形式:単行本
出版社:東京創元社
形式:Kindle版
文体というか、会話文の語尾に「うーん」と思わなくもないけど、それも味わいなんだろうなあ。
《参照》(WEB 別冊文藝春秋の著者インタビュー) https://bessatsu-bunshun.com/n/n9d3ff906aad4
時代の価値観という自分がよって立っていた(もしくは意識して反駁していた)道しるべを「あれ、間違ってたみたいですよ」と言われたときの「まじかよ」的な気分が味わえる。さすが桜庭一樹だ。細かい「名探偵ものあるある」を散りばめての擽りも大変に面白いし、突然の価値観クライシスってどの世代でも昨日の我が身だし明日の我が身だとしみじみ思わせてくれる。助手の鳴ちゃんの内言が今は物語の中にしか存在しない「わよね」言葉なのも泣かせる。ただしこの「わよね」言葉を聴き続けるのが無理な方には・・試してみますか?私は楽しかったです♪
裏表紙、現在と過去の名探偵とその助手をそっと見つめる白狐が私には作者に思えました( *´艸`)
【DV】<それにしてもあれから時代はずいぶん変わったものだ。“トラウマ”なんてものはもう流行らない。両親や家族と仲が良く、友人みたいにつきあえる、そんな若者たちの見せてくれる優しい世界が幅広く共感を呼ぶ。今は、きっとそんな時代だ。って、考えすぎかな?けど純喫茶おいでぃぷすで耳に入ってくるお客さんたちの会話も、そんな風だって感じるから。だから。例えば、暴力を恐れたり、生き辛さを抱えたり、そのせいで死の誘惑に囚われ続けたりするのは、ひと昔、いや、ふた昔前の暗いカルチャーであって。あれってわかんないよね>と――
【風の心からの叫び「生きてるから老けたんだーっ!」が、バズる】風の叫んだシーンの映像は切り取られ、手のひらを太陽にー、という昔の歌の音声とともに、振り付けもつけられ、ダンス動画「イキフケチャレンジ」としてTikTokで流行り出す――。インフルエンサーは風に、「登録者数の多い大学生のお母さんが、共感して?自分もそうだって言いながら娘の前で踊ってみて。娘がその動画に声と歌をつけて加工して投稿して。そしたらバズってみんな真似しだしてるっぽい」と。さすが、名探偵!何をやっても目立つ。天性のスターってことですかぁ!
読んでる際の脳内イメージで、夕暮さんはちょっと(太一郎とあゆみ的な)某女流SF作家を浮かべていましたスミマセン
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