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謎の漢字 - 由来と変遷を調べてみれば (中公新書)

感想・レビュー
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ひよピパパ
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現存する謎の漢字について解説する。地名としてその漢字を使っていたことがその理由との由。勉強になった。ただ、調べてわかるまでの過程がクドクドと書かれていてやや苦痛。グッと圧縮した密度の文章を求めたい。第三部科挙の話はとても有益。漢字と科挙にまつわるいろいろなエピソードが紹介される。清の雍正帝の治世では「維民所止」を出題した試験管が皇帝の頭を切り落としているとして処断されたとか。同じような言いがかりは日本のどこかでも聞いたような。漢字文化圏のもつ悲哀とでも言えようか。
ネギっ子gen

ひよピパパさん、日本の言いがかりといえば、わたしは、家康が鐘の銘(国家安康)に難癖をつけ、秀頼を開戦に追い込んだ方広寺鐘銘事件を想い出しました――

12/29 09:35
0255文字
時短
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珍しい漢字、誤字正字と科挙、市川海老蔵の三章構成。謎のjis漢字は地名にあるから登録され、人名漢字は網羅されていない。国字が方言漢字や粁(キロメートル)、ネタで作ったような漢字まで幅広い。瓦版に人徧に焼でこんがりとかあったなと思い出す。誤字は現代が一番厳しい様子。昔の拓本とか見ると木篇を跳ねてたり漢字のバランスが違ったりはよくある。正しい文字と歴史と書道は乖離する。
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ちんれん
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今週の通勤中に読んでいた本。読めないような漢字について、なぜ残っているのかは、地名に使われているからで、地名や漢字の由来などが書かれていた。市川海老蔵の件は興味がなく飛ばし、科挙での漢字試験の変遷については、拾い読みした。一度忘れて、所蔵していた事を思い出して再読したら面白い本だった。
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siomin
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漢字の研究者による漢字についてまとめた新書。総花的でいろいろな要素が集まった本ではあるが,漢字は決まりきったものではなく,時代や場所,書体や個人の書き方によって異なるというのは共通しているかなと思った。そのため,「漢字の書き方はこれで決まり」と言い切ったり,漢字テストでとめはねはらいにこだわって採点する意味の無さは重要です。最近,令和の令の下部を「マ」にしたため漢字テストで誤りとなった例があるらしいですが,この本を読んで考えを改めていただきたいものです。
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nata
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私の興味の問題か、地名由来の漢字、海老蔵か鰕蔵かの章は面白く読めたが、科挙での漢字の採点基準の話はブツ切りの感があって頭に入ってこなかった。漢字の専門家なのでさぞ字形に厳しいかとおもいきや、むしろ歴史的には手書きを前提として細部の違いは認められてきたものである、という意見は意外だった。国字や地域字など漢字使用の実際についても書いている著者ならではかもしれない。
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じゅんこ可汗
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大学で東洋史を専攻していた学生時代、漢文をレポート等で引用する際に、よくこの漢字がパソコンで入力できたなと思うことがたまにあったのだが、そうした漢字が地名由来でJIS規格に採用されていたとは初めて知った。後半の科挙の部分も面白かった。たった漢字一文字で超超高難易度の科挙の合否が揺らぐこともあったとは恐ろしい。先人達の漢字に懸けた情熱は、我々の想像を絶するものだったのだと思い知った。
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眉毛ごもら
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漢字の書体異字体について、JISや常用漢字の採用基準や科挙の手書き答案の正誤について考察する。何でこんな漢字が外字じゃなくて変換に出てくるんだと思ったら地名であったゆえに採用されたという逸話や書体による止め払い点や線の違いについてなど解説されている。手書き時代の表記の揺れはかなり本場中国でも大きかったらしくこれが正しい漢字辞典!が濫造されるも本によって違うとか受験生まじ困る案件もあり大変だなと。最近話題のテストの採点で問題になるのは科挙レベルかそれ以上の厳しさで見ているような…。歴史的には案外自由だった。
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シンショ
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なかなか難しい文章であったが著者が主張したい本質的な部分は理解できたと思う。「海老」と「蝦」の違いは何となく立派そうな「海老」に対し、小さな「蝦」というイメージを持っていたが、それをトコトン突き詰めていったのには著者の執念を感じた。以前から書き順やトメ・ハネの違いで「×」をつけることに疑問を持っていたので、そこを指摘してくれたのは良かった。
