読書メーター KADOKAWA Group

中谷宇吉郎 雪を作る話 (STANDARD BOOKS)

感想・レビュー
45

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
ミリアーデ
新着
この本を読んだ日に雪が降った。 物理だの生物だの科学だのに関わっている人はロマンチストが多い気がするのは当たり前のようでいて結構不思議なことだけど、読んだらやっぱり当然のように思った。
0255文字
nagata
新着
確かに中谷先生の随筆は名文かつ明文である。福岡氏の言葉を借りれば「可視的」である。冬の寒さ厳しい十勝での実験の様子などは、この暑さにも関わらず身を縮めて読んでいたし、ものの本姓に逆らわす、しかしあくまで抑制の効いた端的な表現は、物事の奥深さを垣間見せてくれる。
0255文字
0sanada0
新着
猛暑の夏、少しでも涼しく過ごそうと思って読んだ。このシリーズは装幀が素敵で心惹かれますね。原爆についての記述が複数あり、科学と幸福についての中谷の哲学にふれる。個人的な興味から卵をわざわざ妻に買いに行かせる亭主関白なところや、実験にわくわくする童心など、いろんな側面が垣間見えた。そういえば、大人になってから雪の結晶を見ずに雪の日を終えている気がする。次に雪が降った日にはコートの袖で観察してみよう。
0255文字
たまゆら
新着
銷夏法ということばに初めて出くわせたが、雪の結晶の研究と敗戦78年忌に読むこじつけとした。恥ずかしながら初読の著者、落ちついた筆法に多くのことを考えさていただいた。一億総懺悔などと呼ばれた敗戦といろんな本に書かれているが、当時の冷害や有珠山辺りの火山活動、震災など天変地異を語るものは少ない。そんな中冷徹な学究の精神から逸脱することのなかった在り方に敬服するしかない。十勝地方での雪の結晶はじめ線香花火、琵琶湖に小便の話と敗戦時のエネルギー危機にまつわる薪の話等、今時の危うい日本人を見る視点を与える一冊。
0255文字
どんちゃんまま
新着
雪の結晶って条件が揃えば、肉眼でも見れるんですね!コートに付いた雪の結晶を見てみたい。雪に魅了され、その結晶の形や成立ち、さらにそれを人工的に作り出すことに世界で初めて成功した中谷先生。「我々の周囲には雪と限らずあらゆるものが常に自然の美しさと調和とを示すためその全体の姿をあけ放している。ただひとつ厄介な事はせっかくこの自然の女神の恵みを人間があまり受け入れないことである。科学の普及などという言葉が案外それをじゃまをする…」先生は、人間が十分に解き明かせない自然界の秘密があると思われていたんでしょうね。
0255文字
ががが
新着
雪の研究者として知られる中谷宇吉郎の随筆集。雪の調査や人工雪を作る話がメインだが、中盤からはそのものに対する姿勢を扱ったものもある。立春に卵が立つという迷信を解き明かしたり、琵琶湖の水嵩を例に挙げて数量的思考法を指南したりと、分かりやすい科学哲学本という印象を受ける。戦中戦後の激動と混乱の時代に書かれており、当時の社会情勢もうっすら漂ってくる。原子爆弾を引き合いに出して、科学は幸福をもたらしたかと繰り返し問うあたり、当時の科学教育をいかに推進するべきか心を砕いていたのだと思われる。
0255文字
りんご
新着
旅先で北大山岳館を見学した。雪や山に魅せられた学生や研究者がこの学校には集まって来たのだろう。著者は低温科学研究室を作った人。淡々とドライな文章でありながら、自然への畏敬と愛情が感じられる。著者自身が研究を楽しむ科学者としての視点と、生活者としての視点も併せもつ豊かな随筆。
0255文字
A.T
新着
科学に疎いので、功労者の名前にも疎い。中谷宇吉郎氏は明治生まれの雪の研究を中心とした物理学者、恩師は寺田寅彦。「寺田先生がかつて、どんな精巧につくられた造花でも、虫眼鏡でのぞいてみると汚らしいが、どんなつまらぬ雑草の一部分でも、顕微鏡でみると、実に驚くほど美しいと書いておられる…ものの深い奥底にかくされた造化の秘密には、不思議さと同時に美しさがある。そしてその不思議さと美しさとにおどろく心は、単に科学の芽生えばかりではなく…人間性の芽生えでもある」。その一例が雪の結晶というわけである。
A.T

