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「自白」はつくられる:冤罪事件に出会った心理学者 (叢書・知を究める)

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かもみーる
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本当は犯人ではないのに、犯人と断定されながら長時間・長期間におよび執拗な取り調べを受けるうちに虚偽の自白をしてしまい「犯人を演じて」しまう心理について詳細に記載されており、自分を不利にする嘘の自白をするはずはない、という一般論を覆す可能性のある状況や被疑者の心理は、確かに見落とせない側面が大きいと思わされる。 そもそも物的証拠がないのに自白に頼ろうとすることに問題があるのだが、本当に加害者であった場合はどうふるまうのかという比較データがあれば、虚偽自白かそうでないかのひとつの指針となりうるかもしれない。
かもみーる

大学時代に刑事訴訟法で冤罪にはとても関心が高くその後の動きを気にかけていたが、この本を読んでいる間に、袴田事件の袴田巌さんが再審で無罪判決が出たことで、ますます忘れることができないものとなった。冤罪を生まないためのチェック機能はもっともっと必要だ。今は昔よりは捜査手法の妥当性はあるはずだが、それでも間違うはずがない、ではなく間違うかもしれないから慎重に、進めるべきなのだ。そしてまだ再審請求が繰り返されている現状を鑑みると、再審法の改正は今すぐにも実現してほしい。

10/05 11:50
0255文字
ねり梅
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繰り返し自白してしまうとどうしようもないという話が出てくる。でも、自白をせざるをえなくなる状況もわかる。自白を読み解くという筆者の手法が実際の裁判でも使って貰えるようになってほしい。つくづく、元厚労相官僚の村木厚子さんはすごい人だなぁと思った。
0255文字
aochama
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虚偽自白に陥る心理的構造を分析するだけではなく、捜査手法の問題点、調書作成が都合よくなされること、それを疑わない裁判官、背景となっている精密司法への過剰なまでの信仰と脅威的な有罪率の呪縛という日本の刑事司法の闇を鋭く指摘します。 本当に悪い輩はいますので、厳しいアプローチは必要と思いますが、自白を極度に信用しすぎず、無知の暴露があった場合は慎重に取り組む余裕を持つ文化を作る必要を感じますね。 今も問題となっている痴漢冤罪も同じ構図があると思わざるをえません。
0255文字
とろんぶ
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冤罪事件に関して虚偽自白を分析した本。 参考になったのは,出来事を語る3つのタイプとして, Ⅰ:共同の語り,Ⅱ:聴取の語り,Ⅲ:伝聞の語り(噂話)を挙げ,虚偽自白をⅢに分類することでその危険性を述べていた部分。 実際の事件を題材にしているものの,データや実験といったエビデンスによって構成されていないため,エッセーとしてしか読めないが,今後冤罪を考えるうえで参考になる本ではある。
0255文字
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