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AshMarioh
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ネタバレ漢字も言語のひとつであるため、時代の変遷とともに様々な表記のブレが生じることは、今の若者言葉と似た性質であると感じた。「耳で聞いても分からないが、表記を見ると違いが分かる」ということが表意文字ならではの醍醐味ではないだろうか。
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球
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JIS漢字の選定において地名のみが重視され姓名は無視されていた。確かに、なぜパソコンで入力できないのか不思議に思った文字があったのでなるほどと頷けます。外国人がテレビ番組でそこでしか使用されていない漢字を田舎に探しに来たことがありましたね。 海老蔵と鰕蔵の違い、科挙並びに中国の歴史上における漢字表記のブレも面白かったです。あまりにも細かい、それも理由すらない文字のとめはねはらいに線の数等の中である一つの書き方を絶対視することは文字の本質を見失わせてしまう。手書きの減った今だからこそ再考したい話でした。
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あんどうれおん
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熱心な調査と渉猟とに裏付けられた知識をお持ちの先生による著書であることは分かりました。次の機会には、積み上げた知識の方を伝授していただけるものと期待しております。
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なかやま
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三章構成で3本の小論文の寄せ集めのような本。第一章はあまり使われない漢字がJIS漢字に採用されたのは小地名に使われていたのをしっかり拾い上げたからという話で、第二章は表記揺れを辿った話。第三章は字体にこだわる日本の漢字教育に対して、科挙の例を挙げながら苦言を呈した内容で、本書の中で特に面白い。ただ全体的に事実の羅列感があった。
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いろべると
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双子のライオン堂による在庫整理本その5。くどい。
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不健康運動
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JIS漢字、『鰕』、科挙と、様々な角度から漢字について研究がなされていて、非常に興味深かった。 異なる3つの話題が1冊にまとまっていることに違和感を持つ人もいるであろうが、この1冊で古代から現在に至るまでの日本、中国における漢字の実態を学ぶことができるのが、本書の強みであると思う。 また笹原先生自身、漢字のとめはねなどを過度に気にする近年の国語教育に異を唱えているが、本書を読んでその論拠をよく理解することができた。 先生の著書を網羅することはできてはいないので、今後もいろいろと読んでいきたい。
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はっちー
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漢字にはデザイン差があり、寛容的でない人は少しでも違うと許容しない。しかし、それは本質的なものではなく、読む人に正しく伝わるかが大事なことであり、伝わらなければ意味がない。
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雲をみるひと
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漢字の変遷について、書き方、文字に焦点を当てて解説したもの。頭に入りやすいとは言えないテーマだが、各論アプローチのため想像しやすい。興味を持ちやすそうなテーマを取り上げた前半部は読ませる工夫を感じるし、後半の科挙についての章は迫力がある。
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でね
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令和の「令」の字をどう書くか、で既に問題になっていますが、表記ブレは科挙の時代からあり、昔はそれなりに正しいとされてたものがある…と。「正しい漢字」なるものの権力との関係も思わせるとこありだった。まぁ後半部の科挙の話は馴染みがなくて斜め読みしましたスミマセン
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金監禾重
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3章構成。1章が表題どおり。漢字は本来的にパーツの組み合わせで無数に新字を生み出せる。膨大に生み出された新字や別字(別表記)がJISという統一規格制定時に選別され、多くが消滅することになったが、地方で方言的に生み出された地名用新字が、地名であったがために生き残ることができたのが面白かった。それも市町村合併や住居表示、人口減少による廃校等で消滅しつづけている。 2章は日本人が漢字にイメージを付加し、使い分けルールが発展したという話。
金監禾重