読みやすい新書サイズの単行本にまとめられた科学のエッセイ。平凡社からシリーズになって、2016年から発行されていたんだね。偶然、なぜかアート系のお店で見かけて購入。実は中谷宇吉郎さんとの出会いも偶然で、2015年に家族旅行で訪れた石川県加賀市の温泉地の博物館「中谷宇吉郎 雪の科学館」にふらりと入った事から。人工的に雪を作ることに世界で初めて成功した中谷氏の雪との関わりを実験や映像で紹介していた。

12/10 15:21
A.T

中谷氏の雪の研究は、偶然北海道へ赴任したことがきっかけだった。氏の出身地石川県の雪では見られなかった、雪の結晶は北海道では当たり前のように肉眼でも確認できる。しかし、研究となると厳しい。大雪山系旭岳の白銀荘に滞在し、朝から夜中まで野外での作業が連日連夜。馬橇で移動。マイナス20度以下。そしてついに、結晶の撮影に成功。

12/10 15:30
3件のコメントを全て見る
0255文字
takao
新着
ふむ
0255文字
あきあかね
新着
「雪は天から送られた手紙である。」 雪の結晶の分類や、世界に先駆けた人工雪の製作など雪の研究に生涯を捧げた科学者、中谷宇吉郎。冒頭に挙げた一節のように、文才に富んだ恩師寺田寅彦ゆずりの、詩情に満ちた言葉を多く遺している。 この随筆集も、平易だが本質を突いた的確な言葉で、雪を始めとする自然の魅力や科学的思考の重要さを伝えてくれる。本や顕微鏡写真よりも、自分の眼で一片の雪の結晶を見つめること、自然の美しさや神秘に感嘆することの大切さを説く言葉は心にすっと入ってくる。⇒
あきあかね

⇒大雪山の近くの雪の洞穴の実験室。しんしんと雪の降り積もる静寂の夜の描写などはとてもリアルで、真夏の炎暑の中で読書していても、自分もその実験の場にいて、ひやりとする空気が肌を包み込み、時折梢を渡る風の音を耳にしているような気持ちになる。 科学と文学との、科学と一般の人びとの架け橋となるような、理知的でいて瑞々しい文章は半世紀以上の時を経ても、少しも古びていない。

08/03 09:01
0255文字
都わすれ
新着
天から白い花びらが舞い散るように落ちてくる雪。雪の結晶は六華と美しい言葉で呼ばれる。『雪の結晶は天から送られた手紙である』『雪の結晶がお伽の国の宝物』と名言を残して日本で初めて雪の結晶を取り出し、人工雪を創って研究した物理学者中谷宇吉郎。自然科学を巡る文章は詩的な表現を鏤めながら科学者としての明晰な眼差しで、自然の不思議を紐解き、その世界に誘われる。私たちは『大きい自然の中で生きている。…自然の色々な物質、生命のあるものまで含めて、そのものの奥底にかくされた造化の秘密には、不思議さと美しさがある。⇒続く
都わすれ

まささん、こんにちは。コメントありがとうございます。まささんのお住まいの地域は雪の美しさも雪による生活の大変さもよくご存じでしょうね。中谷宇吉郎の雪の研究や雪の結晶に魅せられますよね。もう20年ぐらい前に車旅行で能登を巡り金沢からの帰りに科学館に立ち寄りました。加賀市だったのですね!教えて頂きありがとうございます。またいつか訪ねてみたいですね。

03/11 16:12
都わすれ

宵待草さん、こんにちは。いつも素敵なお言葉ありがとうございます。雪の研究や人工雪を創った中谷宇吉郎の業績は素晴らしいですよね。自然が創った雪の結晶は宝石の美しいと思います。恥ずかしながらウィリー・ベントレーの絵本は存じませんでした。ご教示ありがとうございます!冬の季節に『雪の写真家・ベントレー』の絵本を読んでみたいです。楽しみが増えて感謝です。今日は春風が心地よいですが、朝夕の寒暖差にどうぞご自愛くださいね。

