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口訳万葉集(上) (岩波現代文庫)

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やいっち
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かの折口信夫が若き日にふるさと大阪の中学を辞職し、あてもなく上京。実家の送金も尽き、蔵書やきものを売り、友人に借金し……。友人にあの武田祐吉がいる。折口の万葉集愛(すべての歌を中学生にして諳じ、万葉集に出る山や川を知り尽くしていた)を知る武田は、折口に万葉集の現代語訳を勧める。
やいっち

折口の仕事を世に出したのは、最終的には国文学者の芳賀矢一の力によるとか。折口の恩師・三矢重松が知己の芳賀にたのみ、芳賀を推す文会堂の口訳シリーズに折口の仕事を入れてもらった……。

02/17 17:08
やいっち

口訳はただ楽しめばいい。朗唱すれは尚いい。文芸評論家・持田叙子の解説がこれまたいい。

02/17 17:11
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0255文字
古西 広之
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口訳万葉集(上) / 折口 信夫 令和の引用元を読んでみようと思ったけど、これは大変な読み物でした。 件の令月は後半に出てきます。「れいげつ」ではなく、「よきつき」とルビが振ってあります。 実に様々な人が短い歌の中に深い心情や感動を詠んでいることに驚き、現代より教養が高いように感じます。 どの歌も、さらっと読んで意味のわかるものがない上、ルビがなければ読めない言葉も多い、自分は外国人かと思ってしまう。 ただ、万葉言葉の優しさを感じ取れることだけは、日本人DNAのなせる技かも。
やいっち

「1381 広瀬川袖つくばかり浅きをや心深めて我(あ)が思(おも)へるらむ  ※「広瀬川」奈良県北葛城郡河合町の、曾我川が大和川に合流する付近に広瀬神社がある。この曾我川のことだろうといわれている。明日香川に近い。」 ……広瀬川というと、若い頃6年過ごした仙台を思ってしまう。ちと胸が疼いた。

02/19 02:02
0255文字
HH2020
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0255文字
飯田一史
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万葉集の歌全てを一人で現代語訳し、佳作・傑作には短評も加えた驚異の仕事。天皇を讃えた人麻呂や額田王の恋の歌などを、内容のみならず声に出したときの音律を軸に独自の評価を下す。
0255文字
都わすれ
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巻一から巻七まで。遥か古代に生きた万葉人の声を聞き取り、国文学者として、歌人としての優れた感性で情熱を傾けて訳された万葉の歌は、これによって今も多くの人々に愛され現在もなお、万葉人の声として生き続けている。折口は歌を自分の口頭で訳し生徒であった少年たちが聞き書き写している。古代人と神の声の響き合いから文学への道筋を探ろうとしたのだろうか。万葉人は言葉に言霊が宿ると信じた。自然がもたらす豊饒な農耕を予祝し、天皇を讃美し、相聞を大らかに歌い、悲しみの挽歌に沈み、旅と風景に想いを詠う。万葉人の心と口訳が美しく⇒
かごめ

「言霊」という語は好きですが、「言葉」自体も葉に例え、彩添えるもの、変わるもの、そして散りゆくものというニュアンスが含まれ深い語だと思います。今の、今までもですが、万葉集は遠くにありて思うもの、読むきっかけがつかずにいるので、都わすれさんの写真に添えられた和歌で垣間見ています。

11/11 19:36
都わすれ

かごめさん、ありがとうございます♪仰る通りだと思います。言霊という言葉はとても魅力的で深い言葉だと思います。古代人は呪術的にも言葉に神が宿るものとして、言葉を通して人が神と交感していたのかもしれませんね。万葉集にはそのような古代の世界観が覗えて面白いと思います。同時に万葉人も現代人も同じ人間なんだと実感します。ぜひ機会があれば万葉集や他の和歌集も手に取ってみてくださいね。

11/11 20:09
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0255文字
すいれん
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原文と訳文。するする入っていく感じがする。あらためて読んでいくと、熱愛や失恋、死別や別離、左遷されたり、いらいらしたりむかむかした、ほっこりしたり悟りをひらいたり。感情も環境もあんまり人間は変わらないんだなぁと思う。万葉集に限らず、和歌は自分の感情とリンクする瞬間が好き。以前文庫の全集が古本屋にあって、セット売りじゃないとダメだと言われ、なくなく諦めた事を思い出した。
0255文字
uru0H
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軽快で読みやすい。各地方の方言までは訳されず、とことどころ訳者の訛りが訳語に出ているらしいが読んでいて支障はない。時の流れを感じる歌もあれば、何千年も昔の人もこんなことを思うのかと親近感を抱かせる歌もあり想像以上に面白かった。俗っぽく云えば古代Twitter。最後に掲載される解説にもあるように、「文学ではない文学」。人々の笑いや泣き声がいまにも聞こえてきそうなほどに、歌一つひとつは暮らしのなかで生まれる活力で満ち溢れている。ときおり訳語末によせられる訳者自身の歌への評価にも注目してみるといいかもしれない。
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