3章は漢字の「正しい」と「誤差」と「誤字」の話。シナの長い歴史で漢字は多数のバリエーションが生み出され、科挙ですら許容と排除がゆらいできた。科挙で論文の内容だけでなく、文字の些細な違いや書の美しさを評価に加える目的を見失った形骸主義は現代日本に通じる。学校教育で、些細な漢字の表記法の違いをあげつらい、誤りと扱う例は多い。漢字教育する(人の書く漢字に口を出し、矯正する)立場にあるものは、本書の3章を読んで、自分の指導が適切か考えてほしい。

12/27 09:32
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koba
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ネタバレ嫐(うわなり)、嫐迫(わらんざこ)、麴町(こうじまち)から、海老蔵※鰕蔵など歌舞伎や地名など謎の漢字についての本。新たな発見があり楽しめた一冊。
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in medio tutissimus ibis.
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漢字に「絶対」はない。過去様々な理由によって常に字形が変化させられたり、新たな使い道が産みだされたり、制限されたり、仮借されたり……多くの変遷があったのだから、今日日は変えては罷りならんというのもおかしな話である。全く別の字になったり読み間違ったりしさえしなけりゃ、止め跳ねだのについて口やかましく言う事はない。その点は実に中国の科挙などという字画が厳しくみられる場でもそうだったのだから。漢字学者の実にプラグマティックな漢字への態度は、しょっちゅう書き順間違いを指摘される私を大変に勇気づけるものだった。
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よしおか のぼる
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表題は第一章のみ。全三章なのだが、互いに関係性がほぼなく、書きたい事を羅列しているだけ。後に行けば行くほど、衒学的で「調べた事を書きました」感が強く、新書としては低級。
ひよピパパ

同感。的を射た指摘だと思いました。

12/28 22:13
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かごむし
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漢字を専門にする学者が、ちょっと気になったことを調べてまとめてみました、というような本。この、ちょっと、の中にものすごい時間と情熱と労力が注ぎ込まれていて、調査結果だけでなく、調査のための思考や方法についても丁寧に記述されており、このテーマに興味があまりない読者にも、読み応えのあるものになっている。ふとした時に疑問に思ったこと、興味を持ったことを、調べてみなよ、研究してみなよ、それはとても楽しいことだから、と著者に呼びかけられているかのようだ。もちろん漢字の持つ歴史と文化の豊かさも感じ取れるよい本だった。
かごむし