03/11 16:37
8件のコメントを全て見る
0255文字
はやしま
新着
科学エッセイへの興味から手に取る。初中谷宇吉郎。私なぞ冬の雪に生活の不便さを感じるばかりなのに、北大に赴任し雪を見て結晶の研究をしようと思うところが如何にも研究者だなぁ。十勝の山に出かけて行う研究の様子の描写が本当に嬉しそう。恩師の寺田寅彦に示唆された線香花火の研究のエピソードも面白い。昭和新山の爆発時に見学に行っているのに驚いたが北大理学部教授だから当然か。今は灯油の購入補助だが昔は石炭や薪の支給だったと知る。科学から行政、子どものエピソードまで様々な内容が読めて楽しめる一冊。初出の記載がないのは残念。
penginpapa

中谷先生の頃にもよく知られていたのかなぁ、、「JPCZ」今週は日本海側から関東平野にかけて大雪をもたらす予報!はやしまさんも御身お大事に

02/07 21:34
はやしま

ありがとうございます😊

02/07 22:01
5件のコメントを全て見る
0255文字
般田
新着
図書館の福袋(テーマ別ブラインドパック)に入っていたので読んだ。個人的に最初の雪をつくる話より、後半にある「立春に卵が立つ」話の検証や簡単な算数で反論できる国の指導への嘆き、科学についての考えの方が印象に残った。数字での物の捉え方や、科学への考え方は今も通用するもののように思う。
0255文字
たね
新着
同じシリーズの寺田寅彦が良かったのでこちらも手を伸ばしてみた。表現が精緻で美しく、季節的にピッタリだった。非科学的なわくわくに科学の芽がある、というのが心に残った。いくら解き明かしても更に不思議が見つかっている現在でも古びない考え方だと思った。寺田寅彦のあとに読むと「線香花火」は特に面白かった。
0255文字
ポテンヒット
新着
著者の師である寺田寅彦と文体や思想が似ている。雪の結晶の研究の為に馬橇で訪れる十勝岳の白銀荘。結晶には様々な種類があることやその美しさ、実験の様子や山荘の住人である“ザ・山男”O老人の話など、この地での研究がとても良い思い出となっていることが分かる。昭和18年に突如出来た昭和新山を見に行った話は当時の貴重な資料だと思う。「琵琶湖の水の話」は、非常時における政府の対応が行き当たりばったりで、今も変わらず進歩がないというか、過去から学ぶことが出来ていないのが残念だ。
0255文字
ぐっちー
新着
数年前、本屋で見かけて気になりつつ買わなかった事を後悔していた一冊。この程どうしても読みたくなって探した。一流の科学者は文化芸術にも理解が深く、文章が上手い。雪の結晶を研究するひたむきな話は無論面白かったが、後半の話が今に通じていて驚いた。琵琶湖の水の話にあった、戦後薪を北海道全世帯に配るなんてのは、誰かさんが全世帯にマスク配布したのと大差ない。一方、疎開中の辛い時期に、コナンドイルの失われた世界を発端として、子供達と想像の翼を広げて乗り切る話は良かった。家で過ごす時間を豊かにする。
0255文字
TomoTa
新着
結局のところ科学というのはものの見方のことなのか。各篇のあとに、初出?執筆?した年が載っているのだけれど、これが戦争の前後というのが驚きだ。ご飯が満足になくても、人間は雪の結晶を作ったりするのだ。戦争用の研究をサボって火山を見にいったりもするのだ。知性というものの自由さ、勁さを感じる。
0255文字
naotan
新着
いろんな形の雪の結晶があるとは思っていたけれど、それらがどんな条件のもとで形作られたのか、自然の神秘を解き明かす研究にロマンを感じた。コロンブスの卵やロストワールドの話も面白い。
0255文字
aochama
新着
中谷先生の雪や家族に対する愛情、科学者の視点はもとより、一見するともっともそうなことを疑う姿勢にも科学者としての矜持が感じられました。 読みやすい文章で綴られており、難しいこともやさしく興味深く感じられます。雪の話、立春に卵が立つ話、琵琶湖の水の話、子供達に本を読み聞かせる話など科学者なのに文章も上手い。こういう科学者が沢山出てきてほしいものです。
0255文字
o_o
新着
