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幼児狩り・蟹 (P+D BOOKS)

感想・レビュー
7

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ehirano1
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標題作の「蟹」について。本作はただ蟹を探しに行く話。そう、ホントにそれだけだったような印象です。「蟹」が何かのメタだとは思うのですが、本編に蟹の死骸は登場しても生きた蟹がそもそも登場しないことに加えて、蟹は山に居るとかで、もうメタなのかどうかも疑問です。本編は芥川受賞作なのでわかる人にはわかると思います。私もいつの日かわかるようになりたいです。
0255文字
勇魚
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★★★★★短編6編。河野多恵子初読み。めっちゃ面白いし尖ってるし内容ヤバいし文それでいて文章は上品。読んでいて混乱するくらい。直接的な性描写はないのにふんわりとヤバめの性行為を書いてる(よね⁈)。「幼児狩り」女児が異常に嫌いで男児に異常に執着する女が怖いし内面描写や恋人との関係が面白くて目が離せない。「劇場」低身長の男性とその妻に執着し色々深みにはまっちゃう女。表現の妙に拍手。「塀の中」1944年、学徒動員の工場内での女学生たちの秘密。当時の女学生のリアルな描写と(たぶん作者の体験もあると思う)重い記憶→
勇魚

続き)がもう、破綻に向かうしかないだろと思ってイッキ読み。これは辛いなぁ。しかも男児に執着するのは作者の気持ちの投影なのかと考えちゃう(この1冊の他の作品もだし)。「雪」年より小さく幼い女性と母親との秘密。サスペンス風味で非常に良い。山岸凉子先生で漫画化したら似合いそう。「蟹」出ました男児に執着する女!海辺での蟹取り描写なんだけど内面描写がほんと上手いな。「夜を往く」仲の良い2組の夫婦のちょっと危うい関係をある夜の描写で表現する。上手いなー。作者、物語に自分の性癖ダダ洩れな感じするんだけど大丈夫だった?

03/24 16:48
0255文字
かめすけ
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河野多恵子2冊目。幼児狩り、蟹をまず読み、その他の作品は順繰りに。河野の作品はおおよそ、男児への執着(フェティシズムと呼べばよいのだろうか)、サドマゾ的な性行為、マジックリアリズム、母への恐れからくる嫌悪の組み合わせで出来ているが、どれも退屈することはなく、楽しんで読んだ。上記の要素を考えると異色なのが「塀の中」で、戦争を主題としている。子が死ぬところで物語が終わるのかと思いきや、ラストシーンには、これが戦争なのだとその現実を突きつけられるような気がした。男児への執着の場面になると、語り手が主人公を→
かめすけ

擁護するような偏りを感じる。それでいて都合が悪くなると突然主語を変えたり(幼児狩りのラストなど)する。「不意の声」の解説もこれを機に読み返したが、たしかに「女性のセクシュアリティ」が描かれているのではないな。じゃあ何を…というのもまだ私には分からないのであるが。引き続き別の作品も読みたい。

07/22 14:56
0255文字
西野西狸
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ネタバレ久しぶりに読むと、情景描写の丁寧さが解る。情景描写と偏執的な心理描写が巧みに絡まり合い、スイカや貝をほじくる指や男児の背中を掻く瞬間、汗などの生々しさが伝わってくる。異常性癖というよくこれだけの内容を冷静にしたためられるなと思う。「雪」は美しいはずの雪が死の過去と接続していき不思議な美しさと怖さがある。
0255文字
ましろ
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人の奥深くに巣食いながら、見えないふりをしているものをはらはらと描き出す文章にたちまち惹き込まれていった。執着、嫌悪、欲情、倒錯、夢想、嫉妬、羞恥、焦燥など、見え隠れする主人公たちの求めやその視線がときに異常と読者に映りながらも、歪んだ内面もまた人の日常としてどこか端々で通じる思いを呼び、感情の一端が自分の内にも潜んでいる心地になってくる。とりわけ「雪」は忘れ難い余韻がこびりついた。家族のかたちも変容してゆく過程も、人の仄暗い部分を鮮烈に描き、痺れた。人の抱く複雑に絡まる思いをこんなにも表現できるのかと。
0255文字
佐藤
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ネタバレ「劇場」が白眉。不用意な「鞭」という言葉のもたらす波紋と気持ちの昂ぶり。
0255文字
茅野
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鮮烈な赤
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幼児狩り・蟹 (P+D BOOKS)評価52感想・レビュー7