あ。いえいえ。なんか変なプレッシャーにしてしまったらすいません。読みたい本は、気が向いたらでいいんですよ。読みたい時が読み時です。はい。

04/03 12:43
Ayumi Katayama

大丈夫。プレッシャーなどないです(笑)。

04/03 20:26
6件のコメントを全て見る
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アメヲトコ
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漢字に関する3つのお話。第一部はJIS漢字の採録基準と小地名との意外な関係が面白い。第二部は歌舞伎の海老蔵・團十郎の用字についての俗説の検討。Wikipediaの記述を本気で原典から検証する過程が読みどころ。第三部が最も読み応えがあり、中国における漢字史といった趣。字体には案外ゆれがある一方で、科挙ではときにものすごく細かい書法へのこだわりがあったりするところが一筋縄ではいかない感じ。私は簡体字の醜さを憎みますが、あれはあれで清朝末期の極端な形式主義への反動でもあったのかなと思ったり。
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かっぱっぱ
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タイトルにあるように、歴史的な書物から漢字の由来と変遷についてまとめたもの。結局、本来はねないはずのものがはねるのはよいのか、悪いのかは答えがないのだろう。漢字は難しい。 ちなみに、途中でWikipediaからの引用があることが気になった。
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わたぼう
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★5/10
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魚京童!
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JISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJISJIS この人〄のまわしもんだよ。ひっとらえー!って感じ。
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犬丸#9
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★★★★☆  最初半分は現代日本に残る,文字通り謎の感じのお話。後半は漢字を巡る壮大な歴史絵巻。字間に,著者の,漢字に対する余すところなき情熱が詰まっていて,なかなかに楽しい読書時間であった。通勤時間のつまみ食いでなく,じっくり向き合って読むべきだったと反省。
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田中峰和
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漢字発祥の地、中国は50年から簡体字が制定されたが、輸入国の日本の方が漢字の伝統は残っている。戦後、日本でも当用漢字を導入したが、無理な制限は従来使っていた漢字を仮名表記にするなど、不便を強いられた。ところがJIS漢字規格のお陰で6300字という膨大な漢字が使用可能になった。特殊な漢字も地名表記の採用という動機で救われた。JIS漢字規格は地名だけではなく、医学や歴史学、魚介類などの表記にも貢献。名字も地名のお陰で入力できるようになったが、地名の無かった草彅剛のなぎの字は文字化けなどいまだに不便を被る。
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takao
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ふむ
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kiyochi
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日本人は魚偏の漢字を好むが、中国、韓国では見られない現象である。JIS漢字を編纂する過程で、国土行政区画総覧という地名資料を唯一の根拠としてJIS第二水準に採用された漢字が200字もあった。初代の海老蔵は幼名で、本当は蝦蔵であり、武田信玄の紅い鎧からとった。漢字に意味やイメージを読み取ろうとする気質は中国よりも日本が強い。明朝体は、明代において通俗書を好む読者層むけに版本の印刷用の書体である。
0255文字
かわくん
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漢字の書き順などで苦労したが、漢字の表記がかなり揺れたということが分かり少し安心した。かなり難しいと思われる中国の科挙の試験も、受験者はそれなりに多くの勉強をしたが、表記の揺れのおかげで採点者の評点も揺れ動き、試験結果に影響したという。昔は文字を筆で書き写していたため、かなりの表記の違いがあるという。しかしコンピューターでのフォントが普通になった現代、そういうことは無くなるのだろうか。
0255文字
onepei
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エビ蔵の使い分け?が興味深かった
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さくは
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地名からJIS漢字に採用された珍しい漢字。市川團十郎の海老蔵・鰕蔵・蝦蔵の表記について。中国の科挙における誤字、字体の歴史について書かれている。
0255文字
てつ
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仕事柄漢字は常に悩みの種。変換できなかったり適切な漢字がわからなかったり。そんな成り立ちを丁寧に説明してくれている。良書。地名と絡めると自分の興味にぴったり。再読ありかも。
0255文字
arere
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三章の科挙の歴史がよい。 漢字の字形を決める字典。書写では誤写による異体字の発生。試験では止めはねなど、細かいことにこだわらないなど。
0255文字
アル
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一人の研究者の、研究過程を丁寧に辿ることができる一冊。自分は中国全く詳しくないので、無知さゆえに三部で一気に読むのが難しくなってしまったのは少し(自分が)残念に思える。
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ふみ乃や文屋
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漢字には揺るがない決まった書き方がある、と思っている人は多い。硬直した漢字教育の影響だが、現在我々が書く文字とて漢字史の流れの一点である。現在通行している常用漢字は書き方の目安であり、絶対ではないし、あくまで支配者の都合である。止め跳ね払いが違ったところで、一般市民の生活に差し支えはないのに、細かいところを気にしてなんだというのか。漢字は自由なのだ。
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曲月斎
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肩肘張らずに読むと楽しい。漢字に魅せられて、享受の歴史を辿れば、という随筆だからだ。中国に発し、日本に渡ってきた文字体系がどう受け止められてきたのか。地名に残る国字、或いは作字の山。JIS水準漢字のコードを決める作業に携わった筆者には感慨深いものがあろう。また、5代目團十郎が名乗った「鰕蔵」のエビの字。海老でも蝦でも蛯でもない。江戸期の爛熟した文化が背景にある。そして科挙の制を通じて筆記の際に変転する字形、書体で甲乙を付ける愚かしさ。研究というのはこういう風に目線を上げたら楽しい、と説いている1冊。
曲月斎

本書を次に読む人へ。「おわりに」を先に読むことをお勧めします。漫筆のような展開の中、全体像がなかなかにつかみにくい1冊だから。読むのに時間がかかりました。

06/09 23:16
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ひじき
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漢字の様々な謎を解く本…だと思って手に取ったのだけど、それ以上に「研究ってたのしい!!」っていう本になっていて、それはそれで面白い。3つのトピックはあまり関連なく独立した内容だったので、繋がりが見いだせるとよかったかも。
0255文字
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