。これもあるある。
0255文字
ANE
新着
転勤や部署替えで、間もなく身近でなくなる人に、身の上話をしがちであるというリアル。そのリアルを下敷きに、生々しい過去が語られる。主人公が話し始める、水城センパイに対して、同じ共同体に属しているがゆえの警戒心や緊張感をもちつつ、今までも、もっと深いところで話してみたいという、気持ちをもっていたんだなあとわからせることが、ウマい。直接的にはなるべくわからないように、関係性の中で覚らせる手法に『人のセックスを笑うな』を思い出し、ポエミーな構成、心地よいリズムに、今夜はいい夢が見られそうな予感がした。
0255文字
奏汰
新着
正直、主人公があまりにも最悪で見ていて気分が悪くなりました。自業自得と言った感じです。描写もリアルすぎて、ウッ……となりながらも読んでました。でも、日常的なストーリーすぎてあまり入り込めなかったような……。
0255文字
🌙🐟
新着
ネタバレ伊藤たかみさん二作目。読みやすい文体、余韻を残す締めの文、ユーモラスな会話、やっぱ好き! 最初の話は、夫婦って、男女って難しいなって思った。最初とろけて固まったような二人でも徐々に壊れていくこともある。ほんまに徐々に壊れてった、って感じだったなぁ。路上に捨てたのは、夫婦での思い出と恋心?二話目が好き。1話目がべつの世界で暮らす二人だとしたら、2話目は同じ世界を生きる二人だった。ふう太郎のイメージが同じだった二人。同じようなタイミングで同じものが食べたくなる二人。このまま一緒にいて欲しい。
0255文字
ひめか*
新着
初読み作家。芥川賞受賞作とは知らずびっくり。正直それほど評価するほどでもないというか、普通の日常すぎてつまらなかった。離婚するまでの男女のすれ違い、妻から逃げるための美容師との付き合い。男がひどすぎて、すれ違う過程も嫌な気持ちになった。「貝からみる風景」の方がほのぼのしてて良かった。何の盛り上がりも大きな出来事もないが、スーパーのお客様の声コーナーに寄せられた女性のコメントに興味が湧き、自分もそれに乗っかるいたずらが滑稽で可愛らしく思える。フリーライターのお金のなさがシビアに描かれるが、それもまた日常。
0255文字
全552件中 1-40 件を表示
八月の路上に捨てる評価84感想・レビュー552