世界で初めて人工雪の制作を成功させたことで知られる研究者の科学随筆。洗練された文章で雪で覆われた北海道の情景が描かれており、読んでいるうちに心が洗われるような感覚を覚えました。なお前半は雪に関連する話が中心ですが、後半は科学的に考えることについて書かれています。中でも戦時中の政府関係者からの命令を科学的に考えるとかなりの無茶振りだった…という話が面白かったです。かなり前に書かれた内容ですが、現在でもYouTubeで同じような検証系の動画を出しているものを見ると、時代を超え提起される話題なのだと思いました。
0255文字
マッピー
新着
雪の研究で有名な研究者、中谷宇吉郎の随筆。余計な修飾などない簡潔な文章なのに、柔らかな温かみのある文章。雪は、美しくもあり、平和でもあるのである。科学の伝道師でもある著者の文章は、センス・オブ・ワンダーに満ちている。昭和新山ができるさまを、天地創造をこの目で見られることの喜びにたとえ、「立春の日には卵が立つ」という世界的に有名となった珍説を、実験と計算を通して論破し、線香花火の美しさを科学的に解き明かし、美しい文章で表現する。とても気持ちのいい文章ばかりで、心が美しく洗われたような気持ちがいたしました。
0255文字
鱒子
新着
図書館本。世界初の人工雪の偉業で名高い、中谷宇吉郎氏。本書に度々出てくる「先生」とは、寺田寅彦氏のことであると知りビックリ!学者&随筆の名手師弟じゃないですか! 雪にまつわるエッセイも良かったですが、物の考え方を諭す後半の作品が好きです。「イグアノドンの唄」では、若くして亡くなった息子さんのことを、感情を排して書いてあるのだろうと察します。涙。
0255文字
ベロニカ
新着
夏に雪の話を読むという納涼。科学的視点をもつこと、とくに量的概念をもつことを私もしっかり心がけたい。
0255文字
id:cinemac
新着
「雪は天からの手紙」という言葉は著者の言葉だったんですね。寺田寅彦しかり、昔の科学者は文武両道だな、と一瞬思ったが、言葉が残っている科学者のことしか知らないからか、と気づいた。
0255文字
suikazura
新着
科学者として真摯に自然と向き合い、多彩な活動や事績の資料を多く遺した宇吉郎の生身の姿が伺える文章の数々に夢中になって読んだ。「立春の卵」は分かりやすい科学的な物の見方を伝えている。父として子供達に『失われた世界』を読み聞かせる「イグアノドンの唄」には早逝した末の男の子への哀悼の思いを感じた。 非科学的な教育も自然に対する驚異の念を深めるのに役立つという部分もなかなか味わいある。
0255文字
右脳neo
新着
科学随筆。雪もまた科学の対象となりうるものであり、人工の雪を作るということは雪華を形成するということだと気付かされた。冬に天から舞い降りてくるあの白が一度だけはっきりとその華の形を見せた時が私にもあった。あの時は雪華というものは幻想の存在か何かのように思われていた年頃だったので、大変驚いた覚えがある。自然が作り出すそれらに魅入られた著者が語る学問はしかし、浅学の身にも大変馴染みやすいものであるのは、著者自ら語るように現代的な科学で持って一から教えられることのない田舎に生まれたためか。扇状、鼓状の雪華は驚き
右脳neo

快心の失敗作が見付かった時などは、思わず声が出る。「一寸覗いて見給え、又失敗してるぜ」と言うと、助手のH君は、顕微鏡を覗き込みながら、如何にも嬉しそうににこりと笑うのである。(p.62,l.7)それでよいのだ、生きる者はどんどん育つ方がよいのだと、私は目をつぶって寝入ることにした。(p.180,l.6)眼に見えない星雲の渦巻く虚空と、簪をさした蛇とは、私にとっては、自分の科学の母体である。人には笑われるかもしれないが、自分だけでは、何時までもそっと胸に抱いておくつもりである。(p.203,l2)

06/12 03:33
右脳neo

人界から離れ、音から離れた土地にも、夜の沈黙があるというのは、如何にも不思議である。——沈黙をひとしお強調するものである。/全然音のない世界には、静かさも、また無いのであろう。放送局の防音室の中にあるものは、静かさではなく、音の死骸なのである。/「一鳥啼いて山さらに静かなり」(王籍『入若耶渓』)/「ほろほろと山吹散るや滝の音」(夏目漱石)/「最も逆説的な騒音と沈黙との調和(The most paradoxical harmony of noise and silence)」(ダーウィン)

