形式:単行本
出版社:河出書房新社
形式:Kindle版
この凶暴な世界に私たち二人きりね――。自意識ばかり肥大した男と、自己卑下に取り憑かれた女の、世界で一番いびつで無残な愛。男を破滅に導く「運命の女」を描く、著者待望の第二作!
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ほうが不正確で不実であり、かと言って一切の沙汰なしでいいとも思われず、なんらかの手応えを求めて却って、いわゆる「神をも恐れぬ態度」となる。」僕の本性はここに露出されていて、報われない、救われない絶対的存在、敗者、というのがいるのだと物語全体で主張してくる。どうかそのことだけを覚えていてくれとでも言うように。人物描写力や会話のディティールの胸に突き刺さってくる、嫌な感じ、醜さ汚さ、弱さ、嘲り、見下し、みたいな地獄の描き方が凄い。これが『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』の人物造形力の下地になっているんだろう。
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