06/12 04:01
3件のコメントを全て見る
0255文字
すてふ
新着
ネタバレ「本のポルノ」と聞き、4巻目のこれから読み始めた。東大卒で洋行帰りの学者様の書く文章ながら(仮名遣いを直してもあり)ぼくでも何が書いてあるのか理解できる、これがすごい。琵琶湖のくだりなんぞは脳にアクメ来る、日本死ね。本の形をした使い道の無いゴミを生み出し続ける日本の学者どもの99割(990%)は猛省すべき、ていうか死ぬべき。よっぽどのうらみでもあったのか雪小屋から逃げた前任夫婦への罵詈雑言が非道い。
0255文字
玄趣亭
新着
「STANDARD BOOKS」6冊め。雪の研究で知られているので気象学の人かと思っていたけど、本業は物理学、寺田寅彦の門下だった。戦前から戦後の、物資が足りない時代に、北海道の山小屋「白銀荘」で雪の研究に打ち込むのだが、苦労話はあまりなく、淡々と書かれている。学究の人なんだなあという印象。この本は写真が少ないので、雪の結晶の形は著者のカットから想像するしかないのが残念。鼓型とか屏風型の結晶ってどんな感じなんだろう?
玄趣亭

「STANDARD BOOKS」の寺田寅彦の巻との関連では、同じ題名の『線香花火』(師が研究テーマを提示し、引き継ぐ形で中谷が取り組む)があり、子供達の科学の心を育てるには、むしろ海坊主や河童など非科学的なものに親しむことの大切さを説く、類似のテーマの随筆がある(寺田『化物の進化』、中谷『簪を挿した蛇』)。叢書を読み継ぐことで発見した面白さ。

02/13 00:09
玄趣亭

【関連書】●村田喜代子『偏愛ムラタ美術館』:昭和新山の経過を報告した文章『天地創造の話』では、噴火の状況を絵画として記録した郵便局長三松正夫について触れられているが、その絵がカラーで掲載されている本。●髙野文子『ドミトリーともきんす』:『天地創造の話』、『簪を挿した蛇』、『イグアノドンの唄』をコミックで紹介、補完して読む感じ。舞台となっている学生寮は、中谷が雪の研究をした山小屋「白銀荘」がモデルとのこと。

02/13 00:10
3件のコメントを全て見る
0255文字
やんも
新着
著者は人工の雪の結晶を作ることに初めて成功した、日本屈指の雪の研究家。当然本書では雪の研究についてエッセイが収録されている。しかし後半からは雪を離れて、出来立てほやほやの昭和新山へ上った話、大真面目に生卵が立つことを確かめた話、計算をせず大雑把な計画を立てる軍部や役人を笑う話など、科学する心をおおいに発揮したエピソードが語られる。中でも戦時中、豪雪の北海道で燃料も食料も乏しい中、子供たちに『ロストワールド』を実話として語り聞かせたエピソードは実にいい。大学の恩師は寺田寅彦。科学する心は伝えられたのだ。
へくとぱすかる

岩波新書の「雪」は名著です。人工雪実験に成功した2年後の1938年に初版、今も文庫で読めます。手前みそですが、新書の「雪」をネタにしてミステリ小説を書いた思い出が。

02/17 23:39
やんも

コメントありがとうございます。『雪は天からの手紙』もありますね。本書はあえて雪だけではない部分にスポットあてているのがいいです。恩師寺田寅彦に勧められて、線香花火の火花の研究もしていますね。好奇心が旺盛で、真面目にとことんやらずにはすませられない性格なのでしょうね。科学する心の輝く人のひとりです。

02/17 23:57
0255文字
いくっち@読書リハビリ中
新着
寺田寅彦のエッセイを読んでから読みたいと思っていた中谷宇吉郎のエッセイをやっと読めました。世界で雪を人工的に初めて作った人。物理学者は夢多き人なのですね。
0255文字
Tab
新着
科学者って、真剣にロマンチック。美しいものを追い求めている。
0255文字
Masahiko  Ito
新着
正月に読むのにふさわしい本は、と考えて何となく図書館の棚から抜いてみた。新編集だからか、明晰かつ詩情溢れる文体も内容も全く古びていないことに驚く。前半の厳寒の大雪山でひたすら雪結晶の記録をとる話も、後半の戦時中の苦労や科学リテラシーの話も。いい本でした。
0255文字
きぬとら
新着
中谷宇吉郎と言えば因縁の方。4年前に思いが叶って出演できたクイズ番組でこの方の言葉が答えられずに敗退した苦い思い出があります。棚で見かけて思わず手に取ってしまいました。中はしっかりした雪についての考察やらエッセイやら。知らなかった私が悪かったんだなぁ、とあらためて反省です。先生すいませんでした(^^;)
0255文字
natsuko
新着
北陸加賀市にある「中谷宇吉郎雪の科学館」を訪れた。物理学者としてまた氷雪研究の第一人者として、天然雪の結晶写真や人工雪の製作に成功した人。初めて雪の結晶を写真集で見たときの驚きとときめきをそのまま持ち続け、生涯の研究に身を置いた科学者魂と、自然の声を聴くその詩的感受性はまさに師寺田寅彦そのものだった。科学の美とは、理論や科学構造にあるのではなく、自分の目で一片の雪を見つめ、その神秘に感嘆すること。雪の洞穴の低温研究室で結晶を観察し、夜の沈黙に耳をすますこと。そして面白くて為にならない本をたくさん読むこと。
natsuko

A.Tさん、雪の科学館、行かれましたか!ちょっと駅から離れていて便利ではないけれど、それでも行きたいと思わせる素敵なところでしたね。実験は、私もぜひと勧められ見学してきました。ティールームもよかったですね♪

08/17 00:42
natsuko

kiyokaさん、雪の科学館は構造からしても(天窓やティールームの眺めなど)夏にこそ、という感じでした。寺田寅彦読んでますか!『柿の種』は私も読みましたが、あの方の詩情あふれる文章は本当に素晴らしいですね!

08/17 00:46
6件のコメントを全て見る
0255文字
蒼
新着
真夏に読む「雪を作る話」。静かに染み入る美しい随筆。エッセイというより随筆と言いたい。雪の結晶の美しさ、自然の神秘、実験の様子と面白さ、雪山や雪原の圧倒的な風景と静けさ、少年のような探究心。読みながら子供の頃を思い出す。雪が降り始めると、服や車に舞い降りてきた雪片をのぞき込み、雪の結晶を見ては喜んでいたのだった。この本にある通り、雪の種類によるけれど、結晶は肉眼で十分見えるもの。綺麗な形の結晶が見えた時の驚きと興奮と喜び。降り始めの雪はすぐに溶けてしまうので、ほんのひと時魔法を見るような冬の楽しみだった。
0255文字
やま
新着
中谷兄弟を知ったのは高校生か中学生のときだったと思う。お二人の本を興味深く読んだのを思い出します。こうやって久しぶりに読んでも、色あせぬ文章に驚くとともに、自然の不思議さを改めて感じることができました。
0255文字
まみ
新着
琵琶湖の水の話、最近のことじゃないよね?っていうくらい70年前とかわってない
0255文字
黒豆
新着
雪の結晶に関する観察や実験室での再現、撮影の難しさに納得、その他、雪だけではなく様々な自然現象の解説がなされており、中でも卵を立たせる解析説明が興味深かって。このシリーズは古いエッセイの抜粋集約本だが、なかなか面白い企画。寺田寅彦さんのものは既にたくさん読んだので次は野尻抱影さんの「星は周る」を!
0255文字
まーぶる
新着
「雪は天からの手紙」の中谷宇吉郎の随筆。自然現象への感動、疑問、探究心。困難なことに見えてもどんどん突き進む姿勢がすごくエネルギッシュ。線香花火と琵琶湖の話が面白かった。当たり前と思わずに、しっかりと物事の本質を見抜くとこが大事。興味を持つものに、もっともっと貪欲にならねば、と思った。
0255文字
全45件中 1-40 件を表示
中谷宇吉郎 雪を作る話 (STANDARD BOOKS)評価80感想・